あらすじ
平凡無垢な青年ハンス・カストルプははからずもスイス高原のサナトリウムで療養生活を送ることとなった。日常世界から隔離され、病気と死が支配するこの「魔の山」で、カストルプはそれぞれの時代精神や思想を体現する特異な人物たちに出会い、精神的成長を遂げてゆく。『ファウスト』と並んでドイツが世界に贈った人生の書。
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Posted by ブクログ
とにかく長い。退屈。特に何も起きないまま上巻が終わる。ちょこちょこ動きはあるのだけれど。サナトリウムでの様々な人々との交流を通した青年の成長物語、とでもいうのかしら。病気、死、宗教、戦争、いろんなテーマを登場人物を通してひたすら討論していく場面が続く。しんどい。下巻、盛り上がりを見せてきたところで終わってしまう。しんどい。小説というよりも哲学書のような。しんどかったけど達成感はあった。これを読めたらもう何でも読めそう。ハンスが遭難しかけて生と死について開眼していくところは繰り返し読んだ。あの部分のために他を読んだのだと言ってもいいレベルで沁み入った。結論、しんどかったけど読んでよかった。しんどいけど読んだ方がいい。
好きだった箇所をメモしておいたので貼っておく。
「人間は死よりも高貴であり、死に従属するには高貴すぎる、頭脳の自由を持つからだ。人間は生よりも高貴であり、生に従属するには高貴すぎる、心の中に敬虔さを持つからだ。」
Posted by ブクログ
これは読むのに苦労したなー…
なぜならば終盤のハンス青年の
ほのかな思いが成就するときに
他の言語でしゃべっているのを表現するために
カタカナ混じりの会話になってるのよ。
平凡な位置青年であるハンスが
いとこの療養に付き合いうために
3週間の期限付きでサナトリウムに
行くことになったけれども…
…がつく通りでお察しです。
それとページ数で。
結局彼も発熱により
サナトリウムから降りられなくなるのです。
平凡な彼は
やがて様々な患者に感化され
心の成長を遂げていきます。
人体に興味を覚えたり
恋というものを覚えたり
そして、それが成就したり。
下巻、すごく気になるのよね…
Posted by ブクログ
上下巻合わせて1200ページ余りながら、不思議な物語と精神論・宗教論が混ざり合い、非常に難解な物語でした。
読み進めることが、まさにタイトルのごとく「魔の山」を登ることのようでした。。。
と冗談はさておき、
本書は、主人公ハンス・カストルプの結核を中心に、病気という面から「生と死」の考察と、サナトリウムという療養所のある平地と隔離された街を「時間」の考察という、2つの大きな主題から成り立ちます。
主人公のハンス・カストルプは、優柔不断というか、自己主張の少ない青年で、従兄弟のヨーアヒムを見舞うために、3週間の予定でサナトリウムを訪れます。しかし、サナトリウムで結核と診断され、長期療養を言い渡されるも、主人公のハンスはそれほど抵抗なく、療養を受け入れます。そして、時間的に孤立した療養所に留まることになるのです。
病気が人生観を変えたという話は、聞いたことがあると思います。病気は生と死の中間にあるものとも言えますが、病気は生の方向を良くも悪くも修正できる力をもつものなのかもしれません。
もう一つの主題である「時間」についてですが、この時間の魔術は、私達の時代でも容易に想像できるものなのではないでしょうか。普段の社会生活の中でも、時代の潮流に乗れていないと感じたり、世のトレンドとは無縁なコミュニティしか持ち合わせていなかったりと。。。
ある種、ゲーテとは異なる教養小説。
Posted by ブクログ
まさに魔の山
いろんな意味で!
一人の青年が就職の前に少し休養するつもりで訪れたサナトリウム
従兄弟が長い間療養していたため
ほんのお見舞いのつもりで‥
はじめは会う人それぞれの病状をまさに人ごととして捉え、同情し、自分とは違う世界のこととして馬鹿にしたような態度をとる
が、しかし
彼もまた同じように病んでいたのだ!
そしていろいろなものに影響されていく
死を間近に見て、人々やドクターとの関わりから
生命を、人体を学びはじめる
そしてそしてさらに恋も!
もう大丈夫?って思うほどの思いつめかたをして
支離滅裂になっていく姿は怖い
狭い世界の中で
心までも病んでしまいそうな日々
はたしてこの後どうなるのか?
日常に戻れるのか?
かなり時間がかかる読書となったけど
じっくり読まないと理解できなくなるので
また下巻もじっくり読みたい
また時間がかかるんだろうなあ
魔の山に取り憑かれた自分がいる