オノレ・ド・バルザックのレビュー一覧
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ネタバレ主人公フェリックスは人妻モルソフ夫人に恋をしてしまう。ただ、相手は夫にも家庭にも何も不満を持っていない素晴らしい女性。いくらフェリックスが愛の言葉を伝えようとも、常に年上の人妻女性として彼と対応し、彼の母親であるかのように接してくる。というかフェリックスに恋しないように自分に言い聞かせているようである。
フェリックスの一途な恋はすごいが、それを毎回ひらりとかわさなければならない夫人の苦労を考えると、ただ自分の本能に従って人妻に言い寄るフェリックスにイライラさえしてくる。
最後の夫人の手紙が非常に良い。正直、読者なら気づいていたであろう夫人の本当の気持ちが美しい文体で表現されている。 -
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寝不足を招く一冊。要は親バカ過ぎるゴリオ爺さんと、親不孝な娘二人の話だか、実際の主人公はその娘一人と結ばれるはずの学生のように思える。
途切れが少なく、一つのシーンでの話が延々と続くので、やめ時がない。寝る前に読み始めると眠れない。
描写が繊細な訳ではないが、なぜかシーンが鮮明に頭に浮かんでくる。きっと設定が想像できる範囲内だからだろう。ドラマっぽく、結構チャキチャキと展開する割には、ついていけない感じはしない。
ただ、登場人物はもちろんカタカナの名前で、姓と名が混在しまくってるので、はじめの頃は登場人物がなかなか把握できなかった。これは日本語しかできない自分のせいだろうけど。
回収されない伏線がいくつか見られるので、他の作品も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
ネタバレナタリーというこの作品では登場しない人間喜劇の人物に向けてフェリックスという男性が自分の半生を綴る物語。
前3分の2のフェリックスが恋した人妻アンリエットとの仲良くなる過程は冗長に感じられたものの風景描写や感情の揺れ動きが丁寧に描かれ綺麗でそれを楽しむ作家かと勘違いしていた。後ろ3分の1になってようやく主人公のクズさが分かり恋敵のダドレー夫人が登場し物語が動いた時になって、この作者の会話の巧妙さを知った。ダドレー夫人との一件以降はアンリエットに対して言い訳ばかりする主人公がおり、そのことや後に続く死に対してのことを見るに、結局この主人公は寄宿舎時代やアンリエットに不意にキスしたときから根本的には何も変わっておらずマドレーヌやナタリーが言うように自分のことばかりで成長していなかったということが最後には分かった。アンリエットとの約束もついには守られなかったし。最後まで快く思っていなかったモルソフと最終的には主人公が同じ構造だと分かったところも面白かった。
アンリエットの死の描写は言い方はあれだがとても繊細で衝撃を受けた。思うにこれはフェリックスの物語ではなくアンリエットの物語だった。ただ前3分の2が本当に長く何度も挫折しそうになった。読むのに十ヶ月ほど用し再び読み返そうとはもう思わない。最後の最後まで読むまでは星3だと思っていたが、意味は理解できたので四捨五入したら4になるくらいの点数だと思う。 -
Posted by ブクログ
パリの死刑執行人の家系サンソン家4代目当主の、人生と苦悩。
サンソン家に直接取材し、多くの資料を基に書いたのは、
若き日のバルザック。本邦初訳。
・はじめに・・・翻訳にあたった経緯が書かれている。
1830年に共著二巻本で出版。バルザックと共著者の
書いた部分を振り分けた本を基に翻訳、等。
全14章。
・シャルル―アンリ・サンソン関係略年表
・サンソン家関連文献・資料案内
サンソン家歴代当主の残した手記や日記等の多数の資料と、
5代目当主から聞き取った記録から、サンソン家4代目
シャルル―アンリに成り代わって語る、死刑執行人の姿。
敬虔な彼を偏見と誤った情報が苦しめる。
少年時代、寄宿学校を放校になった差別といじめ。
家業を知った時の衝撃。逃れられない継承。
政情不安と庶民の不満が高まっていく革命前の様子。
その合間に現れる幾つかの逸話は、フィクション化し、
人の心の情景に重きを置いた味わいを感じられます。
各地の死刑執行人の歴史と彼らの扱い。
彼らの職務である、拷問と興奮状態の民衆の前での刑の執行。
牢獄管理人の存在。恋と家業に挟まれた苦悩。
死刑執行人だけでなく、らい病、教会での様々な差別等。
銃殺刑の悲劇、軍隊における殺人。
バルザック自身の、死刑制度廃止の思想も盛り込まれています。
だけど、イタリアでの死刑執行人と盗賊の逸話の
クライマックスで終了。続編は出ることがありませんでした。
シャルル―アンリの初仕事もフランス革命も無し!
前年『ふくろう党』が評判になり、人気作家への道を歩み始め、
次年には新聞王ジラルダンと組むようになり、多忙の中に
続編には手を付けられなかったのかもしれない。
なんとも残念です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むのにとても時間がかかり挫折しそうだったが、真ん中のヴォートランの秘密辺りから加速。
解説に「主人公はパリ」と書いてあるのにとても納得。途中気になった、登場人物の他の作品での展開もあるらしい。
ゴリオ爺さんの最後、溺愛する娘たちに看取られず悲しすぎた(自分は家族の愛に感謝し、大切にしようと思った)。ウージェーヌ、身の丈に合ってない社交界に入るのだが、ゴリオ親子を見てこの世界に闘いを挑む最後は救われる。
しかし、この時代のパリの文化はすごい…。夫人を平気で誘惑。きらびやかなパーティー。贅沢な暮らし(光と影)。調べたら、ショパンの時代も重なっている。 -
Posted by ブクログ
大学生の身でありながら学問はさぼりがちで
人妻訪問にばかり精をだす
ウージェーヌ・ラスティニャックがそうするのは
社交界で人脈を作ることこそ、出世の早道と信ずるからであるが
なにしろそのためには金がかかるのだった
そんな彼の前に、二人の男が現れては破滅し、去っていく
ジャック・コランとゴリオ爺さんだ
一人は、資産家の娘を篭絡してしゃぶりつくすことをそそのかす悪党
もう一人は、娘たちへの愛情だけを杖に生きてる惨めな老人
ウージェーヌは、そのどちらにも一定の共感を抱くが
しかし、どちらの示す道をも選ぶつもりはなかった
いわば父性との決別
それがナポレオン・ボナパルト斃れし後の
フランス共和主義の気分というものだったのかもしれない