佐々淳行のレビュー一覧
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佐々淳行氏がなくなった。
もと警察官僚として危機管理問題についてTVでコメントする姿になじみがあるが、退官後の本業は作家。全共闘の安田講堂占拠事件を扱った本作を大学時代に読んで今も印象に残っている(以下、うろ覚えの記憶で書く)。
反安保闘争が吹き荒れた年、学問の自由を守れ、警察権力をキャンパスに入れるな、と叫ぶ学生たちは研究室の設備を壊してバリケードを作り、貴重な文献を焚火にくべて暖をとった。大学に通う機会もなかった機動隊員こそ学術資料を傷つけないように搬出し、上空から浴びせられるガソリン、硫酸に立ち向かった、と著者は力説する。
安田講堂では過激派側、警察側ともに死者が出なかった。これは当 -
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ずっと気になっていた事件に関する本をやっと読む。
事件自体は、生後間もない頃の話なので、当然ながら記憶はないが、鉄球を使った場面はテレビで観たことがあある。
本書は、そのあさま山荘事件で現場指揮を執った筆者によるドキュメント。
テレビのワイドショー?などで、そのお顔は拝見したことがある。そんなにすごい人だったのかと始めて知った。
本書では、警察内部からの視点で、当時の事件が振り返られている。
まさに死闘という言葉がふさわしく、殉職された方々も含め、現場の方々の気持ちがひしひしと伝わってくる。
佐々氏の能力もスゴイが、一方で、文体的に自慢話っぽくも受け止められるので、その点だけ残念。
まあ -
Posted by ブクログ
70年安保の際の東大安田講堂立てこもりに対し、鎮圧側の視点から見たドキュメンタリー。ちなみに、日大や東大でも他の建物の立てこもりの話も有り。
70年安保闘争およびあさま山荘事件において、警視庁警備課長だった、テレビのコメンテーターでもおなじみの佐々氏。「異例の人事」から「常識を覆す解決法」「縦割りをぶち壊す」という幾つかの視点において、自分で見たとおりに書いているので、他の著作に比べてイキイキとした文章なのが第一印象。自ずとのめり込んで読んでしまう。
現場の描写は、それなりに荒っぽく書かれていたりして、てんやわんやではあるものの、その辺が本書の良いところとも言える。
全体に、根性論のよう -
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古本で購入。
1969年(昭和44年)1月、東大安田講堂事件。
学園紛争の「天王山」と言われるこの攻防戦を、警備側の責任者のひとりであった佐々淳行の実体験を基に描くドキュメント。
「安田城籠城は彼らにとって疑似戦争体験だった。それはイデオロギーにゆがめられた、幼児的ともいえる憂うべき心理状態だった」
と筆者が喝破する、本書に記された暴徒学生たちの振る舞いと他者不在とでも言える暴力は、実に幼稚で、身勝手である。筆者は彼らの行動の動機の純粋なる部分を認めつつ、やはり怒るのである。
“最前線”で状況を見続けた当事者なだけに、その描写は生き生きとしていて、文章も読ませる。
警察側の人々が魅力たっ -
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昔の日本にはわけの分からない、悪い連中がいたものだな・・・。本書は40年以上前の事件で、警察と機動隊の命がけの人質救出作戦の記録だ。当時現場で指揮を執った佐々氏の著書である。警察と県警との権力関係、組織内の上下関係、真冬の軽い沢の極限に寒い様子などが伝わってくる。
突入の瞬間など、ハラハラしながら読み進めた。残念にも殉職者が出たものの、人質が無事救出されたときはほっとした。
自らの危険を顧みずに事件解決に向かう警察官の正義感の強さには心を打たれ、頭が下がる思いだ。本書に書かれている通り、その姿勢はまさに現代の武士である。
著者の佐々氏自身が大活躍しているように、つまり自分の手柄を描いているよう -
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警備側から見た安田講堂事件の回想。
学生や当時の世論、そして国家、
それぞれの主義主張の正しさは正直良く分からない。
大学側も落ち度はあったし、
学生側にもそれなりの言い分はあった思う。
ただ、学生側のいざ捕まった時の情けない態度や、
どこか人を殺すことを軽く考えてそうに見えている辺りが
読んでいていらいらしてくる。
参加していた学生全員が全員そうではなかったと思うが、
闘争すること自体が目的となり、
スポーツ感覚で参加していた学生は
ホントにどうしようもないと思った。
そりゃ総括しようにもできないんじゃないか。
まあ警察側からみた回想なので、
これは運動に参加した学生の一面だと思いま -
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警備幕僚長として、東大安田講堂事件に携わった著者が、安田講堂における攻防戦と、それに続く神田カルチエラタン闘争を振り返ったドキュメント。
学生たちの過激な行動とは裏腹の幼さや、大学教授たちの日和見主義、その中で教育者としての責任を果たした加藤一郎学長代行や林健太郎文学部長と彼らに対する学生たちの敬意、そして何よりも、強い責任感と仲間を思う情熱を絶やさなかった機動隊員たちの様子を活写しています。
事件後に発行された当事者たちの記録の多くは、「難解なセクト用語や独善的で説得力に欠ける生硬な理論の羅列、あるいは当時のマスコミに迎合する「機動隊憎し」の感情論、浅薄なウォー・ゲーム感覚の感想文ばかり -
Posted by ブクログ
あさま山荘以来の氏の著書。若干大げさな言葉ながら、迫力ある記述はそのまま。細かい記録もすごい。他にもクライシスマネジメントのプロは何人もいるはずだが、断然氏の存在が目立っているのはなぜだろうか、とふと思った。これくらい迫るノンフィクションは珍しいので、もっと多くの著作が読みたい。
ハイジャックは最近は国内ではきかないが、自分の生まれたころには示されるように多くの事件が起こっていたことを知る。この赤軍という集団も今となっては今ひとつピンとこないが、当時の雰囲気を知ることができた。読後の今は迫力にただ押されているだけだが、じっくりと他の本も読むなりして咀嚼していきたい。そう思える本。