オノレ・ド・バルザックのレビュー一覧

  • 谷間の百合

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    高校三年生の夏の読書感想文で読ませられました。
    私にはまったく理解不可能な世界でした。
    主人公たちは恋に恋している模様。
    結局あんたら何したいわけ?とツッコミながら読んでおりました。
    500ページも読ませた揚句、あの結末はないよな、と思いました。
    痛快と言えば痛快なのですが、そこまでのくだりが長い……。
    比喩表現の勉強になるのかな……?と、苦痛を伴う抒情的文章(笑)
    読むの、疲れました。
    むしろ消化不良の感。
    「こんな図書推薦しやがってふざけんな」という思いを胸に秘めつつ、6000字の小論文を書きました。
    屁理屈でもこねないと、この物語は楽しめない。
    この作品自体では楽しめない。
    でも妙に惹か

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    2011年08月21日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    バルザックの本を初めて読んだ。5篇の短編集で一番気に入ったのはファチーノカーネかな。それ以外も読み応えはあったけど、エンディングが結構童話集でお決まりのパターンという感じのものが多かった。でも内容の節々に哲学的な要素が含まれていて、マダムフィルミアーニに至ってはかなり特殊な始まり方をしていて私にとって新鮮に感じられた.

    一つだけエッセイが載っていた。19世紀のパリの書籍業についてでもっともな批評が書いてあった。

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    2011年03月09日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    『グランド・ブルテーシュ奇譚』という短編ののっけから、
    ホラーでぶっとぶような話。
    ≪人間喜劇≫と解説ではあるけど、どちらかというとトラジティー寄りではないかと思う。

    グレート・バルザック。

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    2011年02月21日
  • 谷間の百合

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    ゴリオ爺さんのような滑稽な人間描写が主かと思ったバルザック作品だったが、本作は実に情緒的な恋愛の姿が描かれている。文描写の圧倒的な実力も流石だなという印象。
    古典的でベタな物語でもこれだけの質感に導きく実力は物凄い。本作が傑作と云われる所以とバルザックの本質的な実力がよくわかる。

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    2010年07月09日
  • 谷間の百合

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    高校の頃、一度読みました。
    最近は外国文学はあまり読まないのですが、急に思い立って購入。
    折り重なる言葉のひだの多さに圧倒される。
    最近読んでいた本とのあまりの違いに、同じ文章でこんなにも違うものかと。
    登場人物の手紙の長いことと言ったら・・・作者はフランス革命時代の人ですが、その時代には、教養ある人々は、こんな長い手紙を書いていたんでしょうか?
    人物の、揺れる心理描写もすごい。
    でも、これ、覚えある。
    日本文学にもある。
    それは源氏物語。
    特に、宇治十帖と・・・
    自分でも認めたくない嫉妬で弱って死んでいく紫の上、かな。
    男女の機微に洋の東西はないのかもしれない。

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    2013年11月15日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    「ゴリオ爺さん」以来のバルザック。
    四篇の中では、面白かった順に、「マダム・フィルミアーニ」、「グランド・ブルテーシュ奇譚」、「ファチーノ・カーネ」、「ことづて」

    「マダム〜」は、ここまで絶賛される女性が実在するならば見てみたい。マダムに感化されて、オクターヴ・ド・カンが高潔な精神を発揮し、一旦は一文無しになるものの、ハッピーエンドを迎えるのは、気持ちよく読めた。

    それに対して表題作の「グランド〜」は、恐ろしい、のひとこと。神に誓うことの重要性は、一神教徒でない自分にはなかなかピンと来ないが、妻の情事に気が付いた夫の意趣返しの醜悪さたるや。

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    2025年11月22日
  • ゴリオ爺さん

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    これね、ホント感情を動かされる
    正しく感動って感じ
    特に終盤は大変よ、ぐっちゃぐちゃになる

    社交界を目指して出世欲を滾らせるウージェーヌに突きつけられた現実の残酷さに辛くなった
    フランス文学特有のアバンチュールも酷な現実を表すのに一役買っている
    善人が最期に愛情に裏切られて死ぬのをみて決意を固めるところは胸がすく思いだった

    眠気覚ましに最後サラッと読もうかと思ったら、感情ぐちゃぐちゃにされたわ
    いや…もう「金の切れ目が縁の切れ目」を間近に突きつけられた

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    2025年01月03日
  • ゴリオ爺さん

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     19世紀パリの貴族社会と経済的下層社会の様子がつぶさに窺えた。主人公の学生ラスティニャックは、社交界デビューを果たしつつも同じアパートに住むゴリオ爺さんの二人の娘への献身的な愛に心を動かされていく。ゴリオ爺さんの行動は自身も行き過ぎが娘たちを駄目にしたと反省もしているが、他の生き方もできなかったように思える。親子、家族の問題はどこの国でも変わらないであろう。肉親がいなくなる前に後悔のない接し方が大切だ。2022.11.29

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    2022年11月29日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    フランス革命で漫画といえばベルばらなわけだが、最近、同時代の死刑執行人を主人公に据えた漫画「イノサン」がちょっと流行っていたと知った。そこからちょろちょろと本を漁って、フランス革命時のパリの死刑執行人だったが故に人類史上2番目に多くの死刑を執行したとされている、サンソン家4代目当主シャルル=アンリ・サンソンにまつわる本をチョイス。かの文豪バルザックが、サンソン家伝来の膨大な資料をもとに虚実織り交ぜて語る死刑執行人の物語という、ちょっとジャンル的にどこに属するかわからない一冊である。
    フィクションの中に登場する死刑執行人のイメージといえば、覆面をして筋骨隆々の無慈悲な殺戮マシーンというのが定番な

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    2021年11月27日
  • 谷間の百合

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    美しい翻訳は、充分たのしめる。
    内容は究極のマゾヒスト同士のストイックな恋愛に
    サディストガ乱入し、常人が退却宣言をするという物語。
    それぞれの心の逡巡がこれでもかと語られ、手紙に綴られ、ある意味自己主張のぶつけ合い試合の様相。
    こんなにくねくねものを考えられるのかと感心してしまった。
    古今の名作は、膨大な言葉を作家が使い倒して産まれると言うわけだ。
    言葉好きには欲求に答えてくれる。
    読み応えとはこのことと感じられる。
    バルザック、初めて読んだけれど
    まさにフランス人。
    昔の翻訳もなかなか。

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    2021年05月27日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    シャルル・サンソンは代々、死刑執行人を務めたサンソン家の4代目にあたる。
    フランス革命期に当主であったため、ルイ16世やマリー-アントワネット、ロベスピエールといった多くの人々の処刑にあたった。
    革命の暗部を担ったとも言えるシャルルは、生涯に実に約3000人もの処刑に携わったという。

    本書は、文豪バルザックがシャルルに成り代わって書いた形になっている。但し、執筆当時、シャルルはすでに世を去っており、5代目のアンリが継いでいた。サンソン家には歴代の当主による手記や手紙などの資料が伝わっており、一族に語り伝えられた口伝もあった。これらを元に5代目に話を聞き、またバルザック自身も資料を集めて執筆に

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    2021年05月04日
  • ゴリオ爺さん

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    大事なことは見失いがちということかもしれない。
    というより、そもそも本能的に目を逸らしてしまうということなんやろう。

    娘たちはもちろん、お爺さんも、ラスティニャックも結局は欲望に取り憑かれてしまう悲しい性の渦にいとも簡単に、それとは気づかず飲み込まれてしまう。

    「さあ今度は、おれとお前の勝負だ!」

    人間たちの愚かなサーカスに挑む事で、進んでサーカスの団員になるこの光景は、自分自身もみたような気がする。

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    2021年04月05日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    フランス革命に興味があったので読んでみたが
    この時代の処刑人は市民権も無くかなりの差別を
    世間からは受けていた事が良くわかった。
    フランス革命で、三千人近い処刑をしたアンリ・サンソン事ムッシュドパリはとても信心深く、
    残忍に処刑をしていた訳ではない。

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    2021年01月24日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    バルザックがまだ文壇に名を馳せる前に書かれた、パリの死刑執行人シャルル-アンリ・サンソンの独白。その世襲の職業故に、人々から忌み嫌われて生きていくしかない運命のつらさが、いたましいほどに伝わります。

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    2020年11月18日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    19世紀フランスの作家バルザック(1799-1850)の短編4編と評論1編。大都市パリの喧噪と汚濁に塗れながら、もはや「回帰すべき田園」も無ければそこで幻想されていた「人間の本来性」なるものも喪失してしまっていることを痛切に認識し、近代社会という暴力的に運動する機構のなかで落魄した群衆の匿名的な情念と生理の有象無象それ自体のうちに何か美的なものを見出す新たな美意識を、ボードレール(1821-1867)に先駆けて描いている。この現代的な美意識にあっては、ギリシア以来古典的な「真-善-美」の三位一体が解体されている。

    「英雄や発明家、街の物知りや、ごろつき、悪人、有徳の士や背徳者。だれもが貧困に

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    2019年04月27日
  • ゴリオ爺さん

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    フランス文学を読んだのは30年程前に高校生の時にレ ミゼラブルを読んで以来だろうか。
    内容は、お昼のメロドラマ的な印象。ゴリオ爺さんが可哀想過ぎて見てられない。私も娘のことを爺さんと同じようにかわいがってるけれど、こんな仕打ちを受けたらさすがに怒るだろうな。。

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    2019年01月24日
  • ゴリオ爺さん

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    ネタバレ

    バルザックはフランスではとても有名な作家ですが、その作品を初めて読みました。1835年の作品ですから、19世紀の前半、フランス革命やナポレオン帝政の後、7月王政の時代です。パリも都市として大きく発展していたころで、この小説の主人公ラスティニャックのように、地方から出てきて出世を目指していた若者も多かったようです。

    娘を溺愛しながらも省みられることなく最期を迎えるゴリオ爺さんが物語の中心にはあります。しかし、それを取り巻くしたたかな人物設定(特にヴォートランや下宿のおかみヴォケー夫人)や、パリの社交界が狩猟社会の様相を呈しているあたりの描写(192頁)が基調を作っていますので、読んでいて悲痛な

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    2018年11月10日
  • ゴリオ爺さん

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    2人の娘を盲目的に愛し、玉の輿に乗せた後も求められるがままに自分を犠牲にして全てを与えた哀れな老人ゴリオ。リア王にはコーデリアがいたが、彼には愛情を返してくれる娘はいなかった。

    登場人物が人間臭くて面白い。ここに出てくるラスティニャックは出世のためなら何でもする人間の代名詞になったようだが、ここではまだ純粋さを持った1人の若者、彼がその後どのように変貌して行くのか他の作品も読んでみたい。

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    2016年09月14日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    多数の作品から成る『人間喜劇』より厳選された
    短編4編+評論「書籍業の現状について」を収録。
    「早過ぎた埋葬」(!)系の表題作が猟奇的だが、
    それにしても、この時代(19世紀前半)のヨーロッパでは
    上流階級の人々が配偶者に隠れて若い恋人とあれやこれや……は
    普通のことだったんだろうかと首を傾げる。
    きっと珍しくはなかったんだろうな――と思っていたら、
    巻末の年譜にバルザック自身の「あれやこれや」が記されていて
    笑ってしまった。
    未亡人を口説いている最中に
    家事を引き受けてくれたメイドさんのような女性と「できちゃって」
    いただとか、やりたい放題。
    人生の経験値が高ければ、それだけ
    様々な人物造形

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    2016年07月11日
  • ゴリオ爺さん

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    なんとか読み終えた…。序盤は正直読みにくくて何度も何度も眠くなっては挫折…を繰り返していたのだけれども、ラスト病床に臥せてからのゴリオ爺さんの独白はグッと引き込まれてそこからは一気読み。ゴリオ爺さんは娘たちにこんなに愛を注いでるのに…と切なくなってしまった。2013/186

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    2015年04月21日