梅崎春生のレビュー一覧 桜島 日の果て 幻化 梅崎春生 小説 / 国内小説 4.3 (17) カート 試し読み Posted by ブクログ ネタバレ 『桜島』では、広島への原子爆弾投下を示す「大きなビルディングが、すっかり跡かたも無いそうだ」「全然、ですか」「手荒くいかれたらしいな」「どこですか」「広島」の淡々とした会話が印象的でした。玉音放送は「何の放送だった」「ラジオが悪くて、聞こえませんでした」「雑音が入って、全然聞き取れないのです」は、実際どこもがそのような状況だったのではないかと思わせます。『日の果て』はラストが鮮烈でした。『幻化』は、精神病患者の逃避行なのですが、死の影が絶えず付きまとっている印象を持ちました。 0 2016年06月18日 桜島 日の果て 幻化 梅崎春生 小説 / 国内小説 4.3 (17) カート 試し読み Posted by ブクログ 死と向き合う。生きる意味を考え直す。幻化にはそんなキーワードが見えてくる。主人公に昔生きた土地をたどらせる行為は、晩年の作者の意思の表れか?阿蘇の淵に立つ男に、「歩け」と「飛び込め」の相反する思いを投げかけ、実は自分自身に投げかけている思いではないか、と思わせているところに、作者からのメッセージが込められているような気がする。 0 2014年10月19日 桜島 日の果て 幻化 梅崎春生 小説 / 国内小説 4.3 (17) カート 試し読み Posted by ブクログ 「ぼんやり焔の色を見ていた。焔は、真昼の光の中にあって、透明に見えた。山の上は、しんと静かであった。物の爆ぜる音だけが、静かさを破った。兵隊が話し合う声が、変に遠くに聞えた。なびく煙の向うに、桜島岳が巨人のようにそびえていた」(「桜島」)。いいなあ、この文体。 0 2009年10月04日 <<<123・・・・・・・>>>