あらすじ
動員された警察官のべ十二万人、集まった報道陣は六百人、負傷者二十七人、そして死者三人。テレビ中継の視聴率は、史上最高を記録。厳寒の軽井沢の山荘で、いったい何が起きているのか? 人質、牟田泰子さんの生存は? 警察官の発砲は許されるか? 十日間にわたって繰り広げられた、戦後警察史上最悪の事件の一部始終を、水もおにぎりも瞬く間に凍るという現場で指揮をとった著者が、メモを基に克明に再現した臨場感あふれるノンフィクション。話題の映画化の原作。
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史上最悪の人質立て篭もり事件と言われている”あさま山荘事件”で警察側の現場指揮官だった佐々氏の回顧録。関連知識や細かいエピソードが盛りだくさん、しかも織り交ぜ方が絶妙で映画とはまた違った楽しみ方ができる。
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●久しぶりに貪るように読んだ本。
●あさま山荘事件は映画やドラマで観たけれど、やっぱり本が一番リアルだと思う。非常に描写が詳細で、なおかつ抜群に読み易い。
●突入までの経過が非常に興味深く、警察組織の難しさわ感じた。平時から非常時への切替は本当に難しい。
●ぶっちゃけた描写もいい。後藤田長官の人間臭さよ。
●悲劇の中にも喜劇ありはたしかにそうだなと思わせるものがある。
●マスコミ対策をこれだけ徹底していたのにも驚き。
●現代からすると隔世の感があるなあ…
当時リアルタイムで報道見てたな
あさま山荘事件関連の書籍を何冊も読んでるけど、一番読み応えのある1冊かと。
馴染みの佐々節も読み易かった。
バックグラウンドがバックグラウンドだけに、関係者との細かな話をなど、
当事者でしか知り得ない内容含め、興味深い内容だった。
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わが上司後藤田正晴 決断するペシミスト
私を通り過ぎた政治家たち
香港領事佐々淳行
佐々警部補パトロール日記目黒警察署物語
美人女優と前科七犯:佐々警部補パトロール日記2
を先に読んでいた。
途中で止めるのが惜しい。
一気に読み進めました。
階級社会の平時と有事。
言うべきときに言う。
それを実現できるポジションにいる。
強力な理解者がいる。
それまでの言行がそれを実現する。
戦いの前は、組織間の軋轢を減らす努力。
思慮深く、
準備を怠らず、緻密に、迅速に。
面子を立てる。
目下の方々の心情を思いやる。
目標達成のため、まい進する。
思いつき意見を排除できるための事前の想定。
大事な場面での取捨選択。
誰のために自分を律して戦うのか。
感服するのは、
機動隊の指揮官先頭の伝統、
隊員各位の士気の高さ、
マスコミをも味方に付けるしたたかさ。
信頼感の醸成。
未曽有のテレビ中継、報道により、ひとりひとりに
何が起きたか伝わったであろう。
警察内部の軋轢、事案の大きさを予測して出動する体制、
長期化に伴う「兵站」、通信などの混乱、マスコミ、群衆の
コントロール。
外から、後から言う人たち。
これらを敢えて記す筆者の思いを好意的にとらえることができた。
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最前線の指揮者が語っているだけあって臨場感と生々しさに溢れている。あの後藤田さん指名のプロジェクトチーム体制だったのですね。
東大籠城よりも更に武装度合いと過激さを増した者たちを相手にした現場警察官の方に頭が下がる。安い給料で文字通り命を張っていたのだな。
静香な人は昔から静かじゃなかったようだな。
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美化し過ぎず、あくまでもリアリティを保ち続ける著者の語り口が素晴らしい。まるで今その場にいるかのような臨場感で、冬の寒さ、死の危機、そして喜びの瞬間をまるで我がことのように感じられる。 惜しくも殉職された2名の警官、読み終えた後に冒頭の2人の写真を見ると胸が痛い。月並みながら、こうした尊い犠牲の上に今の生活が成り立っていることに感謝しなければならないなと再認識。良書です。
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映画を観てから本を読んだ。割合に忠実に映画化されているなと、思った。映画では出てこないけど、某「静か」な方がてできたシーンは笑った。元警察とは知らなかった。
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本人が書いたのではないのだろう。文章は普通だった。
こういう本を本人が頑張って書いてしまうと読みにくくて仕方なくなる。
本職じゃない人が文章を書くより、インタビューして書くそっちの本職の人に任せたほうが良い。
ゴーストライターが全て悪いというわけではないのです。
(もしご本人が書いていたらごめんなさい)
内容は面白かった。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた事件に関する本をやっと読む。
事件自体は、生後間もない頃の話なので、当然ながら記憶はないが、鉄球を使った場面はテレビで観たことがあある。
本書は、そのあさま山荘事件で現場指揮を執った筆者によるドキュメント。
テレビのワイドショー?などで、そのお顔は拝見したことがある。そんなにすごい人だったのかと始めて知った。
本書では、警察内部からの視点で、当時の事件が振り返られている。
まさに死闘という言葉がふさわしく、殉職された方々も含め、現場の方々の気持ちがひしひしと伝わってくる。
佐々氏の能力もスゴイが、一方で、文体的に自慢話っぽくも受け止められるので、その点だけ残念。
まあ押出しの強い方なのだろうな。
本書だけでは、時代背景があまり分からないので、赤軍の側から見た本も読んでみたい。(105)
[more]
(目次)
第1章 出陣
第2章 苦杯
第3章 爆弾
第4章 戦略
第5章 偵察
第6章 死闘
第7章 凱歌
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ノンフィクション。今から40年以上も前に起きた日本警察史上最悪の事件。現場で指揮を執った著者だからこそ描ける生々しい描写。
当時、連日、テレビで放送していた記憶がある。
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昔の日本にはわけの分からない、悪い連中がいたものだな・・・。本書は40年以上前の事件で、警察と機動隊の命がけの人質救出作戦の記録だ。当時現場で指揮を執った佐々氏の著書である。警察と県警との権力関係、組織内の上下関係、真冬の軽い沢の極限に寒い様子などが伝わってくる。
突入の瞬間など、ハラハラしながら読み進めた。残念にも殉職者が出たものの、人質が無事救出されたときはほっとした。
自らの危険を顧みずに事件解決に向かう警察官の正義感の強さには心を打たれ、頭が下がる思いだ。本書に書かれている通り、その姿勢はまさに現代の武士である。
著者の佐々氏自身が大活躍しているように、つまり自分の手柄を描いているように少し見えてしまうが、この事件そのものに興味があったので、読んでよかったと思う。
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信憑性はともかく、面白い。笑ってられない内容だけどその余裕が連合赤軍に足りなかったから殺人集団になったわけで。ツッコミどころは多いけど、とにかく小説のようで面白い。
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あさま山荘事件の時代の連合赤軍って爆弾テロや殺人もあってスゴかったんですね(*_*) 私の大学時代でも中核とか核マルとかいたけど、まるで凶悪レベルが違うわ。認識を改めました。
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ちょいちょい鼻につくが、有用。
歴史の一幕を知るという意味でも、危機管理について学ぶという意味でも。
これを読んだあとに「立ったまま会議」を実践した。
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本当にあった事件の陣頭指揮をとった著者の作。
現場のリアルな雰囲気と、人間関係と、犯人逮捕と人質救助にかける
警察官達の命を懸けた闘いが熱い!
今もたくさんの事件、災害が起きているが、麻痺してる場合ではないな。
Posted by ブクログ
読みやすくて良かった。文章が明瞭簡潔でわかりやすいんだよね。美化しすぎじゃね?と思わないでもないですが、それほど自分のやってきたことに自信と自負と誇りがあるんだろうね。それも当然か。そうでなければ人の命を預かれないもんね。
がくせいたちが何を考えてこんなことをしたのかも気になるんで、そっち視点の浅間山荘も読んでみたい。たぶん理解は出来ないんだろうけど。
Posted by ブクログ
作者の自分自慢などの評価もたしかにうなずける内容ですが、実際の事件発生から解決まで、その場にいらした張本人(警察側)なので、内容に圧倒される。
映画見て、原作読みたくなった。
ただ関係ないけど、邦画ってどうしてあぁセリフが聞き取りづらいんだろうね。
Posted by ブクログ
おもしろく読めた。文章にところどころ「ユーモア」があるという感じ。警察側、マスコミ側からの視点のものを読んだことがなかったので、官僚体制含め興味深かった。犯人も警察も世界をよくしようという目的というか動機というかの元に行動しているのに、どうして血が流されなくてはならないのかと思う。まあ、思想実践の方法と信条の違いなのだろうけれど。
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あさま山荘事件を警察側の視点で(過激派左翼の事件史も踏まえながら)、事件の実状を描いている。いまでは考えられないほど日本情勢が乱れていて、「総括」のような恐ろしいことが行われていたと思うとゾッとした。日本を良くするためのはずが、どうして暴力も辞さない「革命」に転換してしまったのか?約50年前の事件だがいろいろと考えさせられた。
Posted by ブクログ
最初のほうは著者のエリート意識みたいなものがあちこちに見えてちょっと抵抗があったが、それ以外は国家の未曽有の事件に対して著者のいう「危機管理」が現場においてどれだけ大切かということがわかった。やっぱり組織は大きくなればなるほど、よっぽどうまく回していかないといろんなところでうまく機能しなくなるものなのだ。298ページ、人質の確保という一番の目的達成という場面でも、この人質が本当に本人なのか、赤軍メンバーではないのか、との思いを巡らせて確認にかかるというところは感心した。そもそもは連合赤軍側でなぜあのようなことになってしまったのかというところに興味があったわけで、本書も警察側からの視点なのでそのあたりはまだわからないのだがそれでも後半はおもしろかった。できればもう少しルポルタージュ的第三者視点でこの事件を読んでみたい。
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あさま山荘事件に、警備責任者として派遣された著者の目から見た同事件。
説得のためお母さんを乗せたヘリに発砲するのを見て、激怒したくだりが印象的。
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映画を見て赤軍の実態が知りたくて読むことに。
あさま山荘事件について詳しく書かれています。
そして、赤軍のこれまでの活動(過激なことがほとんどですが)が書かれていて何となく掴めたかなと思います。
テロだとか銀行強盗だとかが立て続けに同じ組織の手によって行われていたことは、今の日本では考えられない。
これも歴史として日本人の記憶に残しておくべき。
今の日本は平和ボケしていると思うが、世界のどこかではこれと類似したことが起こっていて、いつまたこの目に合うか分からない。
日本でも今海外で起こっているようなことが起きていたということを知っておかなければ。
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当時報道をも賑わせた連合赤軍事件を当時指揮を執った佐々淳行氏が描いたノンフィクション。内側からしかわからない内容も詳細に描かれ、小さいながらにテレビの前で見ていた光景の裏側を思い知らされた。ドラマチックな演出がない分、盛り上がりはないが当時を知るひとにとっては文字以上のものを感じる一冊と感じた。佐々じ
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1972年に連合赤軍が人質を取り立てこもった「あさま山荘」事件を解決するため、長野県警と警視庁の初の共同組織、いわゆる日本版FBIを著者が指揮した歴史を記している。
テレビ史上視聴率調査以来最大の89%を超え、高い国民の関心の中、警察のセクショナリズムや、マスコミへの対応、厳しい寒さ、犯人との度重なる銃撃戦、1名の民間人犠牲者、2名の警察官殉職者を経て、無事人質を救出するまでの過程が生々しく描かれている。
死を厭わず、家族を顧みず、薄給の中で、国家安全のため闘った、当時の警察のサムライ魂は、平和慣れした現在の日本人にとって考えさせられるものがあると思います。
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社会を震撼させたあさま山荘事件で現場の指揮をとった著者が、当時の状況を語ったノンフィクション。
同じ著者の『東大落城』(文春文庫)に続く本ですが、前著ではどこか、学生たちの甘えから発した社会に対する不満を、厳しくも温かく見るようなまなざしが感じられたのですが、今回は2人の機動隊員が殉職する凄惨な事件ということもあってか、前著よりも重苦しいと感じました。
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私にとっては「浅間山荘事件」は歴史教科書上の出来事で、その時代を生きてきたわけではないので、どんなに勉強しても知識では当時を生きた人には勝てない。この本は事件のドキュメントであるが、やや偏っている感があり、他の本も併せて読むといい。
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昭和47年に起きた『あさま山荘事件』を警察側から見たノンフィクション。
読む前は淡々と客観的に書かれているのかと思っていたが、『あさま山荘事件』に至るまでの回想などはコメディ?と思うぐらい。
しかし、銃撃戦では手に汗握る展開で、この事件の解決に関わった警察官の姿に頭が下がる思いだった。
Posted by ブクログ
佐々氏の武勇伝的嫌いはありますが、一度は読んでおいたほうが良いと思う1冊。
「あさま山荘」事件に至る経緯について知ることができた。今まで「連合赤軍」と言われてもいまいちピンとこなかったので…
警察内の所属や個人名がこれでもかというほど出てきますが、これが小説ではない実際の捜査なのかな、と。