茂木健のレビュー一覧
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タイムトラベルが実用化された未来、タイムマシン空港横にあるホテルが舞台
タイムトラベルを悪用する犯罪者たちを取りしまる機関も存在する。
主人公のジャニュアリーは元々はその犯罪取締局にいたが、時間を行き来する事によって病を発症し、ホテルの警備員に転職する。
この病気(アンスタック)が厄介、現在に別の時間の事象(幻のようなもの)が流れ込んでくる。
そのため現実と症状の区別がつきにくい。
ジャニュアリーの性格はやや荒め、それとこの症状などによる行動のせいでホテルの従業員達ともトラブルが多発する。
ある日"時の止まった死体"をアンスタックで視ることになり、その犯人やホテル創設者の謎に巻き込まれていく…
謎を解くミステリーの要素はありつつ、どちらかというと主人公が家族(ホテルのメンバー)や心の問題に向き合っていくまでの話。
面白かったのだけど、少し長く感じたのはこの話というより私の読み方、仕事や生活の忙しさの状況から読む速度が落ちてたからだと思う。
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ネタバレフォーラーがその名の通りどんどん落下していく世界も、いよいよ終着点にたどり着く。
カスリーンだらけの島はかなりの狂気で、すごいホラーを感じたんだけど。こんな島1秒たりともいたくない。
どんどん複製を作る神経は全く理解できないし、アメリカファーストのような主人公たちの気質も第三次世界大戦勃発という世界では当然なんだろうけど、やっぱり行き過ぎた狂気を感じる。
ウーゴもピーターも利己的過ぎて、好きになれない。
ストームとメリッサやピーターとフォーラーなど、同じ顔が入り乱れると、誰だかよくわからなくなる時が多々あった。スネークバイトの子供達は、ラスト見つかってるって理解でいいのかな?デイジーと仲良く暮らせるといいんだけど。 -
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初っ端から怒涛の展開が広がる。まさにディストピア!こうゆう世界観が好きな人は多そう。
誰も彼もが記憶をなくし、敵も味方もわからない。食料やエネルギーは底をつき、死体や腐敗が蔓延る中、ひたすら謎を解明しようと足掻くもミスにより仲間を窮地に追いやってしまう。あんまり主人公に感情移入できないし、人間ドラマを感じるほどひとつの世界に長く留まらない。
落ちていく中で次の世界にアクセスするのは、レイヤーをめくっていくようで感性がいい。
落下していく時って酸欠になったりしないのかな?数日間落ち続けてたら、途中で足がつったりしないのかな?四日間も孤独に落ち続けてたら気が狂いそう。
間に挟まれる悲惨な生物兵器とクローニング技術の栄える世界の描写が、フォーラーのストーリーへの没入感を削減しててちょっと勿体無い。 -
Posted by ブクログ
本の雑誌2024年上半期のSF・1位に選ばれていた本。
未来のエジプトとサウジを舞台にしていて、野生のドローン、埋め込まれた機器によって火星産の連続ドラマを観るジャッカル(しかも喋る)、詩人ロボットのバショウ、たまごっちまで出てきます。
続編ではないけれどシリーズに属しているので、すでに世界が出来上がっています。巻末の関連用語集を見ながら読みながら新しいSFの世界の設定に入っていくのが面白かったです。
ロボットに心があって愛や宗教観があったり、人間も体を変えながら生きて行けたり、忘れたい記憶を捨てられたり…。現代では考えられないけれど何百年も後にはあり得るのかも知れません。このようなSFって読んだ後も可能か不可能か想像して楽しめるのがいいですね。 -
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ネタバレ物語が現在と過去の両輪で軽快に進むのでスラスラと読み進むことが出来た。
物語終盤まではスリリングな展開で不満はないがエピローグの部分はハッピーエンドながらちょっとご都合主義・・というよりも帳尻あわせが面倒になったのか?という感じがした。
最後の場面でペニーが元気そうにしているのだが、フォーラー達と同じ島にいたのではないのか(なぜ記憶を保持しているのか、記憶を失っていたところを回収されただけなのか)や無数にある浮島からフォーラーが最初にいた島を速やかに見つけられたのか(燃料は多くないだろうからしらみつぶしにはできないハズ)はちょっと釈然としない感じもする。
主人公らの複製が多数いることや、すべての人の記憶が無くなっていることもトリックとして良かったと思ったが、地面が無数の浮島となったことに関しては種明かしでガッカリした。
上巻の終盤にシンギュラリティが現れる場面はSF的に良かったので期待していたのだが、下巻での暴走や浮島に関する部分はファンタジー(SFではなく)として読んでも腑に落ちない点が多く、著者が扱い切れていない感じがした。
世界があの有様になった詳しい描写は描かれなかったし、世界の上下方向の広さについては著者の感覚がおかしい。浮遊する島のオチが無かったことで、このことが違和感として強く残ってしまった。
自由落下は永遠に落ちることができる場合でも落下速度と空気抵抗が釣り合い一定の速度に落ち着くが、それでも時速200km前後の速度は出る。島から飛び降りるたびに書かれる"何日も落ちている"がフォーラーらの錯覚だったとしても、1時間も落ちると大気圏を余裕で抜けていくほどの高さを落ちたことになる。物語最終盤で垂直離着陸機で移動している描写があるが、落下に関する物理が元のままなら鉛直方向への移動はかなりきついはずだ。島は1Gだが、島から離れると重力が極端に弱くなる(けれど落ちているので気付かない)+ 空気抵抗を上げる服装というような設定でもないとつじつまが合わない。
物語中で最上部にあたる最初の世界でも空気が薄い描写も紫外線が強い描写もないので、世界が縦長になり三次元的にも閉じているドーナツのような世界なのかと思っていたが、地面は存在しているようなので、地殻(というよりごく表層の土壌)だけが浮いているとなるならその下の地面はどうなっているのかや、地球や太陽系の姿はどうなっているのかという疑問も生じた。
「シンギュラリティは新しい世界をつくることもできる(だから何でもあり)」だけでは物足りないので、そのあたりの違和感を気持ちよく丸めてくれると良かったなぁと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の"彼"が目覚める場面から物語が始まる。名前がすぐに出てこないのは記憶が曖昧だからで、読者と同じ、何もわからない状態からこの物語の世界の理解が始まる。
周りも自分も記憶を失っているだけでも異常な状況だが、狭い範囲の土地しか残っておらず、それが空に浮いているという突拍子もない世界設定。
物語は、節の番号が英数字で振られている現在の話のクルー/フォーラー編と、漢数字で振られている前日譚のピーター編が入れ子になって進んでいく形式を取っている。
読み進めるごと現在と過去の双方で異常事態の理由が明かされていくような感覚で面白いのと、どちらかの編がキリが良くてももう片方は中途半端となるように作られており、次へ次へと先が読みたくなり途中で中断するのが難しい作品だった。
表紙の絵や裏表紙の概要からも、落下しながら浮島を渡っていくファンタジー寄りの冒険譚かと思っていたのだが、予想に反して物語は終始ハードボイルド。
序盤から凄惨な様子が描かれる。記憶を失い、物資に限りがある状況で非常に野蛮な行いが横行する。
過去の物語も、最初こそ平和な日常だったが、中盤くらいからは様相が変わり、苛烈な現代/近未来的戦争の世界へと変貌していく。
ピーターの話では善意が取りかえしのつかない失敗へとつながり、それを挽回しようとしてさらに悪い方へと追い込まれていくのだが、その際の心理描写も上手く「悪い予感がするのに(物語を進めるためにも)ページをめくらなければいけない」ような、胃が痛くなるような共感を何度も呼び起こした。
これは単純に著者の腕か、心理学の心得があるからだろうか。 -
Posted by ブクログ
創元文庫さんのSNSを見て、面白そうだなと手に取りました。
地球外生命体が地球に対して交渉というか対話を始めていて、その大使がいるという設定が面白いし、その通訳が語るミステリというなかなか捻ったお話。個人的には意思の疎通がはかれたのであれば機械的なインターフェースの方が実用的なのかな、なんて昨今のAIとか通訳アプリとかを見ると思いますがそれはそれ。
ヒロインの違法ドライブテクニックの話もここで生きるのか!と思いますし、最初はぎくしゃくしていた方と最終的にバディ関係になるのも後半盛り上がるポイントですね。女優さんが結構なんか後から出番あるのかと思ってたらそれは無かったけど(笑)面白かったです。