六青みつみのレビュー一覧
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本人の責任ではない謂れのない差別がある。
身分もその一つ。
ゴミ同然に扱われているフェルス人のエリヤは極寒の中街路を清掃していた。時間までに終わらせないとと焦ったあまり古びた靴のひもが切れて足に深くガラスの破片が突き刺さっていた。
汚いと蔑まれるフェルス人であるが為、人々から酷い扱いを受けるのが当然となっていたエリヤの前に現れたのは光の精霊かと間違う程美しいル.セリア人のライオネルだった。
彼は汚れる事も気にせずエリヤの手当をして最高級の靴まで与えてくれたのだった。
生まれて初めて人に優しくされてエリヤはその靴を大切に大切に扱ってきたのに。
フェルス人だというだけで高級品を持つなと靴をゴミ捨て -
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皇太子の第一王子ギルレリウスと「対の絆」の主従関係を結んだ最高位の聖獣リュセラン。インペリアルである彼は神々しいまでに美しく最強である筈だったが、孵化の時に様々な思惑から一日放置されていた事が原因で身体が弱い。
ギルレリウスは大切に大切に真綿に包む様に愛して育ててきたのだったが、ある日皇帝の第二王子がリュセランに悪意のある不用意な発言をする。
本当の「対の絆」はヴァルクート王子でギルレリウスはそれを強奪したのだと。
驚愕と真相を知りたいリュセランの胸に今まで感じた事の無いギルレリウスへの不信感が募る。
リュセランを愛するが故に暴挙に走ってしまうギルレリウスの心情も痛い。
お互いに寄り添って愛し -
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初めて読む作家さんでした。
表紙の神々しく美しさに引かれましたら絵は稲荷家さんだったのですね。
過酷な環境で唯一信頼していた村長の息子タケルにも結局は捨てられたソラ。
贄として村を救うべく入った神来山に来て二日目に食料が尽き、五日目に漸く辿り着いた神殿の様な場所で見つけた剣に一生懸命願ったソラの目の前に現れた者は。。。
雪の様に白い体毛に黒い縞模様が入った虎、珀焔と漆黒の豹黛嵐。
威風堂々とした神獣達の美しさは言葉になりません。
獣の姿の二人がソラの為に果物を口に咥えて持ってくるのです♡
贄として送られたソラは二人と交互に身体を結ばなくてはなりませんでした。
初めからキツイ物言いの珀焔を嫌い、 -
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軍服、ネコ耳、尻尾フェチな皆様にオススメな、もふもふケモ耳萌え。代償シリーズ2作目です。
こちらは1作目「忠誠の代償」より先に小説リンクスに掲載されていたのを既読してたのですが、それでも涙でした。
「忠誠の代償」では、片田舎ですくすく育った元野良のキリハが元気で愛らしい野生児で、そんな彼を愛でるヴァルとの関係にめちゃめちゃ胸キュンだったのでした。ところが、こちらの聖獣ちゃんは、生まれながらのインペリアルで美しい白銀長毛、しかも高い戦闘力を持ってるのに病弱という真逆のキャラ。
そんな高貴な美人で「非情な運命に弄ばれる幸薄い受」のリュセランと、彼に疎まれてなお愛し続けるけど「表現方法が間違っていた -
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神来山の神獣である白虎の珀焔と黒豹の黛嵐、そして贄となる天涯孤独の15歳の少年ソラによるケモ耳ファンタジーです。
エロシーンがとても濃厚なのは初出が同人誌で、あとがきにもあるようにいつもは商業的リミッターで抑制されているセンセの萌えが今回遺憾なく発揮されているからなんですよね。
その分緻密な世界観、というよりはありがちなファンタジーの設定だった気がします。ベタな話の分構えることなくすんなり入り込めて、エロを堪能しやすくなってはいます。
また、稲荷屋センセの神獣がどストライク。繊細で美麗です。胡狼はコワすぎた!
すばらしく萌えツボつかれまくりなエロの数々に、めくるめくときめきを覚えました。もち -
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小説リンクス掲載の「誓約の代償」のスピンオフ。ギル×リュセcpのあっちが先に出るかと思ったら、ヴァル×キリハでしたね。しかし、両方の立場から公平な目で話を追うことができるので、偏りが無くなるのはいいことです。実際、可哀そうなリュセに肩入れすると、仲の良いヴァルとキリハへの風当たりが強くなりそうだったので。
軍服、ネコ耳、尻尾フェチにおすすめ。もふもふケモミミ萌えです。
ファンタジーの世界観が、ゆるぎなく緻密に構成されていて、ちゃんと脳内で3D変換できるクオリティなので、安心してストーリーにどっぷり浸れます。
「誓約の代償」ではドロドロな陰のcpということで、例により「非情な運命に弄ばれる幸 -
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ネタバレ人と聖獣とが絆を結ぶことにより、魔獣の侵攻から人々を守っている世界。
主人公の第四皇子ヴァルクートは、本来であればもっとも強い力を持つ金位(インペリアル)の聖獣と絆を結ぶはずだったが、兄である皇太子に疎まれ辺境に送られることとなり、そこで野良聖獣の繭卵を見つけ、絆を結びキリハと名づける。
不思議なことにキリハは通常の聖獣の位のいずれにも当てはまらない黒色で、最も弱いとされる赤位(ロイツ)よりも低い力しか有していなかった。
ヴァルクートは兄の死により王宮に戻ることとなるが、皇子でありながら低位の聖獣と絆を結んでしまった彼は、宮廷で微妙な立場になる。辺境では自分の地位を実感しなかった無邪気なキリハ -
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もしも自分の好きな相手が10年来の親友で、しかも従弟と付き合っていたこともある超モテ男だったら。
洵が胸に秘めた片想いをしているのは、そんな幼馴染みの剛志です。好きという気持ちをひた隠しにしている上に友人と言う立場上、相手の恋愛の悩みや性癖全てを知り尽くしていて、剛志の華やかな恋愛事情を知り過ぎてるゆえに洵は打ち明ける自信も勇気もなくただ側にいるのみ。
どうして10年も我慢しているのか?と疑問に思いますが、そこは作者さんの筆力でしっかり納得することができます。そしてこの受の健気さは、六青センセならではです!
洵は親友のふりをしていながらずっと心の中では剛志に恋心を抱いたのがばれたり、告白して鼻 -
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あらすじ--高校生の時から同級生の城戸剛志を想い続けている瀬尾洵。臆病で優しすぎる性格の洵は、社会人になったいまも剛志に告白できない毎日を送っていた。そんな折、洵の前に、剛志が昔付き合っていた洵の従兄弟・煌が突然現れる。剛志とまた付き合い始めるのではないかと洵は不安と絶望の中、普段と変わらない態度で剛志に接する。しかし、剛志と煌が付き合い出したと聞き、剛志への想いを断ち切るため、ある決断をするが…。
感想--剛志x洵 登場人物の心情が目線やしぐさ等でうまく描写されているので思わず引き込まれました。特に修羅場なんかはキュンキュン、かと思いきやホロリとくる場面もありの、おすすめの1冊です。 -
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いろいろな意味で痛くなります。六青センセお得意の時代劇主従もの!第1章は、雑誌掲載を改稿したもので、第2章は書き下ろしです。
とにかく、読めば誰でも悲惨な運命にも負けず立ち向かい、愛する人とともに生きようとする、主人公夏月に応援を惜しむことはできなくなるはず。全編、とんでもなくひどい目にあっています。ま、そこは六青センセの作品だと言うことをちゃんとわかっていれば、くじけず?読み通すことができますので。
主従関係で、受の夏月が主で立場が上、攻の忠影が寄り添う従なのが萌えるところ。忠影がとてもストイックにならざるを得ない。夏月のことが好きで好きで仕方ないのに、そこを押し殺して一歩下がった関係。 -
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泣ける話と分かっていたので、泣くものかと身構えて読みましたが……ダメでした。涙腺にきた。
中世西洋風の貴種流離譚ファンタジー。奴隷の少年リィトに救いの手を差し伸べたのは、非の打ちどころのない素敵な黒衣の騎士グリファス。イラストで見ても、とても素敵。
そして、真面目すぎて、いい人すぎ。だから、無自覚のうちに相手を傷つけてしまうどうしようもないところがあるのかも。
そんな彼を信じて、好きで好きで子犬のように付き纏うリィトは、純真無垢でほんとかわいい。もう、いい子だし、健気だし。
報われないことが余りにもありすぎて、読んでいて、こっちの方が抱き締めてやりたくなります。感情移入しまくりです。
グリ -
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初出
ruin-傷-――2002年2月 同人誌掲載作を大幅改稿
ruin-林檎とどんぐり-――書き下ろし
「光の螺旋」シリーズ第3弾。2段組でボリュームたっぷりの作品。
ようやく続編「緑の日々」も発売!
兄弟同然に育ってきた初恋相手への報われない片想いに苦しみ、次第に心の均衡を失っていく青年の話。
タイトル通り傷を負うシーンがあちこちにありますが、心の苦しみを誤魔化す為に…という感じなので
本人があまり痛がる様子が続かなかったり、痛がらなかったりなのと、
僕的に残虐と思えるまでの行為が無かったことから、その辺は結構平気でした。
最初から後半まで主人公が追い詰められっぱなしで酷い話だとは思