オノレ・ド・バルザックのレビュー一覧

  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    途中でイタリアの死刑執行人がひどい目に合う話が始まって、助かったのか死んだのかわからないまま終わった…煙に包まれた気持ちだったけど、訳者解説によると、当初は続編の構想があったんだって。

    バルザックの描くサンソン家は、イノサンと違って家族仲がとても良い。サンソンに関する他の本も俄然読みたくなった。

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    2021年10月17日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さんがかわいそうで、ラスティニャックが魅力的でした。
    最初は単調でしたが丁寧な描写が素晴らしく、引き込まれました。

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    2021年02月06日
  • サンソン回想録 フランス革命を生きた死刑執行人の物語

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    パリの死刑執行人の家系サンソン家4代目当主の、人生と苦悩。
    サンソン家に直接取材し、多くの資料を基に書いたのは、
    若き日のバルザック。本邦初訳。
    ・はじめに・・・翻訳にあたった経緯が書かれている。
          1830年に共著二巻本で出版。バルザックと共著者の
          書いた部分を振り分けた本を基に翻訳、等。
    全14章。
    ・シャルル―アンリ・サンソン関係略年表
    ・サンソン家関連文献・資料案内
    サンソン家歴代当主の残した手記や日記等の多数の資料と、
    5代目当主から聞き取った記録から、サンソン家4代目
    シャルル―アンリに成り代わって語る、死刑執行人の姿。
    敬虔な彼を偏見と誤った情報が苦しめる。

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    2021年02月03日
  • ゴリオ爺さん

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    フランス文学の傑作とされているゴリオ爺さんだ。一回読んだだけではなんのことやらよくわからなかった。
    ただ、この小説はゴリオ爺さんと法学を学ぶ学生ラスティニャックの関係性を書いた物語と捉えることもできるのではないかと感じた。

    パリの社交界に憧れるラスニャック。パリの社交界に身を置く娘にひたすら尽くそうとするゴリオ爺さん。注目すべきはこのメイン登場人物の二人が、「どちらも自分は現在社交界に身を置いていない」という点にあると考える。社交界に身を置いていない者を通じて社交界の有り様、そこにいる人間の様子を描き出した小説であるといえる。

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    2021年05月29日
  • ゴリオ爺さん

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    ネタバレ

    読むのにとても時間がかかり挫折しそうだったが、真ん中のヴォートランの秘密辺りから加速。

    解説に「主人公はパリ」と書いてあるのにとても納得。途中気になった、登場人物の他の作品での展開もあるらしい。

    ゴリオ爺さんの最後、溺愛する娘たちに看取られず悲しすぎた(自分は家族の愛に感謝し、大切にしようと思った)。ウージェーヌ、身の丈に合ってない社交界に入るのだが、ゴリオ親子を見てこの世界に闘いを挑む最後は救われる。

    しかし、この時代のパリの文化はすごい…。夫人を平気で誘惑。きらびやかなパーティー。贅沢な暮らし(光と影)。調べたら、ショパンの時代も重なっている。

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    2019年05月23日
  • ゴリオ爺さん

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    薄情な娘たちに裏切られたゴリオ爺さんの最期の場面は心を動かされる。
    しかし、叙述が長いのと回りくどいのとで感情が遅れて追いつく感じになってしまうので、どうもダイレクトな感動には結びつきにくい。そこは古典なので致し方ないのかもしれないが読みにくいことには違いない。
    死の床のゴリオ爺さんの錯乱しながらの長台詞や、ヴォートランの異常なほどの長広舌には唖然とした。

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    2019年02月17日
  • ゴリオ爺さん

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    パリ社交界に憧れる貧しい学生と、社交界に嫁いだ娘たちのため自分の身を削るお爺さんの交流。人間の傲慢さ、狡さ、醜さがパリ社交界の煌びやかさと対照的に描かれている。

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    2019年01月19日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さんかわいそう。
    ラスティニャックいい人だなぁ。
    いろんな人のいる下宿屋の情景が目に浮かぶよう。

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    2018年11月01日
  • ゴリオ爺さん

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    ゴリオ爺さん、娘たちのことを愛しすぎてて、、、。

    ラスティニャックの出世欲と真心とのせめぎ合い、分かる気がする。

    あと、娘たちがゴリオに懐いたり、見捨てたりを繰り返してるあたりが残酷なくらいリアル。

    娘たちは父親の財産のことしか頭にないって最初から分かっててるゴリオ、虚しすぎ。

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    2017年11月09日
  • ゴリオ爺さん

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    大学生の身でありながら学問はさぼりがちで
    人妻訪問にばかり精をだす
    ウージェーヌ・ラスティニャックがそうするのは
    社交界で人脈を作ることこそ、出世の早道と信ずるからであるが
    なにしろそのためには金がかかるのだった
    そんな彼の前に、二人の男が現れては破滅し、去っていく
    ジャック・コランとゴリオ爺さんだ
    一人は、資産家の娘を篭絡してしゃぶりつくすことをそそのかす悪党
    もう一人は、娘たちへの愛情だけを杖に生きてる惨めな老人
    ウージェーヌは、そのどちらにも一定の共感を抱くが
    しかし、どちらの示す道をも選ぶつもりはなかった
    いわば父性との決別
    それがナポレオン・ボナパルト斃れし後の
    フランス共和主義の気

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    2016年12月07日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    ネタバレ

    久々のバルザック。短編4編と評論1編。
    本題に入る前の前口上も楽しい。「心して読め!」と
    作者からくどくどと言われる感じ。

    『グランド・ブルテーシュ奇譚』はちょっと怖い
    大人の童話っぽくもありました。いやー怖かったです。

    評論は「書籍業の現状」では十九世紀における
    「コミュニケーションの高速化」の影響に言及している。
    この高速化は現在もますます加速していて最後には
    どうなるのかとふと思う。

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    2016年10月15日
  • ゴリオ爺さん

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    これは名作。哀しい父性退廃記と、青年成長記がうまく並行していて清々しい。必要以上でも以下でもない現実主義な文章が素晴らしい。

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    2016年09月18日
  • 谷間の百合

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    アンリエットからフェリックスに宛てた最後の手紙、これを読むまでは、なぜアンリエットが悲しみのために死ななければならないのか、理解できなかった。自らプラトニックで肉親的な愛を求めておきながら、フェリックスの恋愛にショックを受けるいわれがないように思えたから。
    しかし死後に読んでくれと手渡した手紙により、アンリエットの心理も理解できた。
    原文を読めないのでなんとも言えないが、非常に緻密で練られた文章であることが、優れた翻訳からも伝わってくる。
    (2016.3)

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    2016年03月16日
  • ゴリオ爺さん

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    初バルザック。こんなに面白いとはおもわなかった。
    愚かな娘と思いつつも、親に甘ったれている点には思い当たる節もある。

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    2015年06月07日
  • ゴリオ爺さん

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    すべてを愛す
    裏返しは盲目

    カミュの紹介から。
    流れるような矢継ぎ早の表現に絡め取られて、煙にまかれてしまいそうになる。
    同じパリに生きる人間を描いているというのに、サガンのそれとはまるで違う。サガンはたった数人の人間関係を持続させることで、気怠いパリの空気を吐き続けた。
    バルザックは、その気怠さを金と愛の汚泥から容赦なく叩きつける。
    描かれる人間それぞれに人生(ドラマ)を与えていて、きちんと役割をこなす。美しいものは美しく、汚れたものはとことん汚く、その予定調和さにどこか嫌悪を覚えてしまう。パリのみせる二面性があまりにもクリアなのだ。
    ヴォートランの存在は作品全体に色濃く印象を与えていて、

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    2015年06月04日
  • ゴリオ爺さん

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    ネタバレ

    ゴリオ爺さんはかわいそうだけど、自分から進んで財布になってれば人間扱いもされなくなるでしょ。父親としての立場を放り出してお金で釣ろうなんて娼婦を買う男の発想だし、その根性に娘はけっこう失望してたと思うよ。
    この話で一番かわいそうなのはバカ娘を押し付けられた二人の婿さんと思う。まあこの人らも持参金目当ての結婚だったろうから自業自得とも言えるけど。
    ストッパーの奥さんが早逝しちゃったのが爺さんにとっての悲劇だな。救いのないラストだけど悲劇というには滑稽すぎて、「人間喜劇」って副題に納得。ジェットコースターみたいにズバッと読めた。

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    2015年04月02日
  • 役人の生理学

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    オノレ・ド・バルザックのシニカルに満ちた役人論エッセイです。王政から民主政への過渡期の時代において、必然的に導入されることになった官僚制について、いち早くその本質を見極め、滑稽に描写したものになっています。
    訳者の鹿島茂の指摘通り、官僚機構が非効率で無駄が多い理由として、バルザックは間接選挙で支配者が決まる民主国家そのものの構造にあるとしていて、「賞罰を心得た君主に仕える」のではなく、民主国家に仕えるということは、「すべての人びと」が主人である国家に仕えるということであり、それは「『だれにも』仕えないというに等しい」のであって、報酬と名誉が満たされない以上、だれだって真面目に働こうという気持ち

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    2014年09月28日
  • 役人の生理学

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    フランス七月王政期あたり、フランスが近代国家の形を成しはじめた頃の、役人の生態を描くエッセイ。付録にバルザックの小説抄訳とフロベール・モーパッサンのエッセイがついている。それらの時代背景等については、巻末の訳者解説223頁~229頁に実にうまくまとめられている。現代のサラリーマン的な生活様式が、たしかに200年近く前に生まれたことが、同時代を生きた筆者たちの筆により確認できる。月並みだが、本当に今の役人・サラリーマンと変わらないと思った。またバルザックの抄訳小説では、「小さな政府」論が展開されており、そうした論が近代的な政府の成立とほぼ同時に生まれていたことに驚きもした。

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    2014年03月13日
  • 谷間の百合

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    やはり物語というものは悲劇であるべき。ハッピーエンドには美しさがない。個人的にはゴリオ爺さんの方が好み。

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    2013年10月20日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    グランド・ブルテーシュ奇譚
    ことづて = Le message|| ファチーノ・カーネ = Facino Cane|| マダム・フィルミアーニ = Madame Firmiani|| 書籍業の現状について = De l'etat actuel de la librarie

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    2011年10月02日