小室直樹のレビュー一覧
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宗教を知る。
大航海時代にコロンブスやマゼランが新大陸で何を行ったか?
正解は、罪のない現地人のみなごろし。大虐殺。
キリスト教の教えに従っての事だとか。
こんなこと習っただろうか。
『旧約聖書』の「ヨシュア記」に宗教の秘密が書かれているのだそう。
一一神はイスラエルの民にカナンの地を約束した。
ところが、イスラエルの民がしばらくエジプトにいるうちに、カナンの地は異民族に占領されていた。そこで、「主はせっかく地を約束してくださったけれども、そこには異民族がいます。」と言うと神は「異民族はみなごろしにせよ」とこう言った。
神の命令は絶対なので、敬虔な信者ほど異教徒は殺さなければならない -
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本書を購入したのがいつ頃か覚えていないが、長らく本棚に並んでいたものを読んだ。
1932年生まれの著者が東京大学で法学の博士号を取得したのは1974年だが、もともとは京都大学理学部数学科を卒業している。その後、大阪大学大学院で経済学を学び、ハーバード大学では心理学と社会学を学んだ。帰国後の1963年に東京大学大学院法学政治学研究科に進み、1967年から「小室ゼミ」を開催していた。1970年に経済史の大家・大塚久雄について学んだ後、上記博士号を取得する、という経歴だ。
万般を修めた小室直樹の著書は、その広汎な知識と「小室節」で、縦横無尽に語るところに特徴がある。
本書では前半の「論理は神との論争 -
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ソ連崩壊をいち早く見抜いた著者が、社会学的知見に基づき、ソ連の政治、経済や宗教的特徴を分析した予言書。日本を含む資本主義と、ソ連のような社会主義国家の特徴を、マルクス『資本論』をベースに分析する。前者、すなわち資本主義の場合、消費者の主権が強く、利潤追求のために、組織が合理化されていることを挙げる。それに対してソ連の社会では、非公認の特権階級が存在してることや、貨幣を所有したとしても、必ずしも商品を購入できるとは限らない。社会主義社会では、貨幣が根本的な富とはならず、生産手段が私有化されないなど、資本主義社会における論理が通用しない。
また、本書では西欧とソ連の権力構造の違いについても解析 -
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・宗教により法の捉え方?が異なる。
・アラブ圏には、今も十字軍コンプレックスがある。
・モンゴルやトルコに支配されたが、征服者側がイスラム教に改修したことで、アラブ化したと考えたため、アラブ人は被支配者でありながらコンプレックスを抱かなかった。
・クリスチャンに対しては十字軍で軍事的には勝利をおさめたものの、改宗させられなかったことがひっかかっていた。
・またヨーロッパの心の故郷とも言える古典ギリシア文化は、一度ヨーロッパで忘れられた後で、アラブを通じて発見され、再興された。
・ムスリムからすれば、ギリシア文化を教えた師匠であるのに、弟子であるヨーロッパ人が「こちらこそが本家本元、文 -
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1980年8月にソ連崩壊を予測した奇跡の書として知られる
ソ連の崩壊は、1988~1991かけて実際に起きた。
気になった言葉は以下です。
・ソビエト帝国は「資本論」という一冊の本が生んだ巨大な人造国家である。
・資本主義をへないでできてしまった社会主義、その存在の矛盾にすべてが帰着する
・階級のない国、ソ連という幻想:ソ連には革命によってなくなったはずの階級があり、その階級間の矛盾と対立がソ連社会に大きな影を落とし、ソ連の外交政策、国内政策を、大きく動かしている。
・威信とならんで重要な社会的な差別原理は勢力である。これは権力と訳されることもある。
・ソ連の特権階級の頂点にエリート階層 -
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ソ連崩壊を予測したという小室直樹による『ソビエト帝国の崩壊』。文庫として復刊されたもの。
当時の状況はビビッドにはわからないけれど、フルシチョフによるスターリン批判とかアフガン侵攻とかはあったにせよ、これほどまでにソ連の状況を伝えた書物もなかったんだろう。その意味ではやはり著者の慧眼は光るものがある。
特に何よりもノルマが優先し効率性や経済的な合理性が顧みられない共産主義体制、官僚主義による組織の暴走に着眼しているのは今となっては当たり前かもしれないけれど、1970年代に言及できたのは著者一流の洞察力の賜物だろう。
また、最終章で日本に言及されているけれど、日本人の好きな非武装中立の不可能性、 -
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この本の著者の小室氏はすでにお亡くなりになっていて、今から20年以上前の1997年に発行されたものです。国際法とは何か、それができる背景としてキリスト教と、イスラム教・仏教との違いも詳しく解説されています。
また国際連盟と国際連合との違い(国際連合は、連合国にとて最後まで敵国であった、ドイツ・日本に対する軍事同盟)も理解できましたし、なぜ安全保障理事会という会議体のみが各々拒否権を持っているかも私なりには理解できました。
現在世間を騒がせているウクライナ侵攻も、拒否権を持っているロシアが引き起こしていることなので国連による解決は期待できないでしょう。国連に代わる会議体をどこかの国が提唱でき -
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・近代デモクラシーはヨーロッパ社会で誕生した政治思想で、そのエッセンスは、「アメリカ独立宣言」に示されている。
「われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、そのなかに生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる」
・アメリカ独立宣言は、トマス・ジェファソンが起草した。彼が念頭に置いたのは、イギリスの思想家ジョン・ロックの「社会契約説」であった。
・国家や社会が生まれる以前の「自然状態」においては、身分も制約もなく、人間は自由で平等だとする。
そして、どんな国家や社会も、「自由で平等な」人間たちが対等に社会契約を結ぶことで -
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ネタバレ最近機械学習関連で数学を学んでいるが、著者である小室氏がその数学についてどんな論を展開するのか、興味があって手に取った本。
結果、すごくタメになった。
通常の数学本には数式がかならず出てくる。
著者は物理学や数学を大学で学ばれているので、そういう本にも出来たはず。しかし、この本では数式はほぼ出てこない。
なぜ、数学が西洋(宗教)から生まれたのか、ここまで発展したのか、などが簡易な文章で語られている。1つ1つの論はそれほど詳細ではないけれど、神との対話で生まれた(形式)論理学が、数学を理解する上での要諦だということは腑に落ちた。たしかに需要だ。
日本の数学教育では、命題や同一律・矛盾律・ -
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元々私も「数学嫌い」の一人である。本書は数学に興味を持つきっかけの一冊である。数理論理学すなわち形式論理学の分野を扱っているため数式もほぼ登場しない。数学知識は不要だが、史学や哲学といった文系的素養は要求される。背理法や対偶が原論の範疇かという気がしないでもないが内容は面白い。
小室氏は数多くの「原論シリーズ(?)」を出版しているが、本書も思想としては左寄りでやや過激、些か偏ってる感は否めない。それゆえ読んでいて極端で面白いともいえる。本書で述べられる「絶対的唯一神との対話」という概念理解が出来るかが論理学のポイントだろう。神視点からの演繹的証明と、聖書視点での帰納的証明の不完全性の指摘など