井口耕二のレビュー一覧
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ベゾスとマスクはある意味似ている。ふたりとも、情熱とイノベーションと意志の力で業界を根底から変えてきた。部下の扱いは手荒だし、なんでもすぐばかやろうと言い出すし、できない理由ばかり探す人がいると腹を立てる。目先の利益を追求せず、未来を見すえて進む。ベゾスは、 利益のつづりは知っているかと尋ねられ、同音異義の「prophet (予言)」と答えたことさえある。
だが、こと技術開発の方向性はまるで異なる。ベゾスは体系的に進める。モットーはラテン語 "Gradatim Ferociter”、「一歩ずつ、果敢に」だ。対してマスクは直感的である。めちゃくちゃな期日を設定し、リスクを取らなけれ -
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マスクはペイパルを再編し、独立のエンジニアリング部門をなくした。エンジニアは製品マネージャーとチームにする。このあと、テスラでもスペースXでもツイッターでも採用することになるマスク一流の哲学だ。設計と製造の分離は機能障害をもたらすというのだ。作りにくい設計にしたら設計者が痛みをじかに感じるようにしなければならない。であれば当然なのだが、チームは製品マネージャーよりエンジニアに率いらせるほうがいいとも考えている。ロケットにはまちがいなく当てはまるが、ツイッターにはそうでもないように思われる考え方だ。
「いやもう腹が立って腹が立って。腹が立つと、私は、問題の枠組みを変えようとするんです」
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パタゴニアに入りたいと思う人は、その理由として、会社と自分の価値観が一致していることを挙げることが多い。このように深い部分で会社とつながっていると社員のモチベーションが高まり、仕事が大変になったときにも冷静沈着な対応が可能になる。毒性染料が使われていない新しい生地を探さなければならないときも、がんばりが利く。換気改善のためにびっくりするような額を投資してくれと工場と交渉するときも、配送センターの建設候補地に農地を提案してくるなと不動産業者を説得するときも、同じだ。正しいことをしようとするからモチベーションが高まり、ふつうならあきらめることもあきらめずにがんばるようになる。有意義な仕事というの
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政府の視点も変わりつつある。国際連合では、各国政府の決算として「トリプルボトムライン」を原則にすべきだとしている。これは、利益(profit)、人(people)、地球(planet)という三つの面において最終損益を考えるもので、三Pとも呼ばれる。
科学系ジャーナリスト、ダニエル・ゴールマンが書いた『エコを選ぶ力―――賢い消費者と透明な社会』(早川書房)では、環境破壊を減らせるシンプルながらとても包括的なルールが三つ、提案されている――「自分の環境負荷を知る、改善を心がける、得た知識を共有する」だ。これは、大企業から零細企業まで、これから活動を始めるところも続けていくところも、すべて -
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原題は「Computer Geek to Cult Icon」で、その名の通りガチのコンピューターギークだった。ミサイル開発をしているエンジニアの父親により、幼少期の頃からエンジニアリングに触れて育った著者。この父親がとんでもなく凄い。何を聞いても答えてくれて、一緒に取り組んで体験させ、難しいことを簡単に説明し、理解が難しくまだ必要でない範囲の知識は割愛するという、これ以上ないほど完璧な師匠っぷり。そのおかげもあり、著者は小学生の頃からエンジニア系の賞を総なめ。まさに、此の親にして此の子あり。アップルのスティーブ・ジョブス氏との仕事ぶりや、2度にわたる赤字垂れ流しのフェスの開催、その後の彼の興
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基本的には人、地球、収益の3つをバランス良く持続可能な企業を目標にすることではあるのだが、そのくらいは今現在SDGsとか言って、たくさんの企業が考えていることではある。
ではパタゴニアブランドはなぜ、いまだに世界から尊敬される企業なのか。何か違うのか。
ザックリ言うと、何十年も失敗を繰り返して軌道修正しながら、方向性もフレキシブルにしていくことだと思いました。
イヴォンシュイナードさんは、70,80年代のころ自然のことなどあまり考えず、クライミング道具を作っていた過去。ハンパないCO2だったようです。
2000年代では低コスト、低賃金で労働者に働かせせていたことなど、今では考えられないこ -
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イーロンマスクによるツイッター買収と、そこから起こったツイッターのゴタゴタをツイッター社員目線で書いた本作。
文体に癖があるため、やや読みにくさはあったものの、社員一人一人にスポットライトを当て、社員目線で何が起こっていたのかを理解するのには最適な本。
相当な混乱があだだことが伺える上に、イーロンマスクは蹂躙者であり、パラノイアであるという印象は、メディアで報じられていた通りである。ただ、その中でも懸命にイーロンを正しい方向に導こうとした社員もおり、そうした懸命な努力でいまのXがあると分かった。結果的に、イーロンマスクと人間なんだな、と思える部分も多かった。
なお、彼が信じているシミュレ -
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序章 火の女神
第1章 冒険者の系譜
第2章 マスク自身の心
第3章 父との暮らし
第4章 探究者
第5章 脱出速度
第6章 カナダ(1989年)
第7章 クイーンズ大学 オンタリオ州キングストン
第8章 ペンシルバニア大学
第9章 西へ
第10章 Zip2
第11章 ジャスティン
第12章 Xドットコム
第13章 クーデター
第14章 火星 スペースX
第15章 ロケット開発に乗り出す
第16章 父と息子
第17章 回転を上げる
第18章 ロケット建造のマスク流ルール
第19章 マスク、ワシントンへ行く
第20章 創業者そろい踏み
第21章 ロードスター
第22章 クワジ -
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上巻までの時点でですでに十分な成功を収めたイーロンですが、その後もあえて修羅場を求めて働き続ける様がまさに狂気です。テスラとスペースXが順調すぎて不安になり、あえて修羅場を求めてTwitterを買収しますが、その後でしっかり後悔してることなんか、ちょっと微笑ましいです。
共感力のないイーロンが、人類の意識の存続というSF的な目的のために、周囲の人や自分の生活までも破壊します。その結果、人々から称賛される成果を上げまくるという皮肉が本書から感じたテーマです。人は罪から生まれる。罪は否定されるが、一方でそれによる成功は決して否定されていません。