【感想・ネタバレ】素晴らしい日本野球のレビュー

あらすじ

広島カープの強さの源は〈モミジマンジュウ〉で、〈ヤキュウ〉のルーツは柳生一族にあった!? 自称「日本通」アメリカ人W・C・フラナガンなる人物の誤解とコジツケの処女作「素晴らしい日本野球」。そして、ソ連に占領された戦後日本の姿を描く「サモワール・メモワール」など、作者の平衡感覚に微妙な違和感をあたえるものを、喜劇的想像力をもって、極限まで拡大して表現した作品10編を収録。

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Posted by ブクログ

発語訓練」改題。パスティシュものの嚆矢で、想像力の暴走が楽しい。フラナガン物が秀逸。初出の「ブルータス」から注目。奥の細道」や唐獅子源氏」につながる。まねて「シンポジウム制服」として大学の学部学科内容紹介を兼ねて、各科で制服の意味を論じるという作品を書いた。「カノッサの屈辱」に通じるものがある。

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2019年02月20日

Posted by ブクログ

それまでのくすぐりを散りばめたお楽しみ箱だったり、思いの滲み出る東京物語だったりとは違って、虚構世界の構築ぶりが好事家にはSFである!ってカテゴライズされそうな新ジャンルの小林信彦だった\(^o^)/

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2015年11月24日

Posted by ブクログ

10の短編それぞれで、少しずつ違った手法で著者を笑いに引き込みます。
ただ、その方法がときに実験的過ぎ、また元々かなり難度の高い(マニアックな)パロディを得意とする人だけに、何処まで付いて行けたのかが気にかかるほどの作品です。
「素晴らしい日本野球」には別の思い出がある。日本通を気取るフラナガンが無茶苦茶な日本野球論を語るおかしさなのだが、この作品が発表された当時、パロディーと気がつかなかった某大学教授が、真面目な反論を私の読む地方紙に掲載してしまった。実はこの作品を知ったのはこの新聞記事が先で、後から原作を読むことになってしまった。内容はともかく、誰も新聞記事を止めようとしなかったほど凝った作りの作品です。

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2017年11月08日

Posted by ブクログ

今でも笑いたい時にはこの一冊に手が伸びる。カルチャーギャップ・コメディを装って、実はナンセンス・コメディの極北まで吹っ飛んで行く表題作が最高だ。初読の時は余りの可笑しさに机を叩いて笑い続け、家人から心配されたほどだった。この手の作品の常として、今、読むと状況が古くなっている部分はあるが、それを差し引いても十分に面白い。小林信彦はやはり天才である。

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2013年02月08日

Posted by ブクログ

初出が1980年ということで、日本野球も四半世紀以上も昔の状況ではあるが、それはそれで馬鹿馬鹿しくてステキである。それ以外の作品集は、あぁなるほど、という感想。2007/02/12

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2009年10月04日

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