勢古浩爾のレビュー一覧

  • ただ生きる

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    ネタバレ

     人間のために良かれと思った文明の進歩が、結果的にろくでもない世界をつくりだした。富の増大が人間の幸せに関係がないことがわかった。医療の進歩、生活に関する電化製品あたりまででよかった。この辺で文明を止めようとはいかない・・・。勢古浩爾「ただ生きる」、2022.9発行。ほんのちょっとの前向きの意思と、ほんのちょっとの生きがい(愉しさ)があればいいのでは。特に、老いてからの生は「ただ生きる」でいいのではないか。祖谷大歩危の老夫妻の言葉:「金はなくても死なん程度には生きていける」(新日本風土記から)

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    2023年10月08日
  • ただ生きる

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    勢古さんの事を全く知らずに読みました。
    エッセイに登場する人物や事象を拝察すると、なかなかお歳を召していらっしゃる…そんな印象で読みました。

    伊集院さんや養老孟司さん、こちらでしか知れ得ない事から始まり
    テレフォン人生相談や日本の哲学者吉本さん

    人生を良く生き、楽しみ満足するには
    これで良いと言うのが無いのは分かっているのに
    答えを求める人がいるからこの様な本が読まれるのだと思う。

    巻末にある清濁合わせと言うフレーズだってそう
    合わせるから良いと言う人もいれば
    合わせていたら伸びないと言う人もいる
    さて、貴方はどう感じどう生きていく?そう問われたかの様だ。

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    2022年11月23日
  • 定年後に見たい映画130本

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    おススメ映画を教えてくれる本は多いが、そこで紹介されるマニアックな映画だったり、旧い映画ばかりだったりすることがある。また、新しい作品でもどこが面白いのかわからない名作(?)を紹介するような本も多い。映画評論家の本はそんなものが多い。だが、この本は、「そうそう、この映画は面白かった!」というような作品が集められていて、一般人の評価に近く信じられる。まだまだ見ていない作品が多いが、それだけ、これからの楽しみがあるということ。うれしい!

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    2022年07月01日
  • それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり

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    読書は面白ければ良い。守破離の末に筆者が辿り着いた老境ともいえる心境。読書体験と昨今の読書家への容赦ない斬りこみが楽しい読書論。

    読書論的な本は数多くある。だがたいていは格式ばっていてつまらないものだ。本書はあえて理論を語るのでなく、筆者の読書体験にテーマを絞っているところが楽しい。多くの名著に挑戦し途中で挫折したり理解できなかったり、人間味というか共感を持てるところが何より良い。

    本書の中では「第5章読書家たちの読書論を読む」が圧巻。立花隆、丹羽宇一郎、出口治明、齋藤孝、佐藤優、森博嗣、又吉直樹、斎藤美奈子など名だたる読書家に対する容赦ない批評が楽しめる。「東大読書」に対する評価は特に笑

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    2020年05月05日
  • 定年バカ

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    ネタバレ

    数多の定年本とは一線を画す本。表面的には世の中の定年本で進めているマネー、生き方、時間の使い方をバカという言葉で滅多斬りにしているが、実は

    人それぞれの定年の、というよりは、人生の過ごし方があって良い。
    未来のことでもなく、過去のことでもなく、今を自分らしく生きること

    を読書家の著者なりに様々な本の引用を引きながら語る視点が強烈。

    流されないという軸が大事ね。

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    2020年04月22日
  • 日本を滅ぼす「自分バカ」

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    見る人見る人みんな馬鹿馬鹿馬鹿頭おかしいやつばっか、と思っていたので楽しく読ませていただいた。

    58 「おれ」「ぼく」問題は、基本的に女性にはない。その意味では、女は男よりも自由であるといっていい。
    86 悪口の嵐。ごもっとも。
    92 林秀彦は「他社への思い遣りのなさは、人間性の未成熟を最も端的に、露骨に示すもの」といっている。〜就労で苦労している人びとを除けば、だれもかれもが、手取り足取り、おんぶに抱っこで楽にしてもらいたいと思っている。
    94 人間関係においても、曖昧な表現がいまだに支配的であるとはいえ、その反動か、とくに若者のあいだでは、どぎつく下品で、容赦のない、頭の悪い言葉が目立つ

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    2014年10月01日
  • 「自分の力」を信じる思想

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    力には、外へ向く「人を動かす力」と内へ向く「自分を動かす力」の二種類あり、「自分の力」とは後者のことと位置付け、その具体的な力を各章で考察しています。その中でも「生きる力」の章が特に参考になりました。
    自由と豊かさによって「自分」がはじめて自分のものとなったが、今では逆に「自分」が自由に追い詰められ、飽和して、果ては「自分」に飽き、散逸してしまう。生きている実感の無さは命の実感の無さであり、昨今の短絡的で理由の無い事件は「自分」の終焉に関係しているとの指摘は凄く納得。「他人の命は鼻紙一枚のように軽く、その行為によって台無しになる自分の生も軽い」は強く心に残りました。
    総じて哲学的な内容が展開さ

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    2013年01月12日
  • 負けない

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    読むのは四回目くらい?
    これは第二の座右の書、やと考えています。
    普通のことを言うてるようで、それを普通にできている人はあまりいない。
    勢古さんはできないことはできないと言う。できていないこともできていないと言う。そこが誰よりも誠実。
    付箋をびっくりするぐらい使った。
    本当に、強い人です。

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    2012年06月25日
  • 思想なんかいらない生活

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    個々の知識人批判には内容にばらつきがある。竹田、加藤、橋爪、小浜ら団塊四天王については、著者自身も団塊の世代だからかなかなか読める。ついでに言うと著者も含めこの五人は、吉本隆明の思想を最も誠実に対象化し、それぞれ消化した論客たちでもある


    それ以降はゴシップやら難癖成分が濃いが副島批判は完璧に正しいおまけに批判のしかたがいちいち笑えて大傑作

    著者のメッセージはだいたい六章七章に集約されてるがこの前で挫折する確率も高そうだ。そしてもったいない。思い上がった知的大衆に突き付けたい本だが勢古節の本領は毒舌罵詈雑言だけじゃない。勢古の「挫折したインテリ」感が色濃く出てて他の本よりは内容の真情、誠実

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    2010年12月28日
  • 自分をつくるための読書術

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    エッセイのようなところはあるが、現実を真正面からとらえようとしている。池田晶子の本のようで、私としては好きな本に入る。

    自己肥大感と自己卑小感の翻弄 同時並行性。このことを忘れて、社会のウマい側に着いたら、ついていないものを馬鹿にし、着いていなければ訴えるような人間が一番嫌いだ。自己劇化した虚しい行為がまかり通っている。そこには、弱さからくる厭らしさがある。ただし、望む「関係」に対する必死なあがきでもあった。ただし、卑劣さまでなっているものは醜いものだ。所詮、人一人など無に等しい。失敗、挫折、限界などは、否応にも「無」を知ることになる。「無」とうまく付き合うことが人間関係を豊かにして、人生を

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    2009年10月26日
  • 定年後に見たい映画130本

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    自分にも近付きつつある定年後。見たい映画も増えて定年が待ち遠しくなりました。
    しかし、定年を待たずに映画を見る機会を増やしていきたいです。

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    2023年09月07日
  • 無敵の老後

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    自分も前期高齢者に差し掛かるところなので、その通りと思うところが多い。
    歳とって、もう他人のこと、世間は、気にしないと言いながら、これだけは許せないとお怒りのところは、笑ってしまった。

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    2023年05月22日
  • ただ生きる

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    久しぶりに勢古浩爾の本を読んだ。昔に比べるとかなり丸くなったものの、真面目ながらもそこに照れを感じているのか、ときおり真面目さを誤魔化すように挟み込まれるツッコミやユーモアに、逆に真面目さを感じてしまう。市井の人向けの人生論。

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    2023年03月28日
  • それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり

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    我らが凡人と同じ目線での読書論。こうした本を待ってました!
    読書好きなら誰もが感じる、他人には言えない悩み。名作や古典といわれている本がそれほど面白いと思わない、読めば人生が変わるとまで言われる哲学書が難解過ぎて読み進められないなど「趣味が読書」と自他ともに本好きを自称していながら、自分の読解力や感性に問題があるのではと疑心暗鬼のあなたに捧げる凡人のための読書論の登場です。

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    2023年02月23日
  • 定年後に見たい映画130本

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    自由な時間が比較的多く取れる定年後の趣味には、手っ取り早く気軽に楽しめる映画はお薦めである。著者が若い頃は、映画は娯楽であると同時に教養でもあったので、義務であるかのように名画・名作の類もたくさん見たという。でも今は、?見るんだったらおもしろいのが一番?だ。人間ドラマからアクション&ミステリー、老年映画まで、かつての名画・名作も少しだけ織り交ぜつつ、定年後世代の著者が130作品を紹介する!

    観たことがあるのは22本。これから観たい作品がたくさん見つかった。

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    2022年06月22日
  • それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり

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    僕も作者同様、本を読み始めたのが遅かったので、共感するところは多かった。やはり好みは人それぞれ、今は楽しい本、心に沁みる本と出会えれば幸せかな!

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    2022年03月09日
  • それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり

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    出口さんや斎藤さん、佐藤さんやその他諸々の諸氏の書評本をたくさん読んできた。そういう本と比べると、全然気負ってないところが新鮮だった。
    結局のところ、自分の好きな本を好きなように読めば良いし、残存率も血肉になるかどうかも気にしなくても良いんだろうと思う。
    人生はあと三十余年くらい残ってるかもしれないが、本を読めるのはどれくらいあるかわからない。
    自分の場合は次から次へと興味が移るから、なかなか繰り返し読む本はないのだけれど、今年はともかく、来年からは少し減らしてでも、面白かった本をもう一度読んでみるような読み方をしたいと思っている。

    まぁ、それにしても120ページくらいのところで、著者が哲学

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    2020年10月21日
  • 続 定年バカ

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    メルカリ購入
    メルカリ売却

    同類の本を書いている著者を名指しで、ストレートに批判している文章が多く、痛快!
    8割貶して、2割褒めている。
    多くの人には嫌がられるだろうけど、自分の意見をちゃんと言えている著者に憧れた。

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    2020年10月13日
  • 60歳からの「しばられない」生き方

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    定年後にあわてて縛られることがないように、忠告した親切な本といえる。定年以後の人生が長い、これからの世代には耳が痛いところもあるが。

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    2020年09月23日
  • それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり

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    本を読むことは昔から好きだった。両親ともに本を読む家庭で育ったことも影響していると思うが、小さいころから本を読んでいると褒められたんで、次男の狡さで本好きになったと思う。何かひどく不自由したということではないが、それほど裕福な家庭だったわけではなく、おふくろはずっと内職してたから、親にしてみれば、本を読んでてくれれば手がかからずに有り難かったんだろう。
    世界文学全集なんか買ってもらって中学時代からドストエフスキーやトルストイ、カフカを読んだ。きっと十分な理解なんかできてやしなかったに違いないが、周りの友達とはちょっと違うぞと思ってた。やなガキだったんだ。
    「趣味は読書」というのはあるときから止

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    2020年08月04日