茂木健のレビュー一覧

  • ゴシックタウン

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    割と長めではあるけれど、読み続けられる面白さはあった。

    ただ、果たしてホラーと言えるのか?

    そして何より、オチが弱い…。
    何人もの人間を手にかけ乍ら、自戒などは皆無、それどころか、傲慢と尊大な態度で町を支配し、それが全て160年も前に亡くなった少女の為、彼女への生贄のため、としてであった。
    そんな目を背けたくなるほど醜悪な輩が、たかだか『司法』の手によって裁かれるとは?
    正直、拍子抜けだった。

    人生の全てを蹂躙された主人公の慟哭と憤怒から、彼女の手に依る胸のすく様な復讐劇を待っていたのだが…些か消化不良でモヤッとした。

    作中にもあったが、為政者にとって奴等が大義と呼ぶたわごとの前では、市井の民草など消耗品でしか無い、この小さな町はそのまま今の世界のメタファーと言える。

    戦時下では人のいのちなど銃弾と同じ意味しか持たない事は、トランプやネタニヤフ、そしてプーチンを見れば明らかだろう。

    げに恐ろしきは人間也。


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    2026年08月21日
  • ゴシックタウン

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    日本で言う因習村系に近いサスペンス小説。しっかりと海外ドラマのような映像を想像しながら読める。
    序盤はやや退屈だったが、300ページあたりから急に展開が動いて面白くなった。

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    2026年07月19日
  • 星の海を駆ける 新世代スペース・オペラ傑作選

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    現代スペースオペラのアンソロジー。スペースオペラとは言うじょう、波乱万丈ではまったくない。
    〇イアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」ーロボット宇宙船が宇宙戦に生き残った戦争を起こした冷酷な独裁者の救助命令に逆らえないが。
    ・ユーン・ハ・リー「課外活動」ー七連合王国もの
    〇アーカディ・マーティーン「あなたが王だと思っていたすべての色」ー女王のクローンが女王との決闘に臨み反逆を企てる。
    〇アレステア・レナルズ「ベラドンナの夜」20万年周期で銀河を周回し記念イベントを行うが、実は種族は滅びている。哀愁漂う
    ・T・キングフィッシャー「金属は暗闇の血のごとく」
    ・チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」ーカルト惑星に侵入し盗みを企てる。ハチャメチャ喜劇
    〇アリエット・ド・ボダール「包囊」ー母惑星から独立した宇宙ステーション人は母惑星の文化を装うため包囊を身に着ける。ベトナム系フランス女性作家の作品
    ・セス・ディキンソン「モリガン、光へと落ちる」)
    〇ラヴィ・ティドハー「背教者たち」ーユダヤ教の背教者を探るため派遣された裁定者が背教し。
    〇ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」ーウィルスが寄生し超空間ナビゲート能力を得るが、共生がうまくいかずに。
    〇アーニャ・ジョアンナ・デニーロ「クイーンズスロートへの旅路」ーMTFらによる女権帝国に対し男権主義者が反乱を起こし一時は帝国は滅亡しMTF狩が始まるが。
    ・アン・レッキー「審判」
    〇サム・J・ミラー「惑星執着者」ー故郷の惑星へのゲートが閉じてしまい宇宙を放浪する男娼が武器商人と会い故郷の通貨を見つける
    ・カリン・ティドベック「スキーズブラズニルの最後の旅」

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    2026年05月16日
  • 落下世界 下

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    ん?どれが誰で君はどこの誰?
    強迫性障害たちの世界がマジで狂気だった。
    あと私怨は力技でなんとかなったけど根本的な解決はしてない。希望が見えただけ。
    絶望的な距離を落ち続けるよりアレの入り口に入るほうが余程怖いと思うんだが皆ポンポン入るよね。狂気。

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    2026年04月06日
  • 落下世界 上

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    記憶のない荒廃した世界とヤバい感染症が蔓延した世界大戦末期が交互に語られるSF。
    全く理解はできないけど大体何が起きてるのか想像できる程度にはSF科学は積んできてる。下巻まで更に落ちよう。

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    2026年04月03日
  • 暗黒空間

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    人類の移住のために星系外惑星へ向かう探査船。
    エンジン事故が発生、辛くも致命的な結果を避けるが、あれ、そない言うたら警報鳴らんかったし、あれ、基地に送ったはずのメッセージも消えとる?

    いろんな、あれ?が重なっていき、実は裏ミッションが明らかになっていく。

    異星生物との邂逅。陰謀に巻き込まれる末端の元エージェント。二転三転する状況。

    最低限の仕掛けで、うまく話を持っていったなって感じだった。
    ちょっと古いアメリカSFという印象で、SF好きのアマチュアが書いたみたいな、そうやんな、おうおう、という雰囲気が好みだった。
    「降伏の儀式」とかなんかその辺を思い出しながら読んでいた。「知性化戦争」もか。ちょっと違うかも。

    面白かったのだが、異星生物の思考方向が、人間とあんまり変わらん印象だったのがちょっと残念

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    2026年01月28日
  • ロボットの夢の都市

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    登場人物も世界観もおもしろかったが、みな善人すぎてなんだか綺麗すぎて、私にはハマらなかった。
    めちゃでかいロボットと虫博士ロボットとジャッカルは比較的好きかな。

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    2026年01月17日
  • 暗黒空間

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    『スター・トレック』×ジョン・ル・カレを目指したという作品。
    太陽系を開発し尽くした人類は、さらなる移住先として有望な惑星エスパラーへと宇宙船モザイク号を派遣する。到着目前に複数のトラブルが同時に起きたことに疑問を抱いたパイロットのカリレスは調査を開始する。月面都市ニュー・デスティニーの国際情報機関バザールにもモザイク号の危機は伝えられるが、直後に取り消された。元諜報員のティモニーは独自の調査を開始する。宇宙と月での2人の行動が交互に描かれていく。
    まあ、それなりには愉しめたけれど、TVシリーズ並に安直な出来だった。

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    2025年12月27日
  • パラドクス・ホテル

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    過去への時間旅行が可能となった近未来が舞台。主人公のジャニュアリーはタイムポートに併設されたホテルの警備主任だ。彼女は時間離脱症という病のステージ2で、脈絡なく過去や未来にスリップしてしまう。ホテルの未来を決める大事なサミットの開催直前、彼女が目撃したものは……。
    SF+ミステリーは大好きなジャンルなんだが、いかんせん主人公がいけ好かない。ここまで傲岸無礼なキャラクターは久しぶりだ。まあ、それにはちゃんと理由があり、読み進めるうちに納得はしたのだが……。
    ブロック宇宙論は初耳で、その概念を理解できなかった。

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    2025年11月14日
  • ロボットの夢の都市

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    すごく好きな世界観、ちょっとくたびれたロボットが古い町を舞台にの物語を紡ぐ。

    途中までとても面白く良かったんだが・・・

    ラストはあまり好みではなかった。

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    2025年07月28日
  • パラドクス・ホテル

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    ネタバレ

    過去へのタイムトラベルが可能になった近未来の物語。
    ジャニュアリーは時間犯罪取締局の調査官だったが、タイムトラベラー特有の病気アンスタックを患って退職。現在は時空港併設ホテルでの警備主任をしている。
    アンスタックは過去や未来の幻視が見える病気。
    時間の止まった死体、自分の銃殺シーン、ホテルを取り巻く時間の流れの異常。様々な問題に立ち向かっていく。
    面白かったけど過去や未来が入り乱れるので理解が追いつかずな場面もあったかな

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    2025年07月13日
  • パラドクス・ホテル

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    タイムトラベルが実用化された未来、タイムマシン空港横にあるホテルが舞台
    タイムトラベルを悪用する犯罪者たちを取りしまる機関も存在する。
    主人公のジャニュアリーは元々はその犯罪取締局にいたが、時間を行き来する事によって病を発症し、ホテルの警備員に転職する。
    この病気(アンスタック)が厄介、現在に別の時間の事象(幻のようなもの)が流れ込んでくる。
    そのため現実と症状の区別がつきにくい。
    ジャニュアリーの性格はやや荒め、それとこの症状などによる行動のせいでホテルの従業員達ともトラブルが多発する。

    ある日"時の止まった死体"をアンスタックで視ることになり、その犯人やホテル創設者の謎に巻き込まれていく…

    謎を解くミステリーの要素はありつつ、どちらかというと主人公が家族(ホテルのメンバー)や心の問題に向き合っていくまでの話。

    面白かったのだけど、少し長く感じたのはこの話というより私の読み方、仕事や生活の忙しさの状況から読む速度が落ちてたからだと思う。

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    2025年05月29日
  • 人類の知らない言葉

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    ネタバレ

    設定はおもしろかったし、犯人も意外で面白かった。
    ロジ人を嫌う人間がロジ人を貶めようとする工作もなるほどと思ったが、展開が少しご都合すぎた気がする。

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    2025年05月08日
  • 贋作

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    感想書きそびれてたけど、1枚の絵の来歴と評価を巡って3時代を行き来する。1人の女性の人生を考え直す。なかなか面白いので、アート関係なくおすすめ。

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    2025年04月20日
  • ロボットの夢の都市

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    ふーん って感じ つまらなくはないのだけれど特に驚きもなく淡々と

    ラストで少年達が星の世界に旅立てたことは救いがあって良かったな と

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    2025年03月20日
  • 落下世界 下

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    ネタバレ

    フォーラーがその名の通りどんどん落下していく世界も、いよいよ終着点にたどり着く。
    カスリーンだらけの島はかなりの狂気で、すごいホラーを感じたんだけど。こんな島1秒たりともいたくない。

    どんどん複製を作る神経は全く理解できないし、アメリカファーストのような主人公たちの気質も第三次世界大戦勃発という世界では当然なんだろうけど、やっぱり行き過ぎた狂気を感じる。
    ウーゴもピーターも利己的過ぎて、好きになれない。

    ストームとメリッサやピーターとフォーラーなど、同じ顔が入り乱れると、誰だかよくわからなくなる時が多々あった。スネークバイトの子供達は、ラスト見つかってるって理解でいいのかな?デイジーと仲良く暮らせるといいんだけど。

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    2025年03月07日
  • 落下世界 上

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    初っ端から怒涛の展開が広がる。まさにディストピア!こうゆう世界観が好きな人は多そう。
    誰も彼もが記憶をなくし、敵も味方もわからない。食料やエネルギーは底をつき、死体や腐敗が蔓延る中、ひたすら謎を解明しようと足掻くもミスにより仲間を窮地に追いやってしまう。あんまり主人公に感情移入できないし、人間ドラマを感じるほどひとつの世界に長く留まらない。

    落ちていく中で次の世界にアクセスするのは、レイヤーをめくっていくようで感性がいい。
    落下していく時って酸欠になったりしないのかな?数日間落ち続けてたら、途中で足がつったりしないのかな?四日間も孤独に落ち続けてたら気が狂いそう。

    間に挟まれる悲惨な生物兵器とクローニング技術の栄える世界の描写が、フォーラーのストーリーへの没入感を削減しててちょっと勿体無い。

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    2025年03月03日
  • ロボットの夢の都市

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    本の雑誌2024年上半期のSF・1位に選ばれていた本。
    未来のエジプトとサウジを舞台にしていて、野生のドローン、埋め込まれた機器によって火星産の連続ドラマを観るジャッカル(しかも喋る)、詩人ロボットのバショウ、たまごっちまで出てきます。
    続編ではないけれどシリーズに属しているので、すでに世界が出来上がっています。巻末の関連用語集を見ながら読みながら新しいSFの世界の設定に入っていくのが面白かったです。
    ロボットに心があって愛や宗教観があったり、人間も体を変えながら生きて行けたり、忘れたい記憶を捨てられたり…。現代では考えられないけれど何百年も後にはあり得るのかも知れません。このようなSFって読んだ後も可能か不可能か想像して楽しめるのがいいですね。

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    2024年11月16日
  • みんなバーに帰る

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    泥酔小説というジャンルがあるらしく、以前私が読んだものでいうとベルリン「掃除婦のための手引書」とか。有名どころだとチャンドラーとかブコウスキーとか。
    解説にあったけど、立川談志の名言「酒は人間をダメにするものではないのです。人間が、ダメなものだというのを確認させるために酒が存在してるんです」がすべて。

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    2024年10月19日
  • ロボットの夢の都市

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    世界観はとてもとても魅力的だったんですが、話の内容が普段それほどSFを読んでない自分からするとちょっととっつきづらかった印象。なんていうか、すでに完成された世界観でのまた別のお話という感じ。と思って解説を読んだら実際にこの世界観での別のお話もあるようで。一つのラヴィ・ティドハー サーガ、みたいな感じ。機会があれば読んでみたいです。

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    2024年06月14日