出渕裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第2巻を読破。
前回の事件から2年が経過。
パーンはディートリットとともにロードス島中を旅していて。
彼が捜しているのは、前回のラストで姿を消してしまった仲間――ウッド・チャック。
彼はカーラの魂が入った飾りを持って行ってしまったため、第1巻の黒幕だったカーラはどこかで生きている。
カーラは世界のバランスを保つため、いろいろ画策しては戦争や争いの火種を仕込んで。
そしてなによりパーンの仲間・ドワーフのギムを殺した存在。
でも作中でパーンがウッド・チャックの時間について触れていて、あ、そういう考え方もあるのか……と目から鱗。
パーンはカーラの情報を得るために、いつくもの戦場を渡り歩いて。
今回の舞台はカシュー王が統治するフレイム王国。
そこは長きに渡り、風の部族と火の部族が争っているところで。
プロローグを読んだときは「カーラじゃない?」って思っていました。
が、途中で「あ、ウッド・チャックが持って行ったんだから、カーラは今、女の人じゃないんだわ」って気づきました(;^-^)
じゃあプロローグの人はウッド・チャックなんだろうな……。
とか思いつつ、またまた途中であれ? ってなって。
結局まんまと引っ掛かってしまいました。
笑
今回の件でもパーンの仲間となった人が死んでしまったり、ある女性が犠牲になったりという展開があって。
そのたびにパーンは悩んでしまうんですよね。
そうやって一歩ずつ前へ進んで行って。
傍らにはパーンのあめに永遠の命をかけてしまえるエルフの娘――ディートリットがいて。
独りではないのだ、ってことを教えてくれますね。
おもしろかったです。
神話の謎かけに仕掛けられた展開とかね!
読んでいて「おおー!」ってなりました。
次も楽しみです(*´▽`) -
Posted by ブクログ
実はロードス島戦記を読んだことはありませんでした。
なので新装版が文庫でも出ると知って、これは読まねば! と。
そして読んで「なぜもっと早くに読んでなかった、自分!」となりました。
すごくおもしろかったです。
王道ファンタジーを読んだのは初めてかもしれません。
小学校の頃は名作と呼ばれているものを読んでいて。
中学でラノベレーベルと出会ってどっぷり浸かって。
もちろんラノベにだってすてきなファンタジー作品はあるけれど、ロードス島戦記とはちと違う感じですし。
冒険があって、絶対的な敵がいて。
読んでいえ、すごく引き込まれてしまいました。
これで勝てるんだ! って思ったときの安堵感。
そしてその後に起こった悲劇。
読後の「……はあ」という寂寥感。
メインキャラたちは最後まで立っていると思っていたからなあ。
だから余計にショックでした。
それが悪いとかじゃなくて。
決していいことばかりじゃない。
悲しみを背負って生きていくこともあるってこと。
困難を乗り越えていく登場人物たちに心を寄せてしまっていました。
水野良先生の作品は「魔法戦士リウイ」シリーズを読んでいまして。
そのシリーズにロードス島が登場したことがあって。
今こうして新装版を読んでみて、ああ、やっぱりそれぞれにすてきな魅力が詰まっているなあ、と思いました。
第2巻も買わなくちゃ(*´▽`) -
Posted by ブクログ
ファンタジー小説の名作。ライトノベルの先駆けとなった作品と言えるけれども、メディアミックスされた展開や、そもそもが『ソードワールド』というTRPGの世界観を踏襲した小説として、この作品が切り開いた地平はかなり大きいと思う。
私が注目したいのは、巻頭の登場人物の紹介がイラスト付きで書かれているということ。この工夫によって、「ファンタジー」という当時は一般的ではなかったジャンルについて、ある程度のイメージが描ける作りになっている。たぶん、これはTRPGの方法論から導入されて、そこから一般化した方法だと思う。今はそこからもう一歩進んで、象徴的なシーンを描くという方法に変わっているけれど。
物語的には「(パーンが)行って行ったままの物語」になっているのは、最初から何巻も刊行することが前提だったからだと思う。田舎の若者が仲間や英雄と触れ合うことで成長する物語だけれど、単体として読めば、あまり上手い構造になっているとは思えなかった。やはり登場人物が多すぎるし、ロードス島を右上から左下まで移動するにしても展開がアッサリしすぎな気がする。
でも、作者の文章力で救われている。見せ場を見せ場として書く能力は突出していると思う。特に、冒頭のゴブリン退治は、これ以上のゴブリン退治は読んだことがないなぁと思うくらい、物語に入り込む入り口として申し分なかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「おやじの仇を討つんだっ!」
思い込んだら命がけ、男の子として育てられ、うだうだしたことが大っ嫌いな熱血少女コロナは、敵の本拠地ヴァルマーに、ひとり敢然と乗り込んでいく。
一方、華奢な外見を利用して、女装することで女(!?)の武器を最大活用する踊り子シャラもまた、財宝を狙ってヴァルマーの宮殿に侵入していた。
二人の運命(!?)の出会い。
謎の人型機動兵器ガルディーンとは何なのか。
シリアスかと思えばコミカル、コミカルかと思えばシリアスという、物語の方向性定まらぬ新感覚すちゃらか(!!)SF珍道中の傑作シリーズ。
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キャラクターデザインがゆうきまさみ、メカニック・デザインが出渕裕という、なんとも豪華なシリーズ。元々は火浦功、出渕裕、ゆうきまさみ、の三人が悪ノリ気分全開、寝不足で脳内麻薬分泌中の頭を無理矢理に回転させて作ったアニメーションの企画が元になっているので、巻末には三人の座談会というおまけがついている。
だがあまりにも世界観を何も考えず、安直に企画したために、一作目(1986)から現在(2010)までに刊行された冊数が、本編三冊、外伝二冊、おまけに二巻刊行の14年後(!)に三巻が刊行されるという、本当にあらゆる意味で新感覚のSF。
キャラクターにはそれぞれ二つ名があるのだが、ネーミングが面白い。
筋肉娘、口先男、出戻り、無謀王、陰険王、軟弱王、そして、すちゃらか王……!
思わず「なんじゃあそりゃあ」とツッコんでしまいました。
そしてこの作品が他作品より一番凄い点は、物語にマスコミが登場していることである!
代々の伝承により、事件の現場に必ず現れる「ますこみ族」……!
もうね、初っ端から彼らが登場するのですから、否応なく笑えて物語に引き込まれます。
ライトノベルと、お馬鹿なノリと、昭和のギャグが大好きな人にオススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ完結編にふさわしい、まさに王道ファンタジーの締めくくりだった。これまで積み重ねられてきた物語や登場人物たちの歩みが一つに収束していき、読み終えたときの達成感と満足感は格別。派手な展開だけではなく、それぞれの信念がぶつかり合うドラマが丁寧に描かれており、「ロードス島戦記」という壮大な物語を最後まで見届けられて本当に良かったと思えた。
特に印象に残ったのは、パーンとアシュラムの関係性。敵味方でありながら互いを認め合い、敬意を抱く姿は単純な善悪では語れない魅力にあふれていた。ライバルだからこそ生まれる熱さが物語全体を引き締め、二人の存在が作品の格をさらに高めていたように感じる。
王道ファンタジーの魅力が詰まった、日本ファンタジーの金字塔と呼ばれる理由を改めて実感できる素晴らしいシリーズだった。 -
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ネタバレ『ロードスの聖騎士(上)』は主人公がパーンからスパークへと交代し、最初は少し戸惑ったものの、その不安はすぐに期待へと変わった。未熟で失敗も多いスパークだが、そのひたむきさや仲間とともに少しずつ成長していく姿は、かつてパーンを追いかけていた頃のワクワクを思い出させてくれる。まさに王道ファンタジーの醍醐味が詰まった展開だった。
また、新たに登場する仲間たちもそれぞれ個性があり、これからどんな冒険を繰り広げていくのか期待が膨らむ。前シリーズのキャラクターたちが「伝説の英雄」として存在感を放つ一方で、新しい世代が自分たちの物語を紡いでいく構図も実に魅力的。シリーズの新たなスタートとして非常に完成度が高く、読む手が止まらなくなる一冊だった。 -
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ネタバレ『王たちの聖戦』というタイトルに違わず、それぞれの王が信念を懸けて決断し、戦う姿がとても熱かった。単なる善悪の戦いではなく、国を背負う者たちの覚悟や矜持が描かれていて、シリーズのスケールが一段と大きくなったと感じる。
また、これまでの冒険譚とは一味違い、国家同士の駆け引きや戦場全体を俯瞰した展開が増え、ファンタジーでありながら本格的な戦記物としての面白さも存分に味わえた。ロードスという世界そのものが動いていることを実感でき、ページをめくる手が止まらなかった。
そして何より驚かされたのがアシュラムの復活。前巻ではあまりにも呆気ない最期だっただけに、「これで終わりなのか」と寂しく思っていたが、再びその雄姿を見ることができて思わず胸が熱くなった。敵でありながら圧倒的な存在感を放つ彼が物語に戻ってきたことで、一気に緊張感が増し、これからの展開への期待も膨らむ一冊だった。 -
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ネタバレアシュラムの存在感がとにかく圧倒的だった。敵でありながら揺るぎない信念を持ち、自らの理想に向かって突き進む姿は非常に魅力的で、パーンとは異なる英雄像として強く印象に残った。だからこそ、互いの信念が交錯する物語に深みが生まれ、最後まで目が離せなかった。
一方で、パーンの成長もこの巻の大きな見どころだった。仲間との冒険や数々の試練を経て、一人の若者から頼れる騎士へと成長していく姿には胸が熱くなる。力だけではなく、覚悟や責任を背負う主人公へと変わっていく過程が丁寧に描かれていて、自然と応援したくなった。
そして何より、ドラゴンとの激闘や英雄たちの活躍など、王道ファンタジーの魅力がこれでもかと詰め込まれているのが素晴らしい。今では数多くのファンタジー作品があるが、その原点ともいえるような冒険の高揚感はまったく色褪せていなかった。『ロードス島戦記』が長く愛され続けている理由を、改めて実感できる一冊だった。