伊与原新のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ投げ出し墓のバンディット
仁科律
留学で必要な百万円のため、馬淵理緒の家庭教師を引き受ける。戸川塾の中学生にリケジョとあだ名をつけられる。理緒に教授と呼ばれる。
馬淵理緒
小学四年生。リケジョになりたい。
戸川恭子
律のアルバイト先の主宰。ビッグママ。
恵人
理緒の運転手。二十歳そこそこ。
理緒の父親
仁科慎市。
トキノ
馬淵邸の住み込みの家政婦。霊感が強い。
木元康輔
戸川塾の四年生の中ではリーダー的な存在。
糸川
投げ出し墓で、足につまずいた。
鴨川
理緒の担任の先生。
リョータ
戸川塾の六年生。
木元健輔
康輔の兄。
恋するマクスウェル
律
理緒
谷本綾
懇談会に来た女子高校生。
黒瀬
天文学を専攻している修士課程の大学院生。
白倉
坊主頭。黒瀬と同じサークルのメンバー。
拓真
綾の幼なじみ。
恵人
ガラス職人の見習い。
チェシャ猫マーダーケース
大江
歯を剝いて笑うノラ猫の死体が庭に投げ込まれていた。
松野
梅庭小学校の教師。
才田
六年生。あだ名は博士。
金田
戸川塾の生徒だった。小学校レベルの計算もできず、アルファベットもろくに書けなかったが、工業高校に合格した。
館
水橋小学校で養護教諭をしている。
副部長
才田のクラブのメンバー。
虹のソノリティ
浅尾朋香
理緒にプリズムをプレゼントした。律の高校の同級生。
坂田
五十代の警備員。電気コードで首を絞められて殺された。
遠山
講師。
沼田静子
遠山の被験者をしている。
笹本拓海
朋香の恋人。警備員の遺体を発見した。
久光修平
被験者。
福澤
音楽プレーヤーを盗まれたと騒いでいた学生。
矢野
朋香の隣の鎌田研究室に所属する大学院生。
四〇二号室のプロフェスール
エクル
当時十六歳。
高村
移植コーディネーター。
馬淵綃子
理緒の母。
仁科真実子
律の母。 -
Posted by ブクログ
天体に関する大学院でコペンハーゲンに留学したい律は、個人塾のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ。そんなある日、律のもとに驚くべき待遇のアルバイトが舞い込んだ。小学校4年の理緒の家に住み込んで、家庭教師を行うというものである。そんな中、塾でとある墓場に幽霊が出るとの噂を聞き、律と理緒は解決に乗り出す…。
理系、研究絡みの小説はハズレばかりの法則があるが、これは割と読める作品であった。というのも、作者のバックグラウンドである天体の話だけでなく、物理や化学、生物といった、理系全般に渡る作品になっていたからだろう。だいたいこういうタイトルの作品は、作者のバックグラウンドから出ることができずに、何故か数学だけ、なんて言う話になりがちだ。
短編4篇?5篇だっけ?
というのは、各作品の印象の薄さが原因となっている。それぞれの作品はがんばって最初に思いつくトリックを打ち崩すようにトリックを考えてはいるものの、犯人等の人選びに難が多い。その人を犯人にしないほうがいいんじゃない?とか、その程度で殺す?など。
また、盛り上がり部分のメリハリが少ないため、その解決で良いの?と思わせるものも少なくないし、最後は読者は皆途中で読めているのに、ダラダラと告白の手紙で引っ張ったのは、何だったんだろう?
印象に残ったのはチシャ猫の話で、その他は事件をあまり考えなくて良いし、考えすぎると薄っぺらく感じてしまうものだ。
でもまあ、理系モノにしては面白かった。ただ、タイトルは「リケジョ何とか」くらいの8文字くらいにしてほしかったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。
通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。
人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温かい。
理緒が繰り返し言う「リケジョだからね!」最初は皮肉まじりに苦笑していたのに、だんだんと胸を張っていくような。
理系あるあるなのかも、というカタカナの難しい説明もあるけれど、言い伝えの昔話、アリス、オズの魔法使い、星の王子さまに絡めて進むので、読みやすく楽しい。
「悲しくて寂しくてどうしようもないきもちがあっても、毎日ちょっとずつ近くに寄っていって、飼いならすの。そしたら、いつかきっと、そんな気持ちとも仲よくなれる」
「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね」
「リケジョを磨いときなよ!」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊予原新の旧作をさかのぼって読んでおこうと思い手に取った1冊。デビュー作とあってぎこちなさや荒っぽさも感じてしまうが。
そうか、伊予原新の最初の作品は、アクションハードボイルド小説やってんなぁ、今の作風である理系知識展開系の芽も見受けられるが、主人公や主要登場人物のほとんどは、肉体系かチンピラか文系。唯一地震学者が今の作品に出てきそうなタイプ。
大型地震で壊滅的な打撃を受けた東京臨海副都心を舞台に、経済的にも国際的地位を失いつつある日本と腐敗した政治、出生届を出せないまま無国籍となった在日外国人たちなどの問題を描いた小説なのだが、この作品が東日本大震災前に書かれていることに驚く…とはいえ、この作品の日本の方が現実よりまだマシな部分も多いことにため息もでるのだが。
アナキストであれ、ファシストであれ、自己正当化を権力を使って誇示しだすと人間は劣化し、周囲は大いに迷惑をこうむる…。きっとプーチンもそうなんだろうねぇ。