茂木健のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレフォーラーがその名の通りどんどん落下していく世界も、いよいよ終着点にたどり着く。
カスリーンだらけの島はかなりの狂気で、すごいホラーを感じたんだけど。こんな島1秒たりともいたくない。
どんどん複製を作る神経は全く理解できないし、アメリカファーストのような主人公たちの気質も第三次世界大戦勃発という世界では当然なんだろうけど、やっぱり行き過ぎた狂気を感じる。
ウーゴもピーターも利己的過ぎて、好きになれない。
ストームとメリッサやピーターとフォーラーなど、同じ顔が入り乱れると、誰だかよくわからなくなる時が多々あった。スネークバイトの子供達は、ラスト見つかってるって理解でいいのかな?デイジーと仲良 -
Posted by ブクログ
初っ端から怒涛の展開が広がる。まさにディストピア!こうゆう世界観が好きな人は多そう。
誰も彼もが記憶をなくし、敵も味方もわからない。食料やエネルギーは底をつき、死体や腐敗が蔓延る中、ひたすら謎を解明しようと足掻くもミスにより仲間を窮地に追いやってしまう。あんまり主人公に感情移入できないし、人間ドラマを感じるほどひとつの世界に長く留まらない。
落ちていく中で次の世界にアクセスするのは、レイヤーをめくっていくようで感性がいい。
落下していく時って酸欠になったりしないのかな?数日間落ち続けてたら、途中で足がつったりしないのかな?四日間も孤独に落ち続けてたら気が狂いそう。
間に挟まれる悲惨な生物兵 -
Posted by ブクログ
本の雑誌2024年上半期のSF・1位に選ばれていた本。
未来のエジプトとサウジを舞台にしていて、野生のドローン、埋め込まれた機器によって火星産の連続ドラマを観るジャッカル(しかも喋る)、詩人ロボットのバショウ、たまごっちまで出てきます。
続編ではないけれどシリーズに属しているので、すでに世界が出来上がっています。巻末の関連用語集を見ながら読みながら新しいSFの世界の設定に入っていくのが面白かったです。
ロボットに心があって愛や宗教観があったり、人間も体を変えながら生きて行けたり、忘れたい記憶を捨てられたり…。現代では考えられないけれど何百年も後にはあり得るのかも知れません。このようなSFって読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語が現在と過去の両輪で軽快に進むのでスラスラと読み進むことが出来た。
物語終盤まではスリリングな展開で不満はないがエピローグの部分はハッピーエンドながらちょっとご都合主義・・というよりも帳尻あわせが面倒になったのか?という感じがした。
最後の場面でペニーが元気そうにしているのだが、フォーラー達と同じ島にいたのではないのか(なぜ記憶を保持しているのか、記憶を失っていたところを回収されただけなのか)や無数にある浮島からフォーラーが最初にいた島を速やかに見つけられたのか(燃料は多くないだろうからしらみつぶしにはできないハズ)はちょっと釈然としない感じもする。
主人公らの複製が多数いることや、す -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の"彼"が目覚める場面から物語が始まる。名前がすぐに出てこないのは記憶が曖昧だからで、読者と同じ、何もわからない状態からこの物語の世界の理解が始まる。
周りも自分も記憶を失っているだけでも異常な状況だが、狭い範囲の土地しか残っておらず、それが空に浮いているという突拍子もない世界設定。
物語は、節の番号が英数字で振られている現在の話のクルー/フォーラー編と、漢数字で振られている前日譚のピーター編が入れ子になって進んでいく形式を取っている。
読み進めるごと現在と過去の双方で異常事態の理由が明かされていくような感覚で面白いのと、どちらかの編がキリが良くてももう片方は中途半 -
Posted by ブクログ
創元文庫さんのSNSを見て、面白そうだなと手に取りました。
地球外生命体が地球に対して交渉というか対話を始めていて、その大使がいるという設定が面白いし、その通訳が語るミステリというなかなか捻ったお話。個人的には意思の疎通がはかれたのであれば機械的なインターフェースの方が実用的なのかな、なんて昨今のAIとか通訳アプリとかを見ると思いますがそれはそれ。
ヒロインの違法ドライブテクニックの話もここで生きるのか!と思いますし、最初はぎくしゃくしていた方と最終的にバディ関係になるのも後半盛り上がるポイントですね。女優さんが結構なんか後から出番あるのかと思ってたらそれは無かったけど(笑)面白かったです。 -
-
-
-
Posted by ブクログ
読み始めてから読み終えるまで大分時間がかかりましたが、面白かったです。ただ、ちょこちょこ読んでは止めていたので、この人誰だったっけ?という疑問はしばしば出てきましたが…
タイムトラベルを続けることによる心理的精神的変化ってのは面白いなぁ。死に対する価値観の変化、か。喪失感は薄れるっていうのはあるのかもしれない。とはいえ、複数の自分が存在したり、同じ場所に何度も訪れるタイムパラドックスはどうなってるんだろう。
過去は変えられないし未来も変えられない、というよりは、結局どうあってもそういう過程を踏む時間になるのだ、というような考え方は面白かったです。
内輪の仲間意識を強化するために軽犯罪に手を -