トーマス・マンのレビュー一覧
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ドイツの作家トーマス・マンが1903年に発表した"トニオ・クレーゲル"と1912年に発表した"ヴェニスに死す"を収録。どちらも映画されており、特に"ヴェニスに死す"は有名な作品です。どちらも芸術家を主人公にした作品で、作中ではそれぞれが苦悩する姿が描かれます。"トニオ・クレーゲル"は、作者自身の自伝...続きを読むPosted by ブクログ
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『芸術』と『生活』の対立に悩む主人公を描いた青春小説。
多感な青春時代に読んでいれば、あるいは何かの影響を受けたかもしれないけれど。
三十路手前の今となってはすでに手遅れという感もあり。
もっとも青春とは心の若さという説もある。
思い悩むだけの情熱がまだ残っているかどうか、試してみるの...続きを読むPosted by ブクログ -
薦められて読んでみた本。面白かったなあ。
芸術か実生活か、直感か理性か…
『魔の山』の時にも感じていたのだが、トーマス・マンの筆致は強くてシリアスでありながら、どこか諧謔的で、一寸とぼけたようなところがあると感じるんだよね。そこが好き。テレビ「ドラゴンボール」のナレーションみたいなところがありはし...続きを読むPosted by ブクログ -
表題作は、これこそ今の自分にぴったりだと思った作品。大学生の頃に読めてよかった。
中島敦と同じような悩み方だと感じたが、これはドイツ人と日本人の気質が似ていると言われているのと何か関係があるのだろうか。
「マーリオと魔術師」はやや古めかしい感じも受けたが、政治と文学についても考えさせられた。今の日...続きを読むPosted by ブクログ -
ヴィスコンティの映画は大好きで、初原作。いつか読もうと思っていたもの。
やっぱり原作秀逸。映画の映像美はいわずもがなだけど、こちらはこちらで面白いというもの。
トーマスマンは初めて読んだけれどもこのねちっこくてどこまでも深い穴倉のなか。みたいな感覚すき。
美に対する哲学というか思想?。この羨望の気持...続きを読むPosted by ブクログ -
二作カップリング本。
どちらも芸術家の苦悩を描いているが、質が異なる。
前者は若い作家が「文学とは、創造とは?」と思い悩むが、
後者は分別のある大成した老作家が旅先でトラップに嵌まってしまう話。
読み比べるのも楽しい。
ところで、学生時代、サークル仲間に「貸して~」と請われて渡したこの本、
とうとう...続きを読むPosted by ブクログ -
ある芸術家の生き様の軌跡。
肥大化し膨れ上がった自意識、彼の思想は、極限まで高められた内省に源泉を持つ。
凡人と才能ある人々を区別することの意味。むしろ区別するという行為自体が極めて凡人的なのかもしれない。
悩める俗人。
「恋が人を豊かにし、生き生きとさせることを知っていたからだった。」
彼が...続きを読むPosted by ブクログ -
内容はとても面白い。ただ一度読破しただけでは少し理解に欠けるかもしれない。
言い回しにセンスがあるなぁ とか思いながら読破。純文学好きなら一度は読んでおいても損のない本。Posted by ブクログ -
世界史にも出てくる名著。
正直かなり長く、読むのがしんどかったが、途中から引き込まれていったことは否定できない。
非現実的な「魔の山」と主人公の生活ぶりは、とても面白かった。
最後の急展開には驚いたし、生きて帰ってきていたらいいなと思う。Posted by ブクログ -
早朝に変なことつぶやいてたらツイッターのフォロワーさんにオススメ頂いたトニオ・クレーゲル。
ちょっと難しい言葉があったけど、勧めてもらった理由は納得しました。まあ自分は迷える俗人というか迷えるクズですけど。自分とは何であろうか?とかマジョリティーに中々属しない人なんかは共感する部分がありそうな。
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マンの短編小説、『トーニオ・クレーガー』と『マーリオと魔術師』を収録。トーニオの抱える矛盾は、いままさに青年である自分にも深く共感できるものだ。その意味で、この小説には単なる芸術家の本質の問題ではなく、あらゆる青年が抱える問題が汲み尽くされていると思う。そして後者は、一種の政治小説。ファシズムという...続きを読むPosted by ブクログ
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難解。高校の時はヘッセなんかもたくさん読んだ。この、日本語訳に更に現代語訳がないと真に理解には到らない気もするけれど…それは多分、しない方がいい。Posted by ブクログ
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何かを作ることで生活をしていたり、
何かを生み出さずにはいられない性質を持っている人は
必ずトーニオと同じ悩みを抱えるのではないかなぁと思います。
そう言う意味で、少しだけ、生み出すことを仕事にしている私は
主人公に非常に共感を思えました。
一緒に収録してあった魔術師の話は気持ち悪かったなぁと思い...続きを読むPosted by ブクログ -
作者の芸術家観が窺える。トニオ君の鬱屈した少年期は、現代のオタ・非コミュな人達には痛いほど分かるのでは。ハンスとインゲは「リア充」ってやつですね。
『
「春は仕事がやりにくい。これは確かだ。ではなぜなんでしょう。感ずるからですよ。それから、創造する人間は感じてもいいなんて思い込んでいる奴は大ばか者...続きを読むPosted by ブクログ