鈴木智彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者の人物像が、ピアノの体験記を書きそうな平均的な人物像から大きく離れていて、非常に面白く読めた。(ふだん、著者はヤクザもののルポライターをしているらしい)
著者は至ってまじめな筆致で書いているが、可憐な先生との会話をヤクザ的な表現で表すのが新鮮でおかしくなってしまう。
私はアラサーからピアノを始め、いまはしばらく稽古をしていない状態だが、序盤は筆者の言っている言葉の意味が非常にわかった。ピアノと音楽に気持ちを集中して、頭と体を動かすのは気持ちがいい。ABBAのダンシング・クイーンを引き始めたあたりから、まだわからない感覚の話が出てきて、筆者に抜かされたな!と思った。
私は周りにピアノを弾ける -
Posted by ブクログ
●対談なのでサクッと読める。
●2人ともその道の取材のプロなのでエピソードが面白すぎる…
●地下に犯罪が潜っていく怖さはあるんじゃないかなあと思いますね。知らないってのが一番怖い。
●結局、近づかないのが一番だし、こんな書籍で好奇心を満たすぐらいが丁度いいんだ…
●警察とマスコミと暴力団、政治家、どれも魑魅魍魎な世界な気がするなあ。まあ、あれとこれとが裏で繋がっている!なんてわからないし、証拠だってないんだから陰謀論の域を出ないけれど、やっぱり人間は興味が湧くんだよなあ。
●任侠映画はわりと好きなんですが、あれは幻想ってことなんだなあ… -
Posted by ブクログ
鈴木智彦『サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』小学館文庫。
日本の食文化の背後にある大いなる闇に迫ったノンフィクション。先に読んだ『ヤクザと原発』よりなかなか面白い始まりだったが、尻すぼみに終わる。始めは体当り取材が主体だったが、次第に伝聞や過去の歴史が中心となるのだ。
文庫化にあたり「サカナとヤクザ」の歴史と現状を追加取材し、『“魚河岸の守護神”佃政の数奇な運勢』『密漁社会のマラドーナは生きていた』を書き下ろし収録。
水揚げされるアワビの約半分が密漁という驚きから始まる。アワビの他にウニ、サケ、ナマコ、シラスウナギなと高級魚が密漁の対象となり、100億円規模という -
Posted by ブクログ
ヤクザの取材を専門とする記者が、ヤクザについて語ったもの。15年にも及ぶ取材歴をもち、ヤクザに密着しながらさまざまな経験をしており、説得力があるとともに興味深い。ヤクザの実際の姿を知らない者にとっては、内容の真偽を判断することはできないが、著者の積極的な取材方法や正直な語り口から、そのほとんどは真実を語っており、核心をついているものと推察する。ヤクザは怖い存在ではあるものの、古き良き日本の伝統を踏襲した、よい人たちの集まりだと思えた。印象的な箇所を記す。
「歌舞伎町で発砲事件が起きたとき、警察は遠巻きにそれを見ている。ほとぼりが冷めるまで待っていて中に入ることはない。アメリカのようにやれとは