茂木健のレビュー一覧
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馬と銃と殺し合いに満ちた西部劇の世界だけれど、出てくる奴らはどいつもこいつもクールなキャラからは程遠い。優しくもなければ賢くもない、人生だって全く思うように進まない。
皆がゴールドに魅せられて画策するなか、ちょっとマヌケで善良なイーライだけが、「生き方」や「幸せ」なんていう役に立たない事に想いを巡ら...続きを読むPosted by ブクログ -
『みんなバーに帰る』でファンになったので、こちらも読む。硬派な文体がどんどん次を読ませる。男くさい物語ながら、どんどん引き込まれるのは何故だろう。時代の空気感や自然、乾いた土埃がありありと眼前に広がるから不思議。Posted by ブクログ
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結婚するかしないか、人生の選択で変わりうる人生を、並行して描く。
結婚しなければ自分の道を進めて幸せだったかもしれないけれど、その結婚でうまれた子供達には出会えない。
自分でも、ついつい何度も考える事なので、読んでいてせつない。
そして、どの道筋を選んでも、人は生きて死んでいく。
自分に置き換えて、...続きを読むPosted by ブクログ -
#日本SF読者クラブ 原題を訳すと「時間旅行の心理学」となる。1967年の英国で、4人の女性科学者によってタイムマシンが発明された。そしてタイムトラベルを管理するため、国家からも独立した組織「コンクレーヴ」が設立された。そして、ある殺人事件が起こるというSFミステリー。
この架空の歴史が背景...続きを読むPosted by ブクログ -
おもしろい!
一見視点と時間が入り混じり読みづらく思えるが、出来事の流れを追っていけばわかりやすい。
人間ドラマとしても時間SFとしても楽しく読めて満足度が高い。Posted by ブクログ -
1967年、イギリスでバーバラ、マーガレット、ルシール、グレースの4人の科学者がタイムマシンの実用化に成功した。その後、マーガレットを代表として3人はタイムトラベル推進協議会(通称「コンクレーヴ」)を設立したが、バーバラは短期間に時間移動を繰り返したせいで精神に異常をきたしたため、プロジェクトから外...続きを読むPosted by ブクログ
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イギリスで1926年に生まれた女性の2015年までの記録なのだが、途中で「もし、あの時、xxしていたら」という分岐点があり、二つの人生が語られる。彼女の人生を通して、近代史、女性問題、環境問題などが見えてくる。読む人によって、色々なことに考えが及ぶ小説だと思う。星雲賞の候補作になっているけれど、星雲...続きを読むPosted by ブクログ
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男のプロポーズに対する返事が波動関数を収束させ、運命が分岐した女の人生を描いた物語。認知症により波動関数が再び発散するところや、描かれる世界史が史実通りではなく、偽史が含まれるのが面白い。また、セクシュアリティが生来固定のものではなく、人生の途中で変わっていくという描写も良かったと思う。
それにして...続きを読むPosted by ブクログ -
パトリシアがマークとの不幸な結婚をした世界は平和な世界。マークと結婚しなかった世界は最愛のパートナー、ビイと出会えたが世界は混沌。核兵器が何度か使われてしまう。
この二つの世界、最後は同じ老人ホームにパトリシアが入居するのだが、トイレの位置が変わっている。Posted by ブクログ -
舞台はLAの場末のバー。
ぶっきらぼうな文体。
主人公の“君”。
ウイスキー。
面白くて一気読みした。
乾いたLAの場末が思い浮かぶし、登場する人たちもリアル。
肯定も否定もしないところがいい。
ラストもいい。
原作はもとより、訳した方もうまいと感じる。Posted by ブクログ