板垣恵介のレビュー一覧
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全42巻。
板垣恵介入魂作、格闘技漫画の最高峰。
その凄まじい作風に「もはやギャグ漫画」との声も多い名作ですが、私の中ではギャグというより「ファンタジー」だと思っております。格闘ファンタジー。それも、限りなく「リアル」に近いファンタジー。下手したらコレ本当にできるんじゃねえかな、と読者に思わせる、良い意味でタチの悪いヤツであります。
【地下闘技場編】1~8巻。
少年王者・刃牙の戦いぶりが実に爽やか。なんというかみんな、まだまだ常識的です。末堂とか超かわいい。1試合1試合が非常に短いのでサクサク良く読めますね。
好きな名言は「ステキなパンチだ……もっとワカリ合おう」(勇次郎/5巻)。 -
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武と暴力の本質に迫る、その点においては他に追随を許さぬ、至高の作品『バキ』シリーズに対しての、1mmたりとも偽りの無い『愛』をこれでもか、と言わんばかりに圧縮しているギャグ作品、いや、公式パロディ作品かな?
『北斗の拳 イチゴ味』に近しい舌触りで、最初から最後まで飽きずに楽しめた
やはり、元の作品が特級品だとパロディは自然と面白くなる
だが、ホントに凄いのは作品の質っつーより、パロディに挑戦しようって気になれたさいとう先生の度胸で、一読み手としては何よりもそこを賞賛したい
私はホントに面白い、と思ったが、『バキ』がホントに好きな人には許せないレベルかも知れないので、背中に鬼を出さない自信がない -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目6箇所。土下座には”された”側に、有無を言わせぬ強引性があるのだ、それは、攻撃性と言い換えてもいい、そして、その攻撃性は格闘技に通じるものがある、俺はこの経験を通して、土下座と格闘技の共通性に気づいた。「手をついて謝れ!」というセリフは、本当に土下座してほしいのではなくて、それだけ怒りが頂点に達していることのサイン、そもそも人は、相手が跪いて謝罪すれば満足するようなレベルの怒りなら、「土下座して詫びろ!」などと言わないのである。古くから皇室や王室が発達した国……つまり人が生まれたときから身分制度のあった国では、上下関係を示す座礼が発達した、一方、たとえばアメリカ合衆国など主に移民で
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「プロレスとは底が丸見えの底なし沼である」とは、元週刊ファイト編集長・井上義啓の言葉だ。
「プロレスとは何か?」。
数多のレスラーや評論家、そしてプロレスファンがその問いに対して、言葉を使い、身体を使い、表現しようと試みてきた。
本書は、鬼才・板垣恵介が漫画という手法を使って表現したハイ・クオリティな「プロレス論」である。
ふつう、レスラー以外の人間の語る「プロレス論」は、野暮で下品になりがちだ。しかし、本書は、(まさにプロレスのごとく)真正面から「プロレスなるもの」に捨て身でぶつかりにいっている。それゆえに気迫とリスペクトが感じられ、まったく下品でない。