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《この世界で、たしかに生きていると信じたい――》そこらへんに落ちている石ころのように人畜無害で、存在感のない人間、鈴木伊織。彼女がこんな存在に成長したのは、生きるためだった。鈴木伊織のことを認識できるのは、友人の春日部さやか、ひとりだけ。そんな不思議な力を持つ彼女は、春日部の話をきっかけに、上条先輩のことを知る。かっこいい先輩は、バスケ部で主力選手として大活躍。気になった鈴木伊織は“体質”を活かして、こっそり彼のストーキングを始めたが……(「私は存在が空気」より)普通じゃない私を、受け入れてくれるのは誰? どこかおかしくて、ちょっぴり切ない【超能力者×恋物語】。
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Posted by ブクログ
キュン♡の魔術師中田さん!
本作は、どこかおかしくて、ちょっぴり切ない超能力者×恋物語♡
『少年ジャンパー』
ひきこもり初心者レベルの大塚くんの超能力はジャンプ
移動先を思い浮かべて飛び跳ねる
トン!
そこへ瞬間移動!
このジャンプを使って瀬名先輩を助けたことからキュンが始まっていく♡
二人の関係はやっぱり…
この結果で良かったと思う♪
『私は存在が空気』
超能力は存在感を消すこと!?
ふつうの人の存在感がレベル100だとすると…
鈴木伊織はフラットな状態でいるときはせいぜいレベル5くらい
(同じ部屋にいたとしてもこちらから声をかけないかぎり、気づかないレベル)
注意深く存在感を消せば、レベル0にすることもできる
(存在が完全に空気のレベル)
この存在感ゼロを利用して、憧れのキュン先輩の犯罪を暴く!
『恋する交差点』
トンネル効果
それはしっかりとにぎりしめていたはずの恋人の手が、ふと気づくと見知らぬ人の手をつかんでいる…
トンネル効果に打ち勝つことができれば恋人との愛は深まる!キュン♡
『スモールライト・アドベンチャー』
体がちいさくなっちゃった…
気になる女の子のスカートの中をのぞきに行こう!
と思いきや、女の子のピンチを助けることに…
『ファイアスターター湯川さん』
火を発火させる超能力
六花荘201号室にやって来た湯川さんは「パイロキネシス」の持ち主
中田さんが描くアキュション♡
じゃないw、アクション小説!?
『サイキック人生』
透明な腕を持っていて、遠くの物体をさわって動かすことができる超能力
それをテレキネシスとかサイコキネシスという
この超能力をイタズラで使うと大変な目に合うが、正しい使い方をすれば人助けになる心がホッコリ、キュンっと温かくなる♪
あなたはどの超能力を使ってキュン♡したいですか?
やっぱり、ジャンプかな〜♪
Posted by ブクログ
浅野いにおさんのカバーイラストが素敵。
素朴な女の子が好きだ。
本作は雑誌掲載の作品等をまとめた短編集で、書き下ろしはない。
「少年ジャンパー」
瞬間移動できるようになった少年のお話。
この短編集の中で一番良い。
中田永一っぽい。
夜中にこそこそとあんなことができるのは、若いうちの、本当に好きな相手のためじゃないとできないだろうと思う。
「今はこれさえ愛しく感じるのだ。」なんて大人な事を言ってみたい。
胸の苦しさと爽やかさのどちらも味わわせてくれる。
「私は存在が空気」
自分の存在感を操作できるようになった女の子の話。
恋する先輩が婦女暴行犯?と思いきや……。
「恋する交差点」
ショートショート。
恋人と手をつないでスクランブル交差点を渡ると、なぜか途中で違う人の手を握ってしまっているという女性のお話。
内容は薄いが、嫌いではない。
「スモールライト・アドベンチャー」
ドラえもんのひみつ道具「スモールライト」から着想を得たという作品。
かなり児童文学っぽい。
「ファイアスターター湯川さん」
木造アパートに住む発火能力者、という設定だけでもう勝ったようなもの。
ただ、ほのぼの日常系かと思ったら、思わぬ方向にいってしまった。
「サイキック人生」
不可視の手を使って物を動かすことができる≒サイコキネシスの能力を持った女の子の話。
話の展開から幕の閉じ方まで、一番乙一らしくない。
「少年ジャンパー」のおかげで☆4
Posted by ブクログ
様々な特殊能力を持った人たちの
おかしな日常と
悲しみや孤独、痛みや恋を描いた短編集。
それぞれの話の簡単なあらすじを言うと
一瞬にして空間を飛び越える能力「ジャンプ」を身に付けた
引きこもりの男子校生の恋の結末と成長を描いた
『少年ジャンパー』、
漫画「ドラえもん」に登場するひみつ道具「石ころぼうし」をかぶったかのように、
存在感を自由に消すことのできる少女の初恋の相手とは…
『私は存在が空気』、
愛する彼氏とスクランブル交差点を渡ろうとすると、
なぜか必ず人混みにもみくちゃにされ、違う人の手を握りしめているどんくさい彼女。
そんな二人が自らの未来を賭け、
東京最大のスクランブル交差点、渋谷の人混みに挑む!(笑)
『恋する交差点』、
物体を縮小させるスモールライトによって小さな体になった少年は、
誘拐されたクラスメートの女子を救うため、
愛犬ペスに乗り冒険の旅に出るが…
『スモールライト・アドベンチャー』、
パイロキネシス(火を発生させる超能力)を持つロシア人のクォーターの女性と
ボロアパートの雇われ管理人である青年との奇妙な触れ合いを
ほのぼのと、時にハードボイルドに描いた
『ファイアスターター湯川さん』、
他人には見えない透明な腕で、
遠くの物体を触って動かすことができる特殊能力(テレキネシス)を持つ少女は、
妹を交通事故で亡くした少年とコックリさんを通じて知り合う…
『サイキック人生』
などバラエティ豊かな計6編を収録しています。
個人的には
中田永一の本領発揮とも言える、
オープニングを飾る『少年ジャンパー』のなんとも言えない切なさ加減と、
『ファイアスターター湯川さん』の
映像が浮かび上がる文章と
(宮部みゆきの某作品とも設定はダブるけど笑)
詩的とも言える、
ほのぼのとして
どこか冷たい空気感(北国の話だけに笑)がとにかく、ツボだった。
しかし、中田永一は
思春期特有の危うさや脆さを描くのが本当に上手い。
全編を彩る切ない詩情と甘酸っぱい郷愁が胸を打つし、
この作品では、特に、
乙一名義の作品にも常に根底に流れている
『逸脱した者』や『アウトサイダー』の哀しみを描いていて、
無条件に惹かれてしまう。
(冴えない者や異形の者や落ちこぼれたちを好んで描く映画監督ティム・バートンと中田永一および乙一は同じ匂いがする)
周りの環境や体制や暗黙のルールに馴染めず、
どこにいても自分は黒い羊だと感じていた思春期の僕。
だからこそ、乙一や中田永一の描く
はみ出し者たちの悲しみや痛みに胸を貫かれるのだろう。
そして、彼の書く物語の主人公たちは、
引きこもりや
なんの取り柄もないと思い込んでる、
いわば、弱い人たちなのだけど、
彼ら(彼女らは)簡単に諦めたりはしないのだ。
弱ければ弱いなりに、
1ミリでもいいから
ままならない人生というものに抵抗してやろうという姿勢で、
それぞれがそれぞれの見えない敵と戦っていく。
この、なにくそという気概、
いわば不器用な『ドン・キホーテの精神』に
僕の心はいつも撃たれてしまうのだ。
そんなの、ただのラノベ風味の物語じゃないかと言うのは簡単だ。
けれど、誰かが作った物語や表現を
確かに必要とする人たちがいる。
そしてたったひとつのラノベに助けられたり、
ただのフィクションの物語が
読む人を照らす光になり得ることを
誰が否定できるだろう。
逸脱した者たちを描いたこの物語が、
同じ悲しみに暮れる誰かの心を照らしますように。
黒い羊に寄り添う三日月の存在でありますように。
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小説・文芸
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