落合博満のレビュー一覧
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プロフェッショナルとはこういう方のことを言うのかな、と感じました。
それは、野球というのは生業で、食っていくための手段だから、と書かれています。
食っていくためには生き残らなきればいけない。
生き残るためにはどうすればいいのか?
大きな目的と、そこに至る手段をいかに合理的に、圧倒的にやらなきゃいけないのか、ということを著書は言ってるのかな?と個人的に感じました。
…ともすれば、根性論や、自身の成功体験を書きがちになる(時代がそうだったと思いますし)と思いますが、本書はそういうことではなく、ロジカルに書かれていて読みやすく感じました。
野球だけではなくて、組織人としてどうあるべきか、マネージャーとしてどういう心構えが大切かを学ばせていただいたと思います。
余談ですが落合監督は優しいと、愛がある方だなとこの本を読んで感じました。
以下備忘録
⚫︎組織というのは三角形の集合体。管理者(三角形の頂点)がぶれないと組織は崩壊しない。
⚫︎もしマネージャーが、あいつは怖くて使えないというなら、私だったらそのマネージャーをクビにする。やるべきことはたくさんあるから。
⚫︎役割を超えて口を出さない。
⚫︎ミスを犯した選手になんて声をかける?
私だったら声をかけない。痛いほど自分のミスを自覚してる。成功もそう。
ただ練習は倍やらせる。
⚫︎基本を忠実に。同じこととは正しい努力を他者より圧倒的に続けること。 -
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中日ドラゴンズというチームに対する私の印象は、監督やコーチが頻繁に叱咤し、 時には鉄拳も辞さない厳しさで選手に接していたため、選手が首脳陣の顔色をうかがいながらプレーしているというものだ。これでは、持てる力を発揮しろと言われても無理だろう。
オーナーに求められたのは、そうしたチームカラーを一掃し、選手たちがのびのびとプレーできる環境作りだと解釈した私は、どんな理由があってもコーチが選手に手を上げること(選手同士も)を厳禁とし、これを破った場合は理由の如何を問わず契約を解除するとした。
常勝チームを作るには、選手が不安なくプレーできる環境を整え、時には選手がべンチの指示で動くのではなく、自分の考えと判断でプレーすることが肝要だと考えていたので、無闇にコーチから教えることも禁じ、選手から求められた場合だけ的確なアドバイスをするように厳命した。
スポーツの指導者、あるいはビジネス・リーダーを経験した方なら痛感していると思うが、チームというのは実にデリケートな生き物だ。
プロであれ、アマチュアであれ、監督が「これなら勝負できる」と感じるまでチームを成熟させるには多くの時間や労力を費やすのに、監督のふとした言葉や行動、また監督が知らないところで起きた問題によって、あっという間にチームは空中分解してしまう。
そうやってチームや組織が思い通りに機能していない時は、投手と野手、あるいは、それぞれの部署が好き勝手に動いてしまう。それを整理し、それぞれの部署に動き方を指示するのはトップの仕事になる。部署間に対立があっても、「勝手にやらせておけ」 という状態ならば、あえて手を打たないという判断を下すのもトップだ。
動くか留まるか、攻めるのか守るのか、徹底して改善するのか現状を維持するのか。 さまざまな局面を冷静に分析し、組織をいい方向に導くのがトップの大きな役割であろ。だからこそ、ピラミッドのトップ、社長や監督はしっかりしていなければいけない。 トップさえしっかりしていれば、ピラミッド全体はまずまず安定する。そして、一つひとつの小さなピラミッドも、その中のトップがしっかりしていれば、ある程度成果は上げられるはずだ。トップの立場にいる人は、常に自分のビラミッドを形成している人たちのことを考えてやる。そうすれば、一つひとつの小さなピラミッドは機能し、それらが作り上げるピラミッド全体、すなわちチームや会社もふらふらと揺らぐことはないはずだ。
組織のピラミッドが崩れてしまった時、よく言われるのは土台が脆弱だったということだ。私はそうは思っていない。先に書いたように、ピラミッドの底辺に近づけば近づくほど、小さなピラミッドの数は増えているから、ひとつのピラミッドが機能しなくなっても、他のビラミッドで補うことはできる。
このように、試合の中でのワンプレーにも、選手、コーチ、監督の責任がある。それをどんな場面でも明確にし、各々が責任を持って仕事をするのが健全な組織だ。勝てないのは戦力がないから、コーチの指導が甘過ぎる――そんなふうに、無意識だったとしても責任転嫁してしまう人には、 う人には、組織のトップ=監督は務まらない。初めて背番号66のユニフォームに袖を通した時から8年間、このことは一瞬も忘れなかった。
監督がチーフ打撃コーチに持たせたいのは責任感なのだろうが、本人は権限を与えられたと受け取ってしまう。権力を振りかざしたいというタイプの人間でなくても、「自分はチーフの肩書きを与えられたのだ」という使命感が、いつしか上から目線の物言いになっていることもあるだろう。これが肩書きの難しさではないか。
さて、このように選手が大きなミスを目の覚めるような活躍で取り返した時、監督はどんな言葉をかけるのかと、よく聞かれる。
要するに、結果的にヒーローになったことをほめてやるのか、あくまでバントの失敗を注意しておくかということだろう。
この時、あるいは同じようなことがあっても、私は選手に声はかけない。
なぜなら、私やコーチに言われるまでもなく、岩崎達自身がサヨナラ本塁打はともかく、バントを決められなかったことを反省し、試合後か翌日の早出でバント練習をしているはずだからだ。
高校でも強豪校になれば、そんな最先端といわれる分析データを用いた指導を受けるので、投げる、打つという技術以上に科学的な理屈を頭に入れている若手選手は少なくない。その傾向は決して悪いことではないと思うが、いくら詳細なデータを与えられても、それを自分で消化し、仕事に役立てることができなければ意味がない。
昔から、勉強が苦手な人は、机に向かって教科書を広げただけでやった気になってしまうといわれるが、データをどう生かすかも同じだろう。
できることなら、与えられたデータをどう見るかではなく、技術面でも戦い方でも自分が知りたいテーマを見つけ、まずは自分の目で観察し、もっと知りたいことがあればスコアラーの手も借りるような姿勢でありたい。そして、「野球を見る目」を養ってほしい。
私が一番大切にしているのは、自分の人生をいかに自分の思うがままに生きていくか、ということだ。そのために不可欠なのが、決断、実行だと考えている。
社会生活を送る上で、収入にこだわる人もいる。立場や地位を築こうとする人もいる。多くの人に影響を与えたいという人もいる。何に注力して生きるかは人それぞれだが、誰でも避けて通れないのが決断、実行だろう。 -
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あまり喋らない落合が聞き役にまわると相手がたくさん喋ってくれるのには驚いた。落合さんは意外と聞き上手。相手を乗せる、話の腰を折らない、相づちがいい感じ。
レジェンド達の楽しそうなイキイキとした会話を引き出す落合の能力には感服。ただ、みんな古いタイプの「走れ!走れ!」の根性論信者の人達ばかりなので、今の世代には受け入れられないインタビュー内容だろうな。皆さん、走り込んだから強くなったのではなく、もともと走れる体力があっただけだったような気もするし。走り込みをあまりしなかったと言われる野茂さん、走り込み否定者のダルビッシュとかとも対談してみて欲しかった。
ちなみに題名の「こたえあわせ」、何の答え合わせなのかはよく分からず。 -
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3冠王を3度獲得した稀代の名プレイヤー、そして名監督である落合博満が、コーチングについて記した名著。
「生きるか死ぬか」という一般人にはちょっと想像が及ばないような究極のプロフェッショナルの世界の第一線で生きてきた落合氏の思考は、ビジネスの現場でも大いに使えるものが多い。
特に、コーチングの際は部下の完成を大切にすること、自分で考える習慣を身に付けさせること、コミュニケーションの主体は部下であり、一方通行なものではなくお互いが良いものを作り上げようという意思のもとに奏でられるハーモニーであるという箇所が印象に残った。
また、同じ内容の指導をする際も、選手の年齢や置かれている状況を考慮して声のかけ方やタイミングを変えるなど、落合さんなりの工夫をしていたようだ。
最近の人間は教えること、教えられることに慣れすぎている
ここを読んだときはハッとさせられた。
また、自分を商品と考えて球団と交渉することにしたという考え方については、昭和の時代にもかかわらず、落合氏が組織の中にありながら自分の看板を掲げて勝負していくフリーランスな生き方をしていたことがわかる。
とにかく落合氏は良い意味で日本人っぽくなく、個人主義で合理的で、貪欲な求道者だった。
当たり前を疑い、同調圧力に屈せず、自分の感性を大切に、チームの勝利のために自分の役割を果たすことに徹する。
「自分に必要だからやる、他人が何を言おうと関係がない」というフレーズは、そんな彼の思想を端的に表している。
当時はその振る舞いを奇異に感じたメディアに「俺流」などと言われていたようだが、今となっては完全に時代が彼に追いついたという格好だ。
マジで20年以上前に書かれた本とは思えない内容。
やはり超一流の人物は時代に流されずに本質を掴んでいる。 -
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ネタバレ
・リーダーには情熱と闘志と変革したいという強い気持ちが必要
・一度きりの人生で後悔ないように采配し、選択した道は踏ん切りをつける
・環境は言い訳にはせず、やると決めたら逃げずにやり切るのがプロフェッショナル
【1章】
・向上心より野心を抱くことで、やるべきことが見えてくる
・一生懸命やったのに、は逃げ道で自身を見る目が曇り始めたサイン。冷静に自分の立ち位置を見るべき
・不安もなく生きていたり、絶対的な自信を持っている人はいない
→不安だから練習する
・不可能と思える目標を設定することでノルマを通過点だと感じれるし、今までのやり方や視点を変えることができる
→
【2章】
・「仕事をした」と言えるのはチームが勝った時だけ、負けない努力が勝ちにつながる
・監督の采配とは、邪念を振り払い、今この一瞬に最善を尽くす
・勝負に絶対はない、しかし最善の策を講じていれば仮に負けても次に勝つ道筋が見える
・今1番大事なことは何か、と言う点は見誤ることなく最善の手を打つべし
・勝利は人によってそれぞれで、勝利をひたすら目指すプロセスが人生そのもの
【3章】
・どれだけ小さなものでも「手抜き」を放置するとチームには致命的な穴があく(ミスは仕方なく、それをどう振り返り改善するかが大事)
・指導者は欠点を長所に変える目を持つ
・方法論を示しやればできると思うことができれば、組織の歯車は目指すべき方向に進む
・言いたいことをただいうのではなく、相手の状況などを踏まえて相手の気持ちに寄り添って伝えることが大事
・結婚するなど背負うものが増えればパフォーマンスが上がるかもしれない
【4章】
・自分にない色(能力)を使う勇気が絵の完成度を高める、自分にできないことは周りを頼る
・選手やチームのためなら監督は嫌われ役になる、要は何かのためという目的が大事
・チームリーダーが必要なのではない、個人それぞれが自立心、競争心、闘志を持つことが大事
・自分の腹の中を読まれてはいけないこともある、それはずっと心にしまっておくべき
・できる人、できない人、両方の気持ちをわかる人はマネジメントで活かせる、それぞれにあった指導を心掛ける
【5章】
・歴史を学ぶことで、同じような失敗を繰り返さないことにつながる、同じ世界や組織の歴史は学ぶべき
・どんな環境だろうとやると決めたら目の前のことをやる(ただ自分に必要な環境を求める権利はあると思う)
・あえて極論のレアケースを考えることで、議論が活発になり万全の準備ができる
【6章】
・個人の成長速度には個人差があるので、守るべき順番を踏み、必要な時間はかける必要がある
・選手のサインにいち早く気づき、受け止め、次の手を打つことは大事な1つ
・考えを押し付けてはいけない、あくまで基本をコミュニケートするに留めてあとは本人に合う方法を探らせる(じゃないとダメにさせかねない)
・リーダーとして大事なのは方針を明確に示して、ぶらさず、周りのメンバーがちゃんとついて来れるようにすること
・リーダーに1番大事なのは、身を置く世界に愛情と情熱、変革しようという意欲を持つこと
・仕事で目立つ成果を出すことと、人生を幸せに生きていくことは別ものだし、他の人と比較するものでもない
【おわりに】
・どちらの道を選択するかで人生は大きく変わるが、選択しなかった未来は見れないので、選択した道をこれでよかったと踏ん切りつけて進むことが大事 -
Posted by ブクログ
選手としても監督としても圧倒的な成績を残しているだけに、説得力がある。
主義主張やその裏付けとなる理論も、一見常識に反しているように見えて、よくよく聞くと成程という理屈があっておもしろい。
でも、聴く側に聞く意思があるからかもしれない、とも思った。
落合監督は、キャンプ中の守備練習にいつまでという時間制限は設けないそう。時間が決まっていると、選手はその時間をやり過ごそうとしてしまうからだと。なるほどねえと思えるが、同じ落合さんが例えば、「短めの時間を設定する。あと何分しか出来ない、と思えば、同じ1分でも集中力が全然違ってくる。」と言えば、なるほどそうか、と思いそう。結局は、あれだけの成績を挙げた人なのだから信じてついていこう、と思わせられるのかなあ、と思った。
でも、名選手は必ずしも名監督ならず、というからには、やっぱりそれだけではないんだろうな。
P222
日本のプロ野球の歴史で100勝したチームがないことを考えても、ペナントレースを制するためには「50敗する間にどれだけ勝てるか」を追い求めていく。(全試合勝ちに行く)長嶋さんの采配は、まさに不可能への挑戦だったと言える。 -
Posted by ブクログ
2004年から2011年まで中日ドラゴンズの監督であった落合博満氏の、監督退任直後の著書。
2011年11月初版であるため、当時の落合氏の考え方や監督時代の話などが伺える。10年前の著書であるため少し時代にそぐわないこともある。
しかし落合氏の野球観から社会人としても参考になることが多々ある。
特にリーダーとしての立ち居振る舞いや考え方はとても参考になる。
・ミスは責めない。手抜きは叱る。
・方法論をしてして、やればできるという成功体験をさせる
・1人の実力を10-15%あげ、組織全体の向上を図る
広い視野を持っている落合氏ならではの考え方や名言もあり、時々読み返したい本である。