佐藤健太郎(ライター)のレビュー一覧
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人生で赤点を取った最初で最後(だと思う)の科目。何でも計算や記号で片付ける。授業中は意味不明すぎて、ずっとしかめっ面。
私にとって化学は相容れないどころか目の敵でしかなかった。
あれから10年。本書を手にとったのは、克服やないけど生活の中の「化学」くらいは知っときたかったから。
ポピュラーサイエンスと書かれているだけあってまぁまぁ読み易かった。数ある元素の中でも炭素ってどんな元素にも結びつけて化学式もごまんとあるらしい。ここではそんなオールマイティな炭素にちなんだ身近な物質(砂糖・ニコチン・エタノール等)の誕生を世界史と織り交ぜて紹介しており、文系人間(私の場合文系に逃げました人間)が読んで -
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地球の地表面(海水、気圏も含んで)における元素の重量比において、炭素の占める割合はわずかに0.88%だという。
クラーク数上位は、酸素、ケイ素、アルミニウム、鉄と続くが、炭素は14位。
そんな炭素は生命にとってなくてはならない元素であり、ありとあらゆる化合物を生成して、役に立ったり立たなかったりしていることがわかる本である。
例えば、
芳香族化合物はなにやらいい香りがしそうだが、糞便臭の元であるスカトールもこの一種。
プリン体はDNAを構成するアデニンとグアニンに含まれている。
尿酸の存在下では神経細胞が死ににくい。
などなど
食物しかり、ニコチンやカフェイン、アルコールなんかもそ -
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サブタイトルは「人類の夢をかなえる最新研究15」とあり、「不老不死」になれるか?、「やせる薬」を作ってください、「花粉症」を治せますか、「若く美しく」してくださいなど身近なテーマが取り上げられている。
化学と言う理系でもない限り進んでこの分野の本を読む気がわいてこない。そのため、サトウ博士とサトウ博士の妻ショウコさんの会話を中心にして展開している。特徴のある人物を出して化学についていろいろ取り上げた方が読者としてはついて行きやすい。
読んでいてびっくりしたことがある。それは、あの黒光りするゴキちゃんのメスは、たった1億分の1のグラムのフェロモンで、街中のオスどもを引き付けることができる -
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『小説宝石』の連載から新書化された化学の話15コ。博士と奥さんの対話形式で非常に読みやすく,ネタも薬や調味料からエネルギー問題や宇宙やドラえもんまで幅広くて楽しい。
著者はちゃんとした化学ライターなので,世間に流布する科学的に怪しげなことをきっちり怪しんでいるのも大事なところ。例えば最近話題の?血液クレンジングについてはこんな感じ。
"オゾンを血液に混ぜると健康になれるという論文は…見当たらないね。オゾンは反応性が高いから、血液の重要成分が破壊されるはずで、いいことがあるとは思えない"
"インチキと断言はできないけど、化学者としては、こんな健康法はとても受ける気は -
- カート
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試し読み
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本書は2010年科学ジャーナリスト賞を受賞した著書であり、著者自身が、医薬品メーカーの研究職の経歴があるため、業界裏事情を本音で書いた巧著である。
全世界で78兆円の市場の医薬品業界。
1位がアメリカで42兆円、二位が日本で7兆円。
凄い金額が動いている業界である。
日本とアメリカの違いにビックリするのは、日本の薬価は公定価格として、国が決めて税金や健康保険から支払いする仕組みで、基本は公金から得ているので、安定しているかと思うが、そうではなくて、二年ごとに平均5~7%ほど下げられる。一方、アメリカは薬価は自由に決められる。いい薬ほど高くて貧乏人は払えなくて、亡くなってしまうという。
医薬品メ -
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<目次>
第1章 国道の名所を行く
第2章 酷道趣味
第3章 国道の歴史
第4章 国道完走
第5章 レコード・ホルダーの国道たち
第6章 国道標識に魅せられて
第7章 都道府県道の謎
第8章 旧道を行く
第9章 深遠なるマニアの世界
<内容>
著者はサイエンスライターの第一人者らしい。が、この本はそことは似ても似つかぬ「コアなマニア」の本。そして、過去にあまり新書では出されていないテーマのためか分厚い!たぶん著者は国道に関することは(走りとしては)描き尽くしたのではないか?これ以上は、マニア同士でツィッターなどで語ってほしい。
とは言うものの、大変面白かった。「酷道」は知っ -
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化学物質が歴史に果たした役割について、生命、心、エネルギーの分野でまとめている。
炭化水素は油のような性質になるが、酸素や窒素が加わると分子内の電荷の偏りによって水になじみやすくなる。炭素と酸素や窒素との結合は離れやすいため、反応性が高い。
香辛料の多くは、フェニルアラニンが変換されてつくられており、ベンゼン環に3炭素程度の側鎖が付いた構造をしている。
江戸時代の薩摩藩は、奄美や琉球で生産された砂糖を大坂で販売し、その資金で蝦夷地の昆布を買い付けて大陸に売り込むことによって、巨額の利益を稼いだ。
ニコチンは、神経伝達物質のアセチルコリンと同様の作用を演じるため、神経の働きを活性化させる