トーマス・マンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『トニオ・クレーゲル』
「普通の人」とはどんな人か、「普通でない人」はどんな人か、「才能のある人」と「才能のない人」はどちらに属するのか、そもそもすべては別のカテゴリとして別れているものなのか、そして自分はどこに当てはまるのか。
自分がどうあるべきか分からなくなり不安になったことのある人に読んでほしい一篇。
10代のうちに読んでいたらもっと精神的に成長できたかもなぁと感じた。
『ヴェニスに死す』
アシェンバハが「美」に呑み込まれていく様は底なし沼に足をとられた人のようだった。終盤の狂気っぷりは物語としてはとても面白かったけれど、人としてはさすがに気味が悪かった。
現代でいうならアイドルにハマ -
Posted by ブクログ
本当に断片的な読後感をつらつらと書いて、後日また書き直すと思う。
・所々に(共感の意味でも反発の意味でも)気に入った言い回しがあったり、自分が好きそうな哲学めいた文章があったのでそこは楽しめた。だが、物語を楽しめた気にはなれなかった。
・長編小説を読んで、思い入れのある登場人物がほとんどいなかった小説は初めてかもしれない。しかし、その希薄さが重要な気がした。主人公の希薄化。(普通の定義は難しいが、)主人公が極めて普通に近いということ。
・最後に主人公ハンス・カストルプに山を下らせたものが何だったのかまだ言い切れない。他にも登場人物の行為でわからないことがある。だから、わからないことが多くてと -
Posted by ブクログ
学生から職場に勤務するようになる直前、ぼんやりと無気力に陥っているハンス・カストルプは、気晴らしと療養を兼ねて、従兄弟の居る山奥のサナトリウムに滞在することを勧められる。
魔の山では下界と違った時間が流れ、病人たちが日々独特の生活を送り、その大抵のものは長く留まりすぎて下界に帰るところをなくし、魔の山の住人となってしまう。
山を下りたがる者、山を出入りする者、山で死ぬ者、山で諭す者、あらゆる登場人物がそれぞれ教訓となっている。教養小説と言われてますが、正直難しかったです。大半は山で繰り広げられるドタバタコメディーだと思って軽く読めます。