あらすじ
新しいことができない、世代交代が起きない、無能な人が出世する……
閉塞感を感じているすべての人は、最高の経済学者「シュンペーター」を知ろう!
スティーブ・ジョブズは「iPhoneを作ったことがすごい」と言われがちです。でもそれは間違いです。本当にすごいのは「iPhoneを世界に広めたこと」です。
iPhoneに似たものは当時かなりありました。ジョブズの真骨頂は、「すでにある似たようなものを組み合わせ、それにより人々の生活を変えたこと」です。ただ製品を思いつくだけではなく、その先にいる人々――しかも世界中の人々――に「思わず使わせたくなる製品を作り、きちんと届ける販路を作り、もちろん原料の調達も可能にしたこと」がすごいのです。これは、シュンペーターのいう「イノベーション」理論を体現しています。
シュンペーターは「イノベーションの父」と呼ばれています。
今から約100年前、シュンペーターが29歳の時に、「イノベーション」という概念を初めて世に問うたことは知っていましたか。
シュンペーターの理論は、現代に働くみなさんが知っておいた方がいいことばかりです。
たとえば、シュンペーターは「アイディアなんてただのゴミ」だといいます。そんなものより、ジョブズのiPhoneのように「すでにあるものを組み合わせること」の方が大切だとしています。これは、松下幸之助の得意技でもあります。その方が大きなものが生み出せます。
ほかにも、「変革は外から起こるのはなく、内からしか起こらない」「景気の波は繰り返し起こる」「受け身な人間はただの快楽的な人間」「資本主義は終焉を迎える」など、さまざまな理論を残しています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シュンペーターについて理解を深めたいと思っていたところ、たまたま名和氏が書いたこの書籍をみつけ読んでみた。
非常に分かりやすく、入門書として最適。
ここからより専門的な内容の書籍を読み進めていくのが〇。
Posted by ブクログ
自分が思っていた「イノベーション」「アントレプレナー」像は、シュンペーターが考えていたものとはズレていることに気づかされた。0→1ではダメで、1→10, 10→100までスケールすること、これは日本で最近流行っている意味での「スタートアップ」に欠けているところだと感じた。
Posted by ブクログ
脱成長や新しい資本主義と言っても、と思っていた頃に手に取ってみた。
スケールアップとスケールアウトの違いなどを知り、価値観が変わったと思う。
配分だけでなく、成長への希望を持てた方がいいと感じられた。
イノベーションでしょと、単語だけ知っているような方には特にオススメ。
Posted by ブクログ
会社で信頼のおける上司からシュンペーターの紹介があったため購読を決意。ページ数は多いが分かりやすく内容展開しており、非常に読みやすかった。
経済発展するためにはイノベーションが必須となり、そのためには既存の高いレベルの事業を組み合わせる新結合が重要となることが良く理解出来た。日本企業が縋りがちな両利きの経営に警鐘を鳴らすなど興味深い内容であった。
Posted by ブクログ
均衡・脱成長主義は現実から目を背けた快楽主義でリスクでしかない。今こそ立ち上がり、行動する人になろう。
以下メモ
・資本主義の本質はイノベーションであり、イノベーションによって生産性・創造性を飛躍的に高め、利潤の再投資を促す。
・イノベーションとは内発的な活動であり、アントレプレナーは既存のものを組み合わせて筋の良い事業を創ることで創造的破壊を起こす。ただし0→1には価値がなく、真に重要なのはスケールと社内実装である。
・創造的破壊とは既存の秩序を破壊し、自社が保有する資産を取り出して組み換えること。(=新結合)
新結合は、異と異の融合でしか生まれない。
・目指すべきはマーケットアウト。需要・市場を創り出す力。
Posted by ブクログ
わかりやすい入門書です。もっと難しいものかと思っていましたが、シンプルで初めての人にもシュンペーターの考え方がすっと入ってきて、わかりやすかったです。(ただし、専門分野の方には物足りないかと)
Posted by ブクログ
世界の経済界を代表する4人のうちの一人と言う。(あとはアダム・スミス、カール・マルクス、ジョン・メナード・ケインズ)これは知らなかった。
29歳の時に「イノベーション」と言う概念を初めて世に問い、「イノベーションの父」と呼ばれる。
彼は、アイデアはただのゴミで、それより既にあるものを組み合わせることこそ大切で、イノベーションこそが資本主義の本質だと言う。
0→1ではなく、1→10そして100へとスケールすることが重要だと。
彼は異端の学者だったが、彼の価値を再発見したのは、かのピーター・ドラッカー。
シュンペーターの思想の最大の特徴は、時間軸を10~50年スパンでとることで経済を波動として捉えた。
真のイノベーターは、外部で何の変化が無くても自らを変え外部に働きかけ、志を高く掲げ、あらゆる可能性を視野に入れ、実際に行動に移す。そして自らの思いを顧客にしっかりと伝えることが大切だ とした。
この書を読んでも、私のような凡人にはイノベーションが生まれるとは全く思えないが、これから起業家(アントレプレナー)を目指す人にとっては、参考になるかもしれない。
Posted by ブクログ
シュンペーターについて平易な文体、深い内容
「イノベーション」新結合 アイデア・創意工夫→実行が何より大事
①自ら行動 環境に働きかけ、環境を変える
②リスクを取る アントリプレナー
日本人好み ドラッカー
Posted by ブクログ
アイデアなんてただのゴミ!それより、既にあるものを組み合わせることの方が、桁違いに大きなものを生み出せる!iPhoneがその好例。
両利きの経営なんて時代遅れ!足元を見て、イノベーションを起こせ!
0→1が開発、1→10がマネタイズ、10→100がスケール化。0→1のアイデアは、奇抜な発明家や星屑ほどあるスタートアップに任せておけば良い!マネタイズ、スケール化が、本当のアントレプレナーの腕の見せ所!
最後の「もしシュンペーターが現代日本に現れたら」が、秀逸。
新しい資本主義?新しい社会主義を検討したら?志本主義なら、機能するかも?
ウェルビーイングなんて見果てぬ夢だ!
パーパス経営なんて、きれいごと。イノベーションが必須!
両利きなんて無理!本業のど真ん中で、創造的破壊をしないと、スケールしない!
オープンイノベーション?そんなことでイノベーションは不可能。信頼に基づくクローズな関係が必須!
ダイバーシティなんて既にある。インクルージョンが大切。異質な才能がワンチームとなって初めて新結合が生まれる!
Posted by ブクログ
0→1よりも1→10→100にスケールさせるところがイノベーションの本質。既存事業を破壊するような大きな事業創造を狙うべき。
イノベーションはまずは企業の内側から生じる活動。マーケットアウト。
Posted by ブクログ
ちょっと余白が多くて、小さいサイズでも良かったのでは?と思う本だった。内容も軽めで、とても分かりやすくシュンペーターの考えを説明している。シュンペーターの著作はほんとうに読みづらい印象しかないので、それと対比させたのだろうか?
イノベーションが新発明やアイデアではなく、社会実装ということが何度も強調されている。また、イノベーションの考えを補足するための実業家や他の学者の考えや参考図書情報が多く掲載されており、それらも読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
2023年36冊目。満足度★★★☆☆
著名な経済学者シュンペーターについて、大学教授が解説した本
わかりやすく説明しようという意欲は伝わるが、著者の考えがあまりにも多く入り込んでいるため、読んでいて逆にスッキリしなかった。
Posted by ブクログ
イノベーションという言葉の生みの親とも言えそうな
シュンペーターについて知りたくてこの本を読んでみました。
本家本元のシュンペーターの本はちょっと難しそう…と日和ったので、
まずは読みやすそうなこっちの本から。
シュンペーターの難しそうな理論に対して、
著者が分かりやすく解説してくれている点では、
この本に一定の価値があると言えます。
一方、著者の思いや主観がふんだんに盛り込まれていて、
それがこの本を面白くもしていることは認めますが、
個人的には必要なかったかな、という印象。
若干、両利きの経営に対して、
誤解をしているようにも見えましたし(自分の歪曲理解?)。
もし、シュンペーターの理論に付け加えることがあるとすれば、
著者の華々しいキャリアの中で、シュンペーターの理論に基づいて、
イノベーションを起こした事例をたくさん載せればよかったのに。
ベストプラクティスが得意なマッキンゼーで
イノベーションが起こる気配を感じませんでしたが(これも一種の歪曲理解?)、
著者の解説からはあまり著者自身が
イノベーションを起こした匂いは感じなかったです。。
でも、シュンペーターについて理解するエントリーの書籍としては、
とてもよい一冊だと思います。