加納朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小・中学生が読むなら十分面白く、文句なし。エンタメ小説として、合格だと思う。
社会の問題を告発する小説としては不十分。
パックは知能、体力共に優れた子どもだから、大人の力を借りなくても、健康な限りは生きていける。
でも大多数の無戸籍の子どもはそうじゃない。だから、パックのように自由に生きることはできない。
普通の子どもにとって、親の世話にならず、気の合う友達だけで暮らすのは、叶わぬ夢であり、そういう意味では、子どもの希望を満たす物語である。フィクションの世界では、それが可能であってほしいという切なる思いを叶える小説であることは評価に値する。
近頃、地方を舞台にした小説でも標準語で語らせるものが多いが、自然な北九州弁でリアリティが増していることも評価したい。 -
Posted by ブクログ
小学生時代の魅力ってなんだろうか。探検? 自由? 友情? それとも……?
「夏休みの思い出」に代表される不思議な開放感。小学生は探検していた。小学生は自由だった。小学生は友情を育んでいた。何もかもが懐かしく、そして今なら羨ましくさえ思う。インドア派で、都会育ちの僕でさえ、そう思う。
『ぐるぐる猿と歌う鳥』には、あの小学生のころの思い出がたくさんつまっている。「ああ、こんなことあったなあ」、「ああ、これが小学生時代の魅力か」。本書を読み進めていくと、きっとたくさんの懐かしさに出会うことができるだろう。「かつて子どもだった人へ」という売り文句は、あながち間違いではない。
しかしその一方、単なるノスタルジーに陶酔させるだけでないのが本書の巧みなところである。「解説」のなかで大矢さんは、本作を「カプチーノ」に喩えている。「カプチーノはミルクだけでできているのではない。その下には濃いエスプレッソがある」。「子どもにはきつい、けれど大人ならその意味をちゃんと考えることのできる苦み」。
理想的な小学生の暮らしの中に垣間見える「苦い」現実。あの時は気づかなかった、あるいは気づけなかった。けれど、今から思い返せば、あの探検にも、自由にも、友情にも、そんな現実は付いていたのではないか。甘いミルクの下には、苦いエスプレッソが潜んでいる。
【目次】
ぐるぐる猿と歌う鳥
プロローグ あるいは、物語の前のひとりごと
第一話 ぐるぐる猿と歌う鳥
モノローグ
第二話 図書室の暗号
モノローグ
第三話 社宅のユーレイ
エピローグ
解説 大矢博子 -
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ネタバレ幻の人形、まゆらドールをとりまく物語。
まゆら人形に魅せられた了。
まゆらドールを生み出させる創也。
人形のような美貌の女優、聖。
人形を作り続ける、まゆら。
それぞれの視点と時間軸が交差して、悲劇が起きる。
バレエの「コッペリア」を題材にしている。
このごろバレエついているのでなんだかうれしくて手にとったけれど。
あまりにも入り組んで絡まるので、だんだんと混乱してくる。
そこが罠なわけだけど、絡まりすぎかなあ。
とにかく聖が可愛いかった。
最後は彼女のがんばりのおかげか納まるところにおさまった。
「みーんなそうなんだから。恋愛ごっこ、恋人ごっこ、家族ごっこ、仲良しごっこ…みんなそうやって、観客をだましているだけなのよ。」
だとすれば、これまでの僕はルールをしらないままでゲームに参加していたことになる。 -
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日常的で
かわいらしくって
「ふふふ」と笑ってしまうプチ・ミステリーたちを
平凡だけれど勘は冴えているOLの陶子と
リサーチ会社に勤めるのんきで気の好い萩くんが解決していく物語です。
普通に生活をしているあたしたちでも
なにかの拍子に巡り会えそうな謎の彩りの豊かさが
なんとも加納朋子さんらしいなあって。
安心しながら読めました。
ビル荒らしの謎。
同僚の名を騙って診察を受ける会社員の謎。
出来心から尾行してしまった男の謎。
迷子が掴んで離さないOLの謎。
などなど。
ミステリーとして読むには刺激が少ないわりに
謎解きのきっかけがやや強引ですが
通勤電車で開くにはピッタリの内容なので
読書好きのOLの皆さんには気軽にオススメできそうです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私の生まれ育った街、北九州。
方言がかなり正確で、思わず声を出して読み上げたくなった。
切り貼りしたような印象が強かったので、
星はちょっと少なめ。
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子ども達の世界。
子ども達の精一杯と、限界。
大人になってしまった今では
「これでいいの?このままでいいの?」と、
思ってしまいがちだけれど…
こんな小さな世界もあっていいのかもしれない。
暴走家の森。優しすぎるココちゃん。気の強い紅一点、あや。
個性豊かな五人の竹本兄弟に、それに謎の少年「パック」。
彼らのこれからが、もっと見たい。
加納さんには元気になってもらって、
ぜひ続きを書いていただきたいな。