梅崎春生のレビュー一覧

  • 怠惰の美徳

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    【目次】

    I

    三十二歲
    己を語る
      *
    怠惰の美徳
    蝙蝠の姿勢
    憂鬱な青春
    終戦のころ
    編集者の頃
    茸の独白
    エゴイズムに就て
    世代の傷痕
    近頃の若い者
    文学青年について
    私の小説作法
    人間回復
    衰頽からの脱出
    聴診器
    閑人妄想
    二塁の曲り角で
    昔の町
    暴力ぎらい
    烏鷺近況
    只今横臥中
    あまり勉強するな
    オリンピックより魚の誘致
    居は気を移す
    法師蟬に学ぶ
    チョウチンアンコウについて
    アリ地獄

    II

    寝ぐせ
    猫と蟻と犬
    寒い日のこと
    一時期
    飯塚酒場
    百円紙幣
    防波堤

    解説 荻原魚雷

    【感想】

    小説家だけど「小説を書くことは、私には苦痛です」と正直に書いてるのが憎めない。ときど

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    2026年04月28日
  • ボロ家の春秋

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    戦後の日常風景を切り抜いたような作品。
    そこには劇的な物語もなく、隣人知人との小競り合いのような内容ばかり。
    しかもその小競り合いも作中では解決せず日常の一部として存在し続けていくような終わり方をする。
    主人公は平たく言ってダメ人間ばかりで、そのダメ人間さが共感とユーモアに繋がっていくところが魅力だと思う。
    特に「凡人凡語」が面白かった。
    「自分から動くな。働きかけるな。身を乗り出すな。」
    あまりにも共感できる処世術だ。

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    2026年01月13日
  • 桜島 日の果て 幻化

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    読み終えた時は、虚無という言葉しか浮かんでこなかった。死と隣り合わせの状態でも、生きなくてはいけない。その葛藤やどうしようもなさが強く印象に残った。人間の心理描写を鋭く描いている。

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    2025年07月07日
  • 怠惰の美徳

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    とにかく、このひとのことすごく好きだ。
    怠けていながらも、人間の底にあるものをいつも見ているし、人間を愛しているし、とてもやさしいひとだったんだろうと思う。

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    2025年07月06日
  • P+D BOOKS 桜島・狂い凧

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    「殺されること」って本来言葉にできない怖さがあるじゃない?でも平和な日本の私にはその怖さがわかるようでわからない。その怖さをわかってるふりしてもそれでもとても軽いんだ「殺される」ってことのイメージが。
    戦争知らない世代が読んだらどれくらいこの怖さが伝わるだろうか?そう考えた時にこの長くない「桜島」はとてもよかった。じわじわと怖い。これか…的な。
    戦争なんて人が壊れるだけで何も生まれないものまず基本だと改めて。
    それから本書の描写の数々に自分をただ生かす(心を保ち生きる)だけでもこれほどまでに過酷かと忌々しくおもうリアリティある精神の1冊。

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    2025年05月29日
  • 怠惰の美徳

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    他の方も多いようですが、私もNHKの理想の本棚から

    1部はショートショート、2部は短編集
    情報がほぼなしだったので、戦前戦後の作品だと知らずに読み始めましたが、思わずクスクス笑ってしまうセンスのよさ。
    とくに「蝙蝠の姿勢」はまさに怠惰の美徳を感じましたし、「法師蝉に学ぶ」は思わす声を出して笑ってしまいました。

    だらしなく、でも潔く、面白い1冊でした

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    2024年06月07日
  • 桜島 日の果て 幻化

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    本のタイトルには無いですが、著者の最初の作品である『風宴』と『桜島』『日の果て』の初期三作品。そして、遺作となった『幻化』を収録。
    『風宴』は学生時代、『桜島』戦中、『幻化』は戦後の著者の体験を交えて書いており、『日の果て』は兄の体験を聞いて創作。共通しているのは、どれも死を扱っていると言うこと。

    『桜島』は「美しくて死にたい」と願っていた主人公が、後半の見張台で語る独白が、とても印象に残る作品です。ただ、高い本なのだから、兵器の名前を知らない人のために注釈は必要だと思う。
    「銀河」は海軍の陸上爆撃機、「回天」は別名人間魚雷と呼ばれる特攻兵器、「震洋」もモーターボートの特攻兵器。ちなみに「銀

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    2023年11月21日
  • 桜島 日の果て 幻化

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    解説にある通り、他者に対する観察が非常に正確で、人への親愛を感じた。
    遺作の『幻化』は読んで良かったと思える出色の出来だった。

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    2022年11月18日
  • P+D BOOKS つむじ風(下)

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     1957(昭和32)年刊。
     梅崎春生のユーモア長編小説。
     私はもともと中学・高校の頃、北杜夫さんのユーモア小説・エッセイが大好きで読み漁っていた。本作は北杜夫さんの作品によく似た感じである。戦後派という重々しいイメージは全く払拭され、実に軽快な文体でドタバタコメディが展開される。地の文はしばしば「全改行」にもなり、昭和30年代の初め頃に既にこの様式があったのか、と驚いた。人物たちの会話を主体としてサクサクと進行していく手法は戯曲にも似ている。
     読みながら、「何故可笑しいのだろう」ということをときどき考えた。ベルクソンは「自動人形化」という妙な言葉で表現したが、確かに、読者としては人間的

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    2022年05月02日
  • つむじ風 (下)

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     1957(昭和32)年刊。
     梅崎春生のユーモア長編小説。
     私はもともと中学・高校の頃、北杜夫さんのユーモア小説・エッセイが大好きで読み漁っていた。本作は北杜夫さんの作品によく似た感じである。戦後派という重々しいイメージは全く払拭され、実に軽快な文体でドタバタコメディが展開される。地の文はしばしば「全改行」にもなり、昭和30年代の初め頃に既にこの様式があったのか、と驚いた。人物たちの会話を主体としてサクサクと進行していく手法は戯曲にも似ている。
     読みながら、「何故可笑しいのだろう」ということをときどき考えた。ベルクソンは「自動人形化」という妙な言葉で表現したが、確かに、読者としては人間的

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    2022年05月02日
  • 怠惰の美徳

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     昭和17年の「防波堤」以外は1947(昭和22)年から1964(昭和39)年にかけて書かれた梅崎春生の、随筆/エッセイおよび、それが小説的形態を取った作品を収めたアンソロジー。
     読んでいるとユーモアがあってなかなか笑える文章が多い。このような文章の雰囲気は、昔大好きでよく読んでいた北杜夫さんのエッセイにも通じるものがあり、やはり戦前戦時の日本文学の随筆とは違っていて、太平洋戦争から東京大空襲・敗戦を境として明らかに世代・文化の断裂が生じていたのだと改めて感じた。
     ことに「猫と蟻と犬」にはとても笑った。
     さて著者は一時期以来身体が弱く、また神経症なのか、やる気の出ず朝から晩まで横臥しつつ

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    2022年02月12日
  • 怠惰の美徳

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    心に効いてくる。
    本質に怠惰な無気力な視線からついてくる。
    今まで本を読んでいて初めての感覚で、
    語彙が足りなくて今の感情をうまく表現できないのが悔しい。

    やっぱり冒頭の詩で、ものすごく惹きつけられるなあ。

    怠惰な視点で、日常の細かい出来事を鋭く突きながら語る、洞察力の鋭さ。
    それをちゃんとユーモアで包んで言葉にしているからただの怠け者とは訳が違う。
    人間のどうしようもない怠け癖を肯定していないようでしてくれているようで。
    時代が古いからシチュエーションは違えど、、、

    荻原魚雷いわく、筋金入りの傍観者。
    怠惰な日々の中にも文学がある。
    勇気づけられる本。

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    2022年02月05日
  • ボロ家の春秋

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    梅崎先生の描く人間と人の世は、じんわりと湿り気がありつつ、おかしみと諦念が横たわっていて、かつシンプルな本質をくっきりと浮かび上がらせていると感じている。そういった醍醐味がここに収められた小編たちには凝集している。
    解説でも触れていたが、書かれた当時の時世に強く準拠しながらも、いま読んで古さを感じないのは、人の本質をよくよく捉えているからに他ならないと思う。つくづく、梅崎先生の書くものが好きだとあらためて思わされた。

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    2021年06月29日
  • ボロ家の春秋

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     梅崎さんの名前は見たことがあったけど、読んだのは初めて。
     この『ボロ家の春秋』は短篇集で7つの短篇が収められている。
     梅崎さんの小説には「戦争もの」と「隣人もの」があって、こちらは後者。

     梅崎さんは、戦争ものにおいては、
     【 苛烈な環境状況にあっても生活はある 】
     というような書き方をし(読んでいないので解説に拠る)、隣人ものの方では、
     【 平和な何の変哲もない日常にも苛烈な状況はある 】
     という書き方をしている。
     だから「戦争もの」も「隣人もの」も本質として梅崎さんの中では別ものではないのだと思う。
     人間は生きているうちはどんな状況であれ生活をしなくてはいけない。

     

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    2012年07月12日
  • 桜島 日の果て 幻化

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    先生に勧められて読んだ本。
    表題の3篇の他に、梅崎のデビュー作「風宴」が入っている。
    代表作の「桜島」もよかったけれど、私がとても好きだと思ったのは晩年に執筆されたという「幻化」だ。
    東京の精神病院から脱走してきた男が、戦争中に軍務に服していた南九州へと向かう。奇妙な同行者といっしょになったり、一人になったり、土地の子どもと知り合ったりしながら、戦争中の記憶をたどっていくのだ。
    自分が異常なのか正常なのかわからない。
    何から逃げているのか、どこへいくのかわからない。
    何もかもがはっきりしないまま、はっきりさせようともしないまま、かつての記憶に現在の人々を重ね合わせるように、人と出会い、別れなが

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    2011年01月08日
  • 桜島・狂い凧 兵隊小説集Ⅰ

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    激しい話だった。戦争体験のある作者による、戦争の話。戦争が終わる直前の物語であった。滅亡への賛美を唾棄しながらも、情緒なく蟻のように生きていることに対する憎しみが綴られているように感じた。怒り、怒り、怒りに満ちていた。夜中に読んでいても目が覚めるような激しい感情に満ちていた。この小説は現代文の問題などにも使われるのではないかと思う。問題を解きたい、国語のプロによる解説を読みたいと強く感じた。

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    2025年09月16日
  • 怠惰の美徳

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    タイトルに惹かれた人は一度読んでみる価値あり。
    『私は自主的に怠けているのである。』と言い切る作者が好きだ
    怠惰な日々の中にも文学はある。

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    2024年11月17日
  • 怠惰の美徳

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    理想的本棚から。

    芯のある自堕落。

    私だけが歩ける道を、私はかえりみることなく今年は進んで行きたいと思う。私の部屋に生えた茸のように、培養土を持たずとも成長し得るような強靭な生活力をもって、私は今年は生きて行きたいと思う。

    戦時下の日本の風景。

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    2024年05月12日
  • 怠惰の美徳

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    テレビで紹介されているのを見て面白そうだと思い、読んでみた。タイトルから引き込まれたが、私には難しいと感じてしまった一冊。
    それでも怠惰でダラダラとしていたい気持ちには共感できる部分もあり、やりきれない気持ちを抱えてお酒を飲み、酩酊している様子には切なさも感じられた。飼い猫カロの話しが衝撃的だった。

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    2024年04月29日
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉

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    ネタバレ

     「猫は神さまの贈りもの」、全くそうだと思います(^-^)9人の作家の猫短編小説・詩アンソロジーです。次の4作品を楽しみました。①吉行理恵(1939~2006)「雲とトンガ」②室生犀星(1889~1962)「猫のうた」「愛猫」③佐藤春夫(1892~1964)「猫と婆さん」④宮沢賢治(1896~1933)「どんぐりと山猫」

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    2023年03月09日