谷沢永一のレビュー一覧

  • 回想 開高健

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    ネタバレ

    開高健が亡くなって2年後の「新潮」(1991年12月号)に一挙掲載。
    谷沢永一は、天王寺中学では開高の1級上だったが、知り合ったのは大学生になってから。開高は、谷沢の主宰する同人誌「えんぴつ」に参加した。住んでいたのが近所だったこともあり、頻繁に行き来するようになった。本書には、合評会の様子、開高の原稿、絶交事件、開高の寿屋勤務、東京に出るまでのことがとくに詳しく書かれている。開高20歳~26歳、メジャーデビューするまでの芽吹きの大阪時代に相当する。
    同じく「えんぴつ」に参加していた牧羊子については、よい印象では書かれていない。開高への彼女のアプローチ、妊娠と結婚。谷沢は、開高が彼女のしかけた

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    2025年05月13日
  • 孫子 勝つために何をすべきか

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    渡部昇一、谷沢永一、知という知の巨人たちが「孫氏」を語る。知識があるだけでなく、それをどう活かすべきかについて、太平洋戦争に例を取りながら解説している。それが会社の経営にも通じるところが多分にあってとても勉強になる。参考にしたいと思うところが多すぎるので自分にとって戒めになる3つだけ。
    ■兵は詭道なり…正直なだけでは生き抜けない
    ■主は怒りを以って師を興すべからず…一時の感情で行動を
     興すな
    ■半ば済らしめて之を撃たば利なり…宋襄の仁(ええかっこ
     しい)では勝てない。

    年初に読んだ高橋是清の本に出てきた、日露戦争時に日本に金を貸してくれたユダヤ人投資会社クーン・レーブが1940年に日本に

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    2024年02月21日
  • 孫子 勝つために何をすべきか

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    谷沢永一(1929-2011)、渡部昇一(1930-2017)による孫子の解釈。2003年の初版。孫子を紐解きながら、大東亜戦争、太平洋戦争の振り返る点で、他の孫子本と趣を異なるものとしている。大東亜戦争を昭和の世代、特に昭和の賢人がどのように振り返ったのか、を知ることができる。
    地政学的に日本とアメリカの関係は先の大戦から変わっておらず、世代が変わっても、同じことが起こりうる。残すべき良書である。

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    2024年02月03日
  • 孫子の兵法 勝ち続けるために何をすべきか

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    以前読んだ本が「孫子の兵法」が基になっているとあったので読んでみました。第二次世界大戦をさらに紐解いて読める本になっていたと思います。「卒を視ること嬰児のごとし。」子どものことを考えながらも締めるとこは締めるというのはまさしく必要なんだなと思います。

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    2019年11月22日
  • 人間通になる読書術・実践編

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    ある意味斬新なブックガイドといっても
    過言ではないことでしょう。
    なにせ「読まなくていい」
    と明言してしまっているのですから。

    この本が面白いのは
    まじめな本ばかりではなく
    推理小説が出てくること。
    片方はそこそこ有名ですが
    もう片方はあまり有名にはなりませんでした。

    ほとんどはお堅めだけれども
    それでも、よくよく噛み砕いていくと
    現代でも当てはまる要素があるんだなと
    感じてしまいました。

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    2017年01月09日
  • 紙つぶて(完全版)

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    この本は一生の友になる。師になる。

    全部の書評が理解できるレベルに今の自分はないが、著者の批評する力、気迫、特に時に馴れ合いに陥っている◯◯学会に対する怒りには、鬼気迫るものを感じる。

    本書で取り上げられている本を、生きている間に何冊読めるか分からないが、本書をバイブルとして豊かな人生を送りたい。

    本書で何度か取り上げられている森銑三、宮崎市定、内藤湖南、徳富蘇峰。まずは気になった衒学の哲人の著作を理解できるようになりたい。

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    2016年07月09日
  • 聖徳太子はいなかった

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    2006年8月21日に読んでいます。
    再読中。
    (2013年10月16日)

    これは、お薦めです。

    引用したところにある、佐藤弘夫『偽書の精神史』を
    読み返したくなりました。
    (2013年10月19日)

    3回目、読みました。
    (2015年05月16日)

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    2015年05月17日
  • 回想 開高健

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    古本で購入。

    小説家・開高健と評論家・谷沢永一との、40年にわたる友情の物語。
    昭和25年の大阪にある語学塾での出会いから、平成元年の開高の病死による別れまでを描く。

    「士は己を知る者のために死す」
    という言葉があるが、著者の開高に対する想いは
    「士は己を知る者のために生きる」
    とでも言えるかもしれない。

    ひとりの傑出した男から限りのない信と情を寄せられ、己のすべてを肯定され、期待され、必要とされる。
    その篤い信頼をこれ以上ない喜びとし、想いに応え、己の人生は多幸だったとする。男の死以降は余生であるとする。そんな友情がどれだけあるだろう。
    彼らの友情は決して狎れあいでも依存でもない、共

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    2013年08月31日
  • 山本七平の智恵 日本人を理解する75のエッセンス

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    日本という国、国民、民族の性質を解き明かす山本七平(イザヤ・ベンダサン)の多数の著述からその主張を読み解く解説書。

    山本七平の書籍は多少難しいかもしれないが、それをわかりやすく分類し、著者の考え(かなり保守的な考えであるのだけれど)も加えながら解説している。

    日本、日本人の特徴を外国との比較ではなく浮き上がらせている。もちろん、そういう見方もできるという一面であることは確かだが、非常に納得させられる内容ばかり。

    日本社会で生きていくコツのようなものも多いし、日本の歴史・文化を読み解くための参考書としても秀逸である。必読書。

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    2012年12月16日
  • 人間通になる読書術・実践編

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    第?部は、おすすめの本のエッセンスが、かなりコンパクトに、しかも多数の本についてまとめられていて、それらを読んでいるだけでも楽しいが、第?部の中身には、本好きな人、読書人にとって、なるほどと思わせることが書かれていて、ここを読むだけでも、納得でき、元気が出て、また頭も整理できる。

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    2009年10月04日
  • 日本人の論語(上) 『童子問』を読む

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    江戸時代の儒者、伊藤仁斎の童子問を谷沢先生と共に読む。

    伊藤先生の講義を谷沢先輩を通じて講義されているような錯覚を覚える。

    伊藤先生の優しさ、学問に対する厳しさを感じる。

    先生の教えは実生活にそのまま応用できる。

    江戸時代と現代が繋がる瞬間である。

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    2009年10月04日
  • 嫉妬の正体

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    どんな人でも嫉妬するし、嫉妬からは逃れられない。
    でも少しでも嫉妬の炎を小さくするためには「謙虚」であることが大事

    それは嫉妬する側でもされる側でも同じで、謙虚であることで嫉妬の程度を小さくしてくれるのだと思います

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    2025年10月23日
  • いじめを粉砕する九の鉄則

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    「やられたらやりかえせ」「死ぬならいじめっこの軒先で死ね」
    万人する意見ではないだろうけど、納得感があった。たしかにいじめを善悪で考えるのは違うよな

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    2017年03月12日
  • 孫子 勝つために何をすべきか

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    宋襄の仁への戒め。
    情に流されることなく、数字・算盤で我が身を守る。
    君主論、韓非子に通じる冷徹さを備えてこそ、成し遂げられる仁がある。

    勝敗には運もあるが運を引き寄せるのは、げん担ぎで勝負は変わらない。

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    2016年06月04日
  • 回想 開高健

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    著者が、開高健との40年に渡る交流を回想した本。初対面のときから強烈な印象を著者に与え、きらめく才能によって著者を魅了し続けた開高という小説家の人物像が生き生きと描き出されています。

    いかにもエネルギッシュな風貌にふさわしい、若き日の開高の豪快なエピソードや、その無邪気な人柄も語られていますが、それ以上に、狙い定めたところへぴたりと当たる言葉を、寸言ではなく大量に降り注ぐ開高の人物像が鮮やかに描かれていて、おもしろく読みました。

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    2015年06月12日
  • 聖徳太子はいなかった

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    日本近代文学が専門の著者が、聖徳太子の実在を否定する日本古代史研究の成果を一般の読者に向けて解説した本です。

    持統天皇と藤原不比等が体制イデオロギーを強化するために日本書紀を編纂したという説は、日本史研究のアカデミズムから外れたところに位置する上山春平と梅原猛によって広く知られるようになりました。その後、大山誠一によって主張された聖徳太子の実在を否定する説が、テレビ番組などで紹介され、人口に膾炙するようになってきました。本書もまた、そうした政治的な意図によって聖徳太子にまつわるさまざまな伝説が作られたという立場に立っています。

    講壇っぽい語り口で読者に親しみやすいように工夫がされているので

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    2015年06月12日
  • 日本人の論語(下) 『童子問』を読む

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    仁斉は「論語」「孟子」を学べば六経、「中庸」「大学」も学ぶ必要はないと言います。論語、孟子をさらに深く学ぶにはよいのでしょうが、私の不勉強で理解力は低いと思います。しかし幾つか心に刻んだ言葉があります。そのひとつ「反求」「仁者の態度は射術と似たところがある。矢が的に当たらなければ他人を責めずに却って自身を責めるからだ」など、「童子門」にはまだまだ私の理解していない部分が多くあります。又論語、孟子を読んではここに帰ってきたい本です。

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    2010年02月21日
  • 日本人の論語(上) 『童子問』を読む

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    伊藤仁成の童子問を解説。論語と孟子が儒学の基本みたいに書かれています。仁は徳の最高位だと言います。情は源から発する泉のごとし。恕(じょ)はつまり思いやり、仁は徳を備えたものでないと達しえない、しかし一件の恕を行えば一件の仁を、二件の恕を行えば二件の仁を体得できる。仁を求めるには恕が一番の近道。まごころから出た行動でそれが公益を生めば仁と言える。理解度は多分10%以下だと思いますが、この本から仁について少し学びました。

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    2010年02月13日
  • いじめを粉砕する九の鉄則

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    「今のいじめについて世間一般で言われている見方が妥当であると思う人は決してこの本を手にとらないでいただきたい。」まえがきの最初に書かれていた言葉。読んでみて、確かに、と思った。一貫して遠慮などせず、バシバシ言及している。理想論をぶった切っている。がしかし、的をついている内容。いじめをなくそうとするのではなくあるものとした上で、どう対処すべきかなどについて書かれている。若干言いすぎだろという点もあり、学校現場でこの本の通りを実行すれば瞬く間に懲戒免職だろうが、理論だけでも頭に入れておく価値があると思う。刺激的な一冊でした。

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    2009年10月04日
  • 孫子 勝つために何をすべきか

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    有名な【孫子の兵法】の解説書。
    「戦わずして勝つ!」など孫子の戦法が書かれていて面白かったです。孫子がちょっと気になる程度の興味がある人にはおすすめ。

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    2009年10月04日