杉原理生のレビュー一覧
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正直、穂波ゆきねさんのイラスト買いでしたが、おもしろかった。
進一(攻)視点で話が進んでいて、七海(受)の行動の心意がよく理解できなかったところが、最初あったのだけど、もう一回読み直してみて納得しました。
七海が進一のことを好きすぎて、進一に友達以上の感情がないことを知りつつ、親友ポジションを保とうと必死になっている姿が健気です。進一に受け入れてもらってからも、かたくなに「勘違い」だと説得しているところも、なんだかかわいそうなくらいだったけど、それって自分が傷つかないためのポーズであり、相手の気持ちを信じきれないところがあったからかもしれない。
失いたくない「親友」はかけがえのない「恋人」にな -
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同級生モノ。長年お互いを想うあまり、核心の周りをぐるぐるぐるぐるジレジレジレジレと気遠くなるようなスローなリズムで刻んでいくお話です。大きな事件はありません。でも好きだな~・・・こういうの。作中に『年をとるごとに、たいした悪さをしているつもりはなくとも、呼吸をしているだけで薄汚れていくものはあるのに』という表現がでてきて、なんか胸がザクリとなりました。何もしなくても、生きてるだけでも、自分は薄汚れていくけど、心の奥にお守りみたいに大事にしている、何にも汚されない想いみたいなモノ、自分にもあるな~・・・と。実際使われている文脈のニュアンスとは少し違うんだけど。杉原さんの作品には時折心をかっさらわ
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Posted by ブクログ
ネタバレ連れ子同士で、一時期、血の繋がらない兄弟として生活をしていた圭一と孝之。
十年後、大人になって偶然再会した二人は、改めて兄弟のような不思議な関係を築き始める。
週に何回か、圭一の家により食事をしていく孝之。
そんなある日、孝之が圭一の家に泊まろうとした事から、その均衡が崩れる。
弟だった孝之への恋心を自覚していながら隠す圭一と、兄だった圭一への想いをストレートにぶつける孝之。
しかし圭一にはどうしても孝之を受け入れることができない理由があって――。
という話でした。
全体的にちょっと曇り空みたいなちょっと沈痛な空気が流れてる話。重い……かなー……?
でも、何だろう鬱々とし -
Posted by ブクログ
高校、大学時代とずっと親友だった男に告白され、それを「なかったことに」して以来6年間、ずっと疎遠だった相手に仕事がらみで再会したときに果たして何を思うのか。
リーマンもので再会もの、等身大の地味な展開で途中のぐるぐる感にじれったくなりつつも引き込まれました。
進一はとても常識的で、しかも行動力もあります。社内でも女性受けしそうです。そんな性格なので再会した七海と過去気まずい思いをしたにもかかわらず、昔どおりの親友に戻ろうと努力します。
そして、七海のほうも何気ない態度で友人としてのスタンスを保って接してきます。
でも、なんか微妙なムード。
「なかったことに」はやっぱりできずに、妙に意識している