【感想・ネタバレ】魔の山 上のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月11日

1924年刊。スイス高原のサナトリウムで療養生活を送ることとなった、青年ハンス・カストルプの精神の軌跡。

20世紀三大小説家のひとり、との声もあるトーマス・マンの代表作。年配の某文学系YouTuberの方が、『魔の山』はトーマス・マンの中では亜流で『ブッデンブローク家』こそ正統派だ、とおっしゃって...続きを読むいて、なるほどそうなのか~と思いつつも、やはり有名なので先にこちらを選んだ。何よりも、「今読みたい」と直感が働き、これがドンピシャだった。

というのは、本作で主人公の青年ハンスが、過去に想いを寄せていたプリビスラウとの関係を引き合いに出しながら、ロシアの婦人への恋心をひそやかにしつつ、あまりにも控えめな行動力で陰キャ的なやり取りをする描写に、たまらなく共感を覚えるタイミングだったからだ(汗)。
P250 「現実的に、いまのひそかな関係以上の交渉は持てないという確信、二人のあいだには越えられない深淵が横たわっていて、彼女と一しょでは彼の承認しているどんな批評にも及第できないという確信」
絶対に越えられない壁がある相手に恋をしてしまったら、こうするしかないだろうな、という行動をハンスがとるので、恋の行方が気になり、それが引力となって読み続けられた。

したがって、自分は本作の上巻をほぼ恋愛小説として読んだのだが、もちろん下のレビューや各所で言われているように、本作は20世紀初頭の思想や医学などについてつらつらと書き綴られた教養小説というやつで、読んでいて退屈な部分は確かにある。あまりにも変化のないサナトリウムの生活は、実は死と隣り合わせで、いやでも思索的にならざるをえない環境でもあり、こういった議論や語りが続くような小説には格好の舞台といえる。

しかし、数多い個性的な登場人物と人間関係の描写はなかなかに面白く、高原の景色も趣に富む。物語というよりも、こういった光景を楽しむ小説として考えていると、いつしかハンスと共に自分自身もその場にいるような不思議な感覚すらわいてきた。章の間にいくつもの節で区切られているためコツコツ読むには向いていて、この小説に取り組んでいる数日間ずっと手元のそばに置いていたので、サナトリウムの世界にどっぷりつかっていた感じが強い。その他、時間感覚についての考察は興味深い。

上巻ラスト付近の急展開は楽しくて仕方なかった。ハンス君やらかしすぎ(笑)。つくづく自分には合う小説だなぁと。下巻はもっと長いようだけど、全然イケそう。

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Posted by ブクログ 2015年09月06日

「ノルウェイの森」でキーとなる物語。サナトリウムに入院している従兄ヨアヒムを、学校出たてのハンス・カストルプが尋ねて、そこで7週間のつもりが7年も過ごすことになる。大学工学部を出たばかりの世間知らずなところがなんともリアル。セテムブリーニが御託を並べるところがウザイが、経済的な後ろ盾が無く困窮してい...続きを読むる彼と、従兄弟達の恵まれた生活とが第1の対比をなす。下巻に第2の対比がある。たっぷり頁を使ったショーシャ夫人との恋愛沙汰がどうなるのか。閉じた空間に医者、患者ら多彩な登場人物がいて、読んでも読んでも飽きない。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

大学時代に購入して、何度も何度も挫折しながら読み進めた本。スイス高原にあるサナトリュウムでの奇妙な療養生活を描く。時間感覚や死の神聖化など哲学的な内容を多く含む。一生かけて付き合って行きたいと思う本。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

マンの超大作の前半部分。中心的な登場人物は、ハンス・カストルプ、ヨーアヒム・チームセン、セテムブリーニとマダム・ショーシャ。
ヨアヒムの付き添いで結核療養所に入院したハンスの「成長」の物語。結核療養所という特異な空間において、セテムブリーニとショーシャとの関係がハンスに複雑な「成長」を遂げさせる。セ...続きを読むテムブリーニはハンスを理性的に成長させる。だが同時に、ショーシャとの神秘的な関係を通じて、ハンスは理性的には解決できない自己のありかたに直面する。
ハンスとマダム・ショーシャの神秘的な関係に心底魅了された。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

カラマーゾフ読んでたら、無性に魔の山を詠み返したくなったのでのっけてみた。でも再読してないので、詳しいことがさっぱり言えない(笑)
カラマーゾフ2巻読んでたら、コレは結局のところ人間群像が織り成すユーモア小説かいな?って感じがしてきて、ユーモア小説だったら、なんつっても魔の山だろー!!と思ったんで。...続きを読むカラはまだシリアスに話が展開するんだろうか?ってのが読めなくって、どうもその中に差し挟まれるキャラのお茶目ぶりの処理がよく分かってないんですけど、魔の山は全編渡って皮肉な笑いに満ち満ちてる。
隔絶されたサナトリウムに集う特権的なイっちゃった人たちが、ひたすらなんの特にもならない世間になんの寄与もしないアイロニーに満ち溢れた会話を延々繰り広げる話、だろうか。(てかだったっけ)
とりあえず主人公のハンスくんがもってもてで、色気おばはんショーシャ夫人とか、ホモおっさんとかに取り合われる話。だけど本命はいとこくん。って、そんな話だったかと・・・。
ショーシャ夫人とそうなるとこの描写がまたセクシーだった気が。
ラストは壮絶。デミアンは叙情に溢れてたなあ・・・。
とりあえず全編多少分かんないとこがあろうが、ユカイ小説として楽しく読める。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

時々、こういう長い長い小説を読みたくなる。
主人公ハンスが山上のサナトリウムに到着し、そこでの慣習を笑い、自分はそうならないと言いつつ少しずつ慣れ、染まっていく上巻。
ハンスがショーシャ夫人のことをつい気になって見つめてしまう描写を、「不潔な関係」と表現する辺りが好き。不潔なプラトニックさってあるよ...続きを読むね。

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Posted by ブクログ 2020年12月18日

生とは、死とは、愛とは、理性とは。思考の実験採択と病の誘惑に溺れ、魔の山の虜になったハンス・カストルプ。感心するほど“単純さ”を貫き通す彼の姿を、ユーモアとアイロニーをたっぷりこめた目線で描いたこの作品、素材の小難しさを超える文章の面白さが楽しめる。全二巻。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ハンス・カストロプみたいな境遇にあった当時過剰に感情移入して夢中で読んだ。隠遁に近い生活の中で彼は何を見、何を知ったか。全てが非人間的なまでに高速処理される社会において一見何の役に立ちそうも無いこういった経験を、多角的に見つめなおす事ができる稀有な書。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

有名な古典なので敷居が高いと思われがちだが、純粋にエンターテインメント小説として楽しめる。そこそこ長いが、肩肘はらずに読んでほしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月16日

とにかく長い。退屈。特に何も起きないまま上巻が終わる。ちょこちょこ動きはあるのだけれど。サナトリウムでの様々な人々との交流を通した青年の成長物語、とでもいうのかしら。病気、死、宗教、戦争、いろんなテーマを登場人物を通してひたすら討論していく場面が続く。しんどい。下巻、盛り上がりを見せてきたところで終...続きを読むわってしまう。しんどい。小説というよりも哲学書のような。しんどかったけど達成感はあった。これを読めたらもう何でも読めそう。ハンスが遭難しかけて生と死について開眼していくところは繰り返し読んだ。あの部分のために他を読んだのだと言ってもいいレベルで沁み入った。結論、しんどかったけど読んでよかった。しんどいけど読んだ方がいい。

好きだった箇所をメモしておいたので貼っておく。
「人間は死よりも高貴であり、死に従属するには高貴すぎる、頭脳の自由を持つからだ。人間は生よりも高貴であり、生に従属するには高貴すぎる、心の中に敬虔さを持つからだ。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年05月28日

これは読むのに苦労したなー…
なぜならば終盤のハンス青年の
ほのかな思いが成就するときに
他の言語でしゃべっているのを表現するために
カタカナ混じりの会話になってるのよ。

平凡な位置青年であるハンスが
いとこの療養に付き合いうために
3週間の期限付きでサナトリウムに
行くことになったけれども…

...続きを読む…がつく通りでお察しです。
それとページ数で。
結局彼も発熱により
サナトリウムから降りられなくなるのです。

平凡な彼は
やがて様々な患者に感化され
心の成長を遂げていきます。
人体に興味を覚えたり
恋というものを覚えたり
そして、それが成就したり。

下巻、すごく気になるのよね…

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Posted by ブクログ 2013年06月15日

上巻は3日、下巻は読み終えるのに1ヶ月半もかかってしまった。
なんと切り口の多い作品。。
まだ完全には消化しきれていない状態でこの文章を書いている。

こういった間口の広い作品は、
フィニッシュをどこに持ってくるかという問題があり、
巻末の解説でも書かれているように、
実は作者自身も明確にはそれを決...続きを読むめずに書き始めて
流れに身を任せたようだが、
個人的には最終章の決闘のシーンが終わった時点で
充分な満足感が得られ、
あとはどう結論をつけても何らかの片はつくだろうと感じたので、
それだけに、このフィニッシュには少々不満が残った。

他の人はどう感じたのか気になったので色々とレビューを読んでみたが、
まあ「時間の扱いが見事な作品」「精神論の教養小説」などと
評する人の多いこと。。
これだけ切り口の多い作品に対して、特に印象に残ったのがそこ?
感性が拙いとしか言いようがない。
そのような中学生の読書感想文レベルの感想にしか消化できないような
内容の薄い作品では決してない。

まず、舞台設定の見事さだろう。
標高1600メートルの山上にある高級療養施設。
抑圧の強い地上の現実世界から隔離されていて、
病気と死がいつも隣り合わせ、建物の周辺は自然に恵まれ、
気候変化が激しく四季に捕われない季節感があるという、
筆力次第で様々な非現実性を創出しやすい舞台。
見事な設定だ。

また、この作品を難解と感じさせる要因として、
第6章のセテムブリーニとナフタの激しい会話のやり合いがある。
精神と自然、病気と死、革命と伝統、自由と秩序。
色々詰め込んでいるが、
メルヴィル「モービィ・ディック」のような、
ただ単に詰め込んだだけで、
その事が全く何の効果も成していない駄作とは違い、
この作品は「詰め込み」が作品と綺麗に調和し、
芳醇な広がりを演出している。

しかし何と言っても、この作品の一番の読ませ所は
各シーンの起承転結のつけ方だろう。
過剰なまでの精神論、政治論、宗教論の応酬、
気まぐれに表情を変える美しい自然の描写、
音楽の与える高揚感、
様々な方法を駆使してクライマックスまで持っていき、
感情が最高潮にかき立てられた所ですぱんとシーンがカットされる。
この切り方が実に見事で、この読後感だけでも
読んで良かったと思わせるものが充分にある。

こういった粒ぞろいの各章を全体として俯瞰したとき、
上記「時間の扱い」「精神論」が作品に与える深みにも
唸らせられるのであって、
この作品を「時間に関する小説」「教養小説」などと単純に
一面的な部分を切り取って断定するのはナンセンスである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年11月05日

上下巻合わせて1200ページ余りながら、不思議な物語と精神論・宗教論が混ざり合い、非常に難解な物語でした。
読み進めることが、まさにタイトルのごとく「魔の山」を登ることのようでした。。。

と冗談はさておき、
本書は、主人公ハンス・カストルプの結核を中心に、病気という面から「生と死」の考察と、サナト...続きを読むリウムという療養所のある平地と隔離された街を「時間」の考察という、2つの大きな主題から成り立ちます。
主人公のハンス・カストルプは、優柔不断というか、自己主張の少ない青年で、従兄弟のヨーアヒムを見舞うために、3週間の予定でサナトリウムを訪れます。しかし、サナトリウムで結核と診断され、長期療養を言い渡されるも、主人公のハンスはそれほど抵抗なく、療養を受け入れます。そして、時間的に孤立した療養所に留まることになるのです。
病気が人生観を変えたという話は、聞いたことがあると思います。病気は生と死の中間にあるものとも言えますが、病気は生の方向を良くも悪くも修正できる力をもつものなのかもしれません。
もう一つの主題である「時間」についてですが、この時間の魔術は、私達の時代でも容易に想像できるものなのではないでしょうか。普段の社会生活の中でも、時代の潮流に乗れていないと感じたり、世のトレンドとは無縁なコミュニティしか持ち合わせていなかったりと。。。
ある種、ゲーテとは異なる教養小説。

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Posted by ブクログ 2009年12月12日

訳もわからず、政治談議などはすべて飛ばすという荒技で読みとおした。
よく分からないがものすごい衝撃を受け、これこそ生涯の一冊だと心に決めてしまった。
多分、この本の中に世界があると感じたんだと思う。「mondo libro」だ。
勢いに乗って、ドイツ語版まで買ってしまった。
しかし最初の一文を読んで...続きを読む、(私にとっては)入り組んだシンタックスに恐れ入ってしまい、それっきり読んでない。もうちょっと読まないと元が取れないなあ。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

アカデミック。
時間概念や、形式論に関する会話はとても楽しめた。
内容もきわめて哲学的で、
人生の書と文句に違わない。

「彼らには三週間ぐらいは一日と同じさ。ここにいると概念が変わってくるからね」

「祖父のその絵画的な姿を祖父のほんとうの姿と感じ、日常の祖父はいわばかりの姿の祖父、間に合わせに不...続きを読む完全にこの世へしばらく適合させられた祖父であるように感じられた。日常の祖父の姿で特異な奇妙なところは、明らかにそういう不完全な、たぶん、いくぶん不手際な適合の結果であって純真で真正な姿のかくしきれないなごりであり、暗示であった。」

「私たち人間は、だれも個人としての個人生活を営むだけでなく、意識するとしないとにかかわらず、その時代のその時代に生きる人々の生活を生きるのである」

「私たちのすべての努力と活動の究極的な超個人的な絶対的な意味についての問いに対して、時代がうつろな沈黙をつづけているだけだとしたら、そういう事態による麻痺的な影響は、ことに問いをしている人間がまじめな人間である場合には、ほとんど避けられないであろう。」

「なんのために という問いに対して、時代から腑に落ちるだけの答えを与えられないのに、初めから提供されているものの域をこえた仕事をする考えになるには、世にまれな、そして英雄的な倫理的孤独と自主性、もしくは、頑健無比な生活力のいずれかを必要とした。」

「タバコをのまないのは、人生のエッセンス、人生のきわめてすぐれた喜びを棄権してしまうこと」

「病気と死とは、本当は厳粛なものではなくて、むしろ、一種の遊山みたいなもので、厳粛なことなどは、厳密に言うと下の生活だけにあるんじゃあるまいかね」

「時間と言う奴は見張っているとおそろしくゆっくりとしたものだね」

「肉体が自主的に、魂とつながりなく生きて、のさぼりはじめると、君が悪いし、不安だということなんだよ。ボクのこの原因のない動悸のようにね。ほんとうにそれに結びつく原因、興奮、うれしいとか不安だとかいう感情、いわば、その動悸を説明してくれる感情を探さずにはいられなくなるね」

「愚かな人間は健康で平凡でなくてはならないし、病気は人間を洗練し、賢くし、特殊にするはずだと考えられています」

「習慣とは時間感覚が眠り込むことであり、すくなくとも鈍くなること」

「私たちは生活へ新しい違った習慣をはさむことが、生命をつづかせ、時間間隔を新鮮にし、時間感得をわかがえらせ、強め、ゆっくりとさせ、それによって生活感情そのものを若返らせるただ一つの手段であることを知っている」

「名前をつけるというのは、批評をしないまでも、限定することであって、つまり、既知のなれっこになった経験へ組み込んでしまうことであって、そういう精神的財宝は、そのように限定したり、組み入れたりすることからきびしき守らなくてはならないと、無意識であったが確信していたのであった」

「ヨーロッパは反抗、批評、革命的行動の地、アジアは停滞、無為の安静」

「人間の良心というのは、自分をごまかすのがなんと巧妙なことだろう。」

「人間は義務の命令からも情熱におぼれる許可をききとる名人である」

「こんなにあわただしく過ぎてしまうのは、全身の年少作用が昂進するためであろうか」

「最初は批評や最もな憤慨からはじまったことでも、やがて批評などとはすこしも関係のない全然違ったものがあ入り込んできて、そうなったらもう道徳的な厳しさはどこかへ吹っ飛んでしまう。」

「人間の残忍性をとがめることに慣れてしまうと、人生から、生まれついた生活様式から、離脱しがち

旅人が旅先の民族の風習や基準を笑うのは、自分の無教養を広告するようなもので、どんな民族にも他民族に勝る長所がなにかとあるものである」

「分析は啓蒙と文明の手段としては喜ばしいものであって、頑迷な迷信を打破し、自然な偏見を解消させ、権威をくつがえす場合にはよろこぶべきものである。しかし分析が行動を阻害し、生命形成の能力を欠き、かえって生命の根源を損傷するのは悪」

「待つとはさきまわりすることを意味し、時間と現在とを貴重なものと感じないで、邪魔者と感じ、時間と現在そのものの価値を認めず、無視し、心の中でそれを飛び越えてしまうものである」

「なれないことに慣れる」

「若い人たちの過度な順応性、若い人たちはいけないことにばかり順応しようとする」

「整理と分類こそ克服の第一歩、真に恐ろしいのは正体の明らかでない敵」

「自然は暴力。そして甘受し、屈服するのは奴隷的行為」

「人間的という言葉でどんな放縦も軟弱もカモフラージュできる」

「言葉などなぜ必要だろう」

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

山頂のサナトリウムで、共に暮らす知人が次々に結核に倒れていく中で、議論し恋愛する現実離れした登場人物たち。
衣食の心配なくこんなところで人生論ぶちかましているなんて、いいご身分とも思ってしまう。
ハンス・カストルプがあっという間にスキーが上達したのに驚いた。雪の中の単独行のシーンは幻想的だった。
...続きを読むアヒムが亡くなったのも悲しかったけど、幽霊が出てきたシーンはもっとぐっときた。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

山の上の世界と下の世界。
平凡に育った若者が隔離状態にある山の上で急進的な政治思想や哲学、覆った道徳・宗教、性、友情、死、自然に触れある種の光明を見出すまでの話。青春小説でありながら完璧な教養小説。政治・哲学・宗教についてはやや難解。社会全般に係る普遍的主題を全て盛り込んだ長大な小説は「実際的なファ...続きを読むウスト」といった印象。

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Posted by ブクログ 2021年10月29日

長い上に難しい言葉も多かったので若干読みにくかったです。注のところも多くて読み返すのが大変でした。ですが結末が気になるので下巻も読もうと思います。

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Posted by ブクログ 2013年04月02日

山上にあるサナトリウムを訪れた青年ハンス・カストルプが自らも結核を患っていることが発覚し、3週間の滞在予定のはずが魔の山にて長い時を過ごす教養小説…なのだが、上巻を読む限りでは主人公は小説内で流れていく時間そのものではと思えてしまう。時間と空間というのは世界の特性ではなく人間の意識の特性によるもので...続きを読むあり、時間が持つ主観的な相対性に対して自覚的な言及が興味深い。病院内の過ぎたようで遅々として進まぬ退屈な時間と停滞しているように見えて瞬く間に過ぎ行く時間、そうした対比が小説内の構造として表現されているのだ。

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Posted by ブクログ 2011年11月02日

世界史にも出てくる名著。
とにかく長くて、上巻だけでも読むのに苦労しました。
ですが、内容は面白いです。
がんばって下巻も読んでみます。

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Posted by ブクログ 2010年05月23日

村上春樹のノルウェイの森にでてきたので、購入したと記憶している。
西洋の宗教観、歴史観等を理解していないためか、登場人物の台詞にまるでついていけなかった。(二年前)
ので評価はいまいちつけがたい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

学生から職場に勤務するようになる直前、ぼんやりと無気力に陥っているハンス・カストルプは、気晴らしと療養を兼ねて、従兄弟の居る山奥のサナトリウムに滞在することを勧められる。
魔の山では下界と違った時間が流れ、病人たちが日々独特の生活を送り、その大抵のものは長く留まりすぎて下界に帰るところをなくし、魔の...続きを読む山の住人となってしまう。
山を下りたがる者、山を出入りする者、山で死ぬ者、山で諭す者、あらゆる登場人物がそれぞれ教訓となっている。教養小説と言われてますが、正直難しかったです。大半は山で繰り広げられるドタバタコメディーだと思って軽く読めます。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

フリーメイソン会員やイエスズ会の人が重要人物として登場しているが、その辺の西洋の背景知識を持たないわたしには読み解けなかった。前提がわからなくてもお話として楽しめたが、内容は理解していないので評価できないです。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

実はこれもまだ読んでない。いっつもナフタ出てきて暫くしたあたりで止まっちゃうのは何でだろう。つーか新潮で買えば訳者高橋義孝だったんじゃないかそっちのがよかったな・・何でこれに限って私岩波の買ったんだろう。いつも紐しおりのついている新潮文庫をこよなく贔屓にしている私なのに。オオ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ドイツを代表する教養小説の超大作。平凡な青年ハンス・カストルプとその周囲の人々のおりなす人間模様が多彩。上下巻。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

この物語はハンス・カストルプの成長の物語と言われている。
名作と言われているが、私は途中読むのがつらくなってあきらめてしまった。なぜなら、話が平たんな部分(大きな盛り上がりがないので)が長かったからだ。
 しかし、死、時間、音楽と時間、自然と人間の関係といった観念が、ハンス・カストルプが出会う不思議...続きを読むな人々とともにちりばめられている、壮大な物語だと思う。
 またしばらく別の本をはさんでから呼んでみようと思う。

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