佐藤健太郎(ライター)のレビュー一覧

  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    傑作である「スパイス、爆薬、医薬品」にひけを取らない良書。海外経験のない日本人研究者がこれほど読みやすい文章を書け、俯瞰的視点が持てるとは驚き。
    ・イギリスは阿片の自国流通は厳しく規制
    ・狩猟時代の1日の労働時間は3時間程度
    ・人体が甘味を感じる仕組みは謎。各種甘味料の構造式に共通点無し
    ・将棋の「桂」はシナモン「香」はナツメグ、クローブ
    ・タバコ擁護論者は他では論理的だが、好きなものに対するバイアスが多大にかかっていて、ニコチンに操られているかのよう
    ・400リットルのウィスキーには樽由来成分が2kg近い
    ・チンパンジーに貨幣経済を教えると売春、強盗が発生する
    ・石油の由来について、無機起源

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    2014年08月21日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    化学の知識無しでOKな楽しい読み物。作者の意図の通り化学への関心をそそり、かつ人の業を感じるような内容もちらほら。勉強になるわけではないけど良い読書体験が出来る

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    2014年03月10日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    食べ物にしても、着るものにしても、住むところにしても、そして僕らの体も、あらゆるところに炭素化合物がある。炭素なくして文明は発生しなかったし成立もしない。本書は、炭素からなるいくつかの物質が、それぞれどのように人類史に関わってきたかを説く。この手の話は好きなのだ。人類最大の友・エタノールだとか、世界を制した合法ドラッグニコチンとか。僕は喫煙習慣がないが、これを読んだらタバコを吸ったほうがいいかもな、などと思った(本書は断じて喫煙を勧めてはいないが)。しかし、章ごとが物質で区切られていて、文明を築いていく俯瞰という風にはなっていないのが残念。とはいえ、物質毎の人類へのコミットぶりは愉快でもあり悲

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    2014年02月25日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    2014/02/18
    都市伝説とか陰謀論的な話じゃなくてよかった。
    製薬は相当難しいこともよくわかった。、

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    2014年02月19日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    面白かった。
    地球上にほんの僅かしかない炭素が、むっちゃ影響力持ってることが良く判る。
    炭素化合物が人に取ってどの位大切なのかはまあ普通として、それぞれの化合物が、歴史を動かして来た視点が良いのだ。
    ただ、難点はタイトルで、読めばなるほどかもしれんが、タイトルから内容の面白さが想像し辛く、もうちょっと売れるタイトルにしてあげたら良かったのに。

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    2014年01月11日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    研究者としての経験も交えた創薬のお話。基本的なことから要領よくまとまっていて有益。4年ほど前の本で,来るべき2010年問題について詳しいけど,そういえばあの危機の顛末ってどうなったんだろ?
    20世紀に比べて新薬開発が厳しくなってきてるのは確かなよう。昔から製薬会社では,ほとんどの研究者は一つも新薬を作り出すことなく終わるということだったが,作れる薬は既に作られていることや,既存薬を超える優位性が必要になってきたこと,副作用への警戒などからさらにハードルは上がっているらしい。三つの新薬を世に送り出した伝説の研究者による講演が,時代遅れもいいところの期待外れだったというエピソードが印象的だった。

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    2013年12月30日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    今や何するのもリスク、リスク、リスク。対策、対策、対策と。
    世の中息苦しい。
    そしてリスクは、誰かが口に出した途端、抗し難い強制力を持つ。しかし、それが定量化されてない以上しょうがない側面もある。

    本著ではリスクはまず、「あるのかないのか」(定性)、「ある場合はどの程度のものか)(定量)を判断し、そして「ある場合」においても、その確率と影響度合いについての見極めが必要というお話を展開する。
    もう確かに仰る通り。
    (でもその定量化が難しいんだけどね)

    そして我々がどのようにリスクを見誤る傾向があるかについて、本著で触れている。これは是非必読レベルなんでオススメしたい。きっと時間とか金とか、そ

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    2013年06月03日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    確証バイアスについて知りたかったので、ネットで検索したところ本書がヒットした。内容的には少しずれるような気がしたが面白そうだったので読んでみた。
    人はなぜリスクを読み間違えるのかというテーマのところで、確証バイアスが出てくる。
    確証バイアスとは、本書でも引用されているユリウス・カエサルの言葉「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ようとしないものだ」に集約されていると思う。
    また、孔子の「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」という論語の一節を引用している。
    つまり、「正しい知識を身につけた上で、考えろ」ということだが、
    この正

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    2013年05月23日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    2010年問題をはじめ、医療用医薬品の現状と今後を述べた内容。
    利益追求とその果たす役割の大きさとのバランスをとる難しさや、
    副作用問題、動物実験の問題、医療費の高騰等、
    製薬業界の持つ特異性が改めて理解できる

    人間の寿命を延ばすことが必ずしも社会貢献には繋がらないとあった。
    全体で見ればその通りだと思う面もあるが、
    個で見た場合は大きな貢献になっているのも事実。

    製薬関連に勤めるビジネスパーソンには是非読んで欲しい一冊であり、
    業界の責任の大きさを理解しておく方が良いと思える。

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    2013年04月27日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    第7章「改めまして、放射能基礎講座」だけ読んでも価値がある内容。なんとなく不安という人もなんとなく大丈夫だろうという人も読んで欲しい。化学物質門外漢の自分としては佐藤さんの著作は目から鱗っぱなし。ありがたい。

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    2013年04月04日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    2011年問題をはじめとした製薬企業が直面している諸問題を紹介している。
    業界のことがよくわかって面白かったが、特に有機合成分野の低分子医薬品は随分先が暗い印象だった。


    著者も最後に述べていたが、これ以上の病気の駆逐に意味があるのかといわれれば確かに疑問ではある。
    産業として今後も需要があることはわかるが、人類全体の利益になるかどうかはわからない。


    あくまで合成分野から離れないで、製薬以外に面白い職はないか探してみたい。

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    2013年03月22日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    はじめに
    第1章 人はなぜ、リスクを読み間違えるのか
    第2章 「天然」大好き、「化学」は大嫌い……の罠(――真実はグレーの中に)
    第3章 ゼロリスク症候群という罠――メタミドホス禍から学ぶ
    第4章 「発がん」の恐怖――という罠
    第5章 「狂った油」「血液ドロドロ」の罠――トランス脂肪酸について、ひと言
    第6章 善意の砂糖玉・ホメオパシー――代替医療(疑似科学)の罠
    第7章 「改めまして、放射能基礎講座」――放射能の恐怖、という罠
    おわりに

    【ポイント】
    7/現在,企業の花形部門といえばコンプライアンスを扱うCSR部だ。
    しかし,これは本来,会社の利益を生み出す部門ではな

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    2019年01月06日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    医薬品業界はギャンブルのようなものとよく聞くが、それがとても、わかりやすく説明されていた。研究リソースをつぎ込んでも成功がいかに少ないか。近年ますますその傾向が増しているか。
    以下のことも勉強になった。
    医薬品の歴史が「天然化合物(発酵創薬)」「低分子医薬品」「高分子医薬品」という変化を経てきていること。
    そもそもの医薬品の仕組み(ターゲットとなるタンパク質の働きを阻害する)について。

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    2013年01月13日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    いい・悪いは別にして、近頃の自分の中のテーマが「懐疑主義」になりつつあるこの頃。
    こういうテーマの本ばかりになってしまうのも仕方ない、と思いたいです。
    思考が偏っているとは言いたくない不思議。

    ・「リスク」という概念と、それがいかに正しく評価されないか
    ・「天然」と「人工」のイメージ格差
    ・放射能に関する基礎知識とリスクの考え方
    ざっくりまとめると以上のような内容が記されています。

    科学者の方の目線であるため、数字や化学知識が多く出てきて、私のような文系人間には難しいです。
    しかしそれを差し置いても、色眼鏡をかけないで物事を評価する姿勢が真摯に伝わってくるために、がんばって読み進めようとい

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    2012年12月30日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    リスクとベネフィットの関係、自分で責任もってリスクを取らないと、世の中渡って行けない。ちょっとしたリスクに目くじら立てて、普段は目を瞑っているのにいざとなると「他人の」責任ばかり追求する、自分が無謬だと信じていたい、無謬でいれば傷つく筈がないと疑いもしないのは間違っていると思ってるので、読んでみた。

    具体的にあれはこれはと言うところもあって、想定内だが、何となく、一方的にこっちばかり読んでると却ってトンデモな香りがするので注意かね。

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    2012年12月08日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    リスクの読み違えは確かに自分もしている。

    天然物至上主義は根本的に誤った認識。
    そもそも人間に食べられるために生きている植物は一つもない。
    むしろ食べられないために
    様々な天然の毒物を作っている。

    化学物質拒否も誤っている。
    身の回りのもの全て化学物質。

    人体も女性ホルモンや男性ホルモンなどなど発がん性物質を生産している。
    発がん性物質はありふれている。
    特定のものだけ忌避するより
    バランスの良い食事を心がけたほうが賢明かもしれない。

    中国食品の健康被害リスクは、
    母数(輸入量)が多いので実際のリスクは
    他の国に比べても高くない。

    1万分の1のリスクは許容するように考えてはどうか。

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    2012年11月23日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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     類書でも口が酸っぱくなるほど言われていることを再確認。著者は化学が専門と言うことで,化学の話題が例に多い。メタミドホス,エコナ,トランス脂肪酸…。
     ホメオパシーや放射能についても取り上げてる。特に放射能については,基礎から詳しく説き起こしていて,何も前提知識がなくてもここ(第7章)だけ読めば,それなりに正しい知識が身につきそう。良本。

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    2012年11月21日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    リスクを感覚的ではなく
    定量的に把握することの
    大切さを実感。
    マスコミに踊らされず
    自分で調べ考えるように
    しよう!

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    2012年10月12日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    自分としても、世の中の風潮になんとなく疑問を持っていたので、その題名を見て思わず買ってしまった本です。著者の得意とする化学の観点を中心に世の中のふわっとした過剰なリスクに対して疑問を投げかけています。書かれていることが100%信頼できるかは私の能力では判断できませんが、その視点・観点という意味ではとても参考になると思います。上手なリスクをとれる人間になりたいものです。

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    2012年10月09日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    大自然はそれほど優しくない
    「化学」に怯えすぎ、「天然」に期待しすぎ

    言われてみれば・ちょっと考えてみればその通り・・・。


    ゼロリスクの幻を追うのではなく、成熟したリスク認識を

    これが本当に難しい・・・。

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    2012年09月27日