小室直樹のレビュー一覧

  • 小室直樹 日本人のための経済原論

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    大学生時の経済学の授業を思い出したような。。。
    でも、その時とは違い、仕事で実践を重ねているせいか、より理解出来たきがする。
    書の内容は、アベノミクス前の日本が対象の様だったので、多少時代遅れ感はあったが、三大経済学者の考えや、諸悪の根源と論じられている官僚の起源など、歴史・理論の勉強にはなったと思う。
    ただ、最後の最後にシュンペーターが出てきて、「これが核心」という様な結論になっているのは如何なものだろう。

    結局詰まる所、経済学というのは、後付け理論の研究という域を脱していないのではないかな? 社会の一員として、経済を動かしていかなければならない我々は、実践科学の追求でないといけないなと、改めて感じた。 決して経済学を軽んじている訳ではなく、実践の基礎知識としての経済学は取得しておく事は重要、但しそれを盲信してはならない。

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    2015年08月15日
  • 憲法とは国家権力への国民からの命令である

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    これぞ民主主義の精華と言うべき条文は?

    それは憲法第十三条である。22
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    独立宣言を起草したのは、後にアメリカ大統領となるトマス・ジェファソンだが、彼がこの宣言を書くに当たって、その念頭に置いたのはイギリスの思想家ジョン・ロックの文章だった。

    ロックはアメリカ独立の約一五〇年前に生きた人だが、彼は先程も触れた様に近代デモクラシーの基礎理論を作り上げた人物として有名である。28

    「私有財産の発見」で民主主義も資本主義も確立した33
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    徳川幕府はどうかと言えば、「将軍の不在」はしょっちゅう起きていた。と言うのも、征夷大将軍とは天皇が授ける官職(然も令下の官)であるのだから、前将軍が死んだと言っても、直ちに後継者が相続出来る訳ではない。120

    こうした制度を見れば、天皇が元首である事は明々白々である。121

    その事は、現行憲法が総理大臣の空位を許している事でも明らかだ。若し、総理大臣が真の意味での最高決定権者であるならば、総理大臣の不在は絶対に許されない。124
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    2015年01月12日
  • 政治無知が日本を滅ぼす

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    「権力は腐敗する」「絶対権力は絶対に腐敗する」。

    是れは政治学の大定理だから、四十年も同一政党に政権を任せ切って置いて腐敗したと言って喚くのは、夏も真っ盛り、刺身を冷蔵庫にも入れずに放っぽり出しといて、「腐っちゃったア」と泣き喚く様なものだ。2
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    運河伝いに、何処へでも行ける。

    では、其の必要性とは。

    イギリスでは、産業革命以前、既に資本制社会が成立していた。

    因果関係は逆で、資本制社会が成立したので、其の機能的要請から、産業革命が起こったのである。76

    アメリカの資本制経済が爛熟期を迎えようとしていた頃には、エジソンの様な発明家が続出した。77
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    日本人は、昔から政治アレルギーであった事を証明している。268

    「日本人の儒教誤読」は、「現代日本人のデモクラシ-誤読」と比較すると、興味は尽きない。269
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    浜田に政治的責任があるかどうか、政治家として適任かどうか、其れを窮極的に決めるのは、大平首相でもなく、ジャーナリズムでもなく、国会でもない。

    選挙に於ける投票である。是れぞ国民主権の発動である。

    国民主権の発動を妨げる事、デモクラシー国家の政治家として、是れより大きな罪はない。287

    近代デモクラシーに於いては、法的な最終的決定は裁判官にあり、政治的な最終決定は選挙民にある。そして、倫理的道徳的な最終決定は、自分自身にある。288
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    角栄なんか及びもつかない悪党なんか幾らでもいた。代表格が頭山満。スーパーギャングで人殺しも平気。294

    こんな大悪党に斯くまで信望が集まる理由は、一片の私心もなかったからである。

    「君と国」との為で、少しも私する処がない。こうなると日本人はぐっとくる。

    明治以来の日本人の行動様式は下級武士のエトスとなったからである。296
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    2014年09月08日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    「数学」がタイトルにつくが数学的な内容はほとんど出てこない。数学と論理学、宗教学、経済学などとの関係や矛盾、必要条件、十分条件、証明などの話が例えや歴史的な経緯を踏まえて解説してある。著者特有の表現もあるため、そこは好き嫌いが分かれるかもしれない。

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    2012年11月10日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    1、数学の論理の源泉
    2、数学は何の為に学ぶのか
    3、数学と近代資本主義
    4、数学の論理の使い方ー証明の技術
    5、数学と経済学

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    2012年02月07日
  • 信長

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    ネタバレ

    【紹介】
     信長なくして近代なし。「天下布武」を目指す信長の行動様式には伝統主義のしがらみを刷新し、日本近代化のために目的合理の精神を日本に植え付けようとする世界史上の役割、すなわち世界精神がみられた。古今東西の古典を参照し、比叡山焼き討ち、楽市楽座、桶狭間の戦い、兵農分離、本能寺の変を、小室氏独自の社会学的視点から読み直すことで、読者は全く新しい信長解釈に瞠目させられるだろう。
     

    【評価】
     レビュワーは歴史に詳しくもなく、信長についても恥ずかしながら一般的知識しかなく、いやそもそも歴史学という学問自体に明るくない。本書で参照されている徳富蘇峰の『近世日本国民史』、参謀本部編『大日本戦史』や太田牛一の『信長公記』も読んだ事はない。従って本書をその歴史解釈を軸に評価する事は出来ない。ただ、著者小室先生の主張は然もありなんと、大変面白く読む事が出来た。
     本書は歴史上、論争的な問題をも扱っている。例えば、本能寺の変直前の明智光秀が腹心に信長への謀反を打ち明ける会談において。歴史家によって若干の食い違いがある事に触れつつ、歴史的な細目の穿鑿より行動様式の分析こそが大事であるとしているからだ(p82)。従って、本書の視点は歴史を社会学的に再構成されたものとして読まれるべきだろう。他にも、桶狭間の戦いに見る、善照寺から中島砦に向かった信長の常軌を逸した行動が論争的であるという。
     小室先生は織田信長を世界史のなかで位置づけ、近代化をなすべく日本に遣わされた存在と主張する。あくまで大事なのは、信長本人ではなく信長のやろうとしたことであるとの立場から、信長の政策が近代化の端緒を開いたとして高く評価する。歴史家であればいずれの政策も不十分であったと解すであろう兵農分離や楽市楽座などをいかに革新的政策で近代化のために不可欠であったかを分かり易く示している。小室先生独自の解釈を交え、学際的に読み解く姿勢は、学者が陥り易い門閥、学閥の壁を突き破ろうとする生き様にいたく感銘を受ける。
     
    <以下ネタばれ>
     例えば、兵農分離は当時完成しつつあった農民兵と大名との「農民共同体」を壊し、大名や武士のの権力基盤を農民から切り離すのに役立った。これは幕藩体制下でにみられた「お国替え」のように諸大名を官僚化することに繋がり、引いては廃藩置県を比較的スムーズに実行し得る為に不可欠であった。また、この兵農分離によって信長は伝統主義(伝統的共同体)から除かれた無頼漢などから人材抜擢、傭兵部隊を作り上げた。彼ら傭兵はある種、英国の囲い込み政策時における労働者のごとく、近代的なエトスを以て、桶狭間の戦いで活躍した。
     その桶狭間の戦いは、筆者によると通説の「迂回奇襲説」は間違いで、強襲と解釈するべきだという—歴史家や軍人は『信長公記』の突飛で説明の付かない信長の行動についての記述を意図的に論理的に説明出来るように曲げていると主張する。そして、運命を僕にした奇蹟だという。
     桶狭間の戦いは「分捕なすべからず。打捨てになすべし。」(『信長公記』)にみるように、今川義元の頸を取る事だけを目的した戦であり、前近代的な略奪、強奪という「私闘の積み重ね」としての戦闘からの画期的転換であった。「軍に勝ちぬれば、此の場へ乗りたる者は、家の面目、末代の高名たるべし。ただ励むべし」(『信長公記』)を取り上げ、筆者は桶狭間の戦を、戦争における各自の役割を徹頭徹尾重視した近代戦争の萌芽的戦いと解し、信長をナポレオンやモルトケと並べる。
     さらに信長は死の間際まで世界精神としての使命を全うした。本能寺の変は、戦国「武士道」を抽象化、絶対化した。「旧主人に仕えた如き忠義を以て新主人に仕える」を恥としない浮気な行動様式であった戦国「武士道」が絶対的忠誠にまで高められた。社会的階級の違いから来る差別規範を越え—すなわち腹心から馬夫まで—主君のために玉砕する勤王の精神にまで高めた出来事であった。また信長の死に様は信長のカリスマ性をもっとも保存する形の死であり、秀吉に意志を継ぐ世界史上の重要な事件であったとする。

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    2012年03月26日
  • 日本いまだ近代国家に非ず

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    ネタバレ

    日本は近代国家ではないというのが持論です。確かに、契約概念を理解出来ていない事や推定無罪の理念を理解出来ていない事はこの国の司法をみれば分かります。

    刑法が殺人を禁じていると思っているあなた、刑事裁判が被告を裁くものだと思っているあなたは、近代の理念、立憲主義を学び直しましょう。

    ただ、死の本は内容のかぶりが多いです。本書も『憲法原論』と同様の内容があります。

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    2012年05月11日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    必要条件、十分条件を理解している人間は意外と少ない。これがわかるだけでも本書には価値があるといえるだろう。
    猫は哺乳類である。というとき哺乳類であることは猫であることの必要条件であり、猫であるとこは哺乳類であることの十分条件である。わかってしまえば簡単でこれだけのことであるが、わかってない人間にはわからないのである。
    また矛盾律、同一律、排中律についても解説。

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    2010年10月06日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    内容的に特に真新しいものがあるわけではなく、数学入門書と位置付けられる。それよりも気になるのは、数学原論を説明するにあたって行っている筆者の論理展開の方法である。全体を通して、筆者の「自分勝手な思い込み=事実に即しない」と「自分に都合の良い強引な論理展開=論理の破綻」で貫かれており、論理を語っている本の著者と思えないことは言うに及ばず、学者としての資質さえ疑いたくなってしまう。結論は学問として既に(著者ではなく)先人が築いて来た内容なので問題はないのすが・・・。小室氏の本は初めて読んだのですが、大きく失望しました。左翼活動家や左翼学者と言われる人たちは自分の考え方を相手に理解してもらうのに論理立てて説明するという手法を取らず、とにかく押し付ける、思いこませるという手法をとりますが、手法だけを取り上げれば非常に似ていると言えます。

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    2010年05月22日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    「数学とは神の論理なり」・・・神がいるかいないか、という命題を解くために発達したというくだり、これを先に知っていればもっと数学が好きになれたのに、と思う。こういうことを数学の先生は隠して教えているのだろうか?それとも知らずに教えてるのか?
    ある問題に対し、「かならず正しい答えがある」と信じて解明の努力をするのが西洋人。「答えが無いということもある」と達観して細かなプロセスを踏まないのが東洋人。単純だがバイタリティがある西洋と、賢いが泥臭さや生命力の薄い東洋といった構図か?
    数学だけでは所詮世の中すべてのことなど解明できない。けれど、「所詮・・・」という考え方が好奇心の芽を摘んでしまってはもったいない。数学に興味を持つことで、細かなプロセスへの興味と興奮を生むことこそ醍醐味だと思う。

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    2009年10月04日
  • 論理の方法―社会科学のためのモデル

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    ソヴィエト型社会主義国家一般論(かなりネガティブ)、ヴェーバー、丸山真男、ケインズ、平泉澄など。しっかし小室先生、話がクドイですなあ。

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    2009年10月04日
  • 数学嫌いな人のための数学―数学原論

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    数学でも算数ではなく論理の方ですね。その歴史と成り立ちの解説です。

    一神教と数学の関係、古今東西の論理のあり方、経済学と数学の関係を順序だててわかりやすく説明していきます。「すべては現時点での仮説である」がわかれば、経済学も、あるモデルをもとに実態経済を語ろうとしているにすぎず、正解ではない。ましてや出発点のモデルが宗教的思想を内包していたりする、なんてビックリしました。

    ロジックというのはここまで人間に影響を与えるものなんだなあと嘆息です。

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    2009年10月04日