トーマス・マンのレビュー一覧

  • 魔の山 上
    訳もわからず、政治談議などはすべて飛ばすという荒技で読みとおした。
    よく分からないがものすごい衝撃を受け、これこそ生涯の一冊だと心に決めてしまった。
    多分、この本の中に世界があると感じたんだと思う。「mondo libro」だ。
    勢いに乗って、ドイツ語版まで買ってしまった。
    しかし最初の一文を読んで...続きを読む
  • 魔の山 下
    いやー難しい。50%も理解してない気がする。
    抽象化して抽象化しての感想を言うと、
    なんの制限や規範もない中で、
    有意に、豊かに生きることは重労働だなぁと。
    なぜなら自由は人を退廃化させるから。
    無規範は退廃。退廃とは死。
    一元的にならず、総合的に進歩していくこと。偏らないこと。
    それが生きるという...続きを読む
  • 魔の山 上
    アカデミック。
    時間概念や、形式論に関する会話はとても楽しめた。
    内容もきわめて哲学的で、
    人生の書と文句に違わない。

    「彼らには三週間ぐらいは一日と同じさ。ここにいると概念が変わってくるからね」

    「祖父のその絵画的な姿を祖父のほんとうの姿と感じ、日常の祖父はいわばかりの姿の祖父、間に合わせに不...続きを読む
  • 魔の山 上
    山頂のサナトリウムで、共に暮らす知人が次々に結核に倒れていく中で、議論し恋愛する現実離れした登場人物たち。
    衣食の心配なくこんなところで人生論ぶちかましているなんて、いいご身分とも思ってしまう。
    ハンス・カストルプがあっという間にスキーが上達したのに驚いた。雪の中の単独行のシーンは幻想的だった。
    ...続きを読む
  • 魔の山(上)
    上下巻。
    ハンス・カストルプとは、真夏のマンションの屋上で邂逅した。うだる熱気に晒されながら魔の山を彷徨したものだった。
  • 魔の山 下
    難解。きっと何度読んでも読むたびに新しい訓が得られるに違いない。

    食堂、横臥療法中の音楽鑑賞、ショーシャ夫人の肖像画、は面白い。
    ヨアヒムの死は美しいし悲しい。
    手回しオルガン弾きと生臭坊主とは胡散臭い。
    ハンスは何故下山し戦地に赴き空しくあっけなく散ってしまうのか、その意味がまだ理解できない。
  • 魔の山 上
    山の上の世界と下の世界。
    平凡に育った若者が隔離状態にある山の上で急進的な政治思想や哲学、覆った道徳・宗教、性、友情、死、自然に触れある種の光明を見出すまでの話。青春小説でありながら完璧な教養小説。政治・哲学・宗教についてはやや難解。社会全般に係る普遍的主題を全て盛り込んだ長大な小説は「実際的なファ...続きを読む
  • 魔の山 下
    セテムブリーニとナフタの論戦が所狭しと繰り広げられるが、肝心の登場人物たちの造形は、いささか記号的人物のように感じられて仕方がない。/

    第一に主人公ハンスだが、ショーシャ夫人に心惹かれるが、彼女がいったん山を降りると、手紙のやり取りで恋情をつのらせることもなく、たちどころに夫人を忘却の彼方へと打ち...続きを読む
  • 魔の山(上)
    何か特別なことが起こる(上巻の最後ではちょっとしたことがあったが)わけでもないのに、知らぬ間に療養所の毎日に引き込まれてしまう。
    この小説は「教養小説」と呼称するのだそうだが、確かに医学などのかなり専門的な記述などもあって、それらが主人公の成長を促しているものの一部になっているということなのか。
    ...続きを読む
  • 魔の山(上)
    魔の山の「魔」は魔法の魔。私は悪魔の魔だと勘違いしていたが、英語ではmagicと訳されているらしい。
  • 魔の山 上
    長い上に難しい言葉も多かったので若干読みにくかったです。注のところも多くて読み返すのが大変でした。ですが結末が気になるので下巻も読もうと思います。
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    厳めしい文学者、貴族の称号を持つグスタフ・アシェンバハはある日の散歩途中、突然旅への誘いに見舞われた。理性的な彼は芸術に倦んで、疲れたからだ。はたして、内面の旅でもあり、ヴェニスへ導かれる旅の始まりだった。

    映画「ヴェニスに死す」を私は先に観た。よくわからなかった。

    その後、ヴェニス、すなわちヴ...続きを読む
  • 魔の山(下)
    まさかの結末に、とにかく衝撃。あんな終わり方するなんて、これまで連綿とただただ綴られた物語の幕が、一瞬にしてスパンとシャットアウトされたような、とにかく嘘でしょって言いたくなる終わり。物語自体は面白いとか、つまらないとか、そんな感情なくただただ日常を歩むように紡がれている。今まで読んだことのないタイ...続きを読む
  • トーニオ・クレーガー 他一篇
    うーむ、やはり病み上がりの状態にはフィットしなかったのかなぁ、、、好意的評価に満ちておりますが、あんまりピンと来なかった、正直に申し上げまして。
    海外モノによく見受けられるのですが、文章のグルーブ感が決定的に欠けていて、引き込まれて行かないんですよね。もう少し体調が良くって、落ち着いた環境で読めばそ...続きを読む
  • 魔の山(下)
    なるほど、詰め詰めに詰め込まれている。
    科学と自然、病と健康、人文主義と虚無主義。西欧と東洋。富。隷属。音楽。恋愛。戦争。

    これだけてんこ盛りにされていれば、この本を脳内に分類始末をつけるに際して、気圧されたように「これは教養文学である」と言って逃げたくなる気は分かる。

    逃げずに、ここに書いてあ...続きを読む
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    表題のとおり2作品を収録。
    どちらの作品も共通しているのは、主人公は文芸家(詩人・作家)で、叶わぬ恋をしており、叶うところまでいかないところに美や陶酔を感じている。と、これだけ書くとなんだか進展がなさそうな感じがするが、実際進展がない。ストーリーとしてはあまりメリハリがないが、その一瞬一瞬の詩的表現...続きを読む
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    祖母がこれは面白いからと熱烈に勧めて来たので、読んだ一冊。
    何とか読んだものの、当時の私には難し過ぎて何だか良く理解できなかったというのが正直なところ。
    「トニオ・クレーゲル」の方はほとんど記憶に残っていないです…
    そして、「ヴェニスに死す」は何て暗い話なんだろうと^^;
    ヴェニスは美しき水の都だと...続きを読む
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    表題二篇が収録された本作。『ヴェニスに死す』が読みたくて手に取りました。
    初老の芸術家アシェンバハは旅行先のヴェネツィアに滞在していたところ、同じホテルにポーランド人家族が居るのに気付く。その家族のなかに美少年タージオ(タジュ)を見つけ、一目で心を奪われてしまう。アシェンバハは遠目から海辺で姉たちと...続きを読む
  • 魔の山(上)
    古典は難しい。というのはその時代背景が分かっていないとキャラクターの性格や行動に共感しにくいことがあるからだ。主人公のハンス・カストルプはハンブルグ出身の無垢で「単純な」青年であり、その性向は当時の比較的裕福な階層の若者としては平凡なものなのだろう。物語は彼が「魔の山」と呼ばれるスイス高原ダヴォスの...続きを読む
  • 魔の山(下)
    はっきり言って、よく分からなかった。

    ・文章が分かりづらく、頭に入って来ない
    ・宗教や共産主義あたりに関する知識がついていけない
    ・やり取りというか論争が形式的で何処まで真面目に取り合うべきなのか分からない
    ・童貞臭い