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「思想」というものは、私たちの生活に必要なのだろうか?あるいは、思想や哲学が、今のこの状況下の私たちに、果たして有効な何かを示唆してくれるのだろうか?本書では、日本の各方面で活躍中の知識人を片っ端から取り上げて、彼らの思考・表現活動が、いったいどれだけの意味をもち、一般読者大衆にどれだけの影響を与えているのかを考え、「ふつうに暮らすふつうの人びと」の立場から「思想・哲学」を問いなおす。
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Posted by ブクログ
個々の知識人批判には内容にばらつきがある。竹田、加藤、橋爪、小浜ら団塊四天王については、著者自身も団塊の世代だからかなかなか読める。ついでに言うと著者も含めこの五人は、吉本隆明の思想を最も誠実に対象化し、それぞれ消化した論客たちでもある それ以降はゴシップやら難癖成分が濃いが副島批判は完璧に正し...続きを読むいおまけに批判のしかたがいちいち笑えて大傑作 著者のメッセージはだいたい六章七章に集約されてるがこの前で挫折する確率も高そうだ。そしてもったいない。思い上がった知的大衆に突き付けたい本だが勢古節の本領は毒舌罵詈雑言だけじゃない。勢古の「挫折したインテリ」感が色濃く出てて他の本よりは内容の真情、誠実さが劣る印象があるが、しかしやっぱり名著だった
並いる思想家、批評家、哲学者を名指しで罵倒している本です。 竹田青嗣、加藤典洋、橋爪大三郎、小浜逸郎の4人については、社会的現実性を手放そうとしないことをそれなりに評価しつつも、なお思想的・哲学的思弁に終始しており、「生活」している「ふつうの人」にとって彼らの「思想」など何の意味もないと著者はいい...続きを読むきります。柄谷行人、蓮實重彦に対してはさらに手厳しく、柄谷を「ぬけ作」呼ばわりし、蓮實の発言をつかまえて「バカ丸出し」と、いいたい放題です。大澤真幸には「言葉の見栄えを気にしているだけ」、福田和也には「やっていることは贅沢なことばかりなのに、佇まいが貧乏くさすぎる」、姜尚中には「食わせ者」、中島義道、永井均、池田晶子といった哲学者たちには勝手にやってろといった調子です。ついでに副島隆彦のトンデモ本にまで批判の刃は及んでいます。こうした「インテリさん」たちの醜態と対比して、E・ホッファーの生き方や、大岡昇平の嫌味のない知的探究心、そしてS・ヴェイユの真摯さが論じられています。 こう書くと、ただ品のないだけの本のように思われるかもしれませんが、著者の痛快無比な論罵が「芸」になっていてけっこう読ませる文章になっています。もっとも本書は、これまで「思想」とは無縁の「生活」を送ってきたひとに向けて書かれた本ではなく、一度は「思想」の持つ毒気にあてられた読者を対象にした本であることはまちがいありません。人生を豊かにしたり現在の状況を打開するといった役割を本気で「思想」に期待している読者なんているのだろうか、「思想」にこだわっているのはいまや「思想オタク」だけじゃないのか、という疑問もありますが、そんなことよりもなによりも、とにかくおもしろい本でした。そしてもちろん、それで十分であり、それ以外になにかを求める必要などないのでしょう。
第四章が長すぎて挫折しそうになったが(言い回しにもセンスが感じられなかった)どんでん返しを期待して、最後まで読んだ。結果、あの長い批判が功を奏して、最後の作者の伝えたいことが鮮明になったと思う。
蒟蒻問答に自己撞着している知識人批判は痛快だけど、途中でちょっと飽きてきた。ちょっとワンパターンだ。 自分も若い頃に患ったが、知らない事実が世の中には山のようにあるということに気がついたことから始まる、社会的に共有された知性へのコンプレックスってやつが煮え立つ時期があるのは「わかる」んだよな。そし...続きを読むてそれってある程度本を追いかけて集めて読まなきゃおさまらないものなんだとは思う。 「ああ、どうでもいい」という気持ちへ落ち着くまでは無駄なお金を沢山使って、無駄な時間もたくさん使って、しかも最後は全部手放すというか、そういう過程が必要なんだろうか。無駄なことしたなぁ、というか。 また、読みもしない思想本を買って古本屋にたたき売るって……やってることが自分と似すぎてる。その部分は読んでいて、かなりの自己嫌悪に陥ったなぁ。こういうのって誰もが患う「病」なんだろうか。
インテリなんてものの胡散臭さを有名な学者連中の実名挙げてこき下ろす本。 面白いけれども、具体例の部分が冗長な気がします。あれほどくどくど例をあげて説明していくところに、著者自身も同じ穴の狢では?と、(著者の言う)インテリの臭いを嗅ぎとってしまいます。 しかし、この本を読んで、実名挙げられている...続きを読む人物以外で(心当たりがあって)怒り込みあげる人っているんでしょうか? みんな漠然としたものであっても、この本に書いてあるようなこと感じていると思います。書中で標的にされている大学教員たちにしてもその半数以上は、 「私も常々こう思っていたんだよ」 「うん、なかなか面白いね」 と言いそうな気がしてならないです。 そしてきっと、彼らは、セコって人は、ボクみたいに教員になることができなかったからひがんでいるんだ…ルサンチマンだ!なんてごまかして阿Q精神発揮させてるんでしょうよ。自分のやっていることは本当は大したことではないかもしれないと疑いもしないから先生をやり続けていられるってこともあるでしょうから、批判されている側はまったく痛くも痒くもないのかも。書中に職業としての学者がいかにお気楽なものか述べられているけれど、そんな美味しい職に就いた輩が手放そうとするはずがないですものね。 最終的には、この本、そうした学者連中のいいおしゃべりのネタとして消費されていく。 読んでいるとなかなか痛快、面白い。でも、明々白々ごまかすことなく書かれているものだから、却って、おちょくられているのかな?と被害者妄想。(最近、懐疑傾向だ…なんとかせねば) 著者自身が述べているように、学者連中の影響力なんて、今も昔もほんとうは大したことなかった。そういう意味では、この本自体、業界内での内輪もめなのかも。
新書って若者にはとっつきにくい存在ですが、おもしろくて一気に読めます!思想、評論の意味に疑問を持ったことがある方は読んでみてはいかがでしょうか。ふつうの人間の生活が擁護されたっていいじゃないか、思想なんかいらない生活を私たちは実際送っているんですから。
教養と呼ばれるものを少しでも身につけようと、新書などで思想だ哲学だというようなものを読んだりするけど、たしかに分かったような気になって、より深い思慮を得たように感じたり、根拠も無く自分を一段上のレベルに上げられたと思いたかっただけとも思う。 やたらと難解な語句の連なりに理解が進まず、自分の頭の悪さに...続きを読む辟易したりすることも多々あるが、そんなことで頭を悩ます必要なんてないんだと言われてスッキリする感じがあった。 ちょっと長かったけど。。 知的善、無知的善、知的悪、無知的悪の分類とその推移には同感。
これを純粋に「批判書」だと思って読むと著者の思うつぼだと思いました(笑) 批判書であることは間違いないもののやっぱり元の思想家がどういう人たちであるかをかなり詳細に知っている人でないとおもしろさが全部伝わらないので、結局はかなり知ってる人向けです。 ただワンパターンな突っ込みが多いと言うレビューが見...続きを読む受けられますが、それは著者の責任というよりもこの本の俎上に乗せられるような思想家がみんな同じ穴のムジナなのだ、と個人的には思います。結局日本の思想界はみな同じようなことをやってる仲良しグループだってところに問題があるわけで、それを群像劇のように書き出しているのがこの本だ、と思います。
[ 内容 ] 「思想」というものは、私たちの生活に必要なのだろうか? あるいは、思想や哲学が、今のこの状況下の私たちに、果たして有効な何かを示唆してくれるのだろうか? 本書では、日本の各方面で活躍中の知識人を片っ端から取り上げて、彼らの思考・表現活動が、いったいどれだけの意味をもち、一般読者大衆にど...続きを読むれだけの影響を与えているのかを考え、「ふつうに暮らすふつうの人びと」の立場から「思想・哲学」を問いなおす。 [ 目次 ] 第1章 知識人にご用心 第2章 「ふつうの人」、インテリに叱られる 第3章 いったいなんのための思想か 第4章 インテリさんがゆく 第5章 本は恥ずかしい 第6章 勝手に「大衆」と呼ばれて 第7章 思想なんかいらない生活 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
・知を得ることに対して盲目的に価値を認めがちな私にとっては、 頭を少し冷やしてくれる効果を持つ本ではありました ・が、ただ単に延々と屁理屈が並ぶ本といえないこともない ・思想関係の書の一部分を抜いて「ほら分かりにくいでしょ」 って当たり前じゃん。 前後の文脈がないんだからさ。 ・だから、単純...続きを読むに突っ込みを楽しむ本として見た方がいいかな ・あとがきの 「吉本隆明だけは違う」というので「え!」と思ったのは きっと私だけではあるまい。 要するに、思想がいらないんじゃなくて、 役に立たない思想がいらない、って言ってるだけなのよね…。
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思想なんかいらない生活
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