小室直樹のレビュー一覧

  • 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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    各、宗教の概要と真髄。
    キリストは信仰を重んじる。ユダヤ、イスラムは戒律を重んじる。仏教は修行に重きを置く。

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    2025年09月16日
  • 論理の方法―社会科学のためのモデル

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    論理を自由自在に使いこなすために、社会科学における様々な分野のモデルを小室先生の博学で紹介する一冊。

    序章のソ連崩壊に始まり、近代国家の原理と古典派経済学、ケインズ経済学、ヴェーバーにみる宗教や資本主義の精神、と欧米のモデルが続いたところで、最後の2章は丸山眞男の日本政治モデル、平泉澄の日本歴史モデルと、例によって内容は盛りだくさんの小室節。

    最後の2章から特に印象に残った点。
    丸山モデルにおいては、日本人の宗教の受け入れ方についての研究があるのですが、あらゆる宗教が日本に入ってくると、規範や戒律が取り払われ「日本教」とでも言うべきものに変質してしまう(だから規範だらけのイスラム教は日本に

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    2025年08月27日
  • 日本人のための憲法原論 新装版

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    ネタバレ

    仰々しいタイトルに少し躊躇したが、非常に読みやすかった。高校生でも読めると思われる。
    面白くて一気に読んでしまった。
    憲法に辿り着くまでには、宗教、経済学、民主主義や資本主義など様々な分野の話が出てくる。それが非常に面白いのだ。為になるなんてもんじゃない。著者がいかに広範な知識を持っているか。その一端でもこうして披露してもらえることが有難い。
    キリスト教の予定説が民主主義の出発点であることなど、まずキリスト教がどんな宗教なのが知らなければ、民主主義の何たるかが分からないし、資本主義についてもそうだ。

    他にもたくさん著書があるので、すべて読みたいと思う。
    そして、本書も何度も読み返したいと思う

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    2025年07月27日
  • 信長

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    学生の時に読んだが、信長理解が広がった。小室先生は切り口が面白いと思う。それでいて納得できる。レベルか高いです。小室ファンが多いのも分かります。

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    2025年07月08日
  • 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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    別途、旧約聖書の概要と「空」の理論について勉強しながら理解しました。

    各宗教における救済や経典の有無などに触れながら、近代日本における新興宗教の乱立について述べてます。

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    2025年10月14日
  • 小室直樹 日本人のための経済原論

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    日本はまだ資本主義が始まっていない。官僚制をなくさなければ市場原理が正しく働かない。また、正しい市場を作る為には、法による統治を行わなければいけない。法による統治とは、どんな人間でも同じ解釈となる法である。官僚制をなくすためには、官僚を監視するための第三者を設置するべき。

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    2025年05月15日
  • 数学嫌いな人のための数学(新装版)

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    本書は、数学の解き方を学ぶ本ではなく、宗教、資本主義、経済学などを交えながら、数学の論理と面白さを学ぶための一冊です。

    論理こそ数学の生命、として、本書はいきなり古代イスラエルの話から始まります。
    論理とは論争のための方法であり技術でもある。
    神の言うことを聞かないイスラエル人は、預言者モーセを通して神との論争に挑むのですが、神をも論破して従わせるという感覚は、我々日本人には想像も出来ないものです。

    また、アリストテレスが完成させた形式論理学では、同一律・矛盾律・排中律が確立され、曖昧な結論を許さない。これこそが論理の極意か!
    この形式論理学をもとに、背理法(帰謬法)が威力を発揮して、数学

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    2025年03月09日
  • 日本人のためのイスラム原論 新装版

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    本書は同時多発テロ翌年の2002年に上梓され、2023年に新装版として再刊されたものです。

    いつもの小室作品の如く、「イスラム原論」と銘打ちながら、直接イスラム教の説明に割かれているのは約400ページのうち三分の一もないかもしれません。
    しかしながら、キリスト教や仏教、はたまた(規範のない)日本教にも筆が及ぶ中で、それら宗教との対比がイスラム教を理解するための補助線として絶大に効いているのが小室先生の真骨頂!
    特に第二章の、ユダヤ教に始まる「一神教の系譜」などは息もつかせぬ面白さでした。

    イスラム教に対して欧米や日本では正確な理解がなされていないようですが、本書を読めば世界史におけるイスラ

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    2024年10月21日
  • ソビエト帝国の崩壊~瀕死のクマが世界であがく~

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    1980年に刊行された新書の復刻版ですが、本書の予言どおりソ連は1991年に崩壊。
    当時ソ連はまだまだ超大国でしたが、その頃にソ連崩壊を予言したのは、アプローチは違えど恐らく小室直樹氏とエマニュエル・トッド氏ぐらいのもんでしょう。
    階級がないはずの共産主義国なのに特権階級が君臨するという階級論の矛盾、マルクス主義とユダヤ教の共通点、スターリン批判による社会の混乱など、社会科学による切れ味鋭い分析には感嘆しきりで、ますます社会科学への興味が深まりました。

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    2024年09月18日
  • 【新装版】危機の構造―――日本社会崩壊のモデル

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    1982年に発刊された小室直樹氏の最初の著書。2022年の新装版です。
    経済の部分はなかなか難解でしたが、日本人の行動原理や思考などの論考は、40年前の本とは思えぬほど、現在の日本社会にも通ずるものがあります。
    テロで世間を震撼させた某宗教(オビの宗教ではない)の出現なども予言していたのではないかと思わせるほど。
    自然科学は新たな発見などによりどんどん上書きされていきますが、優れた社会科学は真理として色褪せることがない気がする。
    もっと早く読んでおけば良かった。

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    2024年09月18日
  • 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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    ネタバレ

    もともとは2000年に発刊された書籍で、2021年に新装版として再刊されたものです。
    400ページほどの割合分量多めの本ですが、一気に読み進み、いかに自分が宗教に無知であったかということを思い知らされることに。
    宗教とは、氏の著作に頻繁に登場するキーワードでもある「エトス」(行動様式)であり、この定義づけを行ったのはかのマックス・ヴェーバーだそうです。
    本書では、世界三大宗教であるキリスト教、仏教、イスラム教、加えて、あまり宗教としては理解されていない儒教、そして日本人と宗教の関わり方について論じられており、宗教に寛容(というか無知)な日本人には驚くべき事実が多いかもしれません。
    以下、備忘も

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    2024年09月18日
  • 憲法とは国家権力への国民からの命令である

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    いつもながら小室先生の本は読み始めると止まらない。
    この本も護憲とか改憲とかのレベルではなく、問題点を鋭く抉り出しています。
    なんでこうも碩学なのか。

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    2024年09月18日
  • 野辺には朽ちじ 硫黄島 栗林中将の戦い

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    本書は、2007年の「硫黄島栗林忠道大将の教訓」を改題・改訂したもの。
    小室先生の本はよく新装されるのでありがたい。例によって飽きることなく読み切りました。

    コンテンツを見ても、日本に有利になったポツダム宣言、神風は戦後に吹いた、硫黄島は日本経済の神様……などなど、これまで学んできた常識が吹っ飛ぶことが多かったです。
    いつもながら小室先生の本からは歴史に学ぶことの大切さを思い知らされます。

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    2024年09月18日
  • 信長

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    本書は、1992年の「信長の呪い-かくて、近代は生まれた」を加筆し、2010年に再刊行されたものです。
    小室先生の著作ゆえ、単なる伝記物ではありません。
    信長が従来の農民兵システムから兵農分離を行い、傭兵システムを確立して戦争労働者を生み出したことは、近代資本主義の成立に必要な労働者を発生させることにつながった、このことにより日本人の間に近代的行動様式が形成された…なんてことまで世界史的視点から論じられています。
    信長も小室先生も恐るべし!

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    2024年09月18日
  • 小室直樹 日本人のための経済原論

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    1997年の「小室直樹の資本主義原論」と1998年の「日本人のための経済原論」を合本し2015年に再刊行された書籍です。
    2冊の合本ということで分量も700ページに及ぶものですが、特に後者の経済原論の方は、いつもながらの小室節炸裂でとても読み応えあり!
    本書の冒頭からして「この本の目的は、あなた自身を経済学者にすることにある。エコノミストにすることにある。日本の舵取りたる経済官僚が少しも経済と経済学を理解していないことが明白になった。…」と刺激的な書き出し。
    いつもながらの博識で、アダム・スミスやマルクス、ケインズという偉大な経済学者たちを理解するポイントや、オイルショック後の日本経済の構造変

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    2024年09月18日
  • 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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    キリスト教、イスラム教、仏教の基本的なことを学べる本です。
    宗教は怖いものではあるけれど、仏教やキリスト教の考え方は普段の生活から取り入れるよう心がけると寛容な気持ちになれるのかなと思いました。
    新興宗教の台頭や、少し前の時代にあった左翼運動の原因についても述べられていて大変参考になりました。
    現代で問題になっているネット上での誹謗中傷なども、上記と同じ原因が関係しているかもしれないと思いました。
    すごい分かりやすく書かれてるのでとてもおすすめです。

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    2024年09月08日
  • 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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    初版が2000年と20年以上前の本ですが、今読んでもなんら遜色のない内容でした。とても学びの多い本でした。

    イスラエルとパレスチナの問題を日本人だとなぜあんなひどい事をするのか?と思うだけだが、この本を読んだ後では、イスラエルは神から与えられた地に異教徒を住まわせてやったのに、テロでユダヤ民族を傷つけるなんてとんでもない奴らだから皆殺しにしてるやる。くらいに思っているのでは?と想像すると寒気がします。

    良くも悪くも古くは宗教が人々を連帯させてきましたが、この本の書かれた20年前から、日本では代わりになるようなものがありません。無連帯となった人々がパワハラやカスハラなど様々なハラスメントで他

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    2024年05月27日
  • 天皇畏るべし

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    小室直樹『天皇畏るべし』は、126代にわたり続いてきた天皇制の歴史と、その唯一無二の成り立ちを掘り下げた一冊です。古代から連綿と続く血統の象徴であり、同時に「現人神」として日本社会を統合してきた存在が、どのように国家の創建や人々の心の支えとなってきたのか。本書はその重層的な意味を、鋭い視点で描き出しています。

    特に、天皇が単なる政治権力者ではなく「畏れ敬うべき存在」として制度化されていった過程を知ることで、他国に類を見ない日本の特異性をあらためて実感しました。小室直樹先生ならではの独特の語り口で、学術的でありながらも楽しく読み進められるのも魅力です。

    小室直樹先生独特の切り口は鋭くもユーモ

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    2024年05月16日
  • 日本人のための憲法原論 新装版

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    世界史を勉強したならスイスイと読める。憲法を根本的に理解できるのではないか。

    刑事訴訟法の話は目から鱗が落ちる。

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    2024年03月04日
  • 野辺には朽ちじ 硫黄島 栗林中将の戦い

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    小冊子ながら小室直樹節が健在。
    有名な硫黄島の悲劇を教えられる。
    栗林大将の辞世句は「散るぞ悲しき」を知っていたが
    「野辺には朽ちじ」は知らなかった。吉田松陰のそれにちなんだものなのか。
    小室はいまだ正当な大東亜戦の総括ができないわが国で生きた言葉で伝えることができる最後の識者だった。多くの作物が復刊されているのは、時代の要求に対して現代の識者が十分に応えられていないせいかもしれない。

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    2024年02月04日