小林信彦のレビュー一覧

  • 素晴らしい日本野球

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    今でも笑いたい時にはこの一冊に手が伸びる。カルチャーギャップ・コメディを装って、実はナンセンス・コメディの極北まで吹っ飛んで行く表題作が最高だ。初読の時は余りの可笑しさに机を叩いて笑い続け、家人から心配されたほどだった。この手の作品の常として、今、読むと状況が古くなっている部分はあるが、それを差し引いても十分に面白い。小林信彦はやはり天才である。

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    2013年02月08日
  • ビートルズの優しい夜

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    1979年に記された「あとがき」には、「周囲に逆らわずに現代に漂っている男を描こうと思」った旨がある。
    4つの中短編、関連していないようで最後まで読むと全体が繋がってくるという不思議なこの本の目次を開くと、4編それぞれに1966年から1982年までの年号がついているのだが、私が手にした文庫版が出版されたのは1982年。発表年はそれぞれ違うが、1冊にまとめられたのは冒頭にあるように1979年なので、4編目は、執筆当時は近未来の年号だったことになる。偶然らしいが、どことなく不思議な浮遊感があるこの本には似つかわしいことのようにも思える。
    作者は、中原弓彦の名で『日本の喜劇人』という長編評論を書いた

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    2012年11月14日
  • 素晴らしい日本野球

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    初出が1980年ということで、日本野球も四半世紀以上も昔の状況ではあるが、それはそれで馬鹿馬鹿しくてステキである。それ以外の作品集は、あぁなるほど、という感想。2007/02/12

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    2009年10月04日
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック

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    本編作中に登場した小説をちょこっとづつ掲載されていて試し読みが出来ます。今回は江戸川乱歩が多めでちょっと興味を持てるような作品かと思いました

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    2024年04月05日
  • 生還

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    人間大病すると人が変わると言うが、まさに身体の不自由が人生を狂わせる。ここにある「脳梗塞」に「骨折」はやはり老いと共に足腰の筋肉強化保持は、他の病魔を誘わせないためにも必須だ。また目・耳・歯も共に老化するが元にはもう戻らない覚悟で維持することはとても大切だ。 その為にも就寝前、トイレ後の「コップ一杯の水分補給」は大切だと思う。

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    2022年07月29日
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック

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    『ビブリア』の中に出てくる書籍を
    抜粋してくれてる本の第二弾。

    今回はミステリが多め。
    学生時代に読んだことあったけど
    乱歩の『二銭銅貨』って、こんな話だったっけ?

    他にも寺島修司や太宰治や
    シェイクスピアなどなど。
    〝つまみ食い〟にはちょうどいいかも。

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    2022年04月04日
  • とりあえず、本音を申せば

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    車椅子生活で、週に2回デイサービスに通っているというのが驚き。パズルをといたり稚拙なゲームをしなくてもいいような気がするが。コロナとトランプの話が多く、今からすると過去のものなので、興味がそがれる。後は貴重な証言だ。

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    2021年09月19日
  • また、本音を申せば

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    脳梗塞で入院生活を過ごし今は車椅子生活らしい。あの小林信彦がと思わざるをえない。左側に麻痺が残っていて、幸い右手は健全なので文章を書ける。少し壮絶な感じがある。山口瞳を思い出す。

    古い映画の話が多いのだが、それと地続きで今のカルチャーも視野にはいってくる。心眼があるので断定的な物言いが心地いい。

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    2020年08月23日
  • 神野推理氏の華麗な冒険

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    推理小説の元ネタが分からないので、パロディーが唐獅子シリーズほどぴんと来なかった。きっと原典が分かれば面白いんだろうなあ。

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    2019年11月11日
  • ビートルズの優しい夜

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    筆者を思わせる人物が放送業界での動きをたどった短編集。特に踊る男は、コント55号 萩本欽一を思わせて、才能ブレイクし毎日欽ちゃん番組(欽どこなど)があったころを思い出した。いまは「仮装大賞」ぐらいでしか見ないけど、寂しい。

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    2019年09月01日
  • 人生、何でもあるものさ

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    2011年に週刊文春に連載したエッセイ集。この年に東日本大震災が起こり、未曾有の被害が発生した。
    未だに引きずる原発事故がいかに人災であったか。当時の小林さんの言葉はまさに『真』である。ともすれば、暗い話題ばかりになりそうだが、タイトルどおりに女優や映画の話や、名作と言っていい『魔日』などバラエティに富んだ語りが綴られている。

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    2016年03月27日
  • ビートルズの優しい夜

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    小林信彦だからミステリに違いない的な安易な考え方で読み始めたら、全然違った。業界人の悲哀と、そこにオーバーラップするビートルズの曲。

    周りの期待と、それに応えようとする努力と無力感という点では、一般サラリーマンと重なる部分もあり、特に最後の「巨匠に良いところだけ攫われる」という憤りなどはよくわかる。逆に「こいつダメだよなあ」と思っていた新人が、「ダメだ」と書いた文章を読んで頭角を現していく畏怖というか、焦りというのもわかる。

    ただ、「小林信彦だからミステリに違いない」という気分で読み始めてしまったのが運の尽きというか、不幸だったのだよな。

    どの話も面白いですよ。
    でもつい、いつもの「キレ

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    2016年02月22日
  • 人生、何でもあるものさ

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    週刊文春連載のエンターテインメント時評をまとめたエッセイ集。ただし本書に書かれているのは2011年の話であり、未曽有の災害に戸惑いながら時の為政者を痛烈に批判し、住み慣れた地を離れざるを得ない人々の姿に太平洋戦争時の自身の疎開体験を重ねる著者の言葉が重い。

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    2015年02月14日
  • 伸びる女優、消える女優

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    週刊文春で長期連載のエッセイを集めた2010年版。お馴染みの映画や女優に関することや、気になる日本語や混迷する政治について語られている。
    年々感じることは、小林さんの健康状態の不安と、訃報の多さ。特に喜劇人の訃報はその寂しさが伝わってくる。

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    2014年05月10日
  • 伸びる女優、消える女優

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    「気になる日本語」改題。
    貫地谷しほりのファンとしては、うれしい限りです。「ちりとてちん」は、最高だと思うのですが。

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    2014年01月13日
  • 森繁さんの長い影

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    2009年の出来事について、作者が思ったこと感じたことを綴ったエッセイ集。
    この年は、日本では民主党政権が誕生して、アメリカもオバマが初の黒人大統領になった。また、新型インフルエンザで世界中がパニック状態に陥った。
    そんな不安だらけの御時世を嘆くだけでなく、作者お気に入りの女優の話やイーストウッド作品を語る時は嬉しそうな表情が目に浮かぶ。一方で、森繁さんへの追悼文に盟友を失った悲しさが伝わってくる。

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    2013年09月23日
  • 森繁さんの長い影

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    単行本を処分してしまったので、3年ぶりに再読。
    同じ内容の記述が繰り返し出てくるのは、週刊誌連載だから仕方がないのか。やや気になった。

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    2013年07月15日
  • 神野推理氏の華麗な冒険

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    コント作家にして、マザー・コンプレックスの名探偵が現われた! その名も神野推理。テレビ・ディレクター星川夏彦をワトスン役に、神のごとき推理で、どんな難事件も解決してしまう。工事現場の半密室(?)殺人を扱った「さらば愛しきヒモよ」、オリエント急行ならぬ「〈降りられんと急行〉の殺人」をはじめ、知的笑いと本格推理で読者に挑戦する、12の連作推理パロディ。

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    2009年10月07日