ジョン・ディクスン・カーのレビュー一覧

  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    非常によくできたミステリ。表向き見事に解決したかに思われる事件が、最後の短い章ですべて覆される。最後の章がなければ、これほど長く評価はされなかったかもしれない。

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    2018年07月03日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    以前にも読んだことはなく初読でしたが、なるほど、『火刑法廷』と並ぶカーの代表作の1つとされるだけあり、このトリックというか謎解きは今読んでも練られておりかつ意表を突きすごい。(練られすぎているが故やや無理は感じるものの)

    個人的にはどうもカーはストーリーに没入出来ずに好きな作家ではないのですが、第17章の「密室講義」が無くとも確かに古典として残る名作と思います。そして、その密室講義が作品に色を添えていることもまた事実。

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    2017年02月27日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    密室講義を読むために本作品を手に取ったと言っても過言ではありませんが、実際にこの作品で使われたトリックが発端となりその後様々なミステリに使われていると思うと、当時これを考え出したことが如何に偉大なことか思い知らされます。

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    2015年08月23日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    かの有名な「密室講義」は素晴らしい内容ですし、名探偵自ら架空の存在であることを認めてしまったメタ発言が楽しいです。ただ、どうしても冗長に感じてしまうのが残念なところです。
    本書の密室トリックは理解出来ない部分があって微妙に感じるものの、全体的な仕掛けや犯人の隠匿方法と有機的に結び付いている所が秀逸です。

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    2020年04月19日
  • 剣の八

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    ネタバレ

    カーの凡作と呼ぶ声もある作品。

    題材はいいと思う。
    周りの被害者への不自然なほどの低評価から疑問は始まり、被害者の殺害直前の謎の行動、被害者の謎の経歴と謎がそこかしこに散りばめられて、どうつながっていくのかワクワクして物語にひきつけられる。
    ただ、都合良すぎでしょという部分もある。手際の良く、ヒューズをショートさせるための手袋とかボタンフックの用意などその一例である。
    詰めが珍しく甘いな、と思う。

    中盤で、被害者が変装して入った等々の真相を明かすのが早すぎた、という批判(?)もあるが、特に早すぎたとは思わなかった。フーダニットを志向していて執筆していたなら、妥当なタネ明かしの時期頃だろう。

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    2014年08月21日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    密室の王者の異名をもつ作者の代表作の一つ。
    その作者による〈密室〉に関する講義もおさめられている。

    今までの新訳が読みやすかったからか、今回はちょっと読むのに時間がかかった。それでも全ての謎が解ける終盤は息つく暇もないぐらい一気に読んでしまった。

    内容的には星5つだけど、個人的に感じた読みにくさで星一つマイナス。

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    2014年07月30日
  • ビロードの悪魔

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    三銃士的な伝奇小説に、カーらしいトリッキーなミステリーが融合。ただせっかくタイムスリップしたのだからタイムパラドックスの解釈をつけてほしい(過去にいったまま話が終わっている)

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    2011年09月23日
  • 疑惑の影

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    ネタバレ

    フェル博士シリーズ

    雇い主であるミルドレット・テイラー夫人を毒殺したとして裁判にかけられる被害者の秘書ジョイス・エリス。彼女の弁護を請け負ったパトリック・バトラー。使用されたアンチモンの出所の謎。バトラーの弁護で無罪判決を受けたジョイス。リチャード・レンショーの毒殺事件。容疑をかけられた妻のルシア。ルシアの依頼で事件の真相を探るバトラー。離婚の為にルシアが雇った探偵が襲われる事件に注目し探偵社を訪れるバトラー。バトラーに証言をした直後に何者かに絞殺された探偵社社長ルーク・パースンズ。バトラーの周囲で動く金歯の男の謎。レンショーがボスとなっていた悪魔崇拝教団内部の権力闘争。フェル博士の導きで事

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    2012年09月04日
  • ビロードの悪魔

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    悪魔と契約し過去にタイムスリップしたニック・フェントン教授。
    毒殺されるはずの女を救おうとするが・・・。
    チャールズ2世統治下のイギリスの歴史をも変えようとするニック。
    冒険、ミステリ、恋愛、歴史の要素が。

    2009年1月29日初読

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    2009年10月07日
  • ビロードの悪魔

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    とある貴婦人を毒殺の運命から救うために、悪魔と契約してチャールズ2世時代にタイムスリップ(?)する中年教授の冒険譚。歴史&活劇&謎解きもの。フツーに悪魔が出てきて会話するあたりがシュールだ。

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    2009年10月04日
  • ビロードの悪魔

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    大学教授のニコラス・フェントン教授は、17世紀に書かれた手記が気になっていた。
    それは、自分と同姓同名の貴族フェントン卿の執事、ガイルズが書いたものだった。
    そこには、フェントン卿の妻、リディアが毒殺されたことが書かれていたのだが、
    肝心の事件の顛末や犯人が失われていたのだ。
    どうしても気になるフェントンは、悪魔と契約し、フェントン卿の体に乗り移り、
    犯人を見つけ、さらには事件を事前に食い止めようと企む。
    しかし、本物のフェントン卿は女好きの上、政治的陰謀にも巻き込まれ、
    はたして悪魔を出し抜いて歴史を変えることはできるのか?

    50年以上前の作品だけど、古臭さはあまり感じず、堪能しました。

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    2009年10月04日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    ネタバレ

    初カー。なんだろう、ミステリなんだけどオカルト要素が多くて新鮮だった。

    今思い返せば、語り手となる主人公が冒頭職場で上司に指示をもらう場面があるんだけど、読者が実感を持って読める場面ってそれくらいかもしれない。もうそこにクロスという怪しい影が滑り込んでいるんだけど…
    休日を過ごす別荘地に向かう電車で、自分たちが普段生活している現実世界から遠ざかって、もう後戻りできないんだろうなという感覚がすごくある。
    事件現場は由緒ある家族の屋敷、霊廟、消えた死体、壁をすり抜ける幽霊…オカルト要素満載なんだけど、トリックは超現実的で、男女が起こしたくだらない殺人事件だった。
    なんだろう、ただのミステリをオカ

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    2025年11月17日
  • 疑惑の影

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    ネタバレ

    序盤は毒殺の罪で逮捕された無実の女性を救う王道の法廷ミステリー。弁護士である冷笑系・ナルシスト・自己中心的で自惚れの激しい弁護士・バトラー(情にアツい一面もある!)が主人公である。その女性にしか機会のなかった殺人事件を、バトラーの機転で無罪判決を勝ち取る。
    ここまでは文句なしに面白い。二つ目の事件でもバトラーは第一容疑者の別の女性の潔白を証明しようとする。フェル博士が登場し、なにやら事件の背景には悪魔崇拝教団が深く関わっているという展開に…ごろつきや教団達とのバトル描写で露骨に失速。
    典型的な竜頭蛇尾作品で星2が妥当だと思っていたところ、終盤に物語は急展開を迎えて、竜頭蛇体竜尾となる。

    【完

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    2025年09月21日
  • 眠れるスフィンクス

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    ネタバレ

    諜報機関に属していたため、都合上4んだ事にされていた語り手ホールデンが復員し、数年ぶりに旧友ソーリィと恋人シーリアに再開する場面から始まる。「なにか特別な任務で遠くへいらしていたのね。」恋人の第一声に込められた思いは後に如何ほどのものであったか分かる。
    ホールデンは旧友の妻であり恋人の姉であったマーゴットが脳出血で4んだと聞かされる。旧友ソーリィは病死と説明するが、恋人シーリアはソーリィの虐待を苦にしての自死であると完全に意見が食い違っており、ホールデンは旧友と恋人のどちらを信頼するか悩んだ挙句に殺人という結論を出す。

    物語の核となるのが二者択一の苦悩。旧友が正しければ恋人は精神異常者であり

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    2025年09月20日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    ネタバレ

    新訳になってだいぶ読みやすくなったという評判ではあるが、それでも初読ではなかなか頭に入らない。真相を知った上で読み返すと、なかなかの完成度。とりわけ、燃やされた紙の真相は燻し銀で良い。不可能犯罪を描こうという強いこだわりも感じて、それが良かった(完全犯罪を狙ったものの、結果として思惑が崩れて不可能犯罪になってしまうというパターンはとても好み)。
    全体的に、シリアスだったり悲しい展開がなく、犯人の動機(三つの棺のくだり)もパズル的でコミカル。そこは本作の特徴として評価して良い部分だと思う。

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    2025年04月08日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    密室トリックの第一人者であるカーの代表作であり、本格ミステリの中でも名作と言われている作品です。
    しっかりしたトリックと無気味な雰囲気。
    そして、どんでん返しまでありました。

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    2024年12月28日
  • 剣の八

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    フェル博士が犯人を特定したきっかけが
    まさかね。
    理屈は通っているけど
    ちょっとわからないよね。
    まぁ、名探偵の名探偵たるゆえん、
    ということかな。

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    2024年12月12日
  • 妖女の隠れ家

    A

    購入済み

    フェル博士初登場。
    登場人物も少ないので、
    犯人は予想がつくと思います。
    最後が一番意表を突かれました。
    そして、そうかもしれないなとも思いました。

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    2024年12月01日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。
    端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。
    カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総じての読後感はすっきりしなかったかな

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    2024年09月18日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    ネタバレ

    手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作

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    2023年10月01日