ジョン・ディクスン・カーのレビュー一覧

  • 三つの棺〔新訳版〕
    「また罪を犯してしまったよ、ハドリー」博士は言った。「また真実を見抜いてしまった」

    はい、このミス海外2024年版の1位『頰に哀しみを刻め』と同3位『処刑台広場の女』(こちらは未読)の翻訳者であり、現在ひまわりめろんの中でプチブレイク中の加賀山卓郎さん
    なんとあのジョン・ディクスン・カーの翻訳も手...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。
    ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。
    詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあ...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    構成され切った本格ミステリ。

    として完成されていること自体が、伏線。ラスト5ページで世界を一変させる。

    「ラスト1行の衝撃」や「ラストで絶対騙される」的な煽り文句は、昔から多いけれど。「火刑法廷」ほど鮮やかに品よくひっくり返してくれるものがどれだけあるだろう。
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    これは面白い!
    読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。

    壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり!
    そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。

    情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?と...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    最初のどう見てもオカルトな事件が、ちゃんと論理的に解決されて、そして…という展開がとてもハリウッドのサスペンス映画っぽくて面白い!
  • 三つの棺〔新訳版〕
    密室講義のために読みたかったのだけれど、話自体が面白くて大満足。
    密室講義の章は若干メタ構造を感じる(登場人物のジョークとして違和感はないので、読み手だけがクスリとなれる程度)。探偵役が常に息をきらしている太っちょなので可愛げがあった。物語中、密室講義をはじめとして名作の名前や話題が出てきたのも楽し...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    以前読んだときよりも面白い。
    っていうか~読書会というきっかけがなければ再読はしなかったなぁ~。
    なぜなら、……………

    エピローグまで、読んだとき「え!」「あ?」って思ったという記憶があったから。
    そんな思いはやっぱり再読の今回も…だから。
  • 三つの棺〔新訳版〕
    やたらと海外ミステリが並んでるエジンバラの本棚で見掛けて、密室講義だけ読んで満足していたのを思い出しました…はい…
    有名すぎて、観てないのに見た気になっている映画、ドラマ、アニメとかありません?

    〇〇を観ずしてSFを語ることなかれ、とか
    ✕✕を読まずしてファンタジーを語ることなかれ、とか

    そう云...続きを読む
  • 囁く影
    カーの作品を読むのは18作品目だが、読後の印象がとても良く、個人的にはカーのベスト5に入れたい作品。

    川沿いに建つ塔で起こった不可能犯罪の殺人事件1件と、その6年後に起こった殺人未遂事件1件。作者らしい不可能犯罪や、オカルト趣味の「空飛ぶ吸血鬼」の話を織り込んではいるが、どちらも比較的地味な内容。...続きを読む
  • ビロードの悪魔
    タイムスリップSF+冒険活劇+ミステリ。
    冒頭から悪魔と契約して、さっさと過去へ飛び出します。悪魔はおしゃべりな案外紳士風です…

    過去で乗り移ったニック卿。その妻リディアは、なぜ殺されたのか?どうやって殺されたのか?がメインに置かれ物語は進む。フーダニットにハウダニットは、それなりにインパクトはあ...続きを読む
  • ビロードの悪魔
    カーの歴史ミステリの中、いやカー全作品の中においても屈指の面白さを誇るのが本作。私的カーベスト5、いやベスト3に入る作品と断言しよう。
    本書では『火よ燃えろ!』同様、現代の人間がタイムスリップして中世に行き、その時代の事件を解決するという手法が採られている。しかし、作品が書かれた年代から云えばこちら...続きを読む
  • 妖女の隠れ家
    フェル博士シリーズ

    相続の儀式で元監獄に入ったマーチン・スターバスが監獄の井戸付近で死体となって発見された。監獄の所長室に見えていたマーチンの影。相続人の長男が死ぬという伝説。所長室の金庫に隠された文書の謎。行方不明になった従兄弟のハーバート。2年前に同じように井戸のたもとで死んでいたマーチンの父...続きを読む
  • 囁く影
    5-

    導入部はやや唐突で、何が起こっているのか、何が起ころうとしているのかを把握するのに苦労させられる。何だかよくわからないまま、結局はリゴー教授の“6年前の事件の話”に引き込まれざるを得なくなるのだが、それはそれで良いのかもしれない。何しろそれ以降は、著者の卓越したストーリーテリングで、最後まで...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
     探偵小説の巨匠、ディクスン・カーの作品。
     
     デスパード家当主マイルズ・デスパードが死亡した。かかりつけ医は自然死と判断したが、マークはマイルズの部屋の現状から、砒素による毒殺を疑う。果たして、確かにマイルズは砒素により殺されていたのである。
     ヘンダーソン夫人がマイルズの部屋を隙見したときに見...続きを読む
  • 三つの棺〔新訳版〕
    エドガー・アラン・ポーの早すぎた埋葬モチーフを本歌取りしたらしい、墓場から土をかき分けて這い出す手、という雰囲気満点のつかみが気になりすぎて、真相がわかるまで一気に読んでしまった(これ、真相あてられる人いますかね?MIT白熱教室で複雑な数式を用いて再現実験してもらいたいような…)。東欧出身の三兄弟が...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    冒頭から奇妙な符合がたて続き、それら全てが主人公の妻が犯人であることを示唆しており肝をひやす、というところまではよくできたミステリにおける、一種の定型だが、それだけではなくその奇妙な符合は全て彼の妻がすでに処刑された魔女であることを暗示しているように思われる、となっていて読者の心を掴む。
    中盤では推...続きを読む
  • 三つの棺〔新訳版〕
    図があるにもかかわらず物の位置関係をきちんと把握できない自分の空間把握能力のなさのせいでこのお話のトリックを100%理解できず…お話自体は非常に面白いです!
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    カーの不気味な雰囲気が存分に楽しめる作品だった。
    推理小説かと思いきや、ホラー小説かな、これは。分類し難いところが既に洒落ている。


    クロスが探偵役で登場したところから解決編がなかなか圧巻で、マリー視点のラスト素晴らしいの一言。
    クロスの前世の魔女仲間がマリーで、現世でマリーに見つけてもらうために...続きを読む
  • 火刑法廷〔新訳版〕
    カーの小説はどれも読み難いのが難点(私にとっては)だったけど、これは読みやすくて助かった。
    冒頭からオカルト風味満載な雰囲気の中、ちゃんと合理的に解決できて安心した…けれども、終わり方がなんとも…
    続けてM・R・ジェイムズが読みたくなったw