雛倉さりえのレビュー一覧
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十代の、恋愛とも呼べないような性の熱。あの頃特有の渇き、脆さ。友達には話せない、ひっそりと心のうちに秘めた激情。大人になると忘れてしまう感覚を、鮮やかによみがえらせてくれる作品。
短編『ジェリー・フィッシュ』を読み終えたあとの、胸を掻きむしられるようなせつなさを、この『もう二度と食べることのない果実の味を』の読後感でも味わいました。まさに、もう二度と触れられないあの頃の感情の純度に、泣きたくなる。
主人公の女子中学生・冴は受験生。成績は学年2位、毎日決められたことをやり、正しい道を進もうと心がけている。
成績1位は同じクラスの土屋くんで、彼は何かにすがるように勉学に励んでいる。
理科準備室の -
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【日常の中にいる、クララとドロッセルマイヤー】
ミュージカル、2.5次元、バレエ、ストレート・プレイ……様々な舞台を題材に描かれた5編が収録された短編集である。
ただ、「華やかで遠く感じる『舞台』というその空間は、自分という役を生き、誰かの人生に思いを馳せる私たちにとって、意外に身近な場所なのかもしれません。」という扉に書いてある触れ込みって、読んでみたら結局、3編目の白尾悠「おかえり牛魔王」だけの話なんとちゃうのん?と感じた。
毎日定時で退社する、社内の人付き合いも忖度もへったくれもない後輩の派遣社員、桐ヶ谷を探るうちにその演劇の指導者しての並々ならぬ実力に触れ、自らも演劇に助けられた -
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舞台をテーマにした5作の短編。
舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。
『ここにいるぼくら』
2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。
『宝石さがし』
バレリーナと衣装デザイナーの話。
舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。
『おかえり牛魔 -
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久々に文学を味わった気分。
臨時校舎──少女たちは戦火を逃れるため、疎開のようなかたちでそこに集められている。生活に不自由はないが、外の世界からは隔絶され、恋人とも会えない。
「あなたたちは幸せで、恵まれているのだと、まずは自覚してください」
「この状況下にもかかわらず、静かな安全地帯で、何不自由なく学びに打ち込むことができるなんて、通常なら考えられないことです」
やがて、生徒たちのあいだに「森をひらく」という遊びが流行り始める。むせ返るような、青々とした森。文字通りの森。自分だけの空間に、彼女たちは思い思いの森をひらく。森は大人たちには認識できない。
現実の私たちは、戦禍に見舞われてはい -
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自分の好みにピタっときたおはなしでした!
森の解釈が自分の中で読み進めるごとに揺れていったのですが、揺の怒りが表面化したシーンで、自分の中でストンと落ちました。自分は怒っていいのだろうかっていう気持ちはすごく共感したし、怒りだけじゃなく感情ってすぐには身体に馴染まないというか、一種の防衛で自分を入れ物にして自分を眺めてるかんじ。でも自分の気持ちは自分で決めていいんだよね。わたしを私の中に落とし込んで、感情ジェットコースターになったりしつつ、森をつくりながら私は私の中にいたのね、って気づく。読みながらきっと私が森をつくるとしたら、ごちゃごちゃしてるだろうなあと思いました。ハウルの部屋みたいなか