茂木健のレビュー一覧

  • わたしの本当の子どもたち

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    ジョー・ウォルトンは『図書室の魔法』に続いて2作目。前作がかなりはっちゃけた感じだったのに比べて、こちらは余韻とじんわり染み込む感じがとても素敵な作品。
    たらればSF(?)なんだけど、「選択」って、もう、善いも悪いも、ないんだよね、ただでも、それを主体的に行うことそのものに善さはある気がする。結果はどうあれ。

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    2018年01月20日
  • わたしの本当の子どもたち

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    一つの決定がかくも人の未来を変えるのか……と。
    ヒロインの結婚という決断を起点に、それぞれ二つの世界が並行して描かれるパラレル小説。
    秀逸だなあと思ったのは、どこまでも人間ドラマを描きながら、私たちが知り得る「現実」とは少しずつ違うこと。
    それは「ちょっとした決断で、世界は大きく変わり得る」と思わせる静かな迫力に満ちている。

    また、どちらの世界にも「性」の曖昧さが書かれていることも興味深かった。

    そして当然のことながら、選ぶ相手が違えば、「生まれてくる子ども」は違うという事実……!
    そこからさらに生まれてくる子どもたちも変わる。関わる周囲の人間たちの運命も変わる。
    なんという運命という名の

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    2017年12月20日
  • わたしの本当の子どもたち

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    芯のしっかりした女性があるときはレズビアンとして、あるときは夫に強いたげられる妻として生きていく。設定がSFなのに回りの人たちとのやり取り、社会との関わりがやけに具体的でリアルで、小説読まされてる感がない。運命はわからない、どんな人生になるかわからないが、社会参加しながら生きてくことが大切だと思った。
    とてもすてきなタイトル。子どもにたいしての失望は決してなく、小さなこと(人に思いやりのある態度をとったなど)が嬉しい。親の気持ちが溢れてる。

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    2017年11月15日
  • わたしの本当の子どもたち

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    私たちは日々選択している。日々は選択の積み重ねで出来ている。
    選択しなかったほうの人生はどうだったのか、そっちのほうがよかったのか、と考える瞬間がたまにあるかもしれない。考えてみたところで、選んだ今を生きるしかないのであるが。

    選んだ人生と選ばなかった人生をリアルに細かく描いて膨らませていくのであるが、なんか結局はプラマイするとどっちもどっちでは…というのが私の偽らざる所感です。

    だから結局、選んだ人生を生ききればいいんだよ、ということか。

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    2017年11月11日
  • わたしの本当の子どもたち

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    普段SFはあまり手に取らないのですが、ファージング3部作の作者なので読んでみました。同じく歴史改変もので今回も楽しめました。このページ数とは思えない中身の濃さです。
    カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」もそうですが、設定がちゃんと確立されているSFなら苦手な人も読めるということですね。

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    2017年10月06日
  • わたしの本当の子どもたち

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    久しぶりに店頭で読みたい本を物色していて出会った一冊。ジョー・ウォルトンの作品は読んだことがなかったけど、とても好みな作品世界で、後から世界幻想文学大賞や英国幻想文学大賞受賞作家と知り、なるほど…と納得。
    1926年生まれのパトリシアは、2015年現在、認知症を患い、老人ホームで暮らしている。冒頭の章で綴られる混乱する彼女の記憶は、しかし、混乱と言うより混線という表現が当てはまる不思議な様相を呈していて…日によって異なる部屋のインテリア、入居している施設の作り、更には彼女の元を訪れる子供たちさえ別々の人生で得た別々の家族が混在している様子。そうした混線した記憶の背景には、世界や政治にまつわる共

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    2017年09月05日
  • パンドラの少女 下

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    勢いよく最後まで読めた。
    どこに行き着くのだろうかと思っていたのだけれど、まさかこんな結末とは。
    うまく言えないけど、しっくり来る結末だったかな。その後を想像すると、かすかな希望を感じる(そう信じたいだけかもしれないけど。

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    2017年06月16日
  • 完璧な夏の日 上

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    過去や現在を行ったり来たりし、超人の人数も多かったため、少し読み辛かった。
    アメリカの超人はスーパーマン然と活躍しているのに、イギリスの超人は諜報活動のようにしているところが、国によって違って面白かった。
    ただ、イギリスのMI6って、国民から愛されるへタレ諜報機関のイメージがあるんだが…。
    もしかしたらあったかもしれないパラレル歴史ものとしては良かったと思う。
    フォッグが超人となって経験した家族や仲間、今までの日常との別れがより一層、夏の日に対する憧憬につながっているのではないか。
    クララの正体は一体、何者なんだ。

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    2017年02月20日
  • 完璧な夏の日 下

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    面白かった。ただ、ヒロインがただの白痴みたいな感じでなんで主人公が惹かれたのかいまいちピンとこなくて共感できなかった。それと、あーやっぱりこれホモネタかよと思って苦笑いした。超能力持ったスーパーヒーロー達をスパイにするって画期的な設定で楽しめた。あと、20世紀の歴史の重要シーンをパッチワークのように描いてて楽しめた。ただ、訳が苦手。最後まで。

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    2017年01月03日
  • 完璧な夏の日 上

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    どんどん面白くなってくる。構成が絶妙。キャラもみんな魅力的だし、設定も少しずつ明かされる謎も見事。でも訳が読みにくいな。原作がどうなのか知らないけども、一切カギカッコを使わないセリフの描写が読みづらい。下巻にも期待。

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    2016年12月27日
  • 完璧な夏の日 下

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    霧を操ったり物を消し去ったりといった特殊能力を持った超人(ユーバーメンシュ)が、第二次世界大戦からベトナム戦争、ソ連のアフガニスタン侵攻、911同時多発テロなどの時代を生きつつ、主人公のフォッグが完璧な夏の日にたどり着くまでの物語。下巻では特に最後で、これまでのエピソードがパズルのピースをパチリパチリとはまっていくようで、とてもリズム感よく読み進められる。ネタバレになってしまうかもしれないが、愛というか恋というか、最後はハッピーエンドであると同時に切ない結末でもある。単純なメタフィクションだと思って読んでいたが、最後で一気にラブストーリーに変わって、驚かされた。このサプライズが楽しい。

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    2016年06月12日
  • 完璧な夏の日 下

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    ネタバレ

    幼稚と言われればその通りなのだが、ジャスティスリーグやアベンジャーズ、劇場版の戦隊モノや仮面ライダー等、超人がドカドカ出て来て活躍する系のお話が大好きだ。
    絢爛豪華で華やかなスター勢ぞろいに、本能的な何かを刺激されるのだろう。

    この小説も、ユーバーメンシュと呼ばれる超人たちが大勢出て来て、第二次世界大戦やその後の冷戦、ベトナム戦争等で活躍する。主人公も相棒もその超人である。大人な小説なので単純な正義などなく、それぞれの国のそれぞれの政治的思惑の元、超人たちが超能力を駆使して戦いを繰り広げる様は、痛々しくも読ませどころである。

    アメリカは派手な衣装を着てショーのような戦いをし、イギリスは地道

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    2016年06月03日
  • 完璧な夏の日 下

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    Twitterでアメコミぽいとの評判だったので、釣られて購入。読んで納得。作者がかなり意図的に書いている感がある。自分はさほどアメコミに詳しくないので、あーと思う程度だったんですが、詳しい人はにやっとする仕掛けがもっとあるんじゃなかろうか。

    話は過去現在、それと場所がかなり頻繁に入れ替わるので、最初は読みづらいかも。ザッピングのような感覚で謎を積み上げ解く印象。その辺もアメコミというか映像に近い感覚なのかな~。SFというよりはミステリーとまでは行かないけれど謎解きメインなのかなと?

    あと比較的伏線がわかりやすいので、それを探して読むのも楽しいかも知れない。個人的にはちょっと最後脱力してしま

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    2015年03月09日
  • みんなバーに帰る

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    酔っぱらいってサイテーだよね、うむ。自戒の念とか反省とか色々込めて。そして人が酔っぱらってひどい目に会う話ってなんでこんなにおもしろいんだろうね、困ったもんだ。

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    2015年03月02日
  • シスターズ・ブラザーズ

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    シスターズ・ブラザーズは、2人組みの殺し屋。

    古き良きアメリカ西部開拓時代、ゴールドラッシュに揺れる新大陸で、馬にまたがり拳銃をぶっ放し、シスターズ・ブラザーズは今日もゆく。

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    正直、読み始める前に思っていたのとはだいぶ違った。

    もっとユーモアに溢れたドタバタ活劇かと思ってた。

    開いてみたら、2人の殺し屋兄弟の、ロードムービー的なお話で、いわゆる日本の作劇上の起承転結や、アメリカハリウッド的なプロット物語でもなく、ただただ、あるがままを受け入れる、遙かなる旅路。

    娯楽小説として読めば娯楽小説。

    文学小説として読めば文学小説。

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    2013年09月15日
  • パラドクス・ホテル

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    過去への時間旅行が可能となった近未来が舞台。主人公のジャニュアリーはタイムポートに併設されたホテルの警備主任だ。彼女は時間離脱症という病のステージ2で、脈絡なく過去や未来にスリップしてしまう。ホテルの未来を決める大事なサミットの開催直前、彼女が目撃したものは……。
    SF+ミステリーは大好きなジャンルなんだが、いかんせん主人公がいけ好かない。ここまで傲岸無礼なキャラクターは久しぶりだ。まあ、それにはちゃんと理由があり、読み進めるうちに納得はしたのだが……。
    ブロック宇宙論は初耳で、その概念を理解できなかった。

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    2025年11月14日
  • ロボットの夢の都市

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    すごく好きな世界観、ちょっとくたびれたロボットが古い町を舞台にの物語を紡ぐ。

    途中までとても面白く良かったんだが・・・

    ラストはあまり好みではなかった。

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    2025年07月28日
  • パラドクス・ホテル

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    ネタバレ

    過去へのタイムトラベルが可能になった近未来の物語。
    ジャニュアリーは時間犯罪取締局の調査官だったが、タイムトラベラー特有の病気アンスタックを患って退職。現在は時空港併設ホテルでの警備主任をしている。
    アンスタックは過去や未来の幻視が見える病気。
    時間の止まった死体、自分の銃殺シーン、ホテルを取り巻く時間の流れの異常。様々な問題に立ち向かっていく。
    面白かったけど過去や未来が入り乱れるので理解が追いつかずな場面もあったかな

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    2025年07月13日
  • パラドクス・ホテル

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    タイムトラベルが実用化された未来、タイムマシン空港横にあるホテルが舞台
    タイムトラベルを悪用する犯罪者たちを取りしまる機関も存在する。
    主人公のジャニュアリーは元々はその犯罪取締局にいたが、時間を行き来する事によって病を発症し、ホテルの警備員に転職する。
    この病気(アンスタック)が厄介、現在に別の時間の事象(幻のようなもの)が流れ込んでくる。
    そのため現実と症状の区別がつきにくい。
    ジャニュアリーの性格はやや荒め、それとこの症状などによる行動のせいでホテルの従業員達ともトラブルが多発する。

    ある日"時の止まった死体"をアンスタックで視ることになり、その犯人やホテル創設者の

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    2025年05月29日
  • 人類の知らない言葉

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    ネタバレ

    設定はおもしろかったし、犯人も意外で面白かった。
    ロジ人を嫌う人間がロジ人を貶めようとする工作もなるほどと思ったが、展開が少しご都合すぎた気がする。

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    2025年05月08日