【感想・ネタバレ】日本を滅ぼす「自分バカ」のレビュー

あらすじ

自分らしく生きたい――老若男女を問わず日本人の心をとらえる魅力的な言葉。でもそこから生まれたのは、自分さえよければ他人なんてどうなってもいい「自分バカ」。モンスターペアレント、クレーマー、ネットいじめ……。品格ブームとはうらはらに、品も規範も責任感ももたない「自分病」が蔓延している。結局、イヤなことはやらずに好き勝手に生きたいだけの“子ども”ではないか!?他人を傷つけなければ存在を証明できない不安な「自分」。現代日本を埋め尽くす不機嫌のオーラに特効薬はあるのか? なんて疲れる日本人。電車の奥から一言も発せず強引に降りようとする、タクシー代がばかにならないからと救急車を呼ぶ、娘の遠足の写真うつりが悪いと学校に怒鳴り込む、「なんで自分ばかりがつらいのか」と人殺しに走る、決まって口にするのは「だれにも迷惑かけてない」、これが「自分らしさ」の成れの果て!? 日本人の自分はどうなってしまったのか?

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Posted by ブクログ

見る人見る人みんな馬鹿馬鹿馬鹿頭おかしいやつばっか、と思っていたので楽しく読ませていただいた。

58 「おれ」「ぼく」問題は、基本的に女性にはない。その意味では、女は男よりも自由であるといっていい。
86 悪口の嵐。ごもっとも。
92 林秀彦は「他社への思い遣りのなさは、人間性の未成熟を最も端的に、露骨に示すもの」といっている。〜就労で苦労している人びとを除けば、だれもかれもが、手取り足取り、おんぶに抱っこで楽にしてもらいたいと思っている。
94 人間関係においても、曖昧な表現がいまだに支配的であるとはいえ、その反動か、とくに若者のあいだでは、どぎつく下品で、容赦のない、頭の悪い言葉が目立つようになった。〜人を肯定する言葉はほとんど皆無で、「死ね」「ウザい」「きもい」などの極端な否定表現ばかりである。
98 精神の安息場として、家族は存在するだけで意義があるのだが、それすらもなくなるのであれば、もはや家族には存立する意味もないのである。
127 男たちは、自分の自尊心の取り扱い方ばかりを気にかけているのだ。舐められてたまるか、おれの力を世間に見せてやる、というように。
263 これ以上のものは、もう何もいらない=金のオニギリをパクパク食べる

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2014年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「自分」というものがあるから生きていける。夢と希望の源泉。でも、その一方で、同じ「自分」が厄介の根源ともなる。品格ブームとうらはらに、自分さえよければ他人なんてどうでもいい という風潮が。モンスター、クレーマー、ネットいじめ・・・。好き勝手に生きたいだけの「自分病」。自分病に陥らないためには: 本能(自然)と理性のバランス、人間としての自我、民俗的(文化的)自我=国民性、個人的自我(個性)について説明されています。論旨はわかりますが、難しい話でした。勢古浩爾「日本を滅ぼす自分バカ」、2009.5発行。

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

文字通り、自分に拘る人たちについて綴った一冊。

分析というよりは勢古浩爾のエッセイという感じ。

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2016年01月09日

Posted by ブクログ

かなり昔に読んだのを、今回再読。
好きな著者の本を読み続けていると、おなじ本でも「読め方」が変わってくるのがとてもおもしろい。
自分がこうなったのは他の責任でもあるが、それでも責任を取るのは自分でなければならない、というのが、なるほどだから勢古さんはこうなのか、と思った。
でもこの本は、さすがに愚痴っぽいと思えてしまってあまり好きではないかな。やっぱり勢古さんは、人生論がいい。

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2014年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
自分らしく生きたい―老若男女を問わず日本人の心をとらえる魅力的な言葉。
でもそこから生まれたのは、自分さえよければ他人なんてどうなってもいい「自分バカ」。
モンスターペアレント、クレーマー、ネットいじめ…。
品格ブームとはうらはらに、品も規範も責任感ももたない「自分病」が蔓延している。
結局、イヤなことはやらずに好き勝手に生きたいだけの“子ども”ではないか!?他人を傷つけなければ存在を証明できない不安な「自分」。
現代日本を埋め尽くす不機嫌のオーラに特効薬はあるのか?
なんて疲れる日本人。

[ 目次 ]
第1章 「自分らしさ」とは何か
第2章 日本人の「自分」は脆い
第3章 日本列島の温室育ち
第4章 世界の中心で「自分」を叫ぶ
第5章 こんな「自分」にだれがした?
第6章 自分病は治癒できるのか
第7章 簡素な生活、高潔な思考

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月23日

Posted by ブクログ

ヒトラー率いるナチスは我が民族を優秀と考え、民族浄化(なんて酷い言葉だろう)を行った。来年、サッカーワールドカップが開催される南アフリカ共和国では、およそ20年前まで、白人(という言い回しも好かぬ)による人種隔離政策がまかり通っていた。

昨今、押しの強い生き方というか、人間関係において、隙あらば他人よりも優位に立とうとする、狡猾さのある者が優れているかのような風潮にある気がする。それを欧米型の価値観だと一括りにするのは乱暴かもしれない。しかし、どうにも頭が消化しきれない。グローバリズムの波がどどっと押し寄せて、日本人の価値観は欧米の波にあっという間に飲み込まれたような印象を受ける。変わることは必ずしも悪ではないし、変えないこともまた必ずしも善ではない。単純に是か非かの2つに、すっきりと分けられるような世界ではない。

世界の中心で叫ぶのは愛などではなく「自分」。世の中、なんだかぎすぎすしているように感じてしまうのは、日本人の多くが「我が我が」を大熱唱している我利我利亡者になってしまっているからかもしれぬ。個人がめいめい自分の利害だけしか考えずに動けば、他人に迷惑をかけるのは当たり前である。そんな個人が増加しているのかもしれない(あまり他人のことばかり言えないけれど)。日本人は無宗教ではない。「自分教」というトンデモ教の信者がたくさんいるではないか。

とまあ、そんな感じのことを書いた本であり、実際はもうちょっと過激な書き方をしているのだが、いずれにせよ、勢古浩爾氏の書くものは、どれもこれもセコくてくだらないのである。くだらないけれど、たまにはこういうオッチャンのボヤキに付き合うのも悪くなかろう。大概の日本人なら、薄々、感づいていることなのだから。氏の著書はたくさんあるので、1冊くらいは読んでたもれ。

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2010年12月19日

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