中田永一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少し前にブク友さん達が次々にレビューをあげていて、読みたかった一冊。
著者の本は「くちびるに歌を」「吉祥寺の朝日奈くん」に続き3冊目ですが、これが一番好き!!
4つの短編が収録されていて、どれも自己肯定感の低いタイプの高校生が主人公。
自分のことを“人間レベル2”と自虐したり、教室の中で存在を消したり…
そんな彼らの甘酸っぱい恋愛体験は、切なくてちょっと苦しいのです。
まず、表題作「百瀬、こっちを向いて。」
の最後の一文に、ズキューンと胸を撃ち抜かれました。
うわぁ~、なにこれ?
最高なんだけど!?
そして、4編どれも終わり方が良い。
読者がその先を想像してしまう。
余韻を楽しむ時間がま -
匿名
ネタバレ 購入済みドキドキする
悪役転生に定番のシナリオが生かされており、全体的に読みやすいです。ストーリーの先や結末がわかっている立場だからこそ、たとえ自分が悪役に転生してでも主人公を救いたいという、この熱い気持ちが伝わってきます。ハルはアクトの手によってきちんと救われるのか、ハラハラドキドキしながら最後まで読むことになりそうです。
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Posted by ブクログ
中田永一作品お初です。乙一を十代のころに読んだ衝撃から幾分か時間が経ってしまいましたが、乙一のダーク作品を想起しながらびくびく読み進めました。そしたら何とカジュアルでおかしみのある作風ですこと。この人の多面性が結局恐ろしい。
お気に入りは「三角形はこわさないでおく」と表題作の「吉祥寺の朝日奈くん」。どちらも甘酸っぱいし、心情の機微をくすぐったく刺激してくれる得も言われぬ快感。三角形はラストで題名の意味が、その爽やかで壊れそうな関係性をどかんと脳裏に突きつけてくれる。吉祥寺はもうストーリーも秀逸なことはもちろんミステリーとしても一級品。一度に二度おいしいコスパ最高の作品ですね(ちょっと表現が軽 -
購入済み
しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
Posted by ブクログ
何だか少し前に読んだ『フーガはユーガ』と重なるところがあるんだけど、本作では11歳/31歳の主人公同士の精神が入れ替わる、一般的に言うところのタイムスリップ(タイムワープ)を扱っている。
個人的にタイムスリップ作品は大好きなのと、中田永一名義なので当然切なさ要素も入ってくるはず、というわけで期待して読み始めた。
本作ではタイムスリップでは必ず発生する諸問題、例えば「過去に戻って歴史を変えたら今の自分はどうなるの?」あたりはあまり深く突っ込まれることはない。そういったSF事象の理屈付けに終始するような展開ではなく、とりあえずタイムスリップすることを前提条件に据えて、謎解きミステリの要素を前面に -
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!!
長編もよいけれど、まさかのオチがたくさん読めるので短編もうれしい。
本当、スクールカースト下位の少年少女が主人公で、環境にも恵まれていないのに爽やかに描き切るのが凄い。。
個人的にはタイトルにもなった作品が一番ヤラレタ!!という感じ。
少年ジャンパー
→瞬間移動の能力を身に着けているのに欲がない。。。と思いながら読んでいたので主人公の選択に拍手。
先輩も、先輩の彼氏もいい人で良かった。。
方言がかわいい。
私は存在が空気
→スッカリ騙されて、主人公の行動にドン引きしてしまったが。。
ラストもそっちか、という少しの驚き。
勇気を出して行動した彼女に拍手喝采。
先輩の動機は -
Posted by ブクログ
大分前に購入「積ん読」状態だったのをなぜか読みました。
正直楽しかったです。
作家さん達の代表作のスピンオフというか表題通り「サイドストーリー」。読んだことの無い作品もありましたが、丁寧に作者の横顔やメインのストーリーも書いてあるというサービス付。すべて「煙草」や「一服ひろば」に関連して書いてありますが、上手くからめてあるお話もあれば、やや無くてもいいんじゃない?的なお話も。
冲方丁の「天地明察」は読んでみたいと思っていた本だったので、ますます読みたくなりました。
貴志佑介の「鍵のかかった部屋」からのお話はドラマで見ていた佐藤浩市の芹沢がメインになったのには驚きましたが、まんまでしたね。
限ら -