杉原理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ夜と星空をイメージされたそうです。相変わらず繊細で流麗な文体は素晴らしい。すごく余韻のある話。
Happyなジレジレは大好きなのだけど、今回はなんか鬱々とジリジリと鬱々と…長くて…我慢できずに途中でうがァーーーって投げ出しそうになった。
攻にも受にも、どちらの気持ちにも私は共感できなかった。
ふたりがお互いに執拗に執着する理由が自分の中でストンと落ちなかったからかな。
攻の圭吾の人格がいまいち腑に落ちなかったのと、受の蒼が見た目ほど可愛いいい子じゃなかったし。
かわいそうなお姫様を助けに来たナイト的な役割の富田も中途半端だったな。
そもそも蒼がかわいそうなお姫様なんかじゃなかったし、富田はもっとクラッシャーでもよかった気がする。
読み始め、富田が蒼を略奪して、このただれた関係から救い出す展開を期待してました。全然違った・・・。
圭吾をモデルにした夜空の絵。私はゴッホの『星月夜』をイメージして読んでた。
ただの美しい夜空ではなく、暗くて、でも圧倒的な存在感で見る側を内側に飲みこんでしまうような星空。
どなたかのレビューで『橘紅緒』の『朱い熱』に似てるって読んで、あ~わかるなと思った。
過去に事件があって、時間軸を交差させながら、会話や文脈のあちらこちらに落ちているヒントを読む側が地道に拾い集めていくっていう作業が似ている。
でも、『朱い熱』の方が救いのある終わり方だったと私は思う。
この作品、お互いからは決して離れられない。ずっと一緒にいようというエンディングなのに幸せ感が微塵もない。
一緒に死んでしまおうみたいな話では全くないのだけれど、
漂うのはそこはかとない死の香りというか、このふたりから生の喜びみたいのを一切感じない。
いつ消えてしまっても構わない―みたいな現実世界への執着の無さみたいのが、読む側を暗澹とした気持ちにさせる。
正直あまり好きな話じゃなかった。杉原さん大好きだけど。
『37℃』も読後ちょっとこんな気持ちになったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレかわいい年下の一途で直球勝負な攻撃に理性が決壊してしまう隣のやさしいお兄さんのお話です。『落ちてこいよ、いいかげん落ちてこい、ぼくの腕のなかに』と長年の片恋をまっすぐにぶつけてくる受。対する攻はお世話になったおうちの一人息子、弟以上にかわいがってきた大切な子に手は出せないと長年堪えに堪えてきたという設定。まあ、よくありがちでしょうか。受の子は何度も告白しては玉砕。でも、あきらめきれない受に対して、『恋愛対象じゃない』と拒み続ける。結果的には、攻の方がずっと前から恋愛対象として好きで、でも大切過ぎて今まで受け入れる覚悟ができていなくて押し隠していたっていうオチなんだけど、あんまりそんな気がしなかった。さらっと読んでしまったので、読み込みが足りなかったのかも。
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Posted by ブクログ
ネタバレ個人的に、BLで人外が登場するようなファンタジー系は、敬遠しています。わたしの位置づけではBL自体がすでにファンタジーなので、ファンタジーXファンタジーで異様にドリーミーな展開になってしまうのでは・・・と思えてしまうので。ただ、杉原さんは大好きだし、「世界が終わるまできみと」の怜人のような王子様攻が大好物なので、読んでみました。うん、まあ、嫌いじゃなかったよ。この作家さんは、普通のストーリーを書いても結構ファンタジックな文体ですが、今回は設定そのものがかなりファンタジックなのでよくマッチしていました。攻である『夜の種族』ヴァンパイアの櫂は、ストライクど真ん中。ヴァンパイアって、存在そのものが淫靡な感じでBLにはもってこいだと思います。
本作はかなり分厚くて、恋愛以外のエピソードも多い。ヴァンパイアの他にもオオカミ族とかそれを狩る『狩人』とか、受の子自身も『浄化者』といって不思議な能力を持っていて、そんな人ばかり登場します。そして誰もかれも浮世ばなれした美しさ。当然のことながら、現実味は全くありません。おとぎ話のような美しさを堪能するにはよいかと思います。
個人的に言えば、世界観の中途半端なファンタジーは興ざめする。だから、設定をあまり壮大にしてしまうと途端に陳腐になると考えています。
『夜の種族』そのものはいいアクセントとして、人間と人外は結ばれない・・・みたいなロミジュリ的要素を提供してロマンチック度を盛り上げてくれるから好きだけど、氏族同士の争いとか一族が代替わりするための決闘みたいな大掛かりな設定はむしろいらない気がする。それよりもっと、もっと心理的なものを掘り下げて欲しかったな。生きる屍、永遠の中で生きる孤独、限られた時間を生きる儚い存在への愛情と葛藤みたいな部分に。贅沢いってすみません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主にいい意味で普通のお話です。目を引くような派手さはないけど、ほのぼのアットホームな良質のラブコメ。とにかくブラコン兄の弟溺愛っぷりにニヤニヤ。これといって事件もなく悪い当て馬も登場せず、ただただ兄の盛大な勘違いで話が進行します。年下の攻もよくある『大型ワンコ』系ではなく、クールで飄々としたきれい系です。←こういうの好き。受である壮絶ブラコンのお兄ちゃんは弟の貞操を守るため、身代わりで攻くんとチュッチュッする羽目に陥るのだけど、『同性なのに不思議と嫌じゃなかった』っていうBLテンプレ的な展開です。全体を通して、ほのぼのとかわいい仕上がりなんじゃないでしょうか。
今回はこの作家さんお得意のジレジレも、時に抽象的な例えだな~・・・と思わせる独特な心理描写や風景描写もほとんどありません。うっすら匂いはするけどね。だから、この作家さんのそういうとこが苦手っていう人も読みやすいんじゃないだろうか。
逆に、ポエム全開な杉原作品が大好きなわたしとしては、そのへんが少し物足りなかったな。作中の『甘く殺されそうなキス』って表現がすごく好き。どんなキスだよ