オノレ・ド・バルザックのレビュー一覧

  • 谷間の百合

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    ネタバレ

    主人公フェリックスは人妻モルソフ夫人に恋をしてしまう。ただ、相手は夫にも家庭にも何も不満を持っていない素晴らしい女性。いくらフェリックスが愛の言葉を伝えようとも、常に年上の人妻女性として彼と対応し、彼の母親であるかのように接してくる。というかフェリックスに恋しないように自分に言い聞かせているようである。

    フェリックスの一途な恋はすごいが、それを毎回ひらりとかわさなければならない夫人の苦労を考えると、ただ自分の本能に従って人妻に言い寄るフェリックスにイライラさえしてくる。

    最後の夫人の手紙が非常に良い。正直、読者なら気づいていたであろう夫人の本当の気持ちが美しい文体で表現されている。

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    2023年09月10日
  • 浮かれ女盛衰記(上)

    購入済み

    これぞフランス文学!

    野望のためには何でもする、這いつくばって生きる人々がかっこいい。嘘で固めた世界でバレるかバレないかハラハラしながら読むことが出来る最高な小説。

    #ドキドキハラハラ #ダーク #カッコいい

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    2023年04月12日
  • ゴリオ爺さん

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    バルザックの一連の作品は「人間喜劇」として有名らしいが、正しく喜劇というか、喜びも憎しみも感じさせる作品。
    小説なのに、テレビドラマを観ているような、どこで読むのを中断すればいいのか、本当にわからなかった。久しぶりにしっかりした長編を読みした。
    ドラマティックな展開を期待する方にぜひ。

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    2023年02月01日
  • ゴリオ爺さん

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    面白かったが、キャラクターの描かれ方が単純で、現実的でないような気がしたため、感情を没入させることはできなかった。でも「野心」とか「虚栄心」とか小説によく出てくるテーマについて色々と考察の深まるお話で、読み切ってよかったと思う。

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    2022年12月22日
  • ゴリオ爺さん

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    無償の愛の見返りが、文字通り無償に終わるゴリオ爺さんの話を軸に、表向きは華やかなパリの社交の場へ進出を目指す青年ラスティニャックや、青年に反抗哲学を植え付けようと唆すヴォートランらヴォケー館の住民たちの話が展開される

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    2022年03月20日
  • ゴリオ爺さん

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    寝不足を招く一冊。要は親バカ過ぎるゴリオ爺さんと、親不孝な娘二人の話だか、実際の主人公はその娘一人と結ばれるはずの学生のように思える。
    途切れが少なく、一つのシーンでの話が延々と続くので、やめ時がない。寝る前に読み始めると眠れない。
    描写が繊細な訳ではないが、なぜかシーンが鮮明に頭に浮かんでくる。きっと設定が想像できる範囲内だからだろう。ドラマっぽく、結構チャキチャキと展開する割には、ついていけない感じはしない。
    ただ、登場人物はもちろんカタカナの名前で、姓と名が混在しまくってるので、はじめの頃は登場人物がなかなか把握できなかった。これは日本語しかできない自分のせいだろうけど。
    回収されない伏線がいくつか見られるので、他の作品も読んでみたい。

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    2022年03月16日
  • 谷間の百合

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    ネタバレ

     ナタリーというこの作品では登場しない人間喜劇の人物に向けてフェリックスという男性が自分の半生を綴る物語。
     前3分の2のフェリックスが恋した人妻アンリエットとの仲良くなる過程は冗長に感じられたものの風景描写や感情の揺れ動きが丁寧に描かれ綺麗でそれを楽しむ作家かと勘違いしていた。後ろ3分の1になってようやく主人公のクズさが分かり恋敵のダドレー夫人が登場し物語が動いた時になって、この作者の会話の巧妙さを知った。ダドレー夫人との一件以降はアンリエットに対して言い訳ばかりする主人公がおり、そのことや後に続く死に対してのことを見るに、結局この主人公は寄宿舎時代やアンリエットに不意にキスしたときから根本的には何も変わっておらずマドレーヌやナタリーが言うように自分のことばかりで成長していなかったということが最後には分かった。アンリエットとの約束もついには守られなかったし。最後まで快く思っていなかったモルソフと最終的には主人公が同じ構造だと分かったところも面白かった。
     アンリエットの死の描写は言い方はあれだがとても繊細で衝撃を受けた。思うにこれはフェリックスの物語ではなくアンリエットの物語だった。ただ前3分の2が本当に長く何度も挫折しそうになった。読むのに十ヶ月ほど用し再び読み返そうとはもう思わない。最後の最後まで読むまでは星3だと思っていたが、意味は理解できたので四捨五入したら4になるくらいの点数だと思う。

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    2022年01月03日
  • ゴリオ爺さん

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    父性愛の極地。レアリスム小説のはしり。ここから20世紀小説は「本当らしさ」からの脱却を求め始める。映画もあるらしいから観てみたい。

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    2025年03月31日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    途中でイタリアの死刑執行人がひどい目に合う話が始まって、助かったのか死んだのかわからないまま終わった…煙に包まれた気持ちだったけど、訳者解説によると、当初は続編の構想があったんだって。

    バルザックの描くサンソン家は、イノサンと違って家族仲がとても良い。サンソンに関する他の本も俄然読みたくなった。

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    2021年10月17日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さんがかわいそうで、ラスティニャックが魅力的でした。
    最初は単調でしたが丁寧な描写が素晴らしく、引き込まれました。

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    2021年02月06日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    パリの死刑執行人の家系サンソン家4代目当主の、人生と苦悩。
    サンソン家に直接取材し、多くの資料を基に書いたのは、
    若き日のバルザック。本邦初訳。
    ・はじめに・・・翻訳にあたった経緯が書かれている。
          1830年に共著二巻本で出版。バルザックと共著者の
          書いた部分を振り分けた本を基に翻訳、等。
    全14章。
    ・シャルル―アンリ・サンソン関係略年表
    ・サンソン家関連文献・資料案内
    サンソン家歴代当主の残した手記や日記等の多数の資料と、
    5代目当主から聞き取った記録から、サンソン家4代目
    シャルル―アンリに成り代わって語る、死刑執行人の姿。
    敬虔な彼を偏見と誤った情報が苦しめる。
    少年時代、寄宿学校を放校になった差別といじめ。
    家業を知った時の衝撃。逃れられない継承。
    政情不安と庶民の不満が高まっていく革命前の様子。
    その合間に現れる幾つかの逸話は、フィクション化し、
    人の心の情景に重きを置いた味わいを感じられます。
    各地の死刑執行人の歴史と彼らの扱い。
    彼らの職務である、拷問と興奮状態の民衆の前での刑の執行。
    牢獄管理人の存在。恋と家業に挟まれた苦悩。
    死刑執行人だけでなく、らい病、教会での様々な差別等。
    銃殺刑の悲劇、軍隊における殺人。
    バルザック自身の、死刑制度廃止の思想も盛り込まれています。
    だけど、イタリアでの死刑執行人と盗賊の逸話の
    クライマックスで終了。続編は出ることがありませんでした。
    シャルル―アンリの初仕事もフランス革命も無し!
    前年『ふくろう党』が評判になり、人気作家への道を歩み始め、
    次年には新聞王ジラルダンと組むようになり、多忙の中に
    続編には手を付けられなかったのかもしれない。
    なんとも残念です。

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    2021年02月03日
  • ゴリオ爺さん

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    フランス文学の傑作とされているゴリオ爺さんだ。一回読んだだけではなんのことやらよくわからなかった。
    ただ、この小説はゴリオ爺さんと法学を学ぶ学生ラスティニャックの関係性を書いた物語と捉えることもできるのではないかと感じた。

    パリの社交界に憧れるラスニャック。パリの社交界に身を置く娘にひたすら尽くそうとするゴリオ爺さん。注目すべきはこのメイン登場人物の二人が、「どちらも自分は現在社交界に身を置いていない」という点にあると考える。社交界に身を置いていない者を通じて社交界の有り様、そこにいる人間の様子を描き出した小説であるといえる。

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    2021年05月29日
  • ゴリオ爺さん

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    ネタバレ

    読むのにとても時間がかかり挫折しそうだったが、真ん中のヴォートランの秘密辺りから加速。

    解説に「主人公はパリ」と書いてあるのにとても納得。途中気になった、登場人物の他の作品での展開もあるらしい。

    ゴリオ爺さんの最後、溺愛する娘たちに看取られず悲しすぎた(自分は家族の愛に感謝し、大切にしようと思った)。ウージェーヌ、身の丈に合ってない社交界に入るのだが、ゴリオ親子を見てこの世界に闘いを挑む最後は救われる。

    しかし、この時代のパリの文化はすごい…。夫人を平気で誘惑。きらびやかなパーティー。贅沢な暮らし(光と影)。調べたら、ショパンの時代も重なっている。

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    2019年05月23日
  • ゴリオ爺さん

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    薄情な娘たちに裏切られたゴリオ爺さんの最期の場面は心を動かされる。
    しかし、叙述が長いのと回りくどいのとで感情が遅れて追いつく感じになってしまうので、どうもダイレクトな感動には結びつきにくい。そこは古典なので致し方ないのかもしれないが読みにくいことには違いない。
    死の床のゴリオ爺さんの錯乱しながらの長台詞や、ヴォートランの異常なほどの長広舌には唖然とした。

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    2019年02月17日
  • ゴリオ爺さん

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    パリ社交界に憧れる貧しい学生と、社交界に嫁いだ娘たちのため自分の身を削るお爺さんの交流。人間の傲慢さ、狡さ、醜さがパリ社交界の煌びやかさと対照的に描かれている。

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    2019年01月19日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さんかわいそう。
    ラスティニャックいい人だなぁ。
    いろんな人のいる下宿屋の情景が目に浮かぶよう。

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    2018年11月01日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さん、娘たちのことを愛しすぎてて、、、。

    ラスティニャックの出世欲と真心とのせめぎ合い、分かる気がする。

    あと、娘たちがゴリオに懐いたり、見捨てたりを繰り返してるあたりが残酷なくらいリアル。

    娘たちは父親の財産のことしか頭にないって最初から分かっててるゴリオ、虚しすぎ。

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    2017年11月09日
  • ゴリオ爺さん

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    大学生の身でありながら学問はさぼりがちで
    人妻訪問にばかり精をだす
    ウージェーヌ・ラスティニャックがそうするのは
    社交界で人脈を作ることこそ、出世の早道と信ずるからであるが
    なにしろそのためには金がかかるのだった
    そんな彼の前に、二人の男が現れては破滅し、去っていく
    ジャック・コランとゴリオ爺さんだ
    一人は、資産家の娘を篭絡してしゃぶりつくすことをそそのかす悪党
    もう一人は、娘たちへの愛情だけを杖に生きてる惨めな老人
    ウージェーヌは、そのどちらにも一定の共感を抱くが
    しかし、どちらの示す道をも選ぶつもりはなかった
    いわば父性との決別
    それがナポレオン・ボナパルト斃れし後の
    フランス共和主義の気分というものだったのかもしれない

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    2016年12月07日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    ネタバレ

    久々のバルザック。短編4編と評論1編。
    本題に入る前の前口上も楽しい。「心して読め!」と
    作者からくどくどと言われる感じ。

    『グランド・ブルテーシュ奇譚』はちょっと怖い
    大人の童話っぽくもありました。いやー怖かったです。

    評論は「書籍業の現状」では十九世紀における
    「コミュニケーションの高速化」の影響に言及している。
    この高速化は現在もますます加速していて最後には
    どうなるのかとふと思う。

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    2016年10月15日
  • ゴリオ爺さん

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    これは名作。哀しい父性退廃記と、青年成長記がうまく並行していて清々しい。必要以上でも以下でもない現実主義な文章が素晴らしい。

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    2016年09月18日