【感想・ネタバレ】コナン・ドイルのレビュー

あらすじ

密室ものの王者ジョン・ディクスン・カーは、2年間、ほかの仕事をいっさい絶ち、本書の執筆にうちこんだ。1930年にアーサー・コナン・ドイル卿がこの世を去ったとき自宅に残されていた備忘録、手紙、日記、新聞・雑誌の切抜きなどを徹底的に調べあげ、それらの資料をもとに、冷徹な眼と、明るく軽妙で機知に富んだ筆致で、熱血漢ドイルの波瀾と冒険にみちた生涯を敬愛の念をこめて描きだしたのである。これこそまさにコナン・ドイル伝の決定版といえよう。

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Posted by ブクログ

息子エイドリアンが、ヘスキス・ピアソンの伝記(『コナン・ドイル : シャーロック・ホームズの代理人』)がきにいらなかったためにカーにすべての未公開文書を見せて書かせたという伝記。ジョセフ・ベルがシャーロック・ホームズのモデルかもしれないとしつつも、一番ホームズに反映されているのはドイル自身なのだとしているあたりに、遺族から依頼されて書かれた伝記というところがにじんでいる。

とはいえ、捕鯨船に乗りこんで航海したり、ホームズで成功をおさめたのちにボーア戦争に軍医として従軍し、腸チフスでバタバタと人々が倒れる修羅場のなかで医療班を統率したりと、そのすさまじいまでのダイナミックさには圧倒されるものがある。

シャーロック・ホームズに支配されるのがいやで、ライヘンバッハでホームズを殺してしまい、どんなに懇願されてもなかなか再開にうんといわなかったこと、それでも何年かしていよいよホームズが帰ってきたとき、「ストランド」誌がたいへんな売れ行きを見せたことなどやはりおもしろい。『ロストワールド』や『毒ガス帯』は、はるか昔に読んだきりで忘れてしまったので、また読んでみたくなった。

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2019年07月17日

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