茂木健のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ割と長めではあるけれど、読み続けられる面白さはあった。
ただ、果たしてホラーと言えるのか?
そして何より、オチが弱い…。
何人もの人間を手にかけ乍ら、自戒などは皆無、それどころか、傲慢と尊大な態度で町を支配し、それが全て160年も前に亡くなった少女の為、彼女への生贄のため、としてであった。
そんな目を背けたくなるほど醜悪な輩が、たかだか『司法』の手によって裁かれるとは?
正直、拍子抜けだった。
人生の全てを蹂躙された主人公の慟哭と憤怒から、彼女の手に依る胸のすく様な復讐劇を待っていたのだが…些か消化不良でモヤッとした。
作中にもあったが、為政者にとって奴等が大義と呼ぶたわごとの前では、市井の民草など消耗品でしか無い、この小さな町はそのまま今の世界のメタファーと言える。
戦時下では人のいのちなど銃弾と同じ意味しか持たない事は、トランプやネタニヤフ、そしてプーチンを見れば明らかだろう。
げに恐ろしきは人間也。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ現代スペースオペラのアンソロジー。スペースオペラとは言うじょう、波乱万丈ではまったくない。
〇イアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」ーロボット宇宙船が宇宙戦に生き残った戦争を起こした冷酷な独裁者の救助命令に逆らえないが。
・ユーン・ハ・リー「課外活動」ー七連合王国もの
〇アーカディ・マーティーン「あなたが王だと思っていたすべての色」ー女王のクローンが女王との決闘に臨み反逆を企てる。
〇アレステア・レナルズ「ベラドンナの夜」20万年周期で銀河を周回し記念イベントを行うが、実は種族は滅びている。哀愁漂う
・T・キングフィッシャー「金属は暗闇の血のごとく」
・チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」ーカルト惑星に侵入し盗みを企てる。ハチャメチャ喜劇
〇アリエット・ド・ボダール「包囊」ー母惑星から独立した宇宙ステーション人は母惑星の文化を装うため包囊を身に着ける。ベトナム系フランス女性作家の作品
・セス・ディキンソン「モリガン、光へと落ちる」)
〇ラヴィ・ティドハー「背教者たち」ーユダヤ教の背教者を探るため派遣された裁定者が背教し。
〇ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」ーウィルスが寄生し超空間ナビゲート能力を得るが、共生がうまくいかずに。
〇アーニャ・ジョアンナ・デニーロ「クイーンズスロートへの旅路」ーMTFらによる女権帝国に対し男権主義者が反乱を起こし一時は帝国は滅亡しMTF狩が始まるが。
・アン・レッキー「審判」
〇サム・J・ミラー「惑星執着者」ー故郷の惑星へのゲートが閉じてしまい宇宙を放浪する男娼が武器商人と会い故郷の通貨を見つける
・カリン・ティドベック「スキーズブラズニルの最後の旅」 -
Posted by ブクログ
人類の移住のために星系外惑星へ向かう探査船。
エンジン事故が発生、辛くも致命的な結果を避けるが、あれ、そない言うたら警報鳴らんかったし、あれ、基地に送ったはずのメッセージも消えとる?
いろんな、あれ?が重なっていき、実は裏ミッションが明らかになっていく。
異星生物との邂逅。陰謀に巻き込まれる末端の元エージェント。二転三転する状況。
最低限の仕掛けで、うまく話を持っていったなって感じだった。
ちょっと古いアメリカSFという印象で、SF好きのアマチュアが書いたみたいな、そうやんな、おうおう、という雰囲気が好みだった。
「降伏の儀式」とかなんかその辺を思い出しながら読んでいた。「知性化戦争」もか。ちょっと違うかも。
面白かったのだが、異星生物の思考方向が、人間とあんまり変わらん印象だったのがちょっと残念 -
Posted by ブクログ
タイムトラベルが実用化された未来、タイムマシン空港横にあるホテルが舞台
タイムトラベルを悪用する犯罪者たちを取りしまる機関も存在する。
主人公のジャニュアリーは元々はその犯罪取締局にいたが、時間を行き来する事によって病を発症し、ホテルの警備員に転職する。
この病気(アンスタック)が厄介、現在に別の時間の事象(幻のようなもの)が流れ込んでくる。
そのため現実と症状の区別がつきにくい。
ジャニュアリーの性格はやや荒め、それとこの症状などによる行動のせいでホテルの従業員達ともトラブルが多発する。
ある日"時の止まった死体"をアンスタックで視ることになり、その犯人やホテル創設者の謎に巻き込まれていく…
謎を解くミステリーの要素はありつつ、どちらかというと主人公が家族(ホテルのメンバー)や心の問題に向き合っていくまでの話。
面白かったのだけど、少し長く感じたのはこの話というより私の読み方、仕事や生活の忙しさの状況から読む速度が落ちてたからだと思う。
-
Posted by ブクログ
ネタバレフォーラーがその名の通りどんどん落下していく世界も、いよいよ終着点にたどり着く。
カスリーンだらけの島はかなりの狂気で、すごいホラーを感じたんだけど。こんな島1秒たりともいたくない。
どんどん複製を作る神経は全く理解できないし、アメリカファーストのような主人公たちの気質も第三次世界大戦勃発という世界では当然なんだろうけど、やっぱり行き過ぎた狂気を感じる。
ウーゴもピーターも利己的過ぎて、好きになれない。
ストームとメリッサやピーターとフォーラーなど、同じ顔が入り乱れると、誰だかよくわからなくなる時が多々あった。スネークバイトの子供達は、ラスト見つかってるって理解でいいのかな?デイジーと仲良く暮らせるといいんだけど。 -
Posted by ブクログ
初っ端から怒涛の展開が広がる。まさにディストピア!こうゆう世界観が好きな人は多そう。
誰も彼もが記憶をなくし、敵も味方もわからない。食料やエネルギーは底をつき、死体や腐敗が蔓延る中、ひたすら謎を解明しようと足掻くもミスにより仲間を窮地に追いやってしまう。あんまり主人公に感情移入できないし、人間ドラマを感じるほどひとつの世界に長く留まらない。
落ちていく中で次の世界にアクセスするのは、レイヤーをめくっていくようで感性がいい。
落下していく時って酸欠になったりしないのかな?数日間落ち続けてたら、途中で足がつったりしないのかな?四日間も孤独に落ち続けてたら気が狂いそう。
間に挟まれる悲惨な生物兵器とクローニング技術の栄える世界の描写が、フォーラーのストーリーへの没入感を削減しててちょっと勿体無い。 -
Posted by ブクログ
本の雑誌2024年上半期のSF・1位に選ばれていた本。
未来のエジプトとサウジを舞台にしていて、野生のドローン、埋め込まれた機器によって火星産の連続ドラマを観るジャッカル(しかも喋る)、詩人ロボットのバショウ、たまごっちまで出てきます。
続編ではないけれどシリーズに属しているので、すでに世界が出来上がっています。巻末の関連用語集を見ながら読みながら新しいSFの世界の設定に入っていくのが面白かったです。
ロボットに心があって愛や宗教観があったり、人間も体を変えながら生きて行けたり、忘れたい記憶を捨てられたり…。現代では考えられないけれど何百年も後にはあり得るのかも知れません。このようなSFって読んだ後も可能か不可能か想像して楽しめるのがいいですね。