鈴木智彦のレビュー一覧

  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    普通の人では発想しない切り口でとても興味深い。しかも、実際に著者自身が原発の作業員として潜入して、作業現場をリアルに著している。
    原発に限らず、また、今も昔も、人がやりたがらないものがシノギとしてのうまみがあるということだろう。
    「これは原発だけの話じゃない。…火力でも水力でも原子力でも、やり方としちゃ変わらない。民間の工場が建設される場合でもそうだ。規模のでかいみかじめ料ってヤツだ。」

    0
    2021年08月08日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    10年以上ヤクザを取材し続けてきた著者が語る。ヤクザの実態と未来について。

    取材対象とお近づきになるために、
    歌舞伎町のヤクザマンションに住むまでして、
    取材をつづけた著者が書いた本だけあって、
    情報の生々しさはさすがだった。

    流行りのコメンテーターがさらっと書き上げたような新書とは情報の密度が全く違う。


    過去、現在のエピソードを通じて、
    普通の人には実態がよく分からない
    ヤクザ・暴力団について、
    活動の輪郭、組織の性質が、
    おぼろげながら見えてきて、
    非常に面白い。

    昔は羽振りのよかったヤクザも、
    暴力団排除の条例で
    今は日本での活動はかなり厳しいようだ。
    (著者はヤクザは今や斜陽

    0
    2015年08月12日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

     筆者は週刊実話などでヤクザ記事を執筆しているヤクザ専門ジャーナリストである。本書は、この特殊な分野を専門としている筆者の仕事の裏側を記したもので、ヤクザとのつきあいとか、ヤクザに対する筆者の考えとか、を読みやすく書いている。
     マスコミ報道では分からない裏の世界の一部が見えてきておもしろい。怖いもの見たさの興味だが、筆者はごくふつうの一般人の視線を持っており、眉をひそめるような記述はない。
     法律のよる引き締めでヤクザも減少方向で筆者の仕事も減っているそうだ。博打や任侠など日本文化のあだ花であるかもしれないヤクザは、昭和の映画でしか見られない時代も近いようだ。

    0
    2014年03月21日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    ○ルポライターの鈴木智彦氏の著作。
    ○暴力団関係のルポを得意とする著者による、福島第一原子力発電所事故処理に関わる暴力団組織の役割について、自ら潜入調査をすることでルポにまとめたもの。
    ○徹底した取材で、原発に関わる人々の裏も表詳細に描いている。
    ○時系列で記載されているため、潜入前の下りなど、やや冗長な部分も多いが、原発を取り巻く状況について知るには大変面白い。

    0
    2014年03月18日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    日頃なかなか知ることのない、暴力団構成員の日常的なところをかいま見るには面白い一冊。興味がない人にはどうでもいいものでしょうけど。
    昔、ゴルフ場でキャディをやっていた叔母の話にもあったけど、大物のヤクザほど偉ぶらないとかそういう傾向ってやっぱり本当みたいですね。
    著者は取材対象としてはちょっと近づきすぎてしまっているのではないかと思うが…写真見たら間違いなくそのスジの人だし。

    0
    2014年01月09日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    ヤクザジャーナリストによる暴力団の裏表を書いたノンフィクション。

    面白かった~。
    この著者は、本当にヤクザが好きなんだな~。
    読んでて、私までが洗脳されてしまったのか「ヤクザって只者じゃね~。かっこい~」と思ってしまった。
    怖いけど、義理人情礼儀はかたく、幹部になるとそりゃも~すごい。

    何年か前に、暴力団絡みが理由で突然引退した芸能人がいたけど、実は暴力団なくして政治や芸能、地元の商いは成り立たない。のかと考えさせられる。
    どうやって、上手く共存していくかで、その後の安泰に響くんだよね~。

    暴力団たちは「自分たちは『暴力団』ではなく『任侠団体』だ」と言ってたけど、読んでて「そうだよな~」

    0
    2013年12月28日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■原発は大型の公共事業であり、その仕事配分や、利権の分捕り合いにヤクザがからむという話が印象的。

    ■FUKUSHIMA50
    著者を案内した佐藤(仮名)はFUKUSHIMA50の一人で3号機の水素爆発後志願してF1(福島第一)入りしている。佐藤のインタビューを見る限り、使命感やヒロイズム、現実感の無さなども感じる。彼の会社のボスは死んでも良い人間を用意してくれと言われ派遣をためらっていたが、佐藤の携帯に東電関係者から直接現場作業の要請があり、
    「うちらが行きますよ。誰も行かないのはまずいでしょ」と受けた。ここで逃げ出さずに受ければ東電は恩義を感じるはずだと言う計算もあったと言う

    0
    2013年04月12日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    原発事故に関して、もっとも現場に近いところから書かれているルポ。この本を読まずに原子力について語ることはできない。

    0
    2012年10月21日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    暴力団専門ジャーナリストの著者が、原発作業員として事故後の福島第一復旧作業に潜入したルポ。
    あくまでも作業員目線でのルポだけに、それは違うだろうとツッコみたくなる箇所もチラホラ。現場にいるからこそわかることもあれば、現場にいるからこそわからないこともあるのだろう。
    なんにしてもフクイチ内部の状況を伝えた数少ないルポとして貴重。

    0
    2012年09月07日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    徹底的に入り込んだ取材で書かれているからこそ、
    リアリティがすごいです。
    息遣いまで聞こえてくるような。

    僕は、様々な人が人生を賭けて得てきた経験を一気に読み
    いろんなジャンルの世界を知ることができるのが
    読書の大きな楽しみであり、凄さだと思います。
    この本は改めて本の凄さを感じさせてくれる本でした。

    0
    2012年08月19日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自己造血幹細胞の保存を呼びかけた谷口プロジェクトの被験者になったこと、放射線医学総合研究所の呼びかけが気になったこと、実際の1Fでの作業のこと、米仏の装置の実態。
    高汚染地域(1Fとその周辺)から人や物の動きとともに拡散する放射性元素、地域で働き暮らす人たちの今後のこと。気になることはたくさんある。著者が身をもって体験したことは外の誰にもできないことで、その体験は意味あるものだと思う。

    0
    2012年04月24日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    潜入記というだけあって、筆者が体験したことと筆者が直接話を聞いたことしか書いていない。その視点の限定のされ方が新鮮。いったん当事者となった人の書くものならでは。
    筆者の興味は事故後だけではなく、事故前は福島第一原発や原発そのものがどういう位置づけだったのかについても及んでいて、少しだけ裏側が覗けた気がした。

    0
    2012年03月24日
  • ヤクザと原発 福島第一潜入記

    Posted by ブクログ

    どこかの書評を見て読んでみた。ヤクザ取材の専門家が、原発とヤクザの繋がりを確認するためにも、原発で働く体験記。メディアで言われていることとの相違も多く、おもしろい。現場は、思っていた以上に過酷な環境で、思っていた以上にいい加減。原発での体験もおもしろいが、ヤクザを取材対象としてつき合っている作者の言動、行動もおもしろい。

    0
    2012年01月24日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    ヤクザってどんな人々か、そんな疑問すら持たないまま、恐れているのであれば、一読すべきだと思います。
    十年超深い付き合いをしてきた著者の言葉は、そこに日本の縮図を感じさせる表現があります。

    0
    2011年08月13日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    ヤクザの話というより、ヤクザ・ジャーナリスト入門的な本。ヤクザ専門のジャーナリストがいるというのもちょっと驚きだったけども、実話系雑誌が実はヤクザ業界紙だとは知らなかったよ。ヤクザの懐に飛び込みながら、ジャーナリストとしての距離感を保つ難しさ。メンツを何より尊ぶ文化の連中を相手することの厄介さ。それでもヤクザへの取材に拘る著者の執念には恐れ入る。ヤクザをことさら肯定するわけでもないが、そのアンダーグランド化に危惧を頂く著者の主張は説得力があり、願わくは、一般の新聞・雑誌でも著者の論説が読めるようになって欲しいなぁ、と思う。なんで、週刊誌しかヤクザについて報道しないんだよ。

    0
    2011年06月18日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

    ヤクザの実態が生々しく書かれているだでけでなく、ルポライターの実態も浮かび上がってくるところが面白い。

    0
    2011年07月03日
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場

    Posted by ブクログ

     今まで読んだことのないジャンルの本だ。ヤクザという存在をリアルに感じられる。自由なイメージのあるヤクザだけど、実はかなりの組織人で、組織に行動を制約されている。ヤクザも楽じゃない。読み終わって、「ヤクザは必要悪か否か」を考えた。分からなかった。

    0
    2011年04月13日
  • 教養としてのヤクザ(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても面白く読ませてもらった。タピオカがヤクザのシノギだということは初耳。原発の話はとても興味深い。

    0
    2025年12月04日
  • ヤクザときどきピアノ

    Posted by ブクログ

    わたしも大人になって音楽教室でサックスを習い始めたので、共感できるところがあるかなと思い読んでみました。

    楽器が違うからかそこまで共感ポイントは多くなかったけど、練習しないと上手くならない、は共感しかなかったです。
    ピアノの音を「蜂蜜色の音」と表現した方がいるというエピソードが素敵で印象的でした。

    0
    2025年10月26日
  • 教養としてのヤクザ(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    幼少期からヤクザに関しては「悪」「世の中の厄介者」としてしか受け取っていなかった。

    20代以降、チラホラと、そんなヤクザにも必要悪的なポジションがあったと目に、耳にすることはあったが、そうした意見も発言は憚れるような風潮があるためか、どこかフィクションのように感じていた。

    入念な取材をもとにしているというマンガ『闇金ウシジマくん』を読んで大分意識が変わってきたが、本書で私の対ヤクザ意識としてはある程度の結実を得た気がする。

    暴力性が取り柄という特性を持つ連中、一人減の、生き延びていく上での一つのスタイルがヤクザであって、その捉え方の変化の方がむしろ劇的で、現在のヤクザ観を形作っているのだ

    0
    2025年09月15日