ビロードの悪魔

ビロードの悪魔

小説・文芸
1,045円 (税込)

5pt

歴史学教授のフェントンは過去のある事件を調べるため、悪魔と契約を交わし時を遡った。三百年前の貴族に乗り移り、その妻が毒殺された事件を解明しようというのだ。きっかけは、事件の顛末を記した執事の手記だった。なぜか事件解明の部分だけ欠落していたのだ。過去の謎に挑むフェントンは事件を防ぎ、歴史を作り変えられるか? 華麗な恋愛模様と壮絶な剣戟場面を織り込み、中世英国を舞台にものした歴史ミステリ巨篇。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

ビロードの悪魔 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    タイムスリップSF+冒険活劇+ミステリ。
    冒頭から悪魔と契約して、さっさと過去へ飛び出します。悪魔はおしゃべりな案外紳士風です…

    過去で乗り移ったニック卿。その妻リディアは、なぜ殺されたのか?どうやって殺されたのか?がメインに置かれ物語は進む。フーダニットにハウダニットは、それなりにインパクトはある。だが、この作品の魅力は、そんなところではない。

    フェントンが我を忘れ怒ったとき、乗り移った先のニック卿が10分間蘇る。この設定が実にハマっている、全編とおして、ストーリーの盛り上げに買っているのだ。

    ミステリの弱さなど、気にならない。
    暴漢退治、執事との組手、夜間襲撃、ロンドン塔での決闘。手に汗握る戦いの数々。
    17世紀の風俗、貴族の立ち振る舞い、召使たちとの絆、裏切り、報復、激情的なロマンス…小説の楽しみが贅沢に詰まっている。

    主人公フェントンの人間性、正義の推進力、実に知性に溢れる発言(独り言が多い)、尊敬に値する教授である。

    なにからなにまで設定が生かされた大傑作で、感動的なシーンが盛りだくさん。必読の作品です。

    0
    2017年10月14日

    Posted by ブクログ

    カーの歴史ミステリの中、いやカー全作品の中においても屈指の面白さを誇るのが本作。私的カーベスト5、いやベスト3に入る作品と断言しよう。
    本書では『火よ燃えろ!』同様、現代の人間がタイムスリップして中世に行き、その時代の事件を解決するという手法が採られている。しかし、作品が書かれた年代から云えばこちらが先なので、逆に『火よ燃えろ!』が同様の趣向を取り入れたと云えよう。しかし本書のタイムスリップの仕方は一風変わってて、なんと主人公を務める歴史学者は300年前の殺人事件を調べるために悪魔と契約して、自身の魂と引換えに1675年のロンドンに送ってもらうのだ。悪魔と契約というところで、非常に読者を選ぶと思うが、これを深く考えず、単なる物語の設定と寛容に捉えていただければ、後は目くるめく物語世界が眼前に広がることになる。

    歴史学者ニコラス・フェントンは300年前に自分の家の近くで殺人事件があったことを知り、そのときの家主が同姓同名の人物であること、当時の事件の詳細を記した文書が秘書ガイルズ・コリンズによって書かれていたが、抜けがあり犯人が解らなくなっていることに好奇心を書き立てられたニコラスは悪魔に魂を売り渡し、当時のロンドンへタイムスリップする。
    ニコラスはニコラス・フェントン卿になりすまして毒殺された妻リディアの治療に専念する。その甲斐あって、リディアは回復し、そして犯人であった女中を追い払うことに成功する。しかしリディアが死ぬ6月10日にはまだ日があり、しかも悪魔の話では歴史は変えられぬという。そんな中、ニコラスは国を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。果たしてリディアの命は救えるのか、そしてニコラスは窮地を見事に脱することが出来るのか。

    数多くの密室トリック物はじめ不可能犯罪を取り扱ってきたカーはその作品性からトリック重視の作者と捉えられがちだが、実は物語作家としても定評がある。ただカーの場合はトリックを成立するために人物を配置させたような意図が見えてしまうのと、過剰なまでのサービス精神でドタバタ喜劇を展開してしまい、その濃度の高さから好き嫌いが分かれてしまっているのは認めざるを得ないだろう。しかし本書は歴史ミステリということでフェル博士シリーズ、HM卿シリーズとは趣を変え、不可能趣味よりも娯楽小説としての側面を前面に押し出しており、なおかつサプライズもあるというカーにしては稀有なまでの出来栄えとなっている。
    『火よ燃えろ!』では過去に戻ることでの読者への先入観を利用した錯誤をトリックにしており、歴史ミステリである必然性があったが、本書も同様に現代の人物が過去にタイムスリップすることが最後のサプライズに大きく寄与している。あまり詳しく書くと未読の方にヒントを与えてしまいがちになるので、この辺で止めておくが、策士としてのカーの側面が活かされた内容だ。

    そしてそれに加え、本作では物語自体が非常に芳醇である。タイムスリップしたニコラス、つまりニコラス・フェントン卿を取り巻く人物達と築かれていく信頼関係、特に日増しに募るニコラスのリディアへの思いなどロマンスの要素もさることながら、特に本書では剣戟場面が迫力満点で、単なる比喩でなく手に汗握ること間違いない。カーの筆も乗りに乗っていることは行間から明らかに窺え、数あるカー作品の中で最も躍動感に満ちたシーンといえよう。興奮冷めやらぬ体で読み終えた私は物語が終ることを惜しく思ったくらいである。
    本書を手に入れたきっかけは当時山口雅也氏が早川書房の企画で作家お勧めの1冊かなにかで本書を取り上げたことから当時絶版だった本書が復刊されたことによる。この企画で山口氏が取り上げなければもしかしたら未だに手に入らなかったかもしれない。こんな傑作が絶版になっていることこそ出版社の怠惰だと思うが、それを発掘し、世に知らしめてくれた山口氏に感謝したいと思う。

    0
    2017年02月02日

    Posted by ブクログ

    悪魔と契約して タイムスリップして ミステリ を解く、みたいな設定は面白いし ダルタニアンの冒険 みたいな、チャンバラと女と政治 等を絡めた冒険活劇 みたいなのは面白かった
    ワクワクするような感じだし 助手がなんと!みたいな設定もいいんじゃないでしょうか
    ただし 最後、 あらそういう解決になるのっていう感じです。悪魔との契約についても、、、、なるほど派とオイオイ派が分かれそうですね。
    おまけの4かな
    楽しいのは楽しい。ミステリーとしてはてなで冒険 としては good っていうところじゃないでしょうか。毒を何やかんやするくだりのところは かなりいいと思いました。あと、タイトルも、読み終わりでなるほどと思う

    0
    2025年07月31日

    A

    購入済み

    面白かった

    面白かった。
    海外の歴史ものとして
    よくわからないところもあるけれど
    素直に冒険活劇として楽しむのがよいと思います。

    0
    2025年03月13日

    Posted by ブクログ

    カーの歴史ミステリーの代表作。悪魔と契約を交わして、過去の事件を調べるフェントン教授の活躍。ロマン、冒険活劇あり、ミステリー要素ありの娯楽小説。そもそも厚い文庫の上、字が小さいのでかなり長い作品のはずだが、入院中の多大な時間対策としても非常に楽しい時間を過ごせた一作。
    やっぱりカーは面白い(カーはフェンシングが得意だったそうだ)。

    0
    2019年04月30日

    Posted by ブクログ

    三銃士的な伝奇小説に、カーらしいトリッキーなミステリーが融合。ただせっかくタイムスリップしたのだからタイムパラドックスの解釈をつけてほしい(過去にいったまま話が終わっている)

    0
    2011年09月23日

    Posted by ブクログ

    悪魔と契約し過去にタイムスリップしたニック・フェントン教授。
    毒殺されるはずの女を救おうとするが・・・。
    チャールズ2世統治下のイギリスの歴史をも変えようとするニック。
    冒険、ミステリ、恋愛、歴史の要素が。

    2009年1月29日初読

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    とある貴婦人を毒殺の運命から救うために、悪魔と契約してチャールズ2世時代にタイムスリップ(?)する中年教授の冒険譚。歴史&活劇&謎解きもの。フツーに悪魔が出てきて会話するあたりがシュールだ。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    大学教授のニコラス・フェントン教授は、17世紀に書かれた手記が気になっていた。
    それは、自分と同姓同名の貴族フェントン卿の執事、ガイルズが書いたものだった。
    そこには、フェントン卿の妻、リディアが毒殺されたことが書かれていたのだが、
    肝心の事件の顛末や犯人が失われていたのだ。
    どうしても気になるフェントンは、悪魔と契約し、フェントン卿の体に乗り移り、
    犯人を見つけ、さらには事件を事前に食い止めようと企む。
    しかし、本物のフェントン卿は女好きの上、政治的陰謀にも巻き込まれ、
    はたして悪魔を出し抜いて歴史を変えることはできるのか?

    50年以上前の作品だけど、古臭さはあまり感じず、堪能しました。
    犯人とその謎も、ちゃんとこの設定と有機的に結びついているし。
    ただ、主人公がかなりスーパーマンなのは、やはり時代なのかな。
    それと、ラストの理想の女ってのがなんか納得いかないんだよなぁ。そりゃないよ、ニック。
    原書だと、英語も古風に描かれてるのかな?

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    大作。歴史ミステリですが、ミステリより『三銃士』みたいな冒険活劇だという心構えで読んだ方が楽しめるんじゃないかなぁ。
    悪魔と契約して三百年前の貴族に乗り移り、その貴族の妻が毒殺される事件を解明しようとする謎がミステリネタのメインです。が、プラス当時の政治的なゴタゴタ(チャールズ二世の統治する時代)やら、かっこいい剣劇やら、美女とのロマンスやら、もういろんな要素がてんこ盛り。
    当時の風俗描写も力が入っていて、きっと事前にいろいろ調べたんだろうなぁ、と。
    ラストへの盛り上げ方もまさに伝奇小説ですので、大河ドラマを観る心持ちで楽しめば良いんじゃないかと思いました。
    にしても分厚かったよ…。

    0
    2012年08月20日

ビロードの悪魔 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

ハヤカワ・ミステリ文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す