名和高司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ー 一般的な会社は、腹が出た中年を思わせる“凸レンズ”、型になっている。つまり、中期計画を主軸とした経営だ。 短期の計画はおろそか、長期計画
はもっとおろそかにする「中期計画症候群」。近年おかしくなってしまった東芝は、まさにこの状況だった。そもそも計画は、先が見える時代には効果的だが、非連続な時代には向かない。三年前に考えたことを実行しても、時代からずれていくだけだ。ではどうするか、というと、「ローリング」と称して、毎年計画を変更しているわけだ。結局、中期計画は守られないが、それは環境変化のせいになってしまう。
いい会社の場合“凹レンズ”になっている。毎週、毎月といった超短期の計画と、たとえば2050年の展望のような超長期計画を立てる。企業として大切な視点は、この短期と長期の視点なのだ。大前さんのように先を見る目はとても大切だ。が、それと同時に、KPIを定めて短期をしっかりやり切ることも大切なのである。 ー
基本から応用まで、理論から実践(実際のコンサル体験話)まで、内容が詰まっていて良かった。
ボスコンかマッキンゼーか、の議論が面白い。 -
Posted by ブクログ
コンサルがどうやって問題解決していくのかを述べた本。
コンサルが考える問題解決法に興味があり読んでみた。
フレームワークを使った考え方や、マッキンゼー、ボストンの有名コンサル会社を比較したり、自分の知らない世界が沢山あってとても勉強になった。特に納得できたのが、What何が問題なのか?→Whyなぜ問題なのか?の後にHowいかに問題を取り除くか?を考えるのではなく、間にWhy not yetなぜまだそれができていないのか?を考えるのが重要であると。この問いは目から鱗であり、即座に自分の業務に取り込んで活用しようと思う。
コンサルに関する内容であり、一回読んだだけでは5割も理解できて無さそうだが、理解できるまで何度も読んでいこうと思う。 -
Posted by ブクログ
確かに、教科書。
教科書としては★5。
McKで長年にわたり多くの企業の変革を携わった経験と、一橋で教鞭を立っている現在のお立場の両方が、よく反映されている。
すなわち、現場での経験が抽象的な知恵に昇華され、きれいな言葉で表現されている。
この手の本にありがちなwhatの議論だけでなく、howとwhoの議論まで踏み込んでいる。
それにも関わらず、教科書らしい整理された体裁で収まっている。
このバランス感覚はお見事。
また、コンサルティング経験が長年されてきた著者だからこそ感じるその限界を、時折本の中に垣間見ることができる点も面白い。
その主張が、若干浅いように感じる。
この本に加えて、ミスミの三部作や『企業変革の実務』を併せて読むと、より腑に落ちた形で理解できそう。
いずれにせよ、プロジェクトが始まるとき/終わったときに帰ってきたい一冊。 -
Posted by ブクログ
■企業タイプ
A.1990~2010 年の20 年間に、売上高、営業利益、時価総額を大きく伸ばした企業がある。それら勝ち組100 社を分析すると、経営モデルは、次の4 タイプに大別できる。
・タイプJ:「オペレーション力」(技術力、製造力、販売力などの現場力)に磨きをかけ続ける。
・タイプW:オペレーション力に加えて、トップの「経営変革力」で成長を牽引する。
・タイプX:オペレーション力に加えて、「事業モデル構築力」と「市場開拓力」を成長のエンジンとする。
・タイプZ:オペレーション力、事業モデル構築力、市場開拓力、経営変革力の4 つ全てを兼ね備える。
B.日本企業の大半は「タイプJ 」である。だが、今後はオペレーション力だけでは成長できない。なぜなら、右肩上がりの時代であれば、市場も自然に広がり、企業の売上も伸びたが、今後の日本経済にそれは望めないからである。
C.タイプX へ変革するための前提条件は、「強い危機意識」と「やり遂げる力」である。
D.X 経営転換への切り札は、次の3 つである。
・ずらし:自社の「軸」(事業領域や技術、特定市場)を見直し、それを「ずらす」ことで新市場を開拓する。
・緊密な協創:協力する相手と「緊密な協創関係」を築く。
・海洋国家モデル:地球規模での活動を行う。
E.儲かる仕組みを考え出しても、市場がなければ成長できない。市場をつくっても、儲かる仕組みがなければ単に売上が膨らむだけに終わる。つまり、この2 つの力は、同時に両方が動いて初めて成長の駆動力となるのである。
F.ただし、危機感をもった時にやってはいけないことがある。それは、闇雲に多角化することだ。いくら成長分野だといわれる事業領域であっても、本当に成長できる企業は限られる。では、何をすべきか? まずやるべきは自社の「軸」を見直すこと。創業以来、大事にしてきた事業領域や技術、特定市場にもう一度立ち返る。そして、それを「ずらす」。市場や技術をずらすことで、常に新しい事業モデルをつくり、新市場を開拓し続けることが成長につながる -
Posted by ブクログ
戦略本はやはり面白い。
最初の1章や2章では、なんとなく所謂バズワード的な言葉の羅列であったり、ありきたりのことをちがう言い回しで書いてあるだけであったり、単によくわからない英語を使っていたり。ちょっと軽薄な本かなと思っていましたが。2章・3章あたりでの考え方を書いてある部分(バタフライモデル・メビウス運動)は非常に参考になったし。面白いと思いだしました。最後のほうの4章のグローバル化や5章の日本企業のグローバル化における協創や共層の考え方はなんとなく、ちょっとインスピレーションを感じたかもと思いました。
企業の実例(事例)が割と豊富に紹介されていて、よかったと思います。
お勧めです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一言要約:エシックスは守破離に通す軸で、日本人に備わる強み
過去や現代などといった時間を超越して求められる「生き方」とは、言葉を変えれば「変化・挑戦」「イノベーション」など色々だが、既存を程よく守りつつ変わっていくこと(守らねばアイデンティティが失われ完全別物化する)で、これはまさに「守破離」である
ただ、何でもかんでも変えればいい訳ではなく、地に足をつけるのが「人」である(品なく何でも変えるはサピエンスと呼べず野生生物だ)
この「地」こそがエシックス(倫理や道徳、善)であり、ここは世界でも抜群に民度が高いとされる日本の誇りであり、失ってはならず、かつ強みとして大きく活かさねばならない
著者の言うように、そろそろ欧米キャッチアップ型マインドを捨て、日本伝統温故知新型という、我々に合ったやり方に戻らねばならない -
Posted by ブクログ
ネタバレ「オープン・イノベーションって、流行っている割には、失敗の山では~新しい市場創造に結びついたのは、世界的に見ても、ユニクロと東レの関係くらいだと、タカシ先生も昨年のイノベーションの授業で語っていましたね」
「実は、わたしがファーストリテイリングの社外取締役だったころ、柳井(正)さんに、東レとの関係をオープン・イノベーションの成功例と持ち上げると、笑われてしまいました」と、タカシ先生。
「実際、ヒートテックを生み出すのに、五年もかかったのです。それは、両社の間の高い志と太い信頼の絆、それに不屈の覚悟の賜物です。『オープン・イノベーション』などというチャラい関係性ではなく、『タイト・カップリング』とも呼ぶべき緊密な関係性が求められるのです」
「それはまだ、カイシャそのものが固体として閉じていた時代における関係性ですね」とペータが少しムキになって反論します。
「カイシャは長らく、市場という大きな海に浮かぶ孤島にすぎなかったといえるでしょう。そして、M&Aやアライアンスのようなタイトな関係、さらにはコンソーシアムのような緩やかな関係が、孤立したカイシャ同士を結び付けていくわけですね。
しかしカイシャが融解しだしていくと、異次元の関係性が生まれていくはずです。
個々のカイシャからネットワーク組織へと大きくパワーシフトしていくのではないでしょうか。未来考古学を標榜するわれわれも、そろそろ過去や現在から未来へと大きく視点展開していきませんか?」
イノベーションは異質なもの同士の結合によって生まれるのです。そして10のn乗の未知数が集まる場には、多様な創発が生まれる可能性があるんじゃないかな」
「タカシ先生的に言えば、超成長から異成長ね。最近は、スケールアップからスコープアウトへ、とも言っていますね」とトーモ。
「異質な知恵や才能がぶつかり合うことで、イノベーションの芽が生まれる。でもそれだけだと、0→1のクリエイターで終わってしまう。それを1↓10、すなわち、事業に仕立てるには、タカシ先生の言う『たくみのしくみ化』が必要ね」「それって、エンタメの世界でいえば、プロデューサーの役割ですね」とレキト。「作品全体の企画・制作を統括し、予算管理や関係者との調'を行う人財です」「では、10↓100は?」とペータ。「そうしないと、単なるニッチビジネスのオンパレードとなってしまう」
「それは、エンタメで言えば、プロモーターの腕の見せどころではないでしょうか」とレキト。「作品やアーティストを広く宣伝し、集客する役割を担う人財です」
「そうなると、カイシャも組織もいらないんだ」とペータ。
「クリエイター、プロデューサー、プロモーターの三種類の人財がそろえば、イノベーションを生み出し、スケールさせていくことができる。たとえば、僕ら三人が集まれば、それでコト足れりってわけだね」
「レキトがクリエイターだとして、わたしは何?」とトーモ。
「もちろん、一番知恵が求められるプロデューサーさ」とレキトが、持ち上げます。
「スケールさせることにこだわる僕は、プロモーター志望というわけ」「わたしにはプロデューサーの才能はないと思うけど」とつぶやくトーモに、ペータが畳みかけます。
「DNAを覚醒させればいいんだ! -
Posted by ブクログ
ビジョンやバーパスは最近本当によく目にし耳にする。類書を読んでみても概念にあまり違いは感じない。要はどうありたいか、そのためにどう行動するかでしょう。
行き過ぎた資本主義による閉塞感、疲弊感で元気をなくしている世の中。
なぜ自分たちは存在し、何をやりたいのか。
少し哲学的ではあるがこのような問いが原動力となって内から発信されるのがパーパスだろう。
日本が得意とする人を中心に捉えた経営や考え方が見直されているという皮肉。
好調な時こそパーパス作り。鍵を握るのはミドル層とのこと。この層を焚きつけ熱意を持ってちょっと背伸びして届くか届かないかのストレッチゾーンに目標設定。価値の言語化、言葉には徹底的にこだわり自分事とすること。
ノーマルに安住せず常に変化を続けることこそノーマルに。
どんなにAIがもてはやされてもやはり人なんだ。