小室直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
難書。ソ連の崩壊を予知した小室直樹氏が論ずる、日本の危機の構造論です。
本書の主旨は、不自然に挿入された橋本氏の解説に記されている
①戦前戦後の日本社会は同型で、連続的である。ようは、戦前も戦後も社会構造は何ら変わっていないのである。
②その特徴は、機能集団が共同体になることである
③共同体は、内部/外部の二重道徳をもち、共同体の存続を絶対化する。ようは、ムラからは抜けられない
④機能集団は合理的に行動できなくなり、破滅的な結果をもたらす。理屈ではなく、共同体の掟に縛られている
⑤共同体となった機能集団の成員は深刻なアノミーに陥り、回復できない。※ アノミー 規則あるいは規則を課す -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の一番の問題は、なぜこのような規範に従っているか考えないこと。
日本人が知らずうちに強く信じ込んでいる”日本教”を構造神学から読み解く。日本教には教義(組織神学)が存在しない。古来より天変地異が多かった日本では、歴史感覚に乏しくつねに「今」だけで、その瞬間ごとに生まれる「空気」が教義となる。情緒における美的感覚が即規範化し、「空気」を通してみた事実である”実情”に対して
行動することが正直であるとされる。事実を事実として言うのは嘘つき、事実に対して行動すれば不正直。情緒規範であるため論理は通用せず、人の外面だけでなく内面の規範まで求められることになる。事実に対応する「実体語」を機能させる -
Posted by ブクログ
日本は不思議な国で、
学校教育に宗教を教えることは、あまりしない。
一種タブー化している。
また、宗教に対して、複雑な感情を持っている。
学校教育に、戦前国家神道を組み込んで、
結果失敗したと思っているからだ。
ただ、宗教と教育というのは、
切っても切り離せないモノだということを、
学んでいない。というか、意図的にやっている。
ここら辺が、現在の日本の教育の
「根本的なちぐはぐさ」を生んでいるかもしれない。
宗教なんて、よくわからない。
宗教なんて、恐ろしい。
それが「普通」だと思っている。
宗教は個人に規範と道徳を与えるが、
多くの日本人にはそんなものはない。
小室氏は、それをアノミ -
Posted by ブクログ
ネタバレ川島武宣の弟子である小室直樹による現在 日本への憂国の書。
人民を国家権力から守るための「チェック・アンド・バランシズ」のポイントは何か。司法権力による行政権力の抑止である。裁判所こそ、行政権力の恣意から人民(国民)の権利を守る城塞であるからである。
~しかし、佐藤優の「国家の罠」ではないが、現状は司法は行政にべったりだ。~
デモクラシー諸国における裁判は、近代科学と同じ方法論的構成を取っているのである。昔の科学とは違って、「此処に真理があって、それを発見する」のだとは考えない。仮説をたてて、その仮説が真理であるかどうかは、科学が決める。
「真理(事実)を発見する(模写する)」という考え方は -
Posted by ブクログ
田中角栄の礼賛本。
現在やここ数年の政府・議会と対比すると、氏の偉大さがわかる。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというけれど、とくに民主党の執行部、政府首脳は氏に学んだ方がよいと思う。
「田中角栄が起訴されるや日本国中、有罪確定の空気で満ちていた」とあるが、小沢一郎氏の件と同じだ。マスコミも国民も変わっていない。学習していない。とすると再び戦争になることもあり得ると感じてしまう。
立憲政治の基礎。1、選挙公約は守る。守れないなら下野。2、対立政党の政策を勝手に盗んではいけない。…民主党はここでも学んだ方がよいのだろう。
まあ、私もさっぱりなので批判はできないが。
私は、民主主義とか自 -
Posted by ブクログ
小室直樹の数多い書籍の中でも最高峰の内容かと思います。
社会モデルの構成を歴史のパラダイムを踏まえて記述している事項の数々は正に圧倒的。ソビエトの崩壊から社会主義の論理を読み解き、さらにケインズ経済学のモデルへと展開、さらに資本主義の起源を考えキリスト教の論理を追求、さらにプロテスタントの存在を考察、日本の論理を追及する上で日本に伝わる仏教や習慣が如何に日本教の中で変革していくのか、明治維新の起源となった山崎闇斎の崎門の学、荻生徂徠を追及・・などモデルに至る論理の追求を紐解いた一書。
各項一つ一つで十分に一冊の書籍として成り立つ。それら別々の論理の追求を見事に一冊の内容にバランスよく纏められて -
Posted by ブクログ
宗教を知る。
大航海時代にコロンブスやマゼランが新大陸で何を行ったか?
正解は、罪のない現地人のみなごろし。大虐殺。
キリスト教の教えに従っての事だとか。
こんなこと習っただろうか。
『旧約聖書』の「ヨシュア記」に宗教の秘密が書かれているのだそう。
一一神はイスラエルの民にカナンの地を約束した。
ところが、イスラエルの民がしばらくエジプトにいるうちに、カナンの地は異民族に占領されていた。そこで、「主はせっかく地を約束してくださったけれども、そこには異民族がいます。」と言うと神は「異民族はみなごろしにせよ」とこう言った。
神の命令は絶対なので、敬虔な信者ほど異教徒は殺さなければならない