勢古浩爾のレビュー一覧
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並いる思想家、批評家、哲学者を名指しで罵倒している本です。
竹田青嗣、加藤典洋、橋爪大三郎、小浜逸郎の4人については、社会的現実性を手放そうとしないことをそれなりに評価しつつも、なお思想的・哲学的思弁に終始しており、「生活」している「ふつうの人」にとって彼らの「思想」など何の意味もないと著者はいいきります。柄谷行人、蓮實重彦に対してはさらに手厳しく、柄谷を「ぬけ作」呼ばわりし、蓮實の発言をつかまえて「バカ丸出し」と、いいたい放題です。大澤真幸には「言葉の見栄えを気にしているだけ」、福田和也には「やっていることは贅沢なことばかりなのに、佇まいが貧乏くさすぎる」、姜尚中には「食わせ者」、中島義道 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎度おなじみ、自己愛の化物と化した現代人への徹底的な罵倒の書。
本来は他人に強要できるはずもない「自分への愛(自分を知って欲しい、認めて欲しい、共感して欲しい、愛して欲しい、嫌わないで欲しい、批判しないで欲しい)」が肥大しておかしな事になっちゃってる状態を、「ほろ酔い」「やけ酒」「泪酒」等、酒による酔態に例えて述べるという。
「『酔う』とは自己批判力の減衰」(28頁)――……
はい。耳が痛すぎます。
自分を客観視できなくなるから、言わなくていい事言ったりやらなくていい事やったり、言わない方がいい事言ったりやらない方がいい事やったり……ああああああっ!!(思い出し絶叫)
酒にも自分にも「酔 -
Posted by ブクログ
蒟蒻問答に自己撞着している知識人批判は痛快だけど、途中でちょっと飽きてきた。ちょっとワンパターンだ。
自分も若い頃に患ったが、知らない事実が世の中には山のようにあるということに気がついたことから始まる、社会的に共有された知性へのコンプレックスってやつが煮え立つ時期があるのは「わかる」んだよな。そしてそれってある程度本を追いかけて集めて読まなきゃおさまらないものなんだとは思う。
「ああ、どうでもいい」という気持ちへ落ち着くまでは無駄なお金を沢山使って、無駄な時間もたくさん使って、しかも最後は全部手放すというか、そういう過程が必要なんだろうか。無駄なことしたなぁ、というか。
また、読みもしな -
Posted by ブクログ
インテリなんてものの胡散臭さを有名な学者連中の実名挙げてこき下ろす本。
面白いけれども、具体例の部分が冗長な気がします。あれほどくどくど例をあげて説明していくところに、著者自身も同じ穴の狢では?と、(著者の言う)インテリの臭いを嗅ぎとってしまいます。
しかし、この本を読んで、実名挙げられている人物以外で(心当たりがあって)怒り込みあげる人っているんでしょうか?
みんな漠然としたものであっても、この本に書いてあるようなこと感じていると思います。書中で標的にされている大学教員たちにしてもその半数以上は、
「私も常々こう思っていたんだよ」
「うん、なかなか面白いね」
と言いそうな気がしてなら