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オレは修羅場を踏んできたと大物ぶる者、過ちを認めずに開きなおる者、弱音を吐いて同情を誘う者、仲間が集まると急に気が大きくなる者――自分に酔って恥じることなき懲りない人々。「自分」という酒にうっとりするためなら、他人の感情なんて気にせず平気で蹴落とす。なぜなら自分は特別なのだから、と妄想的なのぼせ酔い。なにを根拠にそこまで下品になれるのか。先に酔った者勝ちだといわんばかりに、ますますオダをあげる彼らとどうつきあうか。他人の“酔態”見て、わが“酔態”直せ! 現代「自己陶酔」白書。
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Posted by ブクログ
自我を持ってしまった人間は、「自分」に酔わずにはいられません。人間は自分に「ほろ酔い」でなくては生きていけないのだと、著者はいいます。しかし現代の日本人は、ほろ酔いの「自分」の上に、資産、地位、権力、知名度といった資本主義的自我を積み上げて、二階建ての「自分」に酔ってしまっています。こうして、現代の...続きを読む日本は「自分様」たちであふれかえることになったと著者は嘆いています。 個人的におもしろいと思ったのは、ひろさちやに対する批判をおこなっている箇所でした。ひろは、「苦しみを楽しむことができれば、あなたの人生はすばらしい人生になります」と述べますが、これに対して著者は「これらの言葉は、どこか上滑りしているように感じられてならない」と反論しています。そのうえで、もしも自分の人生が八方ふさがりになったらどうするだろうかと自問して、「たぶん、死ぬであろう」と述べます。「人の死は悲しいが、自分の死は悲しくもなんともない」とも述べています。そうして、「けれど、とりあえず、今日もタバコがうまいのである。コーヒーもうまい。空は青い」と著者はみずからの立脚点を語ります。 これは、ひろの考えと似ているようで非なるものだと考えます。ひろが言うのは、たとえ目的を達することができなくても、その過程を楽しむことができればよい、ということなのですが、そうした言い方がすでに過程を目的化してしまっていると言わなければなりません。著者の考えはこれとは異なります。「けれど、とりあえず、今日も空が青い」というのは、この世界に絶望した者のところへ、思いがけず世界から届けられた贈り物なのでしょう。そうした純粋な喜びを享受をすることと、日常のささいな事柄に幸せを見いだすことを目的にして生きようとすることとは、まったく別のことだと言わなければならないでしょう。 似たような議論がくり返されていて少々退屈もしましたが、この箇所に出会えただけで、自分にとっては本書を読んでよかったと思えました。
本を一冊書くにはちょっとくどいかなという印象 ロバート・B・パーカーの「初秋」はちょっと読みたくなった
最近、著者の本を多く見かけるようになったなと思いましたが、執筆業一本になられたのですね。知りませんでした・・・。ロバート・B・パーカーの作品からの引用があるのに、ちょっとびっくり。
歯に衣着せぬ勢古さんの話は結構好き。けど「この俗物が!」と「まれに見る馬鹿」ほど印象に残らなかった。
毎度おなじみ、自己愛の化物と化した現代人への徹底的な罵倒の書。 本来は他人に強要できるはずもない「自分への愛(自分を知って欲しい、認めて欲しい、共感して欲しい、愛して欲しい、嫌わないで欲しい、批判しないで欲しい)」が肥大しておかしな事になっちゃってる状態を、「ほろ酔い」「やけ酒」「泪酒」等、酒による...続きを読む酔態に例えて述べるという。 「『酔う』とは自己批判力の減衰」(28頁)――…… はい。耳が痛すぎます。 自分を客観視できなくなるから、言わなくていい事言ったりやらなくていい事やったり、言わない方がいい事言ったりやらない方がいい事やったり……ああああああっ!!(思い出し絶叫) 酒にも自分にも「酔う」のは相当気持ちいいもんですが、グデングデンに酔い潰れたバカ達のみっともなさをこれだけ突きつけられると、酩酊への欲求よりも「こうはなりたくねえな」という思いの方が勝ります。 勢古氏自身がお酒を嗜まない方だそうで、バカ描写はいつもにも増して辛辣ですが、いや、これくらいハッキリ言われなきゃ解んないんだ。特に私のような人間は。 現在進行形で泥酔している人よりも、泥酔者に迷惑をかけられた人が溜飲を下げるのにオススメです。
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