落合博満のレビュー一覧
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ネタバレ史上唯一人の三冠王三度獲得者、そして三度のリーグ優勝監督。
選手としても監督としても成功し続ける落合博満。
本著ではその落合博満の「生き方」「考え方」を垣間見る。
彼は自分をエリートではなかったという。
エリートではなかった自分を、自ら一流に育てあげた実績・経験を元に、
関わってきたプロ野球関係者とのエピソードを交えながら、
「コーチングとは?」「良いコーチ、悪いコーチとは」を本人の言葉で語る。
その根底には「自分の人生をより実りあるものにしよう」という信念が見えた。
同時にとてもクレバーな印象を持った。
中身の無いプライドに捕らわれず、最短距離で目標に向う合理的発想と、
這い上がる過程で自ら経験したであろう人と人の気持ちとが丁寧に記されている。
プロ野球選手を、そして自らを職人だという落合博満の考え方は刺激になった。
(2001年春季横浜ベイスターズキャンプ臨時コーチ後、2001年8月執筆)
第一章 )教えるのではなく、学ばせる
○「自分で育つ」ためのコーチング
○方法論は教えられるが「これをやれ」とは言えない。
○欠点を直すことは、良い部分が失われることでもある。
第二章 )指導者とは何か
○マイナス思考/○主体は意思ある選手
○責任はまず組織の長が取る。そして当事者にもとらせるべきだ
第三章 )選手(部下)をダメにする禁句集
○「良いコーチ」と言われたいのか、なりたいのか
○「そんなこともわからないのか」は上司の禁句
第四章 )組織の中で自分を活かす術
○明確に設定した目標を公言せよ
○自分の感性で自分を洗脳せよ
第五章 )勝ち続けるために、自分自身を鍛えろ!
○プロの自覚と自信を手に入れる思考
○自分のマニュアルを使えるのは自分だけ
○誰のためにやるのか、余分なプレッシャーを背負う必要はない
○チャンスはいつ来るか判らない、常に真面目に生きる
○常に考えれば道は開ける、壁から逃げるな
○良き理解者が三人いれば、人生は見誤らない -
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○「見ているだけ」が理想のコーチング
○手取り足取りではなく,ヒントを与え,自ら考えさせる
○「そんなことは常識だ」と言う前に,納得できる理由を示せ
○部下に気持ち良く仕事させるのも上司の仕事
○まず部下に腹の中のことを全部吐き出させよ
○良いコーチと言われたいのか,良いコーチになりたいのか
○第三者を介しての言葉のキャッチボールは危険
○上に立つ指導者でも,分からないことは分からないという
○部下の専門分野に強くなれ
○周囲に目標を公言せよ
○結果が出なくとも自分がやってきた事実まで否定するな,他人を観察せよ
○よき理解者が3人いれば,人生は見誤らない -
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中日の落合監督が中日の、というかプロ野球の監督になる前ぐらいの本。今だったらどんな風に考え方が代わっているか知らん、というのはまた別の興味なのだけれども、書いてあることはごくシンプル。組織の中で自分を生かすにはどうしたらいいか、という部分に関しては「自分がすべき仕事」と「組織の中の自分」に関して完全に割り切っている。このあたりが現役時代の落合の「仕事人」の姿勢として特筆すべき点でありましょう。
会社のシステムがむちゃくちゃだったり不満があったり、ということは往々にしてあるだろうけれども、そもそも会社が社員のことを守ってくれるのだ、と云うところにべったりしすぎるのも困りもんだよ、と云うことを丁寧に書いております。
というわけで、あんまり変わったことは書いていない。ただ、今現在の落合監督の立ち居振る舞いの根本には確かに書いてあるようなことがあるんだなぁと思った。納得しました。
あと、「スランプ脱出の秘訣は十分な食事と睡眠である」というのは基本的だけど実際にやろうと思わないのでこの辺は気をつけていいかと思った。
落合監督が好きなら読んでいい本。 -
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ネタバレ※追記:
「お前、出世するぞ」と言ってくださいましたが、
残念ながらその予想は外れておりますよ。
落合監督にお会いする機会がありました。
とてもあたたかい方で、感動しました(^-^)
事前に、お会いする際に失礼でないよう「采配」を読みました。
やはり、落合監督ほどの成功者の言葉は重みが違います。
以下、ネタバレですが私が感動した部分を挙げたいと思います。
ビジネスマンの能力向上には、監督する側される側両方において意識しておかねばならないポイントがありそうです。
心のチクッと痛む指摘も多々ありました。
スポーツの世界もビジネスの世界もそのポイントはなんら変わらないんですね。
●「状況を直視せず、「俺は一生懸命やったのに」と憤慨しても道は開けない。」
●「首脳陣と選手の間に認識の違いが生まれることがある。つまり、こちらはまだ試合で使えるレベルでないとみているのに、選手本人は試合でもできると思い込むケースだ。」
●「不安を拭い去れず、「俺には自信がない」とひるんでいては進歩がない。誰もが不安を抱えているからこそ、試行錯誤しながら努力を続けられるのである。そう考え、自分にはどんな練習(努力)をすればいいのか考え抜くことが大切なのだ。」
●「自分なりに「これは誰にも負けない」という技術を身につければ、それがセールスポイントになり、セールスポイントを周囲からも認められることで自身が芽生えてくる。そうなると、自分が自信を持っている分野に関しては意欲的に探究していくものだし、何か壁にぶち当っても逃げずに乗り越えようとする。そうやってセールスポイント、あるいは得意分野を2つ、3つと増やしていけば、ちょっとしたことで悩んだりしないはずだ。仕事自体が嫌になるような状況にも陥ることはないし、心の健康も保っていられる。」
●「呑み込みの早い人は忘れるのも早いことが多い。」
●「自分が苦しい立場にあることを社会や他人の責任と考えているようでは、せっかく道は勝利につながっているのに、行き先を見誤ってしまうことになりかねない。」
●「「これだけ自由にプレーさせているのに、大学時代の力がほとんど出ていない。もう伸びない選手なのだろうか」それで選手を見切ってしまうようでは、指導者も無責任と言わざるを得ない。」
●「現状の戦力をどう生かすのかが大前提だ。」
●「今の立場に甘んじたいと思うのなら、限られた出場機会の中でも心技を磨き、井端や荒木の後釜を虎視眈々と狙うしかない。」
●「見なくてもわかると言う人は、自分が経験した野球で時間が止まっている。・・・「言われなくてもわかっている」で片づける部下は大成しない。・・・自分の仕事だからこそ、まだまだ知らないことがあるはずだという謙虚な姿勢を持ち、仲間、ライバル、同業他社が何かに取り組もうとしている際には、深い関心を寄せながら観察してみるべきだ。」
●「「できる人の思い」「できない人の気持ち」、両方を理解できるリーダーになってもらいたい。」
●「本当の「A級戦犯」は「違和感」という言葉に逃げて一軍の舞台に立たなかった選手なのである。」
●「100回バットを振ったヤツに勝ちたければ、101回バットを振る以外に道はない。」
●「大切なのは、誰が最初に行ったかではなく、だれがその方法で成功を収めたかだ。」
●「その世界を発展させていくという意味で、「初」の価値を再認識すべきなのだ。」
●「自分がどれだけ苦労して一軍に定着したのか、あるいはレギュラーと呼ばれる地位を築いたのか。そのことを考えれば、レギュラーとしてグラウンドに立っている選手は、そう簡単に「痛い」などと言えないはずだ。」
●「人間関係の上での環境に関しては「自分に合うか合わないか」などという物差しで考えず、「目の前にある仕事にしっかり取り組もう」と割り切るべきだ」
●「後進や部下の育成は守るべき順番を守り、必要な時間はかけなければならない。」
●「何もしていないうちから「彼にはできない」と見るのだけはやめたほうがいい。」
●「自分が得た技術を後進に伝えて行こうと考えるのではなく、後進の持つ技術を一定のレベルまで引き上げてやろうと考えるべき」
●「自分たちの権利を主張するのは大切なことだ。しかし、それで経営側、球団の財政がどうなってもいいのかという部分までに思いが至らないと、選手の仕事場である球団が消滅してしまうという危機も招きかねない。」 -
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現役を引退してまだ2年、コーチ経験といえば横浜の春キャンプでの臨時コーチだけ、という時に書かれた本書。やはり、というべきか、コーチングよりも選手としての自己成長・自己研鑽に紙幅が割かれている。そこは獲れなくても三冠王奪取を公言していた落合氏らしい考え方で、常に目線を上に向けていくことに氏の真骨頂があるのだろう。
コーチの仕事は教えることでなく見ていること。そして何が良くて何が悪いかを分析する能力がなければならない。
バッティングは人から教わらず、自分で考え感性を磨いていくもの。対して、プロの守備はプロの指導者から徹底的に教わらなければ身につかない。
結果が良かったから「ああ気分が良い」と感じて眠ってしまう選手と、ホームランを打っても自分のバッティングを考え次の日に練習する選手とでは、経験を積んでいくほど大きな差がついてしまう。
ほかの選手の動きを観察し良いものと悪いものを的確に見極めることができれば、自分の良い部分、悪い部分についても正しい認識がもてる。
自己成長を促す落合氏のアドバイスから垣間見える理想のコーチ像。この10年後に出された『采配』と重複する内容も多いけど、より一選手目線に近いところで読むことができる。そして痛感するのは自己研鑽に対する落合氏の厳しい姿勢。打撃の求道者のような人だから、あれだけの口をききながらあれだけの成績を残せたのだと、妙に納得。 -
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三冠王を3回獲得するなど選手としても中日でリーグ優勝を4回獲得するなど監督としての手腕も一流の落合博満氏が野球選手として活躍した方を中心に対談した内容をまとめた一冊。
田淵幸一氏や福本豊氏、山本浩二氏などプロ野球界に燦然と輝く記録を残した人物と自身も功績を残す落合氏との対談は非常に興味深いものが多く学びになりました。
田淵氏や張本氏や山本氏とのバッティングの理論談義や福本氏の盗塁に対する思いや成功の秘訣、廣岡氏との監督としてのこだわりなど選手、指導者として一流でしか分からないエピソードが満載で野球の面白さを感じることができました。
そして、田淵氏や張本氏のトレードの裏側、鈴木氏の300勝達成の真実など本書でしか聞くことのできないエピソードも多くありました。
各人ともプロの世界に入るまでの経歴も話されていたことやほとんどの方が落合氏より年上の方が多く、昭和の野球の風景を感じるとともに敬意と自身の知見による対談は野球の真髄を味わえるものが多く野球の面白さを感じました。
また鈴木敏夫氏は本書の中では唯一毛色の違う方ですが、落合氏のジブリ作品への思いや宮崎駿監督とのエピソードなど野球以外の落合氏の横顔も知ることができ興味深いものでした。
そして、本書から野球の深みを一段と感じることのでき、今のプロ野球にはないものを感じた一冊でした。 -
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BSフジで「プロ野球レジェン堂」という番組があるが、本書の対談内容はこの番組とよく似ている。
対談相手の名前を見て、この本は誰が読むのだろうか?と思ってしまった。
40歳くらいの人だと伝説の人ばかりなのではないでしょうか。
高齢者が喜びそうな内容です。
落合よりも年配の往年の名選手・名監督が対談相手なのだが、一人だけスタジオジブリの鈴木敏夫さんが混じっている。
プロ野球の裏話を聞きたいので鈴木敏夫さんは本書には馴染まなかった。
昔の話だからもう時効だろうと、これまで黙っていたことを実はこうだったとばらしているのが面白かった。
落合は聞き役で、あまり自分のことは話していないが、東洋大学の野球部を辞めたのは上級生の暴力のせいではなく、自身の怪我のためだと明かしていた。
プロ入りする前の学生時代の話題やドラフト・トレードの話も多くて楽しく読めた。
法政大学時代に山本浩二が投手で田淵とバッテリーを組んでいたことなど知らなかった。
何を考えて野球をしていたかを知れて良かった。 -
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落合は、2004年から2011年までの8年間、中日ドラゴンズの監督を務め、セリーグ優勝を4回に加えて、2007年にはリーグ2位であったがCSから勝ち上がり、日本一の座を得ている。その他の3年間も、2位が2回、3位が1回という、監督としては文句のつけようのない成績を上げている。
本書は2011年、落合が中日の監督を退任した年に発行されている。監督を務めた8年間について、どのような考えで指揮を執っていたのかを、自ら語る形で書かれたものである。オーソドックス、勝負に厳しい、采配自体は奇をてらったところがなく、むしろ、勝負が始まるまでの準備に多くの時間と配慮を割いている。そのような印象を持った。
私はカープファンであり、今年は久しぶりにペナントレースを楽しむことが出来た。ドラゴンズの野球に注目しているわけではないが、今年のドラゴンズは、立浪監督のもと、成績が振るわなかったばかりではなく、将来に向けて楽しみな要素があったのかどうか。当たっているかどうかは分からないが、監督によって、チームは大きく変わるのではないか、と思わせるような本だった。