あらすじ
一橋ビジネススクールの「エグゼクティブMBAコース」で教える
問題解決の定石から新時代での応用までが、この1冊で学べる
21世紀のバリューを創っていくのは、問題解決のプロではなく、
何が価値なのかを、真善美の「善」に基づき判断できる人だ。
IQ重視のマッキンゼーとEQに勝るボスコン、世界の二大コンサルの問題解決の基本技とその限界を、
マッキンゼーのディレクター、ボスコンのシニアアドバーザーを務める双方を知る数少ない存在である著者が、
それらを超える価値創造の技術とビジネスの最新潮流と共に語る。
すでに語られ尽くされた感のある問題解決の定石の新たな活用法が豊富な事例とともに示される本書は、
新時代の問題解決の教科書としてビジネスパーソン必携の一冊である。
第一部 コンサルの基本技
1章 問題解決力
2章 課題設定力「論点思考」
3章 仮説構築力「仮説思考」
4章 インパクト力「インパクト思考」
5章 フレーミング力❶MECEとロジックツリー
6章 フレーミング力❷定番フレームワーク
7章 分析の切れ味
8章 ストーリーとしての戦略
第二部 一流コンサルのスゴ技
9章 大前研一の「ワープする脳」
10章 IQ・EQ・JQと「真善美」
11章 システム思考
12章 非線形思考
第三部 コンサルを目指す、コンサルを超える
13章 コンサルを目指すあなたへ
14章 コンサルを超えたいあなたへ
15章 社会課題を解決したいあなたへ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コンサルタントの視点で、1年目の新人からキャリアを詰んだリーダーまで普遍的に必要とされるスキルを簡単に解説している1冊である。
どのような職業についている人でも、プロフェッショナルとして働く以上、一読する価値はあるだろう。
中でも、
ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えること。
という箇所は、この本を読む視点すら変えさせられるような内容だった。
所々に、その分野に関しての参考図書が乗っているのも、さらに深い勉強に繋がる。
ビジネスパーソンとして、伸び悩んでいる人ほどぜひ読んで欲しい。
Posted by ブクログ
マッキンゼーとボスコンを両方経験している。名和さんだからこそ書ける本であり、さまざまな指標で比較される2社の違いが面白かった。
個人的には、ボスコンのような相手に気づかせるようなコンサルティングができるコンサルタントが、戦略だけではなく実行も推進していくことが魅力となるこれからにおいて、求められるようになると思う。
特に印象に残ったのは、人間力を豊かにする3つのPである。
perspective 自分らしい軸があるか
personality EQ JQが感じられるか
passion 本気度が感じられるか
また、複数の専門性を持つπ型人材となり、社会課題の解決のために自分の能力を発揮すると言う生き方をしていきたいと思うようになった
Posted by ブクログ
事業会社でコンサル的な問題解決するための考え方を知りたい自分にはぴったりの本だった。
基本的な論点思考、仮説思考、フレームワークワークから始まって、これからの時代どう生きるかという示唆まで与えてくれる。
Posted by ブクログ
マッキンゼーとボスコンの両方でトップの地位にいた名和氏の本。
人生100年時代をどう生きていこうか?どう変身していこうか?と悩んだ末ビジネスコンサルの手法を学ぼうと決心したわけだが、この本にはそのすべてのエッセンスが書いてあった。すなわち、どこを目指すか、何を身につけるのか、なぜそうするのか、そしてどのように実現すれば良いかだ。
Posted by ブクログ
同じコンサルでもマッキンゼーとボスコンでは全然アプローチが異なること、これまで学んできた様々なフレームワークは、そのまま使っても今の時代に合わなくなっていること、今の日本企業は中期計画を重視しているが、本来は長期と短期を組み合わせるべきこと等、他書には無い様々な考え方が書かれておりとても参考になりました。
繰り返し読みたい本の一つになりました。
Posted by ブクログ
ー 一般的な会社は、腹が出た中年を思わせる“凸レンズ”、型になっている。つまり、中期計画を主軸とした経営だ。 短期の計画はおろそか、長期計画
はもっとおろそかにする「中期計画症候群」。近年おかしくなってしまった東芝は、まさにこの状況だった。そもそも計画は、先が見える時代には効果的だが、非連続な時代には向かない。三年前に考えたことを実行しても、時代からずれていくだけだ。ではどうするか、というと、「ローリング」と称して、毎年計画を変更しているわけだ。結局、中期計画は守られないが、それは環境変化のせいになってしまう。
いい会社の場合“凹レンズ”になっている。毎週、毎月といった超短期の計画と、たとえば2050年の展望のような超長期計画を立てる。企業として大切な視点は、この短期と長期の視点なのだ。大前さんのように先を見る目はとても大切だ。が、それと同時に、KPIを定めて短期をしっかりやり切ることも大切なのである。 ー
基本から応用まで、理論から実践(実際のコンサル体験話)まで、内容が詰まっていて良かった。
ボスコンかマッキンゼーか、の議論が面白い。
Posted by ブクログ
フレームワークの説明・分析だけでなく、それを使って何を見出すのかまで説明されていたのがよかった。SWOTや3Cでも、一味違った切り口が紹介されていて読んでよかった一冊。
WHY,WHAT,HOWだけでなく、実際の実行に移すための課題は「WHY NOT YET?」が実は大事ということ。
でも本当に必要なのはフレームにとらわれず、「OUT of BOX」していくこと
Posted by ブクログ
コンサルがどうやって問題解決していくのかを述べた本。
コンサルが考える問題解決法に興味があり読んでみた。
フレームワークを使った考え方や、マッキンゼー、ボストンの有名コンサル会社を比較したり、自分の知らない世界が沢山あってとても勉強になった。特に納得できたのが、What何が問題なのか?→Whyなぜ問題なのか?の後にHowいかに問題を取り除くか?を考えるのではなく、間にWhy not yetなぜまだそれができていないのか?を考えるのが重要であると。この問いは目から鱗であり、即座に自分の業務に取り込んで活用しようと思う。
コンサルに関する内容であり、一回読んだだけでは5割も理解できて無さそうだが、理解できるまで何度も読んでいこうと思う。
Posted by ブクログ
初めて、コンサルティングの本を読んだが非常に奥が深い内容だった。
コルサルする上で大事なこと!それは、課題設定であり、本質と構造を見極める必要がある。
では、具体的にどうする?
本質を見極めるのは、チョークポイントという問題の根っこを探る。この方法として、「イシューから始める」これは、闇雲に色々試すのではなく仮説を立てながら検討していくことが1番の近道である。
問題解決は4段論法を用いる。ここでは、
1.何が問題なのか?
2.なぜ、それが問題なのか?
3.なぜまだそれが出来ないのか?
4.それができるようになるためにはどうすればいいか?
筆者は特に3.の要素が重要だと述べていた。
次に構造化については、色々述べられていたが、重要なのはマトリックスを作る2軸の設定だと述べられていた。ここでは、縦軸にマーケットのシェア率、横軸にマーケットのシェア率を設定にしていた。コンサルは、このマトリックスの右上に行くように戦略を立てていく
そして、未来のコンサルにとって必要なのはJQと呼ばれる判断力である。データから真実を読み解くのはゆくゆくはAIにとって変わられるが、社会や経済、環境的な観点も考慮して判断できるのは人間だけであると述べている。これを養うには、トライアンドラーン、すなわち、挑戦して学んでいくことである。
そして最後に、これからは問題解決だけでなく価値創造ができる人を目指して挑戦していって下さいと述べられていました。
Posted by ブクログ
経営コンサルの『本質』はクライアントが解決したい問題の奥にある別の『真犯人』に迫って潰すことにある、と言う。
ここで名探偵として名高いマッキンゼーとボスコンが登場する。その2社に居た筆者によると、最初に答えを示すマッキンゼーは、犯人を追い込んでいく刑事コロンボ。相手に答えを気づかせるボスコン流は、謎解きを読者と共に導く名探偵ポアロに例えるのが面白い。
定期的に『問題解決』系の本を手に取るので何も考えなしに読んだが、2社の対比という切り口は興味深かった。
Posted by ブクログ
面白かったです。マッキンゼーとボスコンのコンサルティング手法の違い、大前研一さんの右脳と左脳の繋がりの強さなど、いきいきと説明されていました。読者個人的には、左脳、ロジカル至上主義の職場に何年も強い違和感を覚えていたので、その違和感を紐解いてもらえた気がしています。またコンサルティング手法の限界のような部分は他の書籍でも語られないところなので有益でした。
Posted by ブクログ
いくつかコンサル本を読んでいるが、それらと比較して課題解決と課題解決ではなく価値創造に重きを置いている印象だった。
視する思考軸
「二律背反(トレードオフ)を常に意識し、それを統合・超克する思考が重要」というスタンスは、現場だとキツイが、長い目で見て企業変革に必要なプロセスなのだろう。
課題解決マシーンにならないように、判断力を培うようにしたい。
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊。様々な課題に対応するフレームワークの紹介があったが、実践で活用するには優先度や自分の状況に合わせて行う必要があると感じる。
Posted by ブクログ
・問題解決にあたっては、イシューツリー、ロジックツリーを書いて問題を構造化し、真因を突き止めること。
・以下の順で、真因を突き止めること。
①what「そもそも何が問題なのか」
②why(5回深掘ること)「なぜそれが問題なのか、何が原因か」
③why not yet「なぜそれが今も対処されずに放置されたままなのか」
④how「それではどう対策するか」
・特に、③が肝である!!
・基本的なフレームワークは使いこなせるようになること。ただし、守破離が理想である!
Posted by ブクログ
前半〜中盤のコンサルテクニック、フレームワーク、マトリクスの使い方については、類書のようにただテクニックを当てはめるだけでなく、そこから独自のインサイトにどう結びつけるかというところまで踏み込んでおり、大変勉強になった。ただ、本書が売りにしている後半のコンサル凄技、超える部分は5分のマインドフルネスや真善美など寄せ集めの知識で使い方がよく分からないのですっ飛ばした。
2018年時点の企業の浮沈(ex.SONYのゲーム事業)だけで戦略的な成功失敗を論じていたり、不必要に哲学や心理学などの知識をひけらかして、薄っぺらい教養を散りばめている感じがいかにもMBAで鼻につくが、こういう部分に目を瞑ればとてもよい本だと思う。
総括として、前半はとても勉強になりました。私はペッパーに仕事を取られるなら本望です。
Posted by ブクログ
新旧様々なコンサル技法や経営学で議論される考え方を紹介しつつ、著者のより現代な観点でそれらの手法・考え方を再考した本。BCG流とマッキンゼー流の構図が興味深く、文章の納得感は高かった。最後の方で語られたAI台頭時代におけるコンサルの在り方について、AIを超えるには全く関連の無さそうなところを結び付けてみる...みたいな表現があったが、そこにロジックや納得感を持たせて経営陣を動かすことって相当難しそう…そしてその辺りも本当に現代のAIで不可能なのだろうか、と思った。データ分析者あるいはAIそのものに対するコンサルの立ち位置の厳しさを感じた。
Posted by ブクログ
MckとBCGというトップファームでキャリアを積まれた一橋ビジネススクール名和氏のコンサル論。両ファームの比較から始まり、フレームワークの重要性と限界、問題解決手法、これからの時代のコンサルに求められる価値創造まで、忌憚ない切れ味鋭い論法で面白い。IQのMckとEQのBCG比較(でもJQが大事)、MECE思考とそれを突破した先にこそ本質的価値があるといった実践経験が豊富な方だけが語れる凄みを感じる。本書を読むとMckにやや批判的でBCGにやや好意的かと思わせながら、Mckは好きなゆえに厳しい提言をしているのが読み取れる。特に大前氏との思い出を語る著者の文体は温かみがある。
本題とは逸れるが大前氏と大手通信会社社長とのバックキャスティングのエピソードが非常に印象的だ。まさに残心。こうした人間的深みと「ワープ脳」というものが、ドラッガーやピーターズと並び称されたグールーたる所以だったのだろう。一度体感してみたい。
Posted by ブクログ
通説を疑う
ロジックツリー以外にイシュー(課題)ツリーも作る。
アンゾフの成長マトリクス
マッキンゼーでは最初に結論
ボスコンは結論は最後
自分で答えを見つけた気にさせ「やらされ感」をなくす。
①問題とされていることが、本質的な問題とは限らない
②仮説から始める
③問題の構造化
④チョークポイントにフォーカスする
「トレードオフ」ではなく、「トレードオン」の実現を目指す
CSV=社会課題を解決することで、社会価値を高め、経済価値、すなわち自社の企業価値を高めようとすること。
Posted by ブクログ
マッキンゼー vs. BCG を語る本。よくあるフレームワークの使い方、限界を解説しており、その意味では実践的。BCG に肩入れしすぎ感はある、マイケルポーターは古いと断罪するものの、その先で語られるのがリクルートのリボン図や CSV なので、もう少し他にないのかな?という印象はある。
Posted by ブクログ
マッキンゼーやBCGが活用する基本技のご紹介。思考法もフレームワークも参考になるが実践しないと定着できないなと感じた。仕事にガンガン取り入れていきたい。
Posted by ブクログ
コンサル職に興味があり、本書を読ませて頂きました。
様々な技法と、考え方が語られておりコンサルという仕事の面白みを感じることができました。
内容の中でコンサルに限らず通ずる部分も多くありましたが、その中でも課題解決では無く価値創造ができる人材になることの重要性が説かれており、
どの様な仕事をしていく上でも念頭に置きたい内容であると感じました。
Posted by ブクログ
よく聞くようなコンサルの考え方ではなくそこから一歩深く踏み込んでコンサルの技法を解説している。今までの仕事で「この視点、考え方大事なのでは」と思っていたことも書かれていたので、自信持てた。
Posted by ブクログ
タイトルとはちょっと違うかもだが、いいことは書いてある。やり方というより心構えや考え方に近い内容で、読んでできるかはまた別な話。中盤の大前研一さんの賛美はうーんって思ってしまう
個人的に刺さったのは以下
・論理だけではNGで最後は心理学の領域
・なぜそうなっていないのか?に解答を出す
・MECEに分けるのは盲点を見つける手段
・自分の軸で善悪を判断が必要
・最後はその人の本気度
・モラトリアムでいていろいろ吸収する
Posted by ブクログ
問題を捉える思考の順番が記載されているのがGOOD。
何が問題か→なぜ、その問題の解決策がまだ実行されないか/出来ないか(why not yet)。
この「なぜまだ出来ないのか?」にこそ企業固有の真因が隠されている。
・問題とされていることが真の問題ではない。
・皆が問題として群がるところを目指すな。
・問題を巻き込んで解決策に出来ないかを考える。
・まずは仮説ありき。しかし仮説は崩すものと心得る。
・orではなくand
・バックキャスト。究極から逆算すると今やるべきことにあらたな視点が加わる。
ポイントポイントでハイライトしたところがあった。
後半はダラダラしたので流し読み。
Posted by ブクログ
マッキンゼーはファクトベース。1プロダクト3ヶ月で答えを出す。
ボストンコンサルティングは、1~2年かけて自分たちが気づくのを待つ。
科学者は仮説をもって観察する。
デイワン仮説を持て=最初の日に仮説を立てる。思い込みはすぐに修正する。
Posted by ブクログ
◎コンサルを超える
Q.現段階で取り入れるべき考え・手法は何か?
A.成長を促進させるための軸
①インプット時間の規定
②インプットタスクの絞り込み
③生産性の向上
問題解決のステップ
・問題を定義する
・問題を構造化する
問題の本質を掴む
ex)エレベーターがなかなかこないため苛立っている
→エレベーターの前に鏡を置いて、手持ち無沙汰な時間をなくす
Why not why?
なぜ?→なぜそうなっていないのか?
◉仮説思考
仮説を持つ勇気と、仮説を壊す勇気
◉構造化
問題を構造化して、優先順位をつける
ロジックツリーを作った後も、思考を止めずに出来るだけ色々書き出す
◉大きな視野
そもそもなぜそうなるのか、本当は何をしたいのか、全体像で捉える
◉人が動く動機
達成感
危機感
使命感
自分の軸を持ちつつ、様々なものを見逃さず、触れる
◉成長を促進するには
潜在能力をブラッシュアップする
①インプット時間の規定
仕事に対して使える時間を規定する
ex)週4日で働くつもりの意識
②インプットタスクの絞り込み
インパクトが高く、スキルの独自性があるものを重視
③生産性の向上
まず、何のために仕事をしているかを腹落ちさせる
Posted by ブクログ
マッキンゼーとボスコンの比較ばかりが頭に残り、結局なにがコンサルを超えるやりかたなのかがわからなかった。知識の一つとしては参考になったが、長い。
Posted by ブクログ
これからコンサルを志す方には情報量は多いが、エッセンスを学ぶことができる。
いろんな用語や考え方をよく知ることができる
なぜいまできていないのか(why not yet)を大切にする。
コンサルとしては自分自身や置かれた環境を考え続けた人が多い
セレンディピティを大切にする。
ただし、章の最後にサマリーは書いてあるが、名和さんの経験の側面が多く、教科書寄りのエッセイというな印象を受けた