加納朋子のレビュー一覧

  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    小・中学生が読むなら十分面白く、文句なし。エンタメ小説として、合格だと思う。
    社会の問題を告発する小説としては不十分。
    パックは知能、体力共に優れた子どもだから、大人の力を借りなくても、健康な限りは生きていける。
    でも大多数の無戸籍の子どもはそうじゃない。だから、パックのように自由に生きることはできない。
    普通の子どもにとって、親の世話にならず、気の合う友達だけで暮らすのは、叶わぬ夢であり、そういう意味では、子どもの希望を満たす物語である。フィクションの世界では、それが可能であってほしいという切なる思いを叶える小説であることは評価に値する。
    近頃、地方を舞台にした小説でも標準語で語らせるものが多いが、自然な北九州弁でリアリティが増していることも評価したい。

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    2015年08月17日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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     小学生時代の魅力ってなんだろうか。探検? 自由? 友情? それとも……?
     「夏休みの思い出」に代表される不思議な開放感。小学生は探検していた。小学生は自由だった。小学生は友情を育んでいた。何もかもが懐かしく、そして今なら羨ましくさえ思う。インドア派で、都会育ちの僕でさえ、そう思う。

     『ぐるぐる猿と歌う鳥』には、あの小学生のころの思い出がたくさんつまっている。「ああ、こんなことあったなあ」、「ああ、これが小学生時代の魅力か」。本書を読み進めていくと、きっとたくさんの懐かしさに出会うことができるだろう。「かつて子どもだった人へ」という売り文句は、あながち間違いではない。

     しかしその一方、単なるノスタルジーに陶酔させるだけでないのが本書の巧みなところである。「解説」のなかで大矢さんは、本作を「カプチーノ」に喩えている。「カプチーノはミルクだけでできているのではない。その下には濃いエスプレッソがある」。「子どもにはきつい、けれど大人ならその意味をちゃんと考えることのできる苦み」。
     理想的な小学生の暮らしの中に垣間見える「苦い」現実。あの時は気づかなかった、あるいは気づけなかった。けれど、今から思い返せば、あの探検にも、自由にも、友情にも、そんな現実は付いていたのではないか。甘いミルクの下には、苦いエスプレッソが潜んでいる。


    【目次】
    ぐるぐる猿と歌う鳥
     プロローグ あるいは、物語の前のひとりごと
     第一話 ぐるぐる猿と歌う鳥
     モノローグ
     第二話 図書室の暗号
     モノローグ
     第三話 社宅のユーレイ
     エピローグ
    解説 大矢博子

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    2015年08月14日
  • 月曜日の水玉模様

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    軽妙でテンポのよい連作短編集。
    出てくる人物がみんな善人ばかりでほのぼのとします。
    すごく爽やかで清々しい読後感。
    楽しく明るい気持ちで読めました。
    私は特に、ほんのちらりと姿を見せては飄々とした笑顔の影を残して消えてしまう相馬さんの過去とこれからがとても気になります。

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    2015年07月16日
  • 月曜日の水玉模様

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    気軽に読める日常ミステリー。
    陶子の勤める会社の男性の女性への対し方とか満員電車のこととか謎とは関係なく共感してしまった。
    萩くんの好意に陶子があっさりで、予想外だったけど、これはこれでよし。

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    2015年04月23日
  • 月曜日の水玉模様

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    ライトな連作ミステリ。主人公は賢く、子どもっぽいこだわりを見せることもあるが、最終的にはものすごく大人である。もう少し知りたい、気になる、という際をさらり流してゆくことで、あっさりと読みやすいものになっている。
    面白かったが、解説ほど深遠ものは読み取れなかったなぁ。解説がごてごてしすぎると逆に冷める。

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    2015年04月17日
  • コッペリア

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    ネタバレ

    人物のみでなく時系列までがごちゃまぜ…しっかり騙されました。
    ストーリー自体にはそれほど惹かれなかった、まゆらドール自体の凄みとかがもっと伝わってくるとよかったと思う。

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    2015年02月15日
  • 月曜日の水玉模様

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    i got a keyword, polka dots, on lengthwise and crosswise of the index. Gone With the Wind? noop! it's Gone With the Bell! hum, SUSHI? i'll treat you to the special sushi dinner. you will get dizzy when you take it. oh, my fault. the dishes get dizzy ww.日本フィクション

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    2015年01月05日
  • 螺旋階段のアリス

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    探偵ものと『不思議の国のアリス』がどう結びつくのかと思ったら・・・こうなるのか。
    日常系の事件なのに、どこかファンタジーっぽい印象を受けるのは書き方が巧いからだろうなぁ。加納朋子さんの文章、好きです。

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    2014年12月01日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    シンの記憶の中の女の子。転校先でであったパックという不思議な少年と彼を守る子どもたち…。
    大人が知らない子どもの世界。でも現実(=大人の世界)はそこにあって・・・。ちょっと切ない物語。

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    2014年11月16日
  • 螺旋階段のアリス

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    アリスファンではないし、ルイス・キャロルもそんなに読んでないので、アリスのフレーズが出てきても反応できなかった。日常系ミステリーと聞いてたけれど、読後感はほのぼのしていない。「最上階のアリス」なんて、いい奥さんぶってるけど結局は・・・だったんでしょ?仁木と奥さんの関係は良かったけど、アリスの家族とか読み終えていろいろモヤモヤした。

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    2015年01月06日
  • コッペリア

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    設定が興味深くてグイグイ読んだけど、ストーリーと凝ってるんだか凝ってないんだかわからない展開は少し興ざめだった。

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    2014年11月06日
  • コッペリア

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    ネタバレ

    幻の人形、まゆらドールをとりまく物語。
    まゆら人形に魅せられた了。
    まゆらドールを生み出させる創也。
    人形のような美貌の女優、聖。
    人形を作り続ける、まゆら。
    それぞれの視点と時間軸が交差して、悲劇が起きる。

    バレエの「コッペリア」を題材にしている。
    このごろバレエついているのでなんだかうれしくて手にとったけれど。
    あまりにも入り組んで絡まるので、だんだんと混乱してくる。
    そこが罠なわけだけど、絡まりすぎかなあ。
    とにかく聖が可愛いかった。
    最後は彼女のがんばりのおかげか納まるところにおさまった。

    「みーんなそうなんだから。恋愛ごっこ、恋人ごっこ、家族ごっこ、仲良しごっこ…みんなそうやって、観客をだましているだけなのよ。」
    だとすれば、これまでの僕はルールをしらないままでゲームに参加していたことになる。

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    2014年10月28日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    実は読んだのは講談社文庫のものではない。が……。

    何時ものごとき物語進行かつ、何時ものごとき文章であった。要するに、面白い……とは思う。
    だがなんだろうな? これまでの物語とはちょっと……うーん。
    主人公が小学生だからだろうか?
    あらすじに「驚くべき秘密が」とあったんだが、読み終わった後で「どこに驚くべき秘密が?」と首を捻った。
    私にとっては、驚くべき秘密じゃなかったってことなんだろう。異常な話ばっか読んでるからかもしれない。主にファンタジー的なゲームとか好きだし。

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    2014年09月05日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    北九州を舞台に子供達の成長を描いた作品。
    文章が軽妙でサクサク読めた。
    児童文学と思ってたが、解説によると充分大人向けらしい。
    続篇あるそうで、読んでみたい。

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    2014年05月10日
  • ななつのこものがたり

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    「ななつのこ」の作中作がそのまま一冊の本になったと思い期待して読んだら当たり障りの少ない簡単な話になっていて少々残念でした。
    しかし「ななつのこ」一編読んだら「ななつのこものがたり」から同じ話を、と併読していたのですが「ななつのこ」も初読の身としては、途中驚きもあり、それが嬉しくもあり良かったです。

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    2014年03月12日
  • 螺旋階段のアリス

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    内容(「BOOK」データベースより)
    大企業のサラリーマンから憧れの私立探偵へ転身を果たした筈だったが―事務所で暇を持て余していた仁木順平の前に現れた美少女・安梨沙。…亡夫が自宅に隠した貸金庫の鍵を捜す主婦、自分が浮気をしていないという調査を頼む妻。人々の心模様を「不思議の国のアリス」のキャラクターに託して描く七つの物語。

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    2014年03月10日
  • 月曜日の水玉模様

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    日常的で
    かわいらしくって
    「ふふふ」と笑ってしまうプチ・ミステリーたちを
    平凡だけれど勘は冴えているOLの陶子と
    リサーチ会社に勤めるのんきで気の好い萩くんが解決していく物語です。

    普通に生活をしているあたしたちでも
    なにかの拍子に巡り会えそうな謎の彩りの豊かさが
    なんとも加納朋子さんらしいなあって。
    安心しながら読めました。

    ビル荒らしの謎。
    同僚の名を騙って診察を受ける会社員の謎。
    出来心から尾行してしまった男の謎。
    迷子が掴んで離さないOLの謎。
    などなど。

    ミステリーとして読むには刺激が少ないわりに
    謎解きのきっかけがやや強引ですが
    通勤電車で開くにはピッタリの内容なので
    読書好きのOLの皆さんには気軽にオススメできそうです。

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    2014年02月08日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    ネタバレ

    私の生まれ育った街、北九州。
    方言がかなり正確で、思わず声を出して読み上げたくなった。

    切り貼りしたような印象が強かったので、
    星はちょっと少なめ。

    **

    子ども達の世界。
    子ども達の精一杯と、限界。

    大人になってしまった今では
    「これでいいの?このままでいいの?」と、
    思ってしまいがちだけれど…
    こんな小さな世界もあっていいのかもしれない。

    暴走家の森。優しすぎるココちゃん。気の強い紅一点、あや。
    個性豊かな五人の竹本兄弟に、それに謎の少年「パック」。
    彼らのこれからが、もっと見たい。

    加納さんには元気になってもらって、
    ぜひ続きを書いていただきたいな。

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    2014年01月17日
  • 月曜日の水玉模様

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    加納さんならではのほのぼの系のお話。
    萩くんは好きなのだけど、陶子がいまいち魅力的に思えず残念。
    五十嵐社長も好き(笑)
    各章タイトルの遊び心がいい。

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    2014年01月07日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    なるほどそういうことだったのか、と、小さな驚きがあった。
    こんな子どもたちっていいなぁ。

    パックはてっきり子どもにしか見えない妖精的なものかと思ったけど、もっとずっと現実的な問題を抱えていた。
    それも、驚き。
    今の社会の問題を背負ったパックの存在が、このお話のスパイスになっていた。

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    2014年01月05日