鈴木智彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ヤクザときどきピアノ」(鈴木智彦)
届いてからずっと読みたかったけど、他にも読まねば本等があり、手がつけられてなかった。
やっと読めた。
ヤクザの世界のルポルタージュを専門に書いていた作者が、ピアノへの想いを断ち切れずに50歳を超えてから「ダンシング・クイーン」を弾くためにピアノを習い始め、弾けるまでに至る過程を描いたエッセイ。
「ピアニストの多くは師弟関係を築くので、〜〜。ドイツでもっとも大きな系譜の、ヤクザでいえば初代組長にあたるのが、〜〜ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンである。」
ユニークな表現に笑ってしまった。
ピアノへの愛、弾くことを習い始めてからの数々の感動体験、楽しくなる本だった。 -
Posted by ブクログ
税金で買った本という漫画の中で登場していた本で、興味深かったので読み始めました。
ピアノの先生とヤクザ潜入で培われた独特な言葉の言い回しが非常に格好が良く感じました。
「練習すれば、弾けない曲などありません」
「我々が世界に一つだけの花であるなら、才能も状況も全員が違う。その点を、無視する自己啓発本は本来ただの気休めにすぎない」
また、レイコ先生に注意された「通しで練習するのはちょっとにしてね」の理由にハッとする感覚があった。
何度も同じ場所で間違うと脳が間違いを記憶してしまうことと、通してばかり弾いていると楽譜の最初だけかず多く繰り返すことになり、前半と後半で練度に差が出て後半がメタメタになるという事態になりやすい話は、身に覚えがとてもあり為になるなと関心した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ強面な中年ヤクザライターが映画のピアノ演奏に感動してピアノを学ぶノンフィクション。
すでに字面だけで面白い。
また、中年ヤクザライター鈴木氏と対で描かれるピアノ講師もまたキャラが強い。
若くて美人なお嬢様なレイコ先生だが、鈴木氏の
「『ダンシング・クイーンが弾けるようになるか?」
という質問に対して、
「練習すれば、弾けない曲などありません」「ピアノ講師に二言はないわ」
とスパッと返す。
レイコ先生でなければ鈴木氏という熱量のこもった生徒を受け止めきれなかったのかもしれない。
文章もいちいち面白い。
ピアノの話なのに、表現のベースが極道なのがギャップが大きすぎる。
ピアノ演奏で受けた感動を本物の銃弾で撃たれた衝撃で例えるのは世界広しといえどもこの人くらいでは?
ただ、決して突飛な表現だけでなく、ヤクザライターとして鍛え上げられた文章力は本物で、表現にはドスが効いているのにどこか軽妙で最後まで楽しめた。
私は鈴木氏がピアノを学ぶ姿を読んで新しいことに取り組み、努力する姿がとてもよいという姿に改めて感動した。
昨日別の本で青春をロシア語学習に捧げたノンフィクションを読んだばかりだが、本書はそれを別の視点で教えてくれた。
年始にこの2冊を読むことが出来たのはとても良かったと思う。
今年は何か1つのことを取り組みたい。
■読書きっかけ
積読チャンネル -
Posted by ブクログ
「ドを押す。音が鳴る。」
ピアノ経験がほとんどない50代著者が、数ヶ月先の発表会を目指して『ダンシングクイーン』に取り組む。
ヤクザ取材ばかりしてきた作者が、発表会までの様子を軽妙に描いてますが、この作品は発表会の演奏をYouTubeで観ることで完結する気がします。
ピアノをやったことがある方なら、色んなワードが刺さる…
「練習すれば上手くなる。練習しなければ一切上達しない。やればできる。やらねばできない。そして、練習しない言い訳にはなんの意味もない」
「他人の技量に恐喝される必要はまったくない。他人がどれだけ上手に弾いても、引け目を感じる必要はない。」
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Posted by ブクログ
音楽の棚にありました。このタイトル見た瞬間に手に取るでしょ。
ヤクザな方ではなく、ヤクザを取材する側の方。
ヤクザ専門誌の編集長の経験もある、フリーライター。
子どものころからあこがれ、でもずっと諦めていたピアノを弾くということを、
50になってから叶える。
大きな本を書き上げたライターズハイの時に出くわしたABBAの『ダンシングクイーン』。
それを弾くために、ピアノ教室を探し、自分に合う先生に出会い、練習を重ね、発表会に出る。
陳腐な表現ですが、何かを始めるのに年齢は関係ないんですよね。
好きの原動力に、年齢を重ねたからこその経験値。
思うように体で出来なくても、頭では、できる可能性を広げるための策が分かるし、
時間の配分などを判断する余裕がある。見えるものが広い。
知っているようで知らない、グランドピアノと他のピアノとの音の違いや
他の楽器とは違うピアノならではの性質、練習方法や難しさ、
初めて教わり、経験することで知ること。
それをちゃんと言葉に置き換えてくれるのが面白い。
先生のスポ根的情熱(ちゃんと生徒に合わせている)による指導と
何事も新鮮に受け止め、喜び、学んでいく著者の関係がすごくイイ。
力で従わせるような、子どもがピアノを嫌いになるようなやり方ではなく、
好きの気持ちを引き上げ、焚き付け、冷静に判断する対応がカッコイイ。
筆者が、楽しみにしている練習に行けない理由が、
神戸の組の抗争事件の取材だとか、
先生の出すピアノの音の衝撃を表すのに、
防弾チョッキをきて至近距離で撃たれた経験を出してくるとか
ギャップがありながらリアルな記述に爆笑する。
やりたいことがあるなら、やればいい、
シンプルなメッセージがストレートに伝わる。
あっという間に読めます。オススメ。 -
Posted by ブクログ
●対談なのでサクッと読める。
●2人ともその道の取材のプロなのでエピソードが面白すぎる…
●地下に犯罪が潜っていく怖さはあるんじゃないかなあと思いますね。知らないってのが一番怖い。
●結局、近づかないのが一番だし、こんな書籍で好奇心を満たすぐらいが丁度いいんだ…
●警察とマスコミと暴力団、政治家、どれも魑魅魍魎な世界な気がするなあ。まあ、あれとこれとが裏で繋がっている!なんてわからないし、証拠だってないんだから陰謀論の域を出ないけれど、やっぱり人間は興味が湧くんだよなあ。
●任侠映画はわりと好きなんですが、あれは幻想ってことなんだなあ… -
Posted by ブクログ
鈴木智彦『サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』小学館文庫。
日本の食文化の背後にある大いなる闇に迫ったノンフィクション。先に読んだ『ヤクザと原発』よりなかなか面白い始まりだったが、尻すぼみに終わる。始めは体当り取材が主体だったが、次第に伝聞や過去の歴史が中心となるのだ。
文庫化にあたり「サカナとヤクザ」の歴史と現状を追加取材し、『“魚河岸の守護神”佃政の数奇な運勢』『密漁社会のマラドーナは生きていた』を書き下ろし収録。
水揚げされるアワビの約半分が密漁という驚きから始まる。アワビの他にウニ、サケ、ナマコ、シラスウナギなと高級魚が密漁の対象となり、100億円規模という暴力団の巨大な資金源となっているというのだ。しかも、地元の漁師などと手を組み、様々な工作を行い、かなり組織化されているのだという。
確かに三陸でアワビの密漁団逮捕というニュースはたまに目にするし、三陸沿岸には密漁監視の小屋や施設がある。夜中になると沿岸をサーチライトが照らし、他県から来たワゴン車のチェックなどもあったりするのだ。
著者は密漁の実態を調査するために築地市場にアルバイトとして潜入し、さらには密漁団に密着する。また、今や密漁にも国際化の波が押し寄せているようだ。
本体価格890円
★★★★